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【101話】 リリアは少し勇者
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フライング・シャークを2匹退治して、コドモ・ドラゴンから撒かれた荷物と資金を回収したリリアは王宮の謁見の間で国王と面会をした。
お礼を言われ、報酬をいただいた。
「給料は出ないけど報酬は出るのね… それとも給料が無いから報酬なのかな?」
リリアは疑問だがどちらでも良い、期待していなかっただけにありがたい。
4泊5日、サメ二匹、道中の魔物掃除、回収作業で500G貰った。
危険を伴う1日の日中作業の相場が30Gから80G程度だから町で受ける仕事より割りが良い。
「シャークを6匹も退治するとは、我が国の勇者は頼もしい」と厳かに国王は言う。
「…… 6匹?」
シャークは往復で何とか各1匹ずつ倒して、その死体を囮にすり抜けて帰って来た。聞き間違いか?リリアが聞き返そうと思ったら監査人が咳払いしている。
「…… あぁ… 今回は初回サービスさせていただきました」
リリアは愛想笑いをしながら答える。6匹分だとしたら報酬安くないか?…
勇者管理室長にも報告に行く。
室長は相変わらずヒステリックウーマンを絵に描いた様な人だ。
「リリア殿、成果は出しておられるようですが、監査殿の報告書によれば、まだまだ勇者としての技量と自覚に足りていないと書かれています。最近歴代の勇者と比べれば… 若くして勇者となられたリリア殿においては… もう少し自覚して…… 胸が大きいからと言って… 報告書によれば…」
話しが長い…
どうやら、監査人の監督の下サメをようやく倒した事になっているようだ。
へばって馬車で休んでいたくせに、どんな報告書になってやがる!
こっちは無意味なルールばっかり押し付けられて大変だったんだぞ!
まぁ、とにかく「またそのうち依頼があるので呼ばれたら来るように」と言われルーダ・コートに戻って来た。ちなみにローゼンさんは不在だった。
ルーダ・コートに戻ってリリアは大忙し。
だれかを仕事に連れて行きたくても身元調査を済ませないと国からのクエストには仲間として参加できないそうなので、ルーダの風メンバーとペコ、アリス、自らパウロ・コートまで足を運んでオフェリアに許可を得て書類を国に提出。
みんな嫌がるのを「そんな事言わず、お願い」とリリアがお願いして回った。
リリアは屋台の並ぶ商業区のテラスで情報紙を読みながらティータイム。
ニヤニヤしながら情報紙を読んでいる。ニヤニヤが止まらない。
サメ退治の時に同行したピエンが勇者リリアの活動を記事にしたのだ。
当然ピエンが書く記事なのでリリア寄り。
「まぁ、当然よね、この前だってあたしが夕食ご馳走したものねぇ」
ルーダリア城下街を離れる前日はピエンとディルと三人で食事して、リリアがおごったのだ。良い記事を書いてもらう当然の権利がある!
考えてみれば、勇者とは言え国から給料を出してもらっていない平民リリアが、給料をもらっている貴族のディルに毎回ご馳走するのはアンフェアな気がする。
「よく考えたらおかしいよねぇ、今度はディルにビーフポッドご馳走してもらおう」リリアはニヤニヤしながら呟く。
情報紙は3ページにわたり、リリアの挿絵と活動記事が紹介されている。
“特集!勇者リリア、国の初仕事”
大きな見出しに続き
“勇者、ジャイアントキリング!”・“精密射撃”・“勇者リリアの素顔”
それっぽいタイトルが並ぶ。内容もドラマチックに仕上がっている。ピエンの挿絵は相変わらずヴァルキリー補正が入っていていまいち誰か分からないけどそれも許せる。
リリアはキョロキョロ見回す。
“他にリリアの記事を読んでる人はいないのかな?”
見回すが皆、話したり、居眠りしていたり思い思いの事をしている。ちょっと離れたところで紙面を広げているテーブルがあるが、闘技場のオッズ紙だ・
“何よ、せっかくこれだけリリアちゃんの特集しているのに…”
「わぁ、新しい女性勇者って活躍しているのねぇ!国の仕事して、王様の信頼厚いのねぇ!」
仕方が無いのでちょっと恥ずかしいが、大声で独り言言いながら紙面を覗き込む。せっかくだから皆に記事を読んでもらいたい!リリアだって役に立ってるのよ!
「これはやっぱりおまえの仕業か」
突然声をかけられた。驚いて顔をあげるとギルド・ウィザーズのメンバー、ケント、パリッシュ、コーネリアが立っている。
「あは… ちょっと記事が… 独り言をね… えへへ」すげぇ恥ずかしい。
「勇者、勇者って戯言かと思ってたけど、やっぱおまえ本当に勇者なんだな」
「その情報紙読んだぞ、リリアの仕業か」
「ちゃんと仕事してたのね」
自分のドリンクを注文し笑いながらリリアのテーブルに座る三人。
「皆さんで揃って仕事帰り?」リリアが三人に聞く。ウィザーズのメンバーは魔法専門だ、需要が高いだろう。
世の中には誰が勇者で何をしているのかどうでも良い事。ただ大して役に立っていないということで、目の前に勇者が現れると税金泥棒かと言った反応も少なくない。
ルーダ・コートの冒険者ギルドの間では、勇者とリリアの顔がマッチしつつある。
まぁ「あぁそういやぁ、おまえ公認勇者だったな」程度なのだが。
公認勇者の仕事は珍しく話題になる、笑いにもなる。
「よくそんな連中と一緒に退治に出るな」
三人ともリリアの話しを聞き終わって笑う。
「仕事だからね… まぁ、報酬も出たし」リリアが答える。
「報酬いいの?私やろうかな」
「勇者の仕事して金とるのか?」
「クエスト完了と報酬はセットだろ」
ひとしきり話題になる。
「あたし、そろそろ行くわ」話題が途切れたところでリリアが席を立つ。
「また勇者の仕事か?」三人に聞かれる。
「いつ呼ばれるか分かんないから、しばらく自分で仕事するよ」
リリアは挨拶して別れる。
「情報紙に載ってるけど今の勇者って頑張ってるのねぇ!」っと大きな独り言を言いながら情報紙を手に歩いて行く。
お礼を言われ、報酬をいただいた。
「給料は出ないけど報酬は出るのね… それとも給料が無いから報酬なのかな?」
リリアは疑問だがどちらでも良い、期待していなかっただけにありがたい。
4泊5日、サメ二匹、道中の魔物掃除、回収作業で500G貰った。
危険を伴う1日の日中作業の相場が30Gから80G程度だから町で受ける仕事より割りが良い。
「シャークを6匹も退治するとは、我が国の勇者は頼もしい」と厳かに国王は言う。
「…… 6匹?」
シャークは往復で何とか各1匹ずつ倒して、その死体を囮にすり抜けて帰って来た。聞き間違いか?リリアが聞き返そうと思ったら監査人が咳払いしている。
「…… あぁ… 今回は初回サービスさせていただきました」
リリアは愛想笑いをしながら答える。6匹分だとしたら報酬安くないか?…
勇者管理室長にも報告に行く。
室長は相変わらずヒステリックウーマンを絵に描いた様な人だ。
「リリア殿、成果は出しておられるようですが、監査殿の報告書によれば、まだまだ勇者としての技量と自覚に足りていないと書かれています。最近歴代の勇者と比べれば… 若くして勇者となられたリリア殿においては… もう少し自覚して…… 胸が大きいからと言って… 報告書によれば…」
話しが長い…
どうやら、監査人の監督の下サメをようやく倒した事になっているようだ。
へばって馬車で休んでいたくせに、どんな報告書になってやがる!
こっちは無意味なルールばっかり押し付けられて大変だったんだぞ!
まぁ、とにかく「またそのうち依頼があるので呼ばれたら来るように」と言われルーダ・コートに戻って来た。ちなみにローゼンさんは不在だった。
ルーダ・コートに戻ってリリアは大忙し。
だれかを仕事に連れて行きたくても身元調査を済ませないと国からのクエストには仲間として参加できないそうなので、ルーダの風メンバーとペコ、アリス、自らパウロ・コートまで足を運んでオフェリアに許可を得て書類を国に提出。
みんな嫌がるのを「そんな事言わず、お願い」とリリアがお願いして回った。
リリアは屋台の並ぶ商業区のテラスで情報紙を読みながらティータイム。
ニヤニヤしながら情報紙を読んでいる。ニヤニヤが止まらない。
サメ退治の時に同行したピエンが勇者リリアの活動を記事にしたのだ。
当然ピエンが書く記事なのでリリア寄り。
「まぁ、当然よね、この前だってあたしが夕食ご馳走したものねぇ」
ルーダリア城下街を離れる前日はピエンとディルと三人で食事して、リリアがおごったのだ。良い記事を書いてもらう当然の権利がある!
考えてみれば、勇者とは言え国から給料を出してもらっていない平民リリアが、給料をもらっている貴族のディルに毎回ご馳走するのはアンフェアな気がする。
「よく考えたらおかしいよねぇ、今度はディルにビーフポッドご馳走してもらおう」リリアはニヤニヤしながら呟く。
情報紙は3ページにわたり、リリアの挿絵と活動記事が紹介されている。
“特集!勇者リリア、国の初仕事”
大きな見出しに続き
“勇者、ジャイアントキリング!”・“精密射撃”・“勇者リリアの素顔”
それっぽいタイトルが並ぶ。内容もドラマチックに仕上がっている。ピエンの挿絵は相変わらずヴァルキリー補正が入っていていまいち誰か分からないけどそれも許せる。
リリアはキョロキョロ見回す。
“他にリリアの記事を読んでる人はいないのかな?”
見回すが皆、話したり、居眠りしていたり思い思いの事をしている。ちょっと離れたところで紙面を広げているテーブルがあるが、闘技場のオッズ紙だ・
“何よ、せっかくこれだけリリアちゃんの特集しているのに…”
「わぁ、新しい女性勇者って活躍しているのねぇ!国の仕事して、王様の信頼厚いのねぇ!」
仕方が無いのでちょっと恥ずかしいが、大声で独り言言いながら紙面を覗き込む。せっかくだから皆に記事を読んでもらいたい!リリアだって役に立ってるのよ!
「これはやっぱりおまえの仕業か」
突然声をかけられた。驚いて顔をあげるとギルド・ウィザーズのメンバー、ケント、パリッシュ、コーネリアが立っている。
「あは… ちょっと記事が… 独り言をね… えへへ」すげぇ恥ずかしい。
「勇者、勇者って戯言かと思ってたけど、やっぱおまえ本当に勇者なんだな」
「その情報紙読んだぞ、リリアの仕業か」
「ちゃんと仕事してたのね」
自分のドリンクを注文し笑いながらリリアのテーブルに座る三人。
「皆さんで揃って仕事帰り?」リリアが三人に聞く。ウィザーズのメンバーは魔法専門だ、需要が高いだろう。
世の中には誰が勇者で何をしているのかどうでも良い事。ただ大して役に立っていないということで、目の前に勇者が現れると税金泥棒かと言った反応も少なくない。
ルーダ・コートの冒険者ギルドの間では、勇者とリリアの顔がマッチしつつある。
まぁ「あぁそういやぁ、おまえ公認勇者だったな」程度なのだが。
公認勇者の仕事は珍しく話題になる、笑いにもなる。
「よくそんな連中と一緒に退治に出るな」
三人ともリリアの話しを聞き終わって笑う。
「仕事だからね… まぁ、報酬も出たし」リリアが答える。
「報酬いいの?私やろうかな」
「勇者の仕事して金とるのか?」
「クエスト完了と報酬はセットだろ」
ひとしきり話題になる。
「あたし、そろそろ行くわ」話題が途切れたところでリリアが席を立つ。
「また勇者の仕事か?」三人に聞かれる。
「いつ呼ばれるか分かんないから、しばらく自分で仕事するよ」
リリアは挨拶して別れる。
「情報紙に載ってるけど今の勇者って頑張ってるのねぇ!」っと大きな独り言を言いながら情報紙を手に歩いて行く。
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