仮面令嬢と変わり者王子の甘い日々

さらさ

文字の大きさ
34 / 49

㉞安全の為に(ラルフレッド)

しおりを挟む



父上の言葉に、宰相である自分よりも重要な事を任されていた人物がいたのかという驚きと、ショックで固まる侯爵。

「・・・国王陛下直属の騎士・・・アレクシス第四騎士団長・・・ですか?」

さすがコーデリア侯爵、すぐにアレクにたどり着いたか、まぁ、俺の乳兄弟でもあるから推理は簡単だよな。

「そうだ。」

父上が答えるのとタイミングを計ったかのようにドアが鳴り、アレクシスが姿を現した。

「国王陛下、遅くなり申し訳ございません。」

「いや、ちょうど良かった。今コーデリア侯爵にお前の事を話していたところだ。」

「私の?」

そう言いながら顔を上げて俺がいるのに気が付く。

「やぁ、アレク。」

「ラルフ様?こんな所で会うなんて珍しいですね。」

「うん、ちょっとコーデリア侯爵に俺の力の事を知られちゃってね。」

そう言うと、察しのいいアレクは何となく事情を飲み込んだようで、
「ああ、」と頷く。

「アレクシス殿がラルフレッド様のお傍で動いていたのは納得ですね。」

侯爵は自分の知らないことがあった事に少し嫉妬しているようだったが、すぐにいつもの侯爵に戻った。
さすが大人だな・・・
侯爵は確か34歳、俺は前世の記憶がそのままあるから27年分の前世とラルフレッドとしての21年を足せば48・・・俺の方が経験的には上なのに俺って変わりないな・・・未だ子供っぽいとか、ちょっとキツイかな?
まぁ、俺の容姿は21には見えないし、このキャラで今まで来てるんだから今更気にしなーい。


「で、なんで城に戻れって言うの?」

俺は最初の父上のお願いをそのまま流そうかと思ったが、これだけ関係者を集められると、そのまま返してくれるなんてことはないだろう。

「実は、こんな事頼むのもお前だから恥を忍んで言うんだが、私達の安全の為にも、城にいて守ってくれないだろうか?何かあった時、ラルフレッドの力はとても頼りになる。これは侯爵も、昨日の事件を目の当たりにして直ぐに私の所に言いに来たんだ。」

「うーん・・・俺がここに居ると目立つから嫌なんだけど・・・別に守るのは構わないよ。俺の魔力が役に立つならいくらでも受ける。だけど、それによって俺に対する崇拝者が生まれることは裂けたい。」

「そう言うと思ったよ、だからアレクシスにも来てもらって、他の案を考えたい。」

父上は俺の性格をよくわかってる。
だけど、あえて戻ってきて欲しいと言ったのは、それが本当の希望なんだろう。

「なにか異変があった時だけこちらに来て貰ったらいいんですよね?」

アレクが確認する。

「基本ないと思いたいが、そうだな。」

「ちょっと待ってください。何かあってからでは遅いのでは?ラルフレッド様のお屋敷からでは馬を飛ばしても一時間は掛かります!」

侯爵が反論をするけど、他の三人は至って冷静だった。

「侯爵、ラルフレッドは瞬時に自宅とここを行き来出来るんだ。実は誰にも内緒で何度も私とラルフレッドは会っているんだよ。」

父上がそう言うと、侯爵は訳が分からないという表情をした。
まぁ、そりゃそうだわな。

俺は自分の家の執務室へと空間を繋いで侯爵を呼ぶ。

「侯爵、見た方が早いでしょ、こっち来てみて?」

俺の言葉に、侯爵は俺が魔法で繋げた先の空間を見て驚く。

「ラルフレッド様のお屋敷の執務室?」

俺と一緒にあっちに行って戻ってきた侯爵は放心状態になっていた。

「・・・な・・・あれはなんですか?あんな魔法見た事も聞いた事もありません。」

「だろうね、完全俺オリジナルだからね。」

「そんな無茶苦茶な・・・」

「侯爵、ここまで知ったのだ、隠さず言うが、ラルフレッドの魔力はちょっと高いというレベルでは無い、底無しだ。」

「うん、ラルフ様の魔力は規格外すぎて、まともな精神じゃ付いてけませんよね。」

父上の言葉に、アレクも頷く。

「ははは、底無し・・・規格外ですか・・・私はラルフレッド様のお力を魔道士より少し高いくらいのレベルだと思っていたのですが・・・貴方は神ですか?」

「あはは、神な訳ないよ。ちゃんと父上の子だ。」

俺の事を尊敬の眼差しで見る侯爵。
早速崇拝者を作ってしまったようだ。

「話戻すけど、ここの異変をすぐに知らせる方法か・・・スマホとか電話的な物があればいいんだけどな・・・」

「スマホ?デンワ?」

首を傾げる侯爵に父上とアレクが、

「ラルフレッドは案出しをしている時、意味不明な言葉を連発して、出す案も、作るものも見た事もない物が多いから気にするな。」

と伝えていた。

うーん、魔力で電話?念話とか出来ないかな。

少なくともここにいる者はみんな魔力を持っている。何か特定の物に電話の様な機能の術式を施しておいて、そこに魔力を流し込むと繋がるように出来るかな?


しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日7時•19時に更新予定です。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

うっかり結婚を承諾したら……。

翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」 なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。 相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。 白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。 実際は思った感じではなくて──?

幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない

ラム猫
恋愛
 幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。  その後、十年以上彼と再会することはなかった。  三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。  しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。  それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。 「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」 「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」 ※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。 ※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

処理中です...