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㉝グレンの愛【最終話】
しおりを挟むふっと目を覚ますと、辺りが明るい。
「朝?俺・・・寝てた?」
どれだけ寝てたんだろう?
・・・俺、とうとうグレンに抱かれちゃった・・・
ベッドに連れてかれた時は怒ってる風だったのに、俺に触れる手も、唇も、全部優しくて、ずっと包み込むように、大切な物に触れるようにそっと抱きしめてくれた。
・・・女の子ってこんな感じなんだ・・・
グレンの気持ちが、触れる肌から伝わって来て、恥ずかしいのに、心地よかった。
・・・思い出したら恥ずかしい・・・
ベッドにグレンは居ない。
きっとあの場所だ・・・
俺は自分の部屋に瞬間移動で戻ってから着替えて西の庭園に向かった。
庭園の入口まで来ると、いつものようにグレンが出てくるのを待つ。
つもりだったのに、辺りが歪んで気が付くと、俺はグレンの腕の中にいた。
「っ!グレン!」
「おはよう、シンラ。身体は大丈夫か?」
グレンが優しい眼差しで俺の心配をしてくれる。その言葉に一気に恥ずかしさが込み上げてくる。
「う・・・うん・・・ちょっとだるいけど大丈夫。」
「昨夜は結局無理させてしまって申し訳ない。まだ寝ててもいいんだよ?」
「だ、大丈夫。ありがとう。」
恥ずかしすぎてグレンの顔が見れないよ・・・
おまけにいきなりお姫様抱っこされてるから肌が・・・
「グレン、どうして俺を呼んだの?」
いつものように外で待つつもりだったのに、グレンは庭園の中に居る自分の元に俺を移動させた。
「シンラ、ここにはシンラの前に居た女性が眠ってる。」
「うん・・・ひなさん?」
「なんで名前を知って・・・?」
俺の言葉に驚くグレン。
「昨日、寝言で言ってた。」
俺の言葉にグレンはショックを受けているようだ。
「・・・ああ、それでシンラの様子がおかしくなったのか・・・すまない。」
「俺も、もう居ない人にヤキモチ焼くとか・・・ごめんね・・・」
そういう俺をグレンは優しく撫でておでこにキスをしてくれる。
「ひなは一番最初に俺を魔王から正気に戻してくれた女性の生まれ変わりだったんだよ。だけど、彼女は弱すぎた。」
それって運命で結ばれた人じゃん。俺、そんな人には勝てないわ。
「弱い?」
「彼女は魔力が少なかったんだ。だから、寿命も短く、100年しか一緒に居られなかった。」
は?寿命が短くて100年?
「俺よく分からないけど、魔力が高いと寿命も長いの?」
「そうだよ。シンラはとても魔力が高いからずっと一緒に居てくれるだろ?」
そういえば・・・神様に魔王と同等の魔力を与えられちゃったよ。それって寿命にも関係することだったの?
「俺、神様からグレンと同等の魔力もらった。」
その言葉に、グレンは一瞬大きく目を見開いて驚いた後、俺をぎゅっと抱きしめる。
「シンラ・・・それ最高だな!」
えっと・・・寿命はグレンと、同じってことなのかな?
それって、ずっとグレンと一緒に居られるってこと?
嬉しい!
「今日は、やっとシンラが俺を受け入れてくれたって、ひなに報告に来てたんだ。」
そう言って石碑を見るグレン。
「明日からは朝もシンラと一緒にいてやりたいから、もう毎日は来ないって伝えてた。」
え?そうなの?
確かに、今日目が覚めて、グレンがいなくて、広いベッドに一人きりは寂しかったけど、そんな事でひなさんとの繋がりを経っちゃっていいの?
「シンラ、俺はひなを愛してた。だけど、今心から愛してるのはシンラ、お前だ。お前を泣かせるようなことはしたくない。」
そう言って俺を見つめるグレン。
「本当に?」
「まだ信じないのか?」
疑う俺を見下ろすグレン。
気が付くと、辺りが歪んでグレンの部屋に戻っていた。
「え?なに?」
驚く俺を抱いたまベッドに向かうグレン。
「ち、ちょっと!なに?」
「俺を信じるまで抱いてやる。」
は??
また抱かれちゃう!
朝まで濃厚な時を過ごしたばかりなのに?
「分かった!信じる!グレンのこと信じる!」
焦る俺をくすくすと笑いながら見下ろすグレン。
あ、からかってる?
「シンラ、愛してるよ。」
「お、・・・私も・・・」
グレンは俺を優しく抱きしめたまま唇を重ねる。
ーーー end ーーー
~~~ あとがき ~~~
ここまでお付き合い頂きましてありがとうございます。
グレンは思ってた以上にエロ魔王になってしまって、途中どうしようか悩みました。
脇役のはずのユリアンが以外に気に入ってしまって、ユリアンとシンラをキスさせてやるか・・・とか悩みつつ・・・
結局グレンは最後までエロ魔王でした(汗)
グダグダな所も多々あり、お見苦しい点もあったかと思いますが、最後まで暖かく見守って頂きましてありがとうございます。
ここまでお付き合い頂きました貴方様に感謝です。
月野さらさ
※既に新作を書き進めております。
「仮面令嬢と変わり者王子の甘い日々」
感情を上手く表情に出せない主人公と実は転生チートな王子様との物語です。
興味がありましたらぜひご覧くださいませ。
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