仮面令嬢と変わり者王子の甘い日々

さらさ

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㉒ラルフ様の態度の理由

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「騒がしいのが帰って静かになったね。」

コーデリア侯爵様とセリーヌ様を見送った後、ラルフ様が笑顔で私を見る。

それはどう答えればいいの・・・
でも、ラルフ様のお姉様に対する態度は少し冷たすぎないかしら・・・

「ラルフ様、少しお姉様に厳しくないですか・・・?」

「そう思う?」

私に言われてラルフ様が返す。

「リリアーナ様、ラルフ様に限ってはセリーヌ様にはあれくらいで良いんですよ。」

アレクシス様がラルフ様を庇うように話しかけてくる。

「そうなんですか?」

「はい、ラルフ様がまだ小さい頃にセリーヌ様に優しくして何度も酷い目に合っていらっしゃいますので、ラルフ様はセリーヌ様に優しくしない方が良いんです。」

「酷い目に?」

「ええ、ベッドをぬいぐるみで埋め尽くされたり、花で埋め尽くされてたり、ドレスを着せられたり、ラルフ様と一緒に寝ると聞かなくて、何度もラルフ様の寝室に忍び込んだりもしてます。」

「アレク、思い出すから言わないでくれ・・・」

「他にもいろいろとラルフ様の迷惑もかえりみず暴走される事が多いので、ラルフ様は基本突き放す態度しか取られないんですよ。なのにラルフ様の元にやってくるなんて、余程ラルフ様を愛していらっしゃるんでしょうね。」

セリーヌ様、ラルフ様への愛、すごいです。
セリーヌ様はラルフ様が冷たくしていても、本当のラルフ様をご存知だからおそばに居たいと思うんじゃないかしら・・・

「そうだったのね、ラルフ様、何も知らなくてごめんなさい。」

「リリアーナは知らないから当然の反応だよ。」

ラルフ様は全然気にしていない様子。

「それより、さっきも言ったけど、俺が仕事してるのは内緒ね、立場上、コーデリア侯爵は知ってるけど、俺が賢いと思ってるだけで、俺の規格外の魔力については知らないからね。」

ラルフ様は人差し指を唇に当てる仕草で秘密だと言うことを告げる。
その仕草に、黒髪から覗く瞳に、思わず魅入ってしまいそうになる。

「分かりました。」

秘密を共有出来るってなんだか嬉しい。
それだけ私の事を信頼してくださってるってことよね?

「基本、俺の事を全部知ってるのはアレクだけだから、アレクには俺の手足として動いてもらってる。時と場合によっては父上や、侯爵に進言する事もあるけど、基本大きな動きをする時以外は独自に動いて、アレクにフォローを任せてる。」

「そうなんですね。」

ラルフ様はお父上様である国王陛下からも本当に信頼されているのね、国王陛下に相談することも無く独断で動くことが出来るなんて、余程でないと出来ないわよね。
改めて、ラルフ様の凄さを実感してしまうわ。

「ホント、ラルフ様は人使い荒いんで、フォローが大変なんですよ。」

アレクシス様が溜息をつきながら私に訴える。

「今日は報告終わったんでこれで失礼します。報告書は明日国王陛下に渡しておきますね。」

「うん、頼む。」

アレクシス様は「了解致しました。」と言うとにっこり笑って帰って行った。


「やっと二人なきりになれたね。」

ラルフ様は私の方に振り向くとにっこり笑う。

「さっき姉上の前で見栄張っちゃってごめんね。」

ラルフ様はきっと、あの事を言われているのよね?

「いえ、私そこ、どう答えていいのかわからなかったので、ラルフ様が来て下さって助かりました。」

それに、ラルフ様が昨日急に私の所に来ていいか聞かれた理由が分かった気がする。

「ラルフ様はお姉様が疑われているのを分かっていらっしゃったので、昨日私の所に来るなんて、急に仰ったのですよね?」

「うん、ごめんね、リリアーナに恥をかかせてしまうかもと思うと、急にあんなこと言って、俺も確信なかったから、無理にとは言わなかったけど、やっぱり姉上はどこかで見てたみたいだね。」

ラルフ様、そこまで考えてあのお言葉を言われてたなんて・・・変に勘違いして・・・恥ずかしさと申し訳なさが込み上げてくる。

「リリアーナ、そんな顔しないで。」

私が顔を赤らめて、なんと言えばいいのか分からないでいると、ラルフ様が私の頬を両手で優しく包み込んで目を見つめてくる。

「今日は邪魔者はいないよ、今晩、リリアーナの部屋に行ってもいい?」

ラルフ様に顔を掴まれて俯くことも出来ず、目だけを逸らす。

「・・・はい、お待ちしてます・・・」

「ありがとう。」

そう言うと、ラルフ様は私にそっと口付けをした。





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