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㉓国王陛下からの伝言
しおりを挟む「リリアーナ、おはよう。今日も朝から可愛いね。」
ラルフ様は自らの腕に私の頭を乗せて抱きしめたまま、額にキスをする。
「ラルフ様、おはようございます。」
まだ慣れない私は照れた顔を見られないように、ラルフ様の胸に顔を埋めた。
私達が本当に夫婦になって2週間、まだこうして朝を迎えることに慣れません。
「ラルフ様、いつも私を腕枕したままですけど、腕が痺れません?」
ラルフ様はいつも私に腕枕をしたまま、私を抱きしめて寝られるので、腕が疲れないか心配です。
「大丈夫だよ。リリアーナこそ、俺がずっと抱きしめたままだと寝にくくない?」
そう言いながらも私を優しく抱きしめたままのラルフ様。
ラルフ様はいつも心配するけれど、ラルフ様の腕の中は心地よくて、安心する。
「大丈夫です・・・ラルフ様の腕の中、好きです。」
何とか私の気持ちを伝えようと、勇気を振り絞って言ってみたけれど、とても恥ずかしい。
「リリアーナ・・・そんな可愛い事言われたら、まだベッドから出すわけにはいかないな。」
「え?」
ラルフ様はその言葉に焦る私の顎を持ち上げて、軽いキスをして私を見つめた後、今度は深いキスをする。
長い、溶けてしまいそうなキスからそっと唇が離れていく。
ラルフ様を見ると、透き通ったブルーの瞳で甘く見つめ、私を捉えて離さない。
「・・・このまま待たせてようか・・・」
ラルフ様が突然変な事を口にされる。
「え?」
「リリアーナ、ごめんね、続きは後でね。」
その言葉にほっとしたような、少し寂しいような気持ちになったのは、私が期待していたからかしら・・・
ラルフ様の発言からすると、どなたかいらっしゃったのね?
「どなたかおいでですか?」
起き上がるラルフ様を手伝いながら問いかける。
「うん、アレクが来てる。朝早くから何かな?」
「ラルフ様、リリアーナ様、おはようございます。」
支度をして応接室に向かうと、アレクシス様が待っていた。
「おはよう、今日は朝から何?」
「朝早くから申し訳ごさいません。国王陛下より伝言を頼まれましたので、隊の演習が始まる前にお伝えしておこうと思いまして。」
アレクシス様は第四騎士団の団長でもあるけれど、国王陛下の直属の部下というお立場も頂いていて、ラルフ様の仕事をされています。
その為、騎士団はほぼ副団長さんに任せ切りらしいのですが、演習やミーティング等には参加されているそうで、副団長さんに任せているとはいえ、指揮系統はきっちり押さえていらっしゃるようで、それがアレクシス様の優秀な所だとラルフ様が褒めていらっしゃいました。
「忙しい時にすまない。国王はなんて?」
「はい、昨日『 そろそろ私にも可愛い息子の嫁を見せに来なさい、明日待ってる。』と、お言葉がありまして・・・」
「今日?また急だな。」
国王陛下に謁見??今日??
本当に急ですわね。
「わかった。連絡ありがとう。」
「では、俺はこれで失礼します。」
ラルフ様が了承したのを確認すると、アレクシス様は慌ただしく帰って行った。
「リリアーナ、急だけど、父上に会いに一緒に行ってくれる?」
ラルフ様が私に確認するけれど、国王陛下からのご命令に逆らえるはずない。
正直、人前で上手く笑えない私が国王陛下にお会いして、お気を悪くされないか心配だけど、ずっとお会いしない訳にも行かないし、ラルフ様の妻になったのだからお父上様にご挨拶しないのもおかしいのよね。
「はい、もちろんです。」
とりあえず返事はしたけど、いきなり国王陛下にお会いするのは緊張するわ・・・
「大丈夫、リリアーナはいつも通りでいいから。」
私の心情を察したのか、ラルフ様が優しく私の頭を撫でながら見つめる。
「それに、今回は公式な訪問じゃないから、国王陛下ではなく、俺の父上に会うと思ってね。」
「はい・・・」
それでも緊張してしまう。
ラルフ様の母上様はラルフ様が生まれた時にお亡くなりになられたそうで、ラルフ様はお母様のことを知らない。
現国王妃様は第一王子、第三王子、第五王子と、第二王女、つまりセリーヌ様のお母上様と、第四王子と第三王女の母上様で、ほぼ交流はないそうです。
ラルフ様は幼少期、とても寂しい思いをされて育ったのでは無いかと思います。
前に一度そんな話をしたら、アレクシス様のお母様が乳母で居てくれたので寂しくなかったとおっしゃいました。
それに・・・と言いながら何処か遠くを見つめるラルフ様は何かを思い出しているようで、切ない表情をされていました。
ラルフ様は時折、何か遠くを見るような仕草をされるのだけど、それが何なのか、私には分かりません。
いつか話してもらえる日が来るかしら・・・
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