仮面令嬢と変わり者王子の甘い日々

さらさ

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㉑コーデリア侯爵様

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「私の天使なラルフレッドが・・・」

「いや、姉上、もういいから、俺も健全な男だって理解してくれる?」

まだ信じられないという風にブツブツと呟くセリーヌ様にラルフ様が少し恥ずかしそうに訴える。
私も少し恥ずかしいです・・・

「はいはい、確かに天使なラルフ様にそういうイメージないかも知んないけど、いい加減弟離れしましょうね?」

「アレク、男のお前から見ても俺ってそういうイメージなわけ?」

アレクシス様に天使と言われて少しショックを受けている様子のラルフ様。
確かに、ラルフ様はとてもお美しいもの。
黒髪に透き通ったブルーの瞳なので、魅惑的な美人さんなんだけど、微笑みは天使なのよね。

「うん、ラルフ様は昔から天使みたいだけど、俺はラルフ様がちゃんと男だって理解してますよ。」

アレクシス様にそう言われて微妙な顔をするラルフ様。


「失礼致します。コーデリア侯爵様がお見えです。」

サーシスが話に割って入って来訪者を告げる。

「エリオット様が?私は居ないって言って帰ってもらって!」

「お通しして。」

ラルフ様がセリーヌ様を無視してサーシスに指示を出す。
ラルフ様はきっと、コーデリア侯爵様の事も来たのは分かっていたんでしょうね、今はセリーヌ様もいらっしゃるので何も言わなかったんだわ。

「ラルフレッド!何で通すのよ!私は帰る気ないわよ!」

セリーヌ様が慌てて立ち上がって部屋を出ていこうと扉に向かったけれど、たどり着くよりも先に扉が開く。

「エ、エリオット様!」

セリーヌ様が侯爵様のお姿に両手を口に当てて驚きを表わす。

コーデリア侯爵様は初めてお会いするのだけど、確か30前半だったかしら、背が高くて、スラッとしていて男らしさはあるけれど、何処か繊細な所もあるイケメンさんです。

お若いのに宰相の地位に着いているという事は、とても優秀な方なんでしょうね。

「ラルフレッド様、ご無沙汰しております。妻がご迷惑をお掛けして申し訳ございません。」

コーデリア侯爵様が扉から入ると、まずラルフ様に挨拶をして、深々と頭を下げる。

「コーデリア侯爵、久しぶり、俺は別に構わないけど、俺の妻にちょっかい出されるのは困るかな。」
 
「妻・・・ですか?」

ラルフ様の言葉に驚きを表すコーデリア侯爵様。

「うん、俺の妻のリリアーナだ。」

そう言ってラルフ様は私を紹介する。

「初めてお目にかかります。リリアーナと申します。」

「これはこれは、初めまして、ラルフレッド様にこんな可愛らしい奥様がいらっしゃったとは、ラルフレッド様、知らなかった事とはいえ、失礼致しました。ご結婚おめでとうございます。」

コーデリア侯爵はにこやかに私達を見る。

「ありがとう。誰にも言ってないことだから知らなくて当然だよ。今ここにいるメンバー以外で知ってるのは父上くらいだ。」

「そうでしたか。で、セリーヌが何かご迷惑をお掛けしたんですね。」

コーデリア侯爵様がセリーヌ様を見る。
コーデリア侯爵様はセリーヌ様が逃げないように、既にしっかりと肩を抱いていらっしゃいます。

「エ、エリオット様、私は何もしてないわ。」

コーデリア侯爵様の前ではセリーヌ様がなんだかしおらしいです。

「それより、エリオット様が女性の方とお話されてるのを見たのよ。あの方は何?」

セリーヌ様が自分に降り掛かってきた矛先を変えるようにコーデリア侯爵様を見る。

「女性と?」

コーデリア侯爵様に心当たりがないのか、しばらく考え込まれる。

「ああ、ジャスティンの奥さんの事か?あの日は遠征に出ているジャスティンに届け物をして欲しいと、一度会ったことのある私の所に来ていたんだよ。」

「あの方と仲良くお話されてたわ!」

「そりゃ、わざわざ来てくれたんだからおもてなしもするさ、セリーヌはあの方にヤキモチを焼いていたのかい?」

コーデリア侯爵様、とてもお優しい眼差しでセリーヌ様をご覧になっているわね、こんな方が浮気をするなんてあまり考えられないわ・・・

「姉上はヤキモチ焼きだから、女性と少しでも仲良く話してたら勘違いして大騒ぎするんだよ。いつもの事だ。」

ラルフ様がまた私の考えを読んだように、そっと教えてくれる。

「ヤキモチだなんて・・・そんな事ないわ!」

コーデリア侯爵様に見つめられて恥ずかしそうに目線を逸らすセリーヌ様。

「セリーヌがヤキモチを焼いてくれてたんだとしたら嬉しいな、私はセリーヌに愛されているんだね、いつもラルフレッド様の前では私の事など霞んでしまうので憂しいよ。」

コーデリア侯爵様がセリーヌ様を優しく抱き寄せる。
なんだか見ていて恥ずかしいわ・・・

「エリオット様はいつも素敵です。」

セリーヌ様が恥ずかしそうに返す。

「ラルフレッド様にご迷惑をお掛けしたようだから、今日は帰ろうね。」

「はい・・・エリオット様、ごめんなさい。」

コーデリア侯爵様はセリーヌ様の扱い方を分かっていらっしゃるわね、さすがです。


こうしてセリーヌ様はコーデリア侯爵様のお迎えで帰って行かれました。




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