81 / 240
女達の想い
しおりを挟む
「お父様、皇太后陛下からの話、どう思います?」
ヘイドン侯爵家にて、ライリーが父に尋ねた。
「オリバンダーをか‥‥オリバンダーの策略が分からない以上無闇に近づくのは危険だが‥」
「けれど、オリバンダー侯爵が我々の側につけば、私達への疑いも減る事でしょう。罪はオリバンダー侯爵家へ向けてやればいいではありませんか‥」
ライリーは既に悪に染まった顔で言った。
なんとしても、この計画で、リリィベルを消したい。
その一心だった。
「‥‥議会でイシニスの事を言っていたから、きっとイシニスとも手を組んでいるんだろうし‥」
「イシニスと何があるのか探ってみては?」
「あぁ‥だが‥‥それにはジェイク・カドマン伯爵が国境を守っている‥‥。あの者はイシニスの件を知っているのか‥知らないのか‥」
「カドマン伯爵は、どんなお方なのですか?」
「カドマンは‥‥」
ジェイク・カドマン伯爵。
彼には妻と息子と娘がいる。絵に描いたような仲のいい家族だと聞いている。息子は20歳の皇室騎士団の騎士、第三騎士団所属。3つ歳下の婚約者がいる。子爵家の娘だ。そして、15歳の娘。年頃の娘だ。街でも名の上がる綺麗な娘だ。殿下の妃の座を狙っているかはわからない。
伯爵もあまり目立つ男ではないが、領地は豊かで、不正を働くような人には見えない。
そんな彼の目を掻い潜り、イシニス王国とオリバンダー侯爵家が取引をしていたら‥彼は見逃すだろうか?
カドマン伯爵の人柄を考えると、我々が下手に動いては、凶か吉か‥‥。
「ライリー、カドマン伯爵について少し探らなければ‥」
「それでは時間がかかるではありませんか!」
「イシニスと繋がりあるオリバンダーの件は、既に議会でも出ている。カドマン伯爵がその件について、もし何も知らなければ、下手に動くとこちらまで疑われる‥。こんな時こそ慎重に動かねば‥」
ライリーは唇を噛んだ。もどかしい思いで胸が詰まる。
けれど‥‥
「お父様が動けないのであれば‥私が、その伯爵の娘をお茶会に招待しましょう。娘と仲を深めて、腹を探りましょう。」
ライリーはニヤリと笑った。
社交界ならば、侯爵令嬢である自分が牛耳るも同然だった。公爵家に同じ年頃の娘はいない。
だからこその企てだ。
絶対、リリィベルを引き摺り下ろして‥
殿下から引き離してやる‥‥ただ、その一心で‥
「リリィ?大丈夫?」
昨日の今日で、妃教育は無しとした。リリィベルの部屋にやってきたのは、皇后マーガレット。
事の経緯を知り、とても心配していた。
「はいお義母様‥。ご心配をおかけして申し訳ございません‥。」
ソファーに並んで座り、皇后はリリィベルの手を握りしめた。
「あなたは悪くない‥。私の主催したパーティーで、まさか難癖を付けられるなんて‥。」
「お義母様、私は‥反省はしていますが‥後悔はしていないのです‥。身勝手でありましょう‥‥。
テオ様と過ごしたパーティーがとても・・・。私には幸せな時間でした。」
「あなた達の為のパーティーだもの‥‥。本来なら仲が良くていいことなのに‥‥。淑女の心得を出されては、反論にも困るわね‥。とても、大胆だったから。うふふっ」
「お義母様ぁ‥‥」
皇后は呑気に嬉しいに笑っていた。その言葉にリリィベルは恥ずかしそうに俯く。
そんな姿を見ても、皇后は嬉しそうだった。
「私はあなた達が仲が良くて嬉しいのよ?愛の前に決まりなんてないもの。触れたくなるし、口付けだってしたくなる。それに、テオはオリヴァー様に似て素敵でしょ?みんな憧れるのよ。2人の様な恋を‥‥。みんながそう思ってるわ?物語の王子様とお姫様みたいにね?そんなに気にしないで。
次は建国祭で、美しくて凛々しい2人の姿を見てもらいましょう?それだけで十分よ!」
明るい皇后の言葉に、リリィベルは少し笑みを浮かべた。
「お義母様にそう言われると、大丈夫な気がしてきます‥」
「そうよ?私達だって‥あ、聞いてるかしら?」
「お義母様と、テオ様が城下で暮らしていた事ですか?」
「えぇ、計画とはいえ、オリヴァー様は別の女性と結婚したから、テオは婚外子と言われ、私は愛人だったのか、と随分言われた‥けど、オリヴァー様はそんな噂を吹き飛ばすくらい盛大な結婚式を挙げてくれた‥。それだけで、みんながオリヴァー様の意志と私達への愛を示してくれたわ‥
あれは、忘れられないわね‥。空に虹がかかって‥
夜は星が降り注いだ‥‥ロスウェル達の力もあるけど‥
そばにオリヴァー様がいただけで、世界が輝いていたわ。
人がどう思ったかわからないけれど、私は幸せだった。
それに、祝福もされた。人の腹の底ばかり見ていても仕方ない。嫌がる人もいるし、
喜んでくれる人がいる。
私の幸せは、誰にも測れないでしょ?
あなたが、テオといる事をどれだけ大切に思って、愛しているのか、他の人には測れないの。
だからいいのよ!自分の幸せな気持ちをお裾分けしてあげたらいいじゃない?
あなたとテオが結ばれることで泣く人もいるかもしれない。でも、そんな事を気にしていては前に進めない。自分の人生よ?自分で決めた道へ進むの。もし思い通りにならなくても、後悔しないでしょ?」
「はい‥お義母様‥‥私はテオ様を愛しています。
他の誰にも負けないです。私は‥テオ様のそばに居たい‥
これだけは譲れないのです‥。私の選ぶ道には‥テオ様が居て欲しい‥‥。」
愛しげにはっきりと告げるリリィベルに、皇后はその肩を抱き寄せた。
「そう‥‥それでいいのよ。私はあなた達の味方よ。
テオが見つけてきたお嫁さんだもの。テオはずっと、あなたを待っていたのね。
女の子になんて目を向けた事すら無かったもの。大騒ぎにもなるわ。
それくらい、テオにとってあなたは特別なのよ。あなたもそう思っているでしょう?」
「はい。特別です‥‥なによりも‥‥」
指輪に触れれば、思いが溢れる。顔を思い浮かべるだけで、幸せになれる。触れるだけで胸が高鳴る‥
そばにいると、安心する‥。
そんな人に巡り会えた。
いいえ‥結ばれていた。神様の祝福‥‥。
「女は、男の胸で幸せを感じ、男は女を守るために強くなるのよ。
テオはこれからもっと、強くなるわ・・・。あなたの為に・・・・。」
「今でも充分お強いのに‥」
「心も身体もよ?最高じゃない?」
「ふふっ、はいお義母様。きっともっと好きになってしまいます」
クスクスとリリィベルは笑った。
その笑顔を見て皇后はほっとしたのだった。
ずっと、いつもの明るい笑顔が無かったけれど、
やっと笑ってくれた。
暗殺者まで向けられて、本当はどれほど不安だっただろう。
それでも、テオドールと一緒だからと、まるで、それで死んでも悔いはない様に、いつも言っていたのだ。
テオドールのそばにいたいと。
どんな時もテオドールがすべての様に‥。
妬みや僻みにも負けずに、自身の愛を全て捧げるリリィベルは、いつもテオドールだけが支えだった。
母として、こんなに嬉しい事はなかった。
自身の子が、絶え間ない愛で包まれている。
ひたむきに愛してくれる人がいる‥。
純粋な愛。
「お義母様?テオ様の小さい頃のお話、また聞きたいです。」
「えぇ、いいわよ?テオはね、とっても賢かったけど、
お金の計算をしだすと、何故か頭を少し縦に揺らすの!
どうして?って聞くと、
これが、ロックビートだと思うんです。って言ったの。
不思議で笑っちゃったわ。その姿もとても可愛くてね?
あとね?剣術を習い始めた時にね?
稽古場の端から端まで、裸足なって足を浮かせずに端まで進むのよ!
みんな出来るわけじゃないのよ?みんな不思議そうに見てたわ。しかも、剣先が少しもブレないの!
あれは天性の才能よ!今もすごいでしょ?
今は靴を履いて足を浮かせて走る様になったけれど、
本当に不思議だったの!可愛かったわー。
リリィにも見せてあげたかった!‥あっ今もできるのかしら‥
今度、稽古してる所、見に行きましょ?」
リリィベルはその話を黙って聞き入り、にこりと微笑んだ。
「是非見たいです!テオ様の戦う姿は本当に目を奪われるんです!
とても綺麗で‥素早くて‥‥本当に‥‥キラキラ‥‥
してて‥‥。」
リリィベルは、口にするうちに不思議な感覚に陥った。
まるでその小さなテオドールが頭に浮かぶ様だった。
テオドールの剣を振るその姿‥綺麗な立ち姿で
あのパーティの夜を見て、そう思っているのか‥
何故そんな気持ちになるのか・・・分からずに・・・・。
ヘイドン侯爵家にて、ライリーが父に尋ねた。
「オリバンダーをか‥‥オリバンダーの策略が分からない以上無闇に近づくのは危険だが‥」
「けれど、オリバンダー侯爵が我々の側につけば、私達への疑いも減る事でしょう。罪はオリバンダー侯爵家へ向けてやればいいではありませんか‥」
ライリーは既に悪に染まった顔で言った。
なんとしても、この計画で、リリィベルを消したい。
その一心だった。
「‥‥議会でイシニスの事を言っていたから、きっとイシニスとも手を組んでいるんだろうし‥」
「イシニスと何があるのか探ってみては?」
「あぁ‥だが‥‥それにはジェイク・カドマン伯爵が国境を守っている‥‥。あの者はイシニスの件を知っているのか‥知らないのか‥」
「カドマン伯爵は、どんなお方なのですか?」
「カドマンは‥‥」
ジェイク・カドマン伯爵。
彼には妻と息子と娘がいる。絵に描いたような仲のいい家族だと聞いている。息子は20歳の皇室騎士団の騎士、第三騎士団所属。3つ歳下の婚約者がいる。子爵家の娘だ。そして、15歳の娘。年頃の娘だ。街でも名の上がる綺麗な娘だ。殿下の妃の座を狙っているかはわからない。
伯爵もあまり目立つ男ではないが、領地は豊かで、不正を働くような人には見えない。
そんな彼の目を掻い潜り、イシニス王国とオリバンダー侯爵家が取引をしていたら‥彼は見逃すだろうか?
カドマン伯爵の人柄を考えると、我々が下手に動いては、凶か吉か‥‥。
「ライリー、カドマン伯爵について少し探らなければ‥」
「それでは時間がかかるではありませんか!」
「イシニスと繋がりあるオリバンダーの件は、既に議会でも出ている。カドマン伯爵がその件について、もし何も知らなければ、下手に動くとこちらまで疑われる‥。こんな時こそ慎重に動かねば‥」
ライリーは唇を噛んだ。もどかしい思いで胸が詰まる。
けれど‥‥
「お父様が動けないのであれば‥私が、その伯爵の娘をお茶会に招待しましょう。娘と仲を深めて、腹を探りましょう。」
ライリーはニヤリと笑った。
社交界ならば、侯爵令嬢である自分が牛耳るも同然だった。公爵家に同じ年頃の娘はいない。
だからこその企てだ。
絶対、リリィベルを引き摺り下ろして‥
殿下から引き離してやる‥‥ただ、その一心で‥
「リリィ?大丈夫?」
昨日の今日で、妃教育は無しとした。リリィベルの部屋にやってきたのは、皇后マーガレット。
事の経緯を知り、とても心配していた。
「はいお義母様‥。ご心配をおかけして申し訳ございません‥。」
ソファーに並んで座り、皇后はリリィベルの手を握りしめた。
「あなたは悪くない‥。私の主催したパーティーで、まさか難癖を付けられるなんて‥。」
「お義母様、私は‥反省はしていますが‥後悔はしていないのです‥。身勝手でありましょう‥‥。
テオ様と過ごしたパーティーがとても・・・。私には幸せな時間でした。」
「あなた達の為のパーティーだもの‥‥。本来なら仲が良くていいことなのに‥‥。淑女の心得を出されては、反論にも困るわね‥。とても、大胆だったから。うふふっ」
「お義母様ぁ‥‥」
皇后は呑気に嬉しいに笑っていた。その言葉にリリィベルは恥ずかしそうに俯く。
そんな姿を見ても、皇后は嬉しそうだった。
「私はあなた達が仲が良くて嬉しいのよ?愛の前に決まりなんてないもの。触れたくなるし、口付けだってしたくなる。それに、テオはオリヴァー様に似て素敵でしょ?みんな憧れるのよ。2人の様な恋を‥‥。みんながそう思ってるわ?物語の王子様とお姫様みたいにね?そんなに気にしないで。
次は建国祭で、美しくて凛々しい2人の姿を見てもらいましょう?それだけで十分よ!」
明るい皇后の言葉に、リリィベルは少し笑みを浮かべた。
「お義母様にそう言われると、大丈夫な気がしてきます‥」
「そうよ?私達だって‥あ、聞いてるかしら?」
「お義母様と、テオ様が城下で暮らしていた事ですか?」
「えぇ、計画とはいえ、オリヴァー様は別の女性と結婚したから、テオは婚外子と言われ、私は愛人だったのか、と随分言われた‥けど、オリヴァー様はそんな噂を吹き飛ばすくらい盛大な結婚式を挙げてくれた‥。それだけで、みんながオリヴァー様の意志と私達への愛を示してくれたわ‥
あれは、忘れられないわね‥。空に虹がかかって‥
夜は星が降り注いだ‥‥ロスウェル達の力もあるけど‥
そばにオリヴァー様がいただけで、世界が輝いていたわ。
人がどう思ったかわからないけれど、私は幸せだった。
それに、祝福もされた。人の腹の底ばかり見ていても仕方ない。嫌がる人もいるし、
喜んでくれる人がいる。
私の幸せは、誰にも測れないでしょ?
あなたが、テオといる事をどれだけ大切に思って、愛しているのか、他の人には測れないの。
だからいいのよ!自分の幸せな気持ちをお裾分けしてあげたらいいじゃない?
あなたとテオが結ばれることで泣く人もいるかもしれない。でも、そんな事を気にしていては前に進めない。自分の人生よ?自分で決めた道へ進むの。もし思い通りにならなくても、後悔しないでしょ?」
「はい‥お義母様‥‥私はテオ様を愛しています。
他の誰にも負けないです。私は‥テオ様のそばに居たい‥
これだけは譲れないのです‥。私の選ぶ道には‥テオ様が居て欲しい‥‥。」
愛しげにはっきりと告げるリリィベルに、皇后はその肩を抱き寄せた。
「そう‥‥それでいいのよ。私はあなた達の味方よ。
テオが見つけてきたお嫁さんだもの。テオはずっと、あなたを待っていたのね。
女の子になんて目を向けた事すら無かったもの。大騒ぎにもなるわ。
それくらい、テオにとってあなたは特別なのよ。あなたもそう思っているでしょう?」
「はい。特別です‥‥なによりも‥‥」
指輪に触れれば、思いが溢れる。顔を思い浮かべるだけで、幸せになれる。触れるだけで胸が高鳴る‥
そばにいると、安心する‥。
そんな人に巡り会えた。
いいえ‥結ばれていた。神様の祝福‥‥。
「女は、男の胸で幸せを感じ、男は女を守るために強くなるのよ。
テオはこれからもっと、強くなるわ・・・。あなたの為に・・・・。」
「今でも充分お強いのに‥」
「心も身体もよ?最高じゃない?」
「ふふっ、はいお義母様。きっともっと好きになってしまいます」
クスクスとリリィベルは笑った。
その笑顔を見て皇后はほっとしたのだった。
ずっと、いつもの明るい笑顔が無かったけれど、
やっと笑ってくれた。
暗殺者まで向けられて、本当はどれほど不安だっただろう。
それでも、テオドールと一緒だからと、まるで、それで死んでも悔いはない様に、いつも言っていたのだ。
テオドールのそばにいたいと。
どんな時もテオドールがすべての様に‥。
妬みや僻みにも負けずに、自身の愛を全て捧げるリリィベルは、いつもテオドールだけが支えだった。
母として、こんなに嬉しい事はなかった。
自身の子が、絶え間ない愛で包まれている。
ひたむきに愛してくれる人がいる‥。
純粋な愛。
「お義母様?テオ様の小さい頃のお話、また聞きたいです。」
「えぇ、いいわよ?テオはね、とっても賢かったけど、
お金の計算をしだすと、何故か頭を少し縦に揺らすの!
どうして?って聞くと、
これが、ロックビートだと思うんです。って言ったの。
不思議で笑っちゃったわ。その姿もとても可愛くてね?
あとね?剣術を習い始めた時にね?
稽古場の端から端まで、裸足なって足を浮かせずに端まで進むのよ!
みんな出来るわけじゃないのよ?みんな不思議そうに見てたわ。しかも、剣先が少しもブレないの!
あれは天性の才能よ!今もすごいでしょ?
今は靴を履いて足を浮かせて走る様になったけれど、
本当に不思議だったの!可愛かったわー。
リリィにも見せてあげたかった!‥あっ今もできるのかしら‥
今度、稽古してる所、見に行きましょ?」
リリィベルはその話を黙って聞き入り、にこりと微笑んだ。
「是非見たいです!テオ様の戦う姿は本当に目を奪われるんです!
とても綺麗で‥素早くて‥‥本当に‥‥キラキラ‥‥
してて‥‥。」
リリィベルは、口にするうちに不思議な感覚に陥った。
まるでその小さなテオドールが頭に浮かぶ様だった。
テオドールの剣を振るその姿‥綺麗な立ち姿で
あのパーティの夜を見て、そう思っているのか‥
何故そんな気持ちになるのか・・・分からずに・・・・。
2
あなたにおすすめの小説
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、
幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。
アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。
すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。
☆他投稿サイトにも掲載しています。
☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。
《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?
番探しにやって来た王子様に見初められました。逃げたらだめですか?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私はスミレ・デラウェア。伯爵令嬢だけど秘密がある。長閑なぶどう畑が広がる我がデラウェア領地で自警団に入っているのだ。騎士団に入れないのでコッソリと盗賊から領地を守ってます。
そんな領地に王都から番探しに王子がやって来るらしい。人が集まって来ると盗賊も来るから勘弁して欲しい。
お転婆令嬢が番から逃げ回るお話しです。
愛の花シリーズ第3弾です。
公爵様のバッドエンドを回避したいだけだったのに、なぜか溺愛されています
六花心碧
恋愛
お気に入り小説の世界で名前すら出てこないモブキャラに転生してしまった!
『推しのバッドエンドを阻止したい』
そう思っただけなのに、悪女からは脅されるし、小説の展開はどんどん変わっていっちゃうし……。
推しキャラである公爵様の反逆を防いで、見事バッドエンドを回避できるのか……?!
ゆるくて、甘くて、ふわっとした溺愛ストーリーです➴⡱
◇2025.3 日間・週間1位いただきました!HOTランキングは最高3位いただきました!
皆様のおかげです、本当にありがとうございました(ˊᗜˋ*)
(外部URLで登録していたものを改めて登録しました! ◇他サイト様でも公開中です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる