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㉖ラルフ様のご兄弟
しおりを挟む「ようこそおいで下さいました。ラルフレッド王子様、奥方様。」
お城に到着すると、使用人の一人に挨拶をされ、そのまま会場まで案内してくださった。
「まだ少しお時間がございますので、こちらのお部屋でおくつろぎ下さい。」
そう言われて通された部屋で少し時間を潰す。
ここに来るまでにラルフ様に兄弟の事を簡単に説明してもらいました。
年齢順に、
第一王女ーマーガレット様26歳
第一王子ーフレデリック様24歳
第二王女ーセリーヌ歳23歳
第二王子ーラルフレッド様21歳
第三王子ーライアン様20歳
第四王子ーチャールズ様18歳
第五王子ージュリアス様15歳
第三王女ーアンジェリカ様12歳
の8人兄弟に
マーガレット様の旦那様であるカナン王国国王様。
フレデリック様の奥様のエステル様。
セリーヌ様の旦那様のコーデリア侯爵様がいらっしゃいます。
今回はマーガレット様とその旦那様はさすがにいらっしゃらないので、会うことは出来ません。
しばらく待っていると、ドアが鳴った。
「まだ時間じゃないけど、誰だろう?」
ラルフ様が不思議に思いながらも入室を促すと、ドアが開いて一人の男性が入って来た。
「やぁ、ラルフレッド、久しぶり。」
「兄上、お久しぶりです。」
部屋に入って来たのは第一王子のフレデリック様でした。
「ラルフレッドが結婚したって聞いて、みんなで会うよりも先に個人的に挨拶したくて来てしまったんだ。今いいかな?」
「いいですよ。」
ラルフ様はそう言うと私の傍に来て私を紹介する。
「妻のリリアーナです。リリアーナ、第一王子のフレデリックだよ。」
「リリアーナと申します。どうぞよろしくお願い致します。」
私は微笑んで淑女の礼をしながら深々と腰を下げて挨拶をした・・・つもりだったけれど、やっぱり顔が強ばってしまった・・・強ばった顔が恥ずかしくて真顔でフレデリック王子様を見てしまう。
フレデリック王子様はラルフ様より少し身長が高くて、綺麗な金髪にブルーの瞳を持っていて、整ったお顔のイケメンさんです。
ラルフ様とは違う、男らしい感じですね。
この方が現在の王位継承権第一位の方なのね。
「そんなに緊張しなくてもいいよ。私はラルフレッドの兄なので、貴方にとっても兄になるのだから、もっと肩の力を抜いて欲しいな。」
にっこり笑ったフレデリック様に、ラルフ様のお兄様なのだと実感してしまう。
お優しい所はラルフ様と良く似ていらっしゃるわ。
「改めて、ラルフレッド、リリアーナ嬢、結婚おめでとう。」
「ありがとうございます。」
私達は声を揃えてお礼を言った後、顔を見合わせる。
言葉が自然と重なるってなんだか心地いい。
「ラルフレッドは少し変わった事を言うけどいい子なんだ。リリアーナ嬢もわかってくれてると思うけど、本当は誰より国の事を思ってる。」
「兄上、そんな事ありません。俺はただ気ままに生きてるだけなんで、褒められるような事はしてませんよ。」
謙遜するラルフ様、でも、本当のお姿を知っている私はお兄様の言葉に大きく頷いてしまう。
お兄様はラルフ様の秘密は知らないはずだけど、ラルフ様の事をちゃんと理解していらっしゃるのね。
でも、ラルフ様はそう思われるのが嫌なのよね・・・
「うん、私はラルフレッドの自由な生き方、好きだよ。私には真似出来ない事だ。でも、可愛い弟と離れて暮らすのは少し寂しいかな。」
そう言うお兄様は少し眩しそうに、でも、寂しそうにラルフ様を見る。
「兄上にばかり重責を押し付けてしまい申し訳無いですが、俺は王宮にいない方が良いんです。こんな変わり者が居てはそのうち兄上にも迷惑を掛けてしまうでしょう、俺はリリアーナが居てくれればそれでいい。」
そう言って私の腰を抱き寄せて、軽く頬にキスをする。
ラルフ様はお身内の前でこういう事をするのは恥ずかしくないのかしら・・・
私は恥ずかしいです!
「ラ、ラルフ様、お兄様の前です!」
「別に気にしないよ?」
「私が気にします!」
「俺は誰の前でも、リリアーナを抱きしめたいと思ったらしたいし、キスしたいと思ったらしたい。」
「何ですか、その希望。そんな可愛い顔しても聞き入れられません。
お兄様の前で恥ずかしいです。」
そんな私達を見ていたお兄様がクスクスと笑い出す。
「こんなラルフレッドを見るのは本当に久しぶりだ。父上が喜ぶのも頷ける。私も安心したよ。リリアーナ嬢、ラルフレッドの事をよろしくね。」
ラルフ様の事を頼まれてしまいました。
私など、何も役に立てないのだけど・・・
「はい。」
とりあえず、私に出来ることはするつもりなので、返事はしておく。
「そろそろ時間だね、私はエステルを迎えに行ってくるから、後でね。」
そう言うと、お兄様は部屋を出て行きました。
「素敵なお兄様ですね。」
「え?惚れちゃった??」
とても焦るラルフ様、何を心配していらっしゃるのかしら・・・
「とてもお優しくて、いい方だと思いますけど、私が・・・あ、愛しているのはラルフ様だけですわ・・・」
思わず言ってしまったけど、とても恥ずかしい。
「リリアーナ・・・」
私の言葉を聞いて、ぎゅっと抱きしめると、私にキスをする。
「俺も、愛してるよ。」
甘く見つめた後、にっこり笑って私を見る。
「俺も兄上の事は好きだから、いい人だと言って貰えて嬉しいよ。」
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