仮面令嬢と変わり者王子の甘い日々

さらさ

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⑥ラルフ様の夫婦感

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私はラルフ様の妻として今日、ラルフ様のお屋敷にやって来ました。
嫁いで来たのだから、当然夜は私の寝室にいらっしゃるものだと思っていたのだけど・・・いらっしゃらない。

どういう事かしら?
私もとても緊張するけれど、覚悟してお待ちしているのに、一向に現れる様子はない。
・・・もしかして、私から行かなきゃいけないの?

「あの・・・ラルフ様は・・・?」

まだ控えてくれているキモノメイド服とやらを着た侍女さんに尋ねてみる。

「旦那様はもうお休みだと思いますけれど、お会いになりますか?」

え?どういう事かしら?
ひょっとして、私は妻と認められていないの?

「いえ、もうお休みならいいわ。私ももう休みますわね。」

「かしこまりました。では、お休みなさいませ。」

侍女さんが深々と頭を下げてから部屋を出ていく。

なんだかよく分からないけれど、今日はゆっくり休めってことかしら?
それなら安心してゆっくり休めるわね。
私は緊張の糸が切れたようにふにゃりとベッドに横たわった。

翌日はラルフ様はお忙しいとの事で、お屋敷をサーシスさんに案内してもらった。
ラルフ様はどうやらお城に行かれていたようで、帰っていらっしゃったのは夕食の頃だった。

「今日は全然リリアーナの相手をしてあげられなくてごめんね。」

「いえ、お忙しいのにお手を取るなんて出来ませんわ。」

「いや、来たばかりで心細い思いをさせてごめん。」

ラルフ様はとてもお優しい。
キラキラした笑顔で謝られると、目を直視出来ない。

「別に・・・問題ないです。」

また素っ気ない返事をしてしまった。
でも、恥ずかしくてまともにお顔が見れないわ。
何故そんなに真っ直ぐ私を見つめられるのかしら・・・

「リリアーナ、昨夜、俺に会いたかったの?何か用があった?」

「え?」

突然昨日の事を聞かれて焦る。
侍女さん、ちゃんとラルフ様に報告したのね・・・

まさかラルフ様を待っていたなんて恥ずかしくて言えないわ。

「いえ、なんでもないんです。」

こういう時私の無表情は役に立つわね、顔に今の恥ずかしい表情が出なくて済む。

「そう?用があったら夜中でもいいから起こしてくれて構わないよ。俺の寝室はリリアーナの部屋を出て左の突き当たりだから覚えといて。」

「はい、ありがとうございます。」

あれ?この言い方は・・・やっぱり夜は別々なのかしら?

「寂しかったら添い寝してあげるけど?」

「っ!」

ラルフ様の言葉に焦る。
私の心の中見られた?
でも、確認しておいた方がいいかしら、私から言うと求めてるって捉えられるかしら?

「あの・・・夜のお供はしなくていいのですか?」

どんな顔をして言えばいいのかわからなくて、真顔で尋ねてしまった。

「あ、気にしてた?」

恥ずかしくてコクリと頷いて肯定を表す。

「ごめんね、女性に気を使わせちゃったね、正直、好きな人が同じ屋根の下に、俺の妻として居るんだから、俺としては抱きたいよ。でも、昨日も言ったけど、リリアーナは俺の事何も知らないよね?」

ラルフ様の問いかけに、また頷く。
ラルフ様の事は知らないけど、貴族社会では知らない人の元に嫁ぐのは当たり前、王子様ともなれば政略結婚もあるはず。

「こんな事言うとおかしいって言われると思うけど、俺は女性を抱く時は両思いでないと抱きたくないんだ。」

本当におかしな事をおっしゃっているわね、私はラルフ様の妻になったのに・・・

「ラルフ様は私をまだ妻とお認め頂いてないということですか?」

「そんな事ないよ。リリアーナを妻として迎えられられて俺は嬉しいんだよ。でも、リリアーナが俺を好きになってくれるまで、抱けない。無理やり抱く気は無いから安心して。・・・俺、平成人間だから知らない人を抱いて妻にするって昔っぽい風習、ちょっと受け入れられなくて、もちろん俺はリリアーナの事知ってるから逆のパターンね。」

うん、途中からなんのことか分からなかったけど、ラルフ様はやっぱり変わった方かもしれない。

「私がラルフ様をお慕いするまで待ってくださると言うことでしょうか?」

「うん、両思いになってから抱きたい。でも、リリアーナがあまりにも可愛かったら抱きたくなっちゃうかもしれない。その時は許してね。」

ウインクをして陽気に話されるラルフ様。
冗談のつもりかしら?

でも、私の気持ちも尊重してくださるって事よね?やっぱり優しい方なんだわ。




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