仮面令嬢と変わり者王子の甘い日々

さらさ

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㉟兄上の凄い所(ラルフレッド)

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とりあえず適当な物・・・一番身に付けていられる指輪を四個用意してもらって、それに魔力を流し込んだら繋がる術式を練りこんだ。
念の為やってみたらちゃんと繋がったので、電話機能が使えるようになった。

これに一番喜んだのはアレクだった。

「これで城とラルフ様のお屋敷を何度も往復しなくていいんですね?!」

そうか・・・今まで必要と思わなかったから作らなかったけど、アレクには大変な思いをさせてたんだな・・・気が付かなくてスマン。

個々に一つずつ持つ。

「繋げたい相手の名前を唱えながら魔力を流し込んでね、受ける方もここが光ってる時に魔力を流し込んだら繋がるからね。」

「分かった。」

皆がいい返事をする。
まるで子供が新しいおもちゃを与えられた時のように目が輝いている。

「それと、この事はここに居る四人だけの内緒ね、俺はリリアーナには話すけど、他の人にはバレないようにしてね。」

そう言うと、三人ともこくりと頷いてくれた。

「それで、兄上を狙いそうな奴に心当たりは?」

「・・・怪しいと言えば、マドラス大臣か、バドルド伯爵・・・ですかね・・・」

コーデリア侯爵は目星を付けていたようで、スラスラと名前を上げる。

「マドラス、バドルドか・・・確かに、二人ともいつもゴマすりと作り笑いの怪しい奴らだよな。」

「ラルフレッド様が何故そのような事をご存知で?」

侯爵が不思議そうに質問する。
俺が社交界に出てないと思ってるからその反応は正しい。

「城主催のパーティーは影からこっそり覗いてるんだ。だいたいの人となりは把握してるつもり。」

「そうでしたか、さすがラルフレッド様です。」

「あのさ、兄上の前では俺の事普通に扱ってね。」

ちょっと心配になって侯爵に念押しをする。

「もちろんです。」

任せてくれと言わんばかりに力強く返事をするけど、・・・不安・・・

「マドラスとバドルドのどちらかか、二名共かがライアンと接触しているのかもな、暫くは注意した方がいいね。」

「そうだな、少し動きを探るか。」

父上の言葉に二人も頷く。
そして、その場は解散となった。

父上の執務室を出た後自室へ向かうと、部屋の前に兄上が立っていた。

「ラルフレッド!」

俺を見てニッコリ微笑む。

「兄上、何か用でした?」

「うん、昨日の礼がまだ言えてなかったからね、遅くなったけど、昨日は助けてくれてありがとう。本当に助かったよ。」

兄上は変人の俺にもちゃんと接してくれる律儀な人だ。

「そんなに大したことはしてません。」

「いや、ラルフレッドがあんな事が出来るなんて驚いたよ、やっぱりラルフレッドは凄いね。」

兄上はいつも俺の事は疑わず信じて素直に褒めてくれる。

「俺も夢中でしたから、どうやったのかも覚えてません。」

俺は兄上の治療について、聞かれたらそう答えるよう、他の四人にも言ってある。

「いや、ラルフレッドは本当は出来る子なのに、私の為に隠してるのは知ってるよ、でも、ラルフレッドが騒がれたくないのも知ってるから誰にも言わないよ、安心して。」

にっこり笑う兄上、何でそんなに感がいいんだろう。
俺は全て見抜かれていることに、兄上の観察眼に改めて驚かされる。

「・・・ありがとうございます。」

兄上は俺の事を見抜いていてそう言ってくれている。
変に詮索されるよりはいいので、とりあえず甘えておこう。

暫く兄上と話をしてから別れて、俺は部屋に入った。
部屋にはリリアーナの姿は無い。

まだ戻ってきてないのか?
そう思った時に、ドアが鳴った。
リリアーナが帰ってきたかな?

「どうぞ。」

声をかけると、扉を開けて入って来たのはセリーヌだった。

「失礼するわ。あれ?リリアーナさんは?」

部屋の中にリリアーナが居ない事を不思議そうに俺に尋ねる。

「え?姉上達と一緒じゃ無かったの?」

どういう事だ?リリアーナは姉上達と話をしていたんじゃないのか?

「ラルフレッドに聞きたい事があったんだけど、中々父上の所から戻ってこないので、一度解散したのよ。さっき、エリオット様が帰って来て、話は終わったと言うので、ラルフレッドも戻っていると思って来たのだけど・・・」

「リリアーナは部屋に戻ってたの?」

「ええ、道が分からないというので、私が案内して、この部屋の前で別れたのよ?」

どういう事だ?
リリアーナが勝手に城の中をうろうろするなんて考えられない。

俺は慌てて部屋の中を確認する。
パウダールームも他の部屋も確認したけど、やはり居ない。

俺の鼓動が一気に跳ね上がる。
まさか、誰かに連れていかれた?

俺は魔力探知を城中に展開してリリアーナの魔力を探す。
リリアーナの魔力は弱いので中々引っ掛からない。
感度最大まで上げて探ったけど、見当たらない。

「城の中に居ない・・・」




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