16 / 33
⑯魔王の提案
しおりを挟む「シンラ!大丈夫ですか?急に魔王と共に消えたので心配していました。」
そう言って俺を見た後息を詰まらせる。
今の俺は胸のリボンが解けて肌が少し見えた状態で、暴れたので髪も乱れてる。
「ユリアンさん!怖かった・・・!」
俺はユリアンさんの顔を見た瞬間、ユリアンさんにしがみついていた。
「シンラ・・・」
しがみつく俺をユリアンさんが優しく抱きしめてくれる。
「俺の元から逃げたと思ったら俺の城で男と抱き合っているとはな・・・」
その声にドキッとする。
ユリアンさんに抱きついたまま振り返ると、魔王がそこに立っていた。
「こんな屈辱は初めてだぞ。」
魔王、なんか怒ってる・・・。
「魔王陛下、私の話を聞いてください。」
ユリアンさんがまた訴えかけた。
「うるさい。お前はシンラのなんだ?俺がシンラを抱くのを邪魔するのか?」
魔王がイライラしたようにユリアンさんを睨みつける。
「シンラを抱かせる訳には行きません。」
「そういう事か、通じ合っているのなら仕方ない・・・と俺が言うと思ったか、俺は純潔だろうがなんだろうが気にしない。聖女として神が選んだ娘である事が大事なんだ。」
魔王の言葉にユリアンさんが戸惑う。
「え?そうなんですか?純潔でなければいけないのでは・・・?」
「俺はそんな事一言も言ってない。」
そうなんだ。なんか人間の間で勘違いがあったのかな?勝手なイメージが着いてたのかな?純潔でなくても良かったんだー・・・って、俺には関係ないか!
「お前が居るとシンラが俺の元へ来ない。お前は帰れ。」
魔王がそう言って指を鳴らすとユリアンさんが消えた。
俺は捕まっていたユリアンさんが消えて前に倒れる。
「え?・・・魔王!ユリアンさんをどこへやった!」
「家に返してやっただけだ。騒ぐな。」
魔王が俺に近づいてくる。その前に俺はユリアンさんの元に瞬間移動で移動した。
「シンラ!」
目の前にユリアンさんが現れる。
「ユリアンさん、良かった。」
ほっとしてユリアンさんの胸に顔を埋める。
「お前、その魔力・・・神から与えられたのか?」
また魔王の声にビクッとなる。
どこに行っても追ってこられる。怖い。
ユリアンさんにぎゅっとしがみついた。
「この距離を軽々飛ぶヤツが居るとは思わなかった。」
魔王はくくっと笑う。
なんか楽しそうだね。
「どうだ?どうせお前を連れて帰ってもまた瞬間移動で戻ってしまうんだろ?なら、そいつ毎俺の元に来い。そいつと好きなだけ愛し合えばいい。ただし、ユリアンと言ったか?俺がシンラを抱く事も許してもらう。」
何その提案!俺はどちらにも抱かれる気は無いよ?
でも、どうせ魔王の元に行かないといけないならユリアンさんと一緒に居たいな・・・ユリアンさんはそんな事了承してくれるのかな?
「ユリアンさん・・・俺、ユリアンさんが居てくれたら心強いな・・・。」
ユリアンさんを見上げると、ユリアンさんは困った顔で俺を見つめていた。
やっぱり魔王のところに行くって、今までの生活捨てることになるんだよね?そんな事ユリアンさんにさせられない。
「嘘だよ。ユリアンさん、俺一人で行くね。今までありがとう。」
俺はユリアンさんに、にっこり笑ってサヨナラを言う。
「シンラ!勝手に決めないでください!また泣きそうな顔して・・・本当にシンラからは目が離せませんね、私も行きますよ。」
そう言って俺を抱きしめる。
「ユリアンさん・・・本当にいいの?」
「ええ、私はシンラの兄ですからね。シンラが悲しい顔してたら助けなくてはいけないんです。それに・・・驚きましたが、シンラの力ならこちらに戻ってくる事も出来るんですよね?」
そっかー、仕事しながら魔王城に住むことも可能なんだ!ユリアンさん賢い!
「話は纏まったか?」
魔王が話に入ってくる。
「うん、行くよ。だけどこれだけは言っとく、俺はどっちにも抱かれるつもりは無いからね!」
俺はふんっと両手を腰に当てて威嚇した。
すると、二人がクスクスと笑い出す。
「何がおかしいの?」
ぷんぷんしながら二人を見ると、魔王がユリアンさんに、話しかける。
「なんだ、余程の仲なのかと思ったら、お前、まだ抱いてないのかよ。」
「私とシンラはそのような仲ではありません。」
とユリアンさんが頬を赤らめて魔王に訴えていた。
0
あなたにおすすめの小説
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る
水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。
婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。
だが――
「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」
そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。
しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。
『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』
さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。
かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。
そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。
そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。
そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。
アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。
ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる