竜公子の花嫁

arisawa

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プロローグ

遥か昔の話ですが。

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 遥か昔、辺境の地の、更に奥地の山奥の洞窟に2頭のドラゴンが棲みついていた。
 白竜と赤竜のその2頭は、白竜は水属性、赤竜は炎属性の魔法を使うもので、その威力はすさまじいものであった為、その地を治めていた数十代前の領主が血の誓約をもって、この地へ呼び寄せた竜たちだった。
 血の誓約により、2頭の竜と会えるのは、領主と血脈を同じくするもののみで、竜自らは不用意に人々の前に姿を見せることはなく、いたずらに人々を恐怖に落としいれるような攻撃を加えることもなかったため、お互いに緩衝することもなく共生していた。
 それは、領主の血脈がある限り続く誓約であり、白金の髪と紅い瞳が領主の血脈である証であった。
 辺境の地ということは、他国と領地を接する場所でもあるということであり、とくに、この地は三方を他国と接する場所にあったため小競り合いはしょっちゅうであったが、双竜の加護があったため、他国の侵略を許すことはなかったし、他国へと侵略することもなく、領主一族は自領の民が苦しむことがないようにすることだけに努めながら過ごしていた。

 そうして、数百年が経過した頃、その情勢が一気に変化する。

 三代前の領主であった、アスランは領地管理以上に武勇でその手腕を発揮したせいで、逆に他国を次々と攻略し、一大公国を築き上げる事となったのだった。

 こうして、できたのが、ルーベンス公国であり、血の誓約によって、その守護神というべき双竜は今も静かに山奥の洞窟に棲んでいた。
 彼らを統べるのは、血統を受け継ぐもの――
 そうして、誰ともなく、世継ぎの君をこう呼ぶようになっていた――竜公子と。
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