侯爵令嬢は弟の代わりに男として生きることを決めました。

さらさ

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13話 僕の希望

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僕らは赤面したまましばらくお互い違う方を向いて隣同士座っていた。

まさか男が男同士でも女を抱くみたいな事をする生き物だなんて知らなかった。

一部でもそんな事を考える男達と今までずっと一緒に居たなんて、僕はどれだけ無防備だったんだろう。

ただ単に、女だってバレないようにしてればいいと思っていたけど、僕の事を男だと思っていても、そういう対象として見る奴がいた事にショックを受けていた。

よく考えると、あのまま服を脱がされてたら僕が女だってバレてた、女だってバレた所で、元々そういうつもりでいたヤツらが辞めるはずもない。
考えるとゾッとする。

「・・・服・・・脱がされてなかったんだよね?」

「ああ、あと一歩遅かったら危なかったけどな。」

素っ気なく答えるギル。

「ギルが助けてくれたんだよね?ありがとう。」

ギルが気付いて助けに来てくれてなかったら、僕は本当にヤられていた。
ギルを見ると僕より背の高いギルの顔は見上げる位置にある。

「これ、痛かったよね。」

僕はギルの唇にある切れた後にそっと触れた。
すると、ギルがビクリと反応して僕を見る。
ギルは綺麗なグリーンの髪に金色色の瞳を持っていて、整った顔立ちをしている。俗に言うイケメンなんだけど、それを自慢する訳でもなく、いつも自然体だ。
父上が一人部屋にしようと言ってくれた時、大丈夫だと言ったけど、ギルが相部屋じゃなかったら危なかったかもしれない。
もちろんそんな奴ばかりでない事は分かってるけど、ギルほど僕のことを親身になって心配してくれる奴はいないと思う。

「ギルってカッコイイね。」

僕は思った事を素直に口に出していた。

「そんな事ねーよ!」

そっぽを向くギルの顔が照れて真っ赤になっているのが分かってくすっと笑ってしまう。

「笑うなよ!」

「だって、ギルなんか可愛い。」

くすくす笑う僕から顔を逸らして赤面するギルが可愛く見える。

「もう笑うなよ!それより、昼メシはどうする?体調は?今日はこのまま休んどくか?」

そう言えば、寝てる間にピークは過ぎたのか、マシになってる。だけど、まだ身体がダルいから今日は甘えさせてもらおう。

「うん、ずいぶんマシにはなったけど、まだ少し辛いから今日は休ませてもらおうかな。」

「分かった。昼メシ貰ってきてやるよ。」

「うん、ありがとう。」

ギルは部屋を出て行こうとして立ち止まって振り返る。

「誰か来ても絶対開けるなよ!」

そう言うと慌てて出て行った。

どうやら、僕はギルにかなり心配をかけてしまったみたいだ。
お兄ちゃん的存在から過保護なお父さんになったような気がする。

これだけ僕の事を心配して、変なやつらからも守ってくれてるのに、僕はギルに嘘をついている。

「ごめん・・・」

僕は痛む心を抱えながらさっきまでギルが座っていた場所に向かって呟いた。



「今日休んじゃったから評価下がるかな・・・」

ギルが持ってきてくれた昼食を食べながら呟く。

「一日くらい大丈夫だろ、お前の評価はダントツだろうし。」

「それはギルも同じだろ?」

「・・・前から思ってたんだけど、何でそんなに評価を気にするんだ?」

ギルがサンドイッチを頬張りながらちょっと遠慮気味に問いかけてくる。

僕があまり話したがらないから今まで遠慮してたのかな?
ギルには姉(本当はクリストファー)が魔物にさらわれて、僕が探そうとしてることは話してあるから別に構わない。

「上位5人までに入ったらどの隊に入るか希望が出せるだろ?」 

「ああ、そうだな。クリスはどこに入りたいってあるのか?」

「第一か第二に入りたい。」

「第一か第二?一番ハードル高いとこだぞ?なんでだ?」

そうだ、8隊ある騎士団の中でも第一と第二は我国の第二王子と第三王子が隊長を務める騎士団で、王子を護る名目でも選りすぐりの奴が集められる。
かと言って他の隊が弱いわけじゃないけど、第一と第二は実力と身分の両方で決められるので、誰もが入れる隊じゃない。
例外として、上位5位に入って希望を出せば、一般市民でも入れるけど、余程の強者でないと、貴族の中に入ろうて奴はいない。

僕は有難いことに身分で言えばクリアしてると思う。
後は実力で上位を取って確実に入れるよう希望を出したい。

「うん、第三から第八に配属されると、地方の砦に行かないといけないだろう?僕は王都周りを中心に姉を探したいんだ。だから他の隊には入りたくない。」

「なるほどな、姉さんは王都の近くで攫われたのか?」

「うん、地方に配属されるとなかなか戻って来れなくなるからね、その為には上位の成績で確実にどちらかに入りたい。」

僕はギルを見上げて強い意志を表すために真剣な表情で見つめた。

「そうか、第一、第二は王都の警護だからそのまま残れるもんな、伯爵位ならセーフかな?」

ギルが最後の方は独り言のように呟く。

「え?」

その言葉に反応すると、ギルがにっと笑いながら僕を見る。

「伯爵家なら身分はクリアだよな?俺も付き合ってやるよ。」

そういうギルは頼もしくて嬉しかった。

「ありがとう。」



その後、午後の訓練を休んだんだけど、何故かギルも一緒に休んでくれて、僕が休んでいる間ずっと本を読んでいた。









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