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⑦ラルフ様の以外な面
しおりを挟むここへ来てから一ヶ月。
ラルフ様は色んなお話をしてくださるので楽しい。
その度に、真顔で聞いてしまう私を見ても気にする様子もなく、にこにこと微笑みかけてくださる。
ラルフ様は郊外に離れてお暮らしなので、のんびりした生活を送っていらっしゃるのかと思っていたのだけど、いつも忙しくされています。
今日は珍しくお客様がみえています。
私も挨拶に伺った方がいいのかしら?
でも、愛想笑いの出来ない私は出ない方がいいのかも・・・
そうよね、ラルフ様が恥ずかしい思いをされるわ。
そんなことを考えていると、侍女さんがやってきてラルフ様がお呼びだと仰るので、私も応接室に行くことになりました。
「失礼致します。」
「リリアーナ。」
部屋の中に入ると、すぐにラルフ様が私を迎えに駆け寄ってくださった。
「アレク、妻のリリアーナだ。」
ラルフ様は私をアレク様に紹介した後、私に向き直る。
「リリアーナ、彼は王国第四騎士団団長のアレクシスだよ。アレクシスは俺の乳兄弟だから幼い頃からずっと一緒なんだ。」
「リリアーナと申します。今日はようこそおいでくださいました。」
「初めまして、アレクシスです。リリアーナ様はお噂通り美しい方ですね。」
美しい??
聞き間違いかしら?きっと社交辞令ね。
「ありがとうございます。」
にっこり笑ったつもりが怖い顔になってしまった。今のは自分でもわかるわ。
ああ、恥ずかしい・・・
「ラルフ様は変わった言動が多いから戸惑われるでしょう?」
アレクシス様はラルフ様の乳兄弟と言うだけあって、本当によくご存知なのね。
「そんな事ありませんわ。ラルフ様はとてもお優しくしてくださいます。」
「そうですか、何せラルフ様がやっと手に入れた花ですからね、ラルフ様も愛おしくて仕方ないんでしょ?」
アレクシス様はニヤニヤと笑いながらラルフ様を見る。
「アレク、そう言う恥ずかしいこと言うな、・・・確かにリリアーナは可愛いけどさ。」
あら、ラルフ様が照れていらっしゃるわ。
「ラルフ様はずっと一途にリリアーナ様を思っていたのを知ってるから、やっとラルフ様の願いが叶って俺も嬉しいんですよ。」
「え?」
そうでしたの?
「こんな事奥さんに言うことじゃないけど、ラルフ様、遊びでも女抱かないんですよ!本当に好きな人しか抱きたくないって!俺なんか抱かせてくれるなら、気持ちなんか二の次なのにね、変なとこ真面目なんですよね。」
「おい、アレク、余計な事言うな。」
ラルフ様がアレクシス様を睨みつけているのだけど、そのお顔も素敵だわ。
「はい、もう言いません。」
あら、アレクシス様やけに素直ですわね。
「ラルフ様を怒らせたら怖いからね、俺なんか吹き飛ばされちゃうよ。」
え?
私はアレクシス様の言葉にお二人を見比べる。
ラルフ様は身長は175センチくらいかしら、線の細い方なので体格も華奢に見える。
対してアレクシス様は190はあるのではないかと思うくらい身長が高くて、筋肉質な身体が引き締まっているのは服の上からでも見て取れる。
そんな方をラルフ様が吹き飛ばす?
えっと・・・聞き間違いかしら?
そんな私を見てラルフ様がクスクスと笑われる。
「アレク、リリアーナは知らないからアレクが何を言ってるのか分からないんだよ。きっと、自分の聞き間違いだと思ってるよ。」
ラルフ様は心が読めるのかしら?私の考えている事をそのまま言葉にされたわ。
「ふふっ、リリアーナは可愛いね。」
そう言って私の頭を撫でてくれるラルフ様。
今の何処に可愛い要素があったのかしら・・・?
「そうでしたか、リリアーナ様はまだご存知無いんですね?」
「何をでしょうか?」
「極わずかな一部の者しか知らない事なんですけど・・・ラルフ様、言っちゃていいんですよね?」
ラルフ様に恐る恐る確認するアレクシス様。
なにか秘密があるのかしら?
「構わないよ。」
ラルフ様の答えに、ほっとしたように私を見るアレクシス様。
「ラルフ様はこんな風に見えますが、とんでもなく強いです。俺なんか赤子のように吹き飛ばされちゃいます。」
「そうなんですか?」
どう見ても非力そうに見えるラルフ様の何処にそんな力があるのかしら・・・
だけど、ラルフ様が何故かお強いというのはわかったけれど、それの何処が秘密なのかしら?
「リリアーナ、前にも言ったけど、俺は目立ちたくないんだよ。」
ラルフ様が私の心の質問に答えてくださる。
やっぱりこの方は心が読めるのね!
「いや、さすがに心は読めないからね?」
ラルフ様、それ完全に読んでます。
「え?でも、私の考えていることを見事に当てられてますわ。」
「リリアーナは考えてる事が顔に出るからわかりやすいんだよ。」
仮面令嬢と言われた私が分かりやすい?
絶対そんなことないと思うのだけど・・・
私を見てクスクスと笑うラルフ様。
「やっぱりリリアーナは可愛いね。」
そう言って頭を撫でる。
「仲がよろしくて焼けちゃいますけど、本題に入らせてもらって良いですかね?」
私達のやり取りを見ていたアレクシス様が咳払いをして入ってくる。
「そうだったな。話を始めよう。」
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