侯爵令嬢は弟の代わりに男として生きることを決めました。

さらさ

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17話 第二騎士団

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第二騎士団の寮は城の西側に位置していて、その反対側の東側には第一の寮がある。

第二騎士団の寮は、訓練期間に居た寮の部屋よりも広くて、二人部屋というのに変わりはないけど、ベッドが2段ベッドではなく、普通のシングルベッドが二つ両端にあって、奥には勉強机のセットが二つ並んでいる。
基本的な設備は変わらないけど、ベッドにカーテンがない!
僕にとっては死活問題だ。
どこで着替えよう・・・と思案していると、ギルがパウダールームから顔を出す。

「クリス、ここのパウダールーム、結構広いから着替えはここで出来るな。」

その言葉に、そこがあったか!と思わず喜んでしまう。
ギルは僕が貧弱な体を見られたくないって事を理解してくれていて、疑うことも無く良かったなと言ってくれる。

本当に、ギルが同じ第一に入ってくれて、相部屋で良かったと思う。

これで今まで通り生活ができる。

安心してベッドに腰掛けていると、ドアが鳴った。
ギルが返事をして出ると、来ていたのはクラウス様だった。

「とりあえず落ち着いた?今日は夕食の前に他の団員に君達を紹介したいから、18時にさっき案内した食堂に来てくれるか?」

「はい、分かりました。」


そうして僕達は言われた時間に食堂に向かった。



食堂に行くと、みんな集まっていた。
第二騎士団は総勢185人、第三から第八までは各500名はいるのに対して、第一、第二は半分以下だ。
それだけ精鋭揃いだと言えるけど、王都の中では人数が少ない方が動きが取りやすいという理由もある。

僕達が入ると、団長であるクラウス様が僕達を紹介してくれる。

「見ての通り、今年のうちの新入りは二人だけだ。この意味分かるよな?」

クラウス様の言葉に、みんながザワザワと口々に話し出す。

「クラウス様が欲しい子を見つけたって嬉しそうにしてた子達だよね?」

一番前に座ってた一人が話し出す。

「そうだよ、どうやって二人とも手に入れるか考えてたら、二人ともうちを希望してくれたんだ。本当に嬉しかったよ。」

「その二人のせいで他の新人が貰えないって、まさかそこまでの腕を持ってるって事?」

その言葉に周りもザワザワと反応する。

「そうだ、私の見た所既にこの二人は第二の中でも上位だよ。みんなこの二人に負けないように訓練に励んでくれ。」

「え?マジで?二人って、デカい方だけじゃなくて、チビちゃんも?」

そうか、僕はギルがあまりにも強すぎるから、調整用でセットにされた子だと思われてたのかな?

「見た目で判断して侮ると痛い目に遭うよ。」

クラウス様がにこにこと答えると、チビちゃんと言ったやつが立ち上がって僕の方に来る。
 
「こんな可愛い女の子みたいな顔なのに、クラウス様が認めるなんて、お前凄いんだな、俺は第二の副団長をやってるリオだ、よろしく。」

僕はチビちゃん、女の子と立て続けに言われてプチッと来ていたけど、相手は先輩、しかも副団長さんだ、落ち着け・・・と心に言い聞かせる。

「よろしくお願いします。」

僕が愛想笑いを浮かべて挨拶をすると、他の人達も立ち上がってリオさんに続く。
立ち上がるとみんなでかい!
僕が埋もれてしまう。

「チビちゃん、俺もよろしく。」
「こんなに可愛いのに強いのかよ?信じられん。」
「可愛いからうちのマスコットで来たのかと思ったよ。」

等、さまざまな事を言ってくれる。
僕が耐えてる横で、ギルが冷や汗を書いていた。

「あのー、先輩方、クリスはあんまり身体の事を言われるの好きじゃないんで、切れても知りませんよ?」

その言葉に反応したのはリオさんだった。

「え?切れたらどうなるんだ?なんか怖いの?ちょっと面白いんだけど、チビちゃん、切れてみてよ、いいよ。」

楽しそうに僕を誘うリオさん。
そう言われると、余計切れるわけにはいかないじゃないか。

「見た目通り、腰抜けなん?」

その言葉に周りも笑い出す。
僕はリオさんが言葉を発した直後、リオさんの左腕を持つと懐に入り込んでそのまま投げ飛ばしていた。

「誰が腰抜けだって?」

僕は投げ飛ばされて倒れたリオさんを腕を組んで見下ろす。
その光景を、周りは何が起こったのか状況が呑み込めずに唖然として見ている。
ただ二人を除いて。
ギルは頭を抱えてやってしまったか・・・と言う表情している。
そして、クラウス様は楽しそうに、くすくすと笑いながら僕を見ていた。

「びっくりした、一瞬何が起こったのかわかんなかった。チビちゃん、いや、クリス、けしかけて悪かった。」

投げ飛ばされてしばらく呆然としていたリオさんがにっこり笑って腰を擦りながら起き上がる。

僕はそんなリオさんに手を貸しながら謝った。

「僕こそすみませんでした。」

二人の状況を見て周りもまたザワザワと話し出す。

「いや、ホント、びっくりした、あれなに?凄い体術だね。左手を掴まれたと思った瞬間、もう中に浮いてたよ。」

「クリスの体術は誰にも勝てませんよ。」

ギルがリオさんの疑問に答えてくれる。
ギルも未だに僕の体術には勝てないでいる。確かに、体術だけなら誰にも負けないかもしれない。

「みんなもクリスの実力を見て納得したみたいだね、私もクリスに投げ飛ばされないように注意しないといけないね。」

くすくすと楽しそうに笑うのはクラウス様だ。
そういえば、クラウス様は最初から一度も僕を貶す言葉を言ってない。
小さいと言ったことも、可愛いとか、女顔だとか言う言葉も聞いていない。

クラウス様は最初から僕の事をちゃんと一人の男と認めてくれてるんだ。

そう思うと、改めてクラウス様の人柄に惹かれる自分が居た。



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