仮面令嬢と変わり者王子の甘い日々

さらさ

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⑳ラルフ様の嘘

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翌日、お昼過ぎにセリーヌ様が私を誘いに来た。

「リリアーナさん、今からお茶にしようと思うのだけど、一緒にどうかしら?」

すっかり嫌われてると思っていたので、セリーヌ様からのお誘いは嬉しい。

「はい、喜んで。」

気持ちは笑っているのだけど、顔は付いてこない。

今日、ラルフ様は午前中にアレクシス様が来て執務室に篭ったまま、まだお仕事をされているので、しばらくセリーヌ様のお相手をするのも妻の役目よね。

私達は二階にある日当たりのいいサロンでお茶をすることになった。


「昨日は少し飲みすぎちゃったから頭が痛いわ。」

辛そうにセリーヌ様が頭を押さえている。

「大丈夫ですか?お水をお持ちしますね。」


セリーヌ様は用意した水を飲みながら私を見る。

「最近結婚したばかりみたいだけど、ラルフレッドとは前からの知り合い?」

「いえ、結婚して初めてお会いしました。」

「え?そうなの?でも、ラルフレッドがあなたを前から好きだったって言ってなかった?」

セリーヌ様は私とラルフ様が以前からの知り合いだと思っていたのかしら?

「そうなんです。ラルフ様は私の事を以前からお目にかけて頂いていたようで、私もここへ来て初めて知りました。とても光栄なことですわ。」

 「そうなの?ラルフレッドがあなたを?どうして?」

なんだかセリーヌ様に尋問されているようだわ・・・

「私にも分かりません。」

「あの何にも興味を示さないラルフレッドがあなたに興味を持つなんて・・・」

本当に、何故私なのか不思議なのよね、美しいご令嬢は沢山いらっしゃるのに・・・

「やっぱり、ラルフレッドの好みは変わってるのかしら・・・」

「ええ、本当に、何故私なんでしょうね・・・」

「・・・今嫌味を言ったんだけど・・・とにかく、ラルフレッドを悲しませるような事をすると許さないわよ!」

ぼーっと何故なのか考えていると、セリーヌ様が少しきつい口調で仰る。

「はい、心得ておきます。」

私がラルフ様を悲しませる?そんなことまず起こらないと思うのだけど・・・でも、ラルフ様が傷付くのは私も嫌だから気をつけないといけないわね。

セリーヌ様も、ラルフ様の事が心配なのよね、弟思いのいいお姉さんなんだわ。

「本当に、どうして私は姉に生まれてしまったのかしら。姉でなかったら間違いなくラルフレッドに結婚を申し込んでいたのに・・・」

セリーヌ様が愚痴をごぼし始める。
セリーヌ様は余程ラルフ様の事を愛していらっしゃるのね。

「所で、あなた達本当に仲いいの?」

「え?」

セリーヌ様、突然何を言われるのかしら。

「昨夜は別々の部屋で寝てたわよね?本当に夫婦なの?」

ええ?セリーヌ様私達が別々で寝てるなんて、何でそんな事ご存知なの?
しかも、本当に夫婦じゃないって疑っていらっしゃる。

ここは本当の事を言うべきかしら・・・
でも、ラルフ様の名誉に関わるんじゃないかしら、私は理由を知ってるけれど、結婚した女性を抱いてないなんて、あまり知られたくないわよね・・・

どう答えればいいの?

「姉上、なんてこと聞いてるんだよ。てか、俺らが別々の部屋に入るのずっと監視でもしてたの?それって最低だよ?」

私がどう答えればいいのか悩んでいると、横からラルフ様の声が答えた。

横を見ると、ラルフ様とアレクシス様が立っていた。
いつの間にいらっしゃったのかしら。

「ラルフ様。」

「ラルフレッド・・・だって、急に言われても信じられなくて・・・」

「それでも、プライバシーの侵害だ。」

ラルフ様は私の座るソファーの横に座りながらセリーヌ様を見る。

「でも、新婚で別々の部屋で寝てるのは事実でしょ?」

そうだわ、見られていたのなら言い逃れ出来ないわね・・・

「昨夜は姉上が泊まりに来たからだよ。」

「私が来たから?」

え?ラルフ様何を言おうとしていらっしゃるのかしら?

「リリアーナが、姉上が同じ邸内にいると思うと恥ずかしいって言うから、昨日は別々に寝たんだよ。」

え?ラルフ様何言ってるの?

「そんなのラルフレッドの嘘でしょ?」

セリーヌ様、感がいいです!

「嘘じゃないよ。俺も抱きながらリリアーナの可愛い声を聴くのが楽しみなのに、リリアーナが可愛い声を出すのを我慢してるのなんて可哀想でしょ?まぁ、我慢してるリリアーナもそそられるけど・・・」

そう言ってラルフ様は私の肩を抱き寄せて額にキスをする。
ラ、ラルフ様、何を言ってるんですか!
しかも何か恥ずかしい事を言ってません?

「ラルフ様・・・そんな恥ずかしい事、セリーヌ様やアレクシス様の前で言わないでください・・・」

私は顔が赤くなるのを俯いて隠す。

「ああ、ごめん、姉上が疑うからさ・・・本当は姉上なんかいても構わない。君を抱かない日があるなんて耐えれないのに・・・」

ラルフ様はさらに私を強く抱き寄せるので、私はラルフ様の胸に顔を埋める形になってしまう。

そんな私達を見てセリーヌ様が顔を赤らめる。

「そんな・・・」

「セリーヌ様、こんだけラブラブな二人の邪魔しちゃダメでしょう。」

アレクシス様が話に入ってくる。

「アレク、居たの?」

セリーヌ様はアレクシス様の存在に気付いて無かったのか、アレクシス様の方を見る。

「セリーヌ様、挨拶が遅れました。お久しぶりです。セリーヌ様はさらに美しくなられましたね。」

「まぁ、ありがとう。こんな所で会うなんて、ラルフレッドに会いに来てたの?」

美しいと言われたセリーヌ様、嬉しそうです。

「はい、たまには乳兄弟の顔でもと思ってさっき遊びに来ました。セリーヌ様がおいでだと聞いたので挨拶に来たんですけど。」

「そうだったの、アレクは相変わらずラルフレッドの友達で居てくれてるのね。」

あれ?アレクシス様、仕事の報告に朝から来てたと思ったんだけど・・・遊び?

「リリアーナ、仕事の事は内緒ね。」

私が不思議に思っていると、ラルフ様が私にだけ聴こえるように耳元でそっと囁く。
仕事をしてるのは内緒なの?

「セリーヌ様、ラルフ様が可愛がってるリリアーナ様にヤキモチ妬いてるんでしょ。」

「そうよ!私のラルフレッドが女を抱いてるなんて考えたくないわ。」

「姉上・・・だから、いつ俺が姉上のものになったんだよ。」

ラルフ様が冷めた目でセリーヌ様を見る。

「俺も男なんだから、好きな女は抱きたいと思うよ。」

そう言って今度は両手で私を抱きしめた。

 

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