異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja

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第3章 勢力増強

第84話 緊急会議

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 「やったか!? あ、ダメだ。レベル上がっちゃった」

 「やってしまいましたね」

 「レベル?」

 ゴドウィンが死んだっぽい。
 レベルが結構上がったもん。
 カタリーナもアンジーも。
 急いでフラグを建設したのに、手遅れだったみたいだ。

 俺の目の前には前のめりに倒れているゴドウィン。つんつんとしてみてもピクリとも動かない。

 「やらかした~」

 俺は思わずその場で膝をついて項垂れる。
 これはやばいだろ。帝国本気になっちゃうじゃんかよ。どうすんべ、マジで。

 適当に考えた策でも上手くいくぜわっしょいとか、考えてたのが良くなかったんだろうか。
 殺すのはマジでやりすぎだよなぁ。

 「どうしよっか」

 「とりあえずこの場を離れましょう。他の魔物を処理している騎士が気付く前に離れませんと」

 「ごめんなさいねぇ。これは流石に予想外だわ」

 本当でござるかぁ?
 超直感でなんか上手い事ゴドウィンがよろけるようにしたとかしてない?
 あんな都合良く目の前に心臓の場所がくるなんてさぁ。

 頭の中で自分がやらかした事をアンジーのせいにしつつ、カタリーナに言われたようにその場を離れる。一応死体はアイテムボックスの中に回収した。
 これで魔物が食べたとでも思ってくれないかなぁと淡い期待を抱きつつ。
 全部倒されてるのにそれは流石に無理かね。


 「ごほん。緊急会議です」

 あの後、急いで縄張りに帰ってきて主要人物を集めて屋敷で緊急会議を開いた。
 議題はもちろん、ゴドウィン殺しちゃったどうしようである。
 レーヴァンからは、アンジーとマーヴィンが参加してくれている。もう今はクトゥルフの人員だけどね。

 本当はここからジェシカを脅しに行く予定だったんだ。ゴドウィンを瀕死にさせてマウントを取りつつ、脅して無理矢理契約させる。ついでに嫡男とも契約して、ペテス辺境伯領を牛耳る。

 でもでもゴドウィン殺しちゃったから。
 今から脅しに行って契約する事は可能だろう。
 それでも騎士団長が死んだんだ。今は行方不明扱いになってるかもしれないが。
 国からの調査は絶対入るだろうし、間違いなくスラムも調べられる。

 騎士団長がやられたとなると、帝国は馬鹿みたいな質と数の人員を投入するのが目に見えている。
 そしてそれに俺達が対抗出来るかというと、かなり厳しい。
 質はなんとかなっても量はどうしようもない。

 「逃げるしかありませんね」

 「そうするかぁ」

 それが一番手っ取り早いよね。
 問題は山積みだけどさ。

 「お姉さん達は何か意見ある?」

 「そうねぇ。逃げるにしたってどこに行くのって話だし…。それに移動手段の事もあるわよね」

 まずはそこだよな。
 でもどこに行くのってのは決めてるんだ。

 「魔物の領域に逃げ込もうかなって」

 「深層にってこと? それは自殺行為じゃないかしら? いえ、戦闘レベルが一定に達してる人間は辿り着けるだろうけど、それ以外の人間はどうするのよ。まさか見捨てるつもり?」

 「見捨てる訳ないじゃん。どれだけコストを注ぎ込んだと思ってるんだ」

 それに俺が裏社会でのし上がろうと思ったのは、スラムのキッズの為だ。
 俺の欲望が入ってるのもあるけど、せめて子供ぐらいは不自由なく暮らしてほしい。
 そう思ったから、世界を裏から支配しようと思った訳よ。それなのに、見捨てるとかはやっちゃダメでしょ。

 「深層のさ。ちょっと奥まった所に滅茶苦茶でかい岩山があるんだよね。あそこを改造して俺達の秘密拠点にしようかなと」

 「ああ。あそこですか」

 カタリーナがなるほどとばかりに頷く。
 元々、誰にも邪魔されない秘密拠点は何処かに用意しようと思ってたんだ。
 これから魔道具とか開発するのに、誰にもバレてない場所ってのは必要になると思ってたし。

 で、その深層の岩山は候補地だった。
 恐竜をそれなりの数倒さないと行けない場所だし、その付近の恐竜達を始末して、認識阻害の魔道具を置いておけば、魔物にはバレない。
 近くの魔物は契約して、番人として置いておいてもいい。

 「行ける人が限られてるじゃない」

 「そこは俺の転移だよね。行ける人は自分で行ってもらって、子供達や非戦闘員は俺が連れて行くよ。かなり酔うだろうけど」

 「転移?」

 あ、そういえば俺の恩恵やらを後で説明するって言って後回しにしてたな。
 今度こそ後で説明しよう。今は時間が勝負なのである。

 「せっかく縄張りをここまで発展させたのに勿体ないよなぁ」

 「一応今回の騒動はレーヴァンに罪を擦り付けています。クトゥルフはここに居ても大丈夫な可能性がありますが?」

 カタリーナの言葉にアンジーとマーヴィンが何とも言えない顔をする。
 まぁ、その可能性はあるんだけどさ。
 この領地、絶対これから荒れるでしょ。それに国からの監査が入るのは確実だし。
 ここは勿体無いけど、損切りしようかなと。

 どうせ今の戦力なら別の国に行ってもやっていける。
 それならここは心機一転、他国でやり直して成り上がろうかと。
 一旦帝国からは逃げる。力を蓄えてからリベンジだ。いや、別に今回負けた訳じゃないけど。
 結果的に騎士団長を殺したし、これ以上ない勝ちなんだけど。
 でも逃げるんだから、結果的には負けか。
 この屈辱はいつか国落としでもして返してやる。

 「国を相手にするのはまだ早いよ」

 「そうねぇ。今の質で人員がせめて10倍以上は居ないと話にならないわぁ」

 国を相手にするには暴力だけじゃ足りない。
 圧倒的暴力があれば話は違うけど。
 ゴドウィンですら、策を練れば殺せる訳だし。
 偶々だけど。偶然なんだけど。
 もっともっと全方面を強化しないとな。
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