仮面令嬢と変わり者王子の甘い日々

さらさ

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㊳ラルフ様の優しさ

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本当に怖かった。
自分の部屋に戻ったのを確認したら、安心してまたラルフ様に抱きついて泣いた。

「怖い思いをさせてごめん。リリアーナが居ないと気がついて、俺、気が狂いそうだった。」

そう言いながら私を強く抱きしめる。

「怖かったけど・・・ラルフ様が必ず助けに来てくれると信じてました。」

ギュッと抱きしめられて、ラルフ様の温もりを感じているうちに少し落ち着きを取り戻せた。

「君を失うかもしれないと思うと、怖くてしょうがなかった。」

ラルフ様も私の為に、必死になってくれたのだと伝わって来て、愛されているのだと実感する。

「ラルフ様、ありがとうございます。」

自然と笑顔がこぼれて、ラルフ様を見つめた。

「リリー、可愛い笑顔が涙で濡れてたら台無しだ。」

そう言って、ラルフ様はくすっと笑うと、さっきまで私の頬を伝っていた涙を拭ってくれる。
そして、そのまま手で頬を包み込むと、唇を重ねた。

頬を包んだ手は次第に後頭部へ回され、もう片方の手は腰を強く抱き寄せる。
蕩けそうなラルフ様のキスに、安心して身を任せていると、お腹にズキンと痛みが走る。

「っつ、」

「リリアーナ、どうした?」

「お腹が痛くて・・・」

「お腹?」

お腹の痛みに思い出す。

「そういえば、お腹を殴られたんだったわ。殴られて気を失ったの。」

「なっ!アイツら!!リリアーナになんて事を!」

私の言葉に、ラルフ様は怒りを露わにする。

「どこを殴られたの?見せて?」

「え?ここで・・・ですか?」

まだ辺りは明るいし、いくらラルフ様には全身見られているとはいえ恥ずかしい。

「うん、手伝った方がいい?」

ラルフ様は真剣だ。

お腹を見せる為には、ドレスとコルセットを全部外さないといけない。
マリナ達がいないので一人では難しい。

「・・・はい・・・お願いします・・・」

恥ずかしくて、どうしていいか分からず、つい横を向いて話してしまう。

そんな私を見てラルフ様はくすりと笑う。

「リリアーナは本当に恥ずかしがり屋さんだね。」

そう言いながら私の後ろに回ると、ドレスを脱ぐのを手伝ってくれる。

ドレスと、コルセットが外れて下着だけの姿になると、ラルフ様が後ろからそっとローブを掛けてくれる。
こういう、さり気なく優しい所、好きだわ・・・

「ラルフ様、ありがとう。」

私はラルフ様の方を振り向きながらお礼を言う。

「うん、リリアーナはいつも可愛いね。」

「え?」

今の何処に可愛いがあったのかしら?

首を傾げる私を他所に、ラルフ様は私のお腹の辺りを触りながら、
「どこ?」と尋ねる。

ちょっと恥ずかしいけれど、ローブを少し開けてお腹の痛みのある部分を見せる。

「なっ!」

ラルフ様の驚きに、私も自分のお腹を見て驚いた。
お腹が青くなってる。

「アイツら・・・女の子にこんな酷いことをするなんて・・・殺しておけばよかった。」

ラルフ様が怒りを露わにして物騒なことをつぶやく。

「ラルフ様、それはダメです。こんな怪我、そのうち治るけど、人を殺めちゃうと、その罪は一生残ります。」

私の言葉に、ラルフ様はちょっとびっくりしたようにしばらく私を見ていたけれど、ラルフ様の表情が柔らかい表情に変わる。

「そうだね、リリアーナは強いね。」

そして、しゃがみこんで私のお腹の青くなったところを見る。

「でも、痛いよね、殴られて痛かったね、よく頑張ったね。」

そういった後、青くなった部分に優しく触れるか触れないかのキスをそっとした。
私は肌にラルフ様の唇が触れた感触に思わずぞくりと全身の毛が逆立つ。

「ラ、ラルフ様!!」

私は真っ赤になって、慌ててローブでお腹を隠す。

「ん?もう隠しちゃうの?何で?」

「な、何でって、恥ずかしいからダメです!」

私はさらに顔が火照るのを隠すように、真顔を作ってラルフ様を睨んだ。

なのに、ラルフ様は私をそっと横抱きにして見下ろす。

「そんな可愛い顔されると、我慢できなくなるじゃないか。」

「え?」

な、何で?
焦る私をラルフ様はそっとベッドに降ろすと、私の額にキスをする。

「冗談、今日は無理させられないよね、少し休もう。大丈夫、ずっとそばに居るから。」

ラルフ様はそう言うと、私の横に添い寝して手を繋いでくれる。

「ラルフ様・・・」

その優しさにまた涙が溢れる。
そんな私を抱き寄せてくれるラルフ様。
ラルフ様の腕と胸の中で、落ち着いて眠りに落ちるまで、ラルフ様はずっと優しく包んでくれていた。






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