潔癖淫魔と煩悩僧侶

犬噛 クロ

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第二話 ハッピー性奴隷ライフ

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 ――怖い……!

 ディオローナはとっさに腕を振りかぶった。が、理性を取り戻し、ぴたりと動きを止める。
 ズメウは人間の男性よりも力が強い。特に長たるディオローナの筋力は、男の数倍はある。いかにも弱々しいメグなど、一撃必死であろう。

「昨日、あなたは僕をめちゃくちゃにした。だから、今日は僕が、あなたを同じようにしてもいいですよね……?」
「まだお腹は、いっぱいなんだがなあ……。だが確かに、私は詫びなければいけない。ああいうことは、お互いの同意があってこそ、なすべきだった……」

 妙に真面目な顔をして、ディオローナはゴロンと横になった。

「分かった、好きにしろ。――だが、昨日は特別だったんだ。普段の私は、いわゆるマグロというやつだからな?」
「ええ!?」

 メグは瞳を輝かせ、嬉々としてディオローナに跨った。

「ドSかと思えば、純情とか! 娼婦の体に、処女のハート! うーん、ツボを突いてきますね!?」
「……………………」

 ――もうだめだ、こいつは。

 グライアとエウフロシュネは、とんでもない贄を捕まえてきた……。
 ディオローナが諦めの境地でおとなしくしていると、たどたどしく動く手が、彼女のナイトウェアのボタンを外し始めた。

「あっ、寝るときは、ブラはつけない派なんですね……」
「う、うるさいな」

 ワンピース型のウェアの前を開いたと思えば、メグはしばしランプの灯りに照らされる、ディオローナの均整の取れた肢体を鑑賞した。

「昨日は、服を脱いでくれなかったから……。ああ、すっごい綺麗……」

 声を震わせながら、メグはようやくディオローナの体に手を伸ばした。

「わー、肌が吸いつく……。すべすべだあ……」

 メグは余計な肉がついていないディオローナの腹を、ぺたぺたと手のひらで触り、擦った。

「触り方……!」
「だって……なんかもう、胸がいっぱいで……。――でも、やることはやりますけどね」

 思わず体を起こしたディオローナの胸に、メグはすりすりと頬ずりした。そしてその膨らみに口づけ、舌を這わす。

「くすぐったい……!」
「いい匂い。美味しい……」

 朦朧と熱に浮かされたような表情で、メグはディオローナの体中にキスの雨を降らせた。硬くしこった場所を見つければ、吸い上げ、舐め回す。

「んっ……」

 僧侶として鍛えたとかなんとかで、ズメウの魅了の力は、この男に効かないという。
 だとしたら今、彼が正気を失いつつあるのは、なぜなのか。

 ――純粋に、私に溺れているのか……?

 そう思うと、悪い気はせず。そしてそんな心持ちになっている自分が、ディオローナは信じられなかった。
 男が嫌いで、彼らから好意を寄せられることすら、恐怖でしかなかったのに。

「ディオローナさん、ディオローナさん……っ!」
「あ、や、そこは……っ!」

 昂ぶったメグはディオローナの股ぐらに顔を突っ込み、激しく舌を動かした。閉じようとする足を強引に開き、秘められた場所を暴く。

「やっ、いやっ……!」

 ディオローナは羞恥のあまり我を忘れて抵抗するが、メグは彼女の膝を抱え込むようにして、芳香を放ち、開き出した性器を舐め回した。

「あっ、あ……。美味しい、美味しい、です……。ディオローナさん……っ!」

 ディオローナは、かなり本気で抗ったのだが。

 ――こいつ、強い……!?

 メグはズメウの筋力をものともせず、自分のしたいように振る舞っている。
 恐らくこの男は、力を封じる技に長けているのだ。人が動けなくなる箇所を巧みに、しかも痛みを与えないよう押さえつけている。

「あっ、あ……!」

 そうこうしているうちに、メグはディオローナを一方的に追い詰めていく。陰核を舌で転がし、蜜が溢れ出た膣に、中指を咥えさせた。
 ざらざらした壁を撫でれば、器全体が複雑な収縮を繰り返す。昨日の、自分を受け入れてくれたときの感触を思い出し、メグの陰茎はますます硬く張り詰めていった。

「あっ、あっ……!」

 びくびくと全身を震わせ、ディオローナは達してしまう。
 ぐったり脱力すると、メグはようやく彼女から拘束を解いた。

「今の……なに……?」

 子供のような目で、ディオローナはメグに尋ねた。

「なにって、イッたんじゃ……?」
「イッた……? 女もイクの……?」
「え、あ……!? もしかして、初めてですか!?」

 自分の身になにが起こったのか、本当に分からないようだ。不思議そうにぼんやりしているディオローナに、たまらなくなったメグが抱きつく。

「も~~~~~! 可愛い! 可愛すぎるう!」
「あっ」

 メグはディオローナの足を開くと、中心に己を据えた。ぐっと力をこめて、押し入る。

「んんっ……」

 相変わらず苦しかったが、ディオローナに不快感はなかった。
 ――なぜだろう。
 奥まで入り込むと一旦止まり、息を整えて、メグは腰を動かし始めた。――彼が女と交わるのはまだ二回目のくせに、スムーズな運びである。

「気持ちいい……! ディオローナさん……っ!」

 メグのリズムに揺さぶられながら、ディオローナは主張の激しい雄の存在を感じていた。

 ――こんなに硬く、大きくなって……。

 愚かなような。――可愛いような。
 こんな感想を持つことは、一度たりともなかった。ただ早く終わればいいとしか、思ったことはないのに。

「ディオローナさん、好きっ、好きです! 僕の全部を、あなたにあげるから……っ! あなたの全部を、僕にください……っ!」

 絞り出すようにメグが叫んだあと、ディオローナに打たれた大きな楔が爆ぜた。

「ああ……」

 中心からじんわり熱が広がっていき、ディオローナはほうっと満足げに息を吐いた。
 力が満ちていく。やはりこの男の精液は、かなりの上物だ……。

「やっぱ早かった……。すみません」

 自身を引き抜き、メグはしょんぼりと項垂れている。

「別に……。私は出すものを出してもらえば、それでいい」

 ディオローナは服を直しながら言った。
 ――そう。もっとしていたかったと、ちらりと思ったことは、一時の気の迷いだ。

「用が済んだなら、帰りなさい」
「ええ~! それ、違いますよ~! セックスの一番の目的は、いちゃいちゃすることですもん!」

 メグはどっかりとベッドに横たわると、シーツの上の自分の隣を、催促するように叩いた。
 そんな彼を、ディオローナは呆れたように見下ろす。

「お前、愛してるとか……。僧侶のくせに、信用ならんな。昨日会ったばかりなのに、あまりにいい加減だ」
「……………………」

 メグは言い返すこともなく、ただ笑っている。
 仕方なくディオローナも、彼の横に寝転んだ。

「朝方は冷えるから……。ほら」

 ディオローナは布団をメグにかけてやった。

「はーい!」

 メグはディオローナを抱き寄せ、自分の胸に収めてしまった。目が合うと、素早くディオローナに口づける。

「えへっ。キスしちゃった!」
「ば、バカ……」

 もっとスゴイことをしていたのに、今が一番恥ずかしい。ディオローナの心臓は、激しく鳴った。
 眠れないかもしれないと思ったのに、だがメグの体温に温められて、徐々に睡魔に侵されていく。

 ――そういえば、父様や母様ではない誰かと眠るのは、生まれて初めてだ……。

 そんなことを思いながら、ディオローナは眠りに落ちた。

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