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㉕ラルフ様とお城へ
しおりを挟む国王陛下から身内への私のお披露目会が開かれる日程の知らせがあってから一週間、あっという間にその日がやってきました。
「リリアーナ、とても綺麗だよ。」
支度の終わった私を見て、ラルフ様が褒めてくれる。
そう言うラルフ様こそ、正装したお姿は初めて見るのだけど、素敵すぎて隣に立つのが恥ずかしいです。
改めて、王子様なんだと実感してしまう。
「ラルフ様こそ、とても素敵すぎて私など霞んでしまいますわ。」
「そんな事ないよ、でも、俺に惚れ直した?」
顔を赤らめて直視出来ない私に迫るラルフ様。
私は言葉に出来ずに首をコクコクと縦に振って肯定することしか出来ない。
ラルフ様はそんな私を見てクスクスと笑いながら、私のおでこにキスをする。
「じゃ、行こうか。」
「はい。」
今回は公式な訪問なので、お城までは馬車で移動です。
今回の身内のみのパーティに参加されるのは国王陛下と王妃様、第一王子から第五までの王子様と第一王子の奥様、それにセリーヌ様とコーデリア侯爵様、後、一番末の第三王女様で、今回は第一王女のマーガレット様は出席されません。
マーガレット様は唯一ラルフレッド様とお母様が同じご姉弟なので、お会いしたかったのですが、ラルフ様より5歳年上のマーガレット様は今はカナン王国へ嫁がれて王室に入られている為、なかなか戻ってくることは出来ません。
いつかお会い出来る日があるかしら・・・
それにしても、私にラルフ様の隣でにこやかに微笑むなんて事できるかしら・・・ラルフ様に恥を描かせてしまうんじゃないかしら・・・
「緊張するわ・・・」
「俺が付いてるから大丈夫。」
私の手を取ってラルフ様が言う。
「でも、また笑えなくてラルフ様にご迷惑をおかけするかもしれないわ。」
「そんな事気にしなくていいよ、それより、俺は変わり者王子で通してるから、変な言動や行動で、リリアーナに恥を描かせてしまうかもしれない。その方が心配だ。」
「そんな事、気にしませんわ。私はラルフ様の本当のお姿を知っていますもの、ラルフ様が敢えておかしく見られる行動をすると仰るなら、私もお手伝いします。」
ラルフ様のお力になれるなら私はバカにされても構わない。
でも、私のせいでラルフ様が嘲りを受けるのは嫌だわ。
失敗しないように、笑顔で挨拶しないと!
でも、本当に出来るかとても不安・・・
「私、笑顔で挨拶できるかしら・・・」
その言葉に、ラルフ様は私の目を見つめて言う。
「別に笑わなくてもいいよ。ただ俺の横にいてくれるだけでいい。」
「そんな事言われても、ラルフ様の妻は挨拶も出来ないと言われてしまいます。」
「別に構わないよ。言いたい奴には言わせておけばいい。」
ラルフ様はいつもの事だからと気にしていない様子だけど、私のせいでそうなるのは本当に申し訳ない。
「上手くできるか緊張します。」
「気にしなくていいんだけどな・・・みんなかぼちゃだと思えばいいんだよ。」
「かぼちゃ・・・ですか?」
ラルフ様はたまにとても面白いことをおっしゃいます。
「うん、周りにいる人はみんなかぼちゃだと思えば緊張しないよ?」
何かのおまじない?本当にそうなのかしら・・・
「それより、リリアーナにはこっちの方がいいかな?」
「何ですか?」
まだなにか案があるのかしら?
そう思う私の顔を両手で優しく挟み込むと、私を見つめる。
ブルーの瞳がいつも以上に光り輝いて青く澄んだ物に見える。
「不安なら、ずっと俺の事だけ見てろ。俺の声だけを聞いていろ。他は見なくていい。」
「っ!・・・」
そんな事、その綺麗な魅入ってしまいそうな瞳で、見つめられながら言われると、まるで魔法に掛かってしまったような気持ちになる。
あれ?本当に魔法を掛けたのかしら?
なんだか少し緊張が取れたような気がするわ。
「ラルフ様、今魔法を掛けられました?」
「さぁ?どっちだろうね?」
私の質問に、ラルフ様は楽しそうに答える。私をからかってるのね・・・
「もうすぐ着くよ。」
そう言われて外を見ると、ちょうどお城の城門をくぐる所だった。
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