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14話 再会
しおりを挟む「ギル、今日の休暇なんかやる事ある?」
「いや、別に無いけど?なんだ?」
今日は休暇日なのでみんな思い思いのことをしている。
街に出たり、ダラダラしたり、家が近い者は顔を見せに帰ったりと過ごし方はさまざまだ。
僕も何度かは家に帰った事もある。
父上が顔を見せろとうるさいからな・・・
でも、今日は帰るつもりは無い。
「もし暇なら今日はぼくにつきあって欲しいんだ。」
「いいけど、何する?」
「二人でやることって言ったら決まってるだろ?」
僕はギルが了承してくれると確信があるから、わざとおどけてみせる。
「はいはい、分かったよ、すぐやるのか?」
「うん!」
ギルは僕の言いたい事を理解してくれて準備を始める。
僕もさっと支度を済ませてギルと一緒に部屋を出た。
「お前、本当にストイックだよな。」
ギルが歩きながら僕の頭をくしゃくしゃと撫でる。
「自分に厳しいって言って欲しいな、僕は今の自分に満足してないんだ。もっと強くなりたい。」
僕の言葉に、ギルはにっと笑う。
「クリスは努力家だよな、身体のハンデを自分で何とかしようと頑張ってるもんな。」
「僕の練習に付き合わせてごめんね。」
「気にするな、俺もやること無かったし、少しでも強くなれるならメリットはあるしな。」
ギルは僕が危ない目にあって以降必ず一緒にいてくれる。
過保護なお父さんみたいだ。
そんで、僕の練習にもずっと付き合ってくれるから、お互い腕は上がったと思う。
「それに、来月は部隊への配属だろ?少しでも実力を上げておかないとな。」
「うん。」
ギルは僕が強くなりたい理由を聞いてからも変わらず、前以上に僕の事を理解して協力してくれるようになった。
本当にありがたい。
「ギルが相方で本当によかった。」
僕がにっこり笑うと、ギルは照れてまた僕の頭をくしゃくしゃと撫でる。
「早く行くぞ!」
ギルは照れるとすぐに僕の頭を撫でる。最近それがわかってきた。
「もう!撫でるなよ!髪がくしゃくしゃになるだろ!」
「わるいわるい。」
そう言って笑いながら今度は撫で付ける。
練習場に着くと、僕達はお互いのいい所、良くない所を剣を交えながら意見し合う。
しばらくそうしてお互いの欠点を話し合った後、手合わせをする。
剣を交える相手に見てもらった方が、自分でも分かっていない欠点が分かる。
僕達は何度か休憩を挟みながら手合わせを繰り返した。
「なあ、そろそろ終わりにしないか?」
ギルに言われて、僕も頷く。
「後もうひと試合したら終わろうか。」
「ああ。」
二人とも結構フラフラになっていた。限界までやって、体力を付けるのも大事だからこのやり方を何度もやっていて、少しずつ限界が伸びているのも実感している。
これはギルが僕と対等に付き合うことが出来る奴だからで、僕は恵まれてると思う。
最後だと言った手合わせで、僕はギルが打ち込んだ一撃を受けるタイミングを逸して持っていた剣を弾き飛ばされた。
「あ!」
剣が僕の腕から離れた瞬間、剣の飛んだ先に人がいるのが目に入った。
いつの間に人が居たんだ?てか、当たる!
「危ない!」
そう叫んだ瞬間、そこにいた人がサッとギリギリで避けて、剣は地面に突き刺さった。
危なかった、当たるかと思った。
避けてくれて助かった。
剣を避けた人は地面に突き刺さった剣を引き抜くと、こっちに向かって歩いてくる。
「あれ、騎士服だな、白いから第二のだぞ。」
ギルが僕の横で呟く。
八つに分かれる騎士団の服の色は第一から黒、白、青、緑、赤、紫、茶、灰と色に分けられているので、すぐに何処の騎士団かわかる。
「すみませんでした。」
僕は向かってくる人に頭を下げてから顔を上げた瞬間、固まってしまった。
この人は・・・前に森の前で会った人だ。
淡い栗色の髪にグリーンの瞳、整った綺麗な顔立ち、入隊前に森の前で出会って思わず見とれてしまった人だ。
向こうも僕の顔を見て足を止めると、固まって僕を見る。
明らかに僕の事を思い出した顔だ。
ヤバい、あの時僕はレティシアだった。
僕がレティシアだとバレるのはまずい。
「・・・君は・・・」
やっぱりそうだ、気付いてる。
「初めまして、第二騎士団の方ですか?」
僕は今日が初対面だと強調するように話しかける。
「・・・何処かであったこと無かったかな?」
「え?初めてですけど・・・あたなの様なイケメンさん、見たら直ぐにわかりますよ。」
僕はにっこり笑って初対面をゴリ押しする。
「・・・そうだな、あれは女性だったし・・・」
イケメンさんは独り言のようにボソリとつぶやくと、僕を見る。
「すまない、私の勘違いのようだ。」
そう言って持っていた僕の剣の束をくるりと回すと僕に渡してくれる。
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