侯爵令嬢は弟の代わりに男として生きることを決めました。

さらさ

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37話 女装?

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結局僕はクラウス様の恋人としてパーティーに参加することになった。

寮の部屋にクラウス様が迎えに来た時、ギルに何処へ行くのか聞かれたけど、絶対言えない! どうしようか焦っていると、クラウス様が答えてくれた。

「ちょっと私の用事を手伝ってもらう事になっていてね、しばらくクリスを借りるよ。」

そう言われると、ギルも何も言えないのか「わかりました」と頷く。

「ギル、ちょっとだけ行ってくるね! 」

僕は手を振りながら部屋を後にした。



お城にあるクラウス様の部屋に行くと、侍女さんが二人待っていた。

「私はこっちの部屋で着替えて来るから、君の着替えは彼女達に任せてくれ。」

「わかりました。」

僕は用意してもらったドレスに着替える為、侍女さんに手伝ってもらう。
ドレスは水色の裾に向かってふんわり広がるドレスで、首元はホルターネックになっていて、首の後ろでリボンを結ぶタイプだった。
肩と背中を出すのは恥ずかしいけど、襟元が大きく開いたドレスより全然いい。
侍女さんには僕の胸が貧弱なのを見られて、胸元にタオルを詰め込まれてしまった。

おかげでしっかり胸のある女性に見える。
これなら僕だとはバレないかも知れない。
そして、ウイッグは僕の金髪とは全然違う黒髪を用意されていた。
左に寄せて編み込みをして肩から前に垂らした髪には小さな青い花が散りばめられていてとても可愛い。

お化粧もしてもらって、完成した僕を見て、自分で驚いてしまった。

・・・だれ?

「お嬢様のブルーの瞳とドレスが黒い髪に生えてとてもお美しいです! 」

「ありがとうございます。元のぼ・・・私から想像出来ないくらい変わりましたね。」

侍女さんに褒められて、自分でも驚くほど変わった事に驚きを隠せない。

「クラウス様を呼んで参りますね。」

侍女さんがそう言って隣の部屋に消えると、クラウス様が入って来た。

「着替え終わった?・・・」

クラウス様は僕を見てしばらく黙り込む。

「クラウス様? 僕、変? 」

ちょっと不安になって問いかける。

「いや、クリス・・・レティシアがあまりにも美しいのでつい見とれてしまったんだ。」

そう言って、ちょっと顔を赤らめながら僕の方へ歩いてくる。

「僕もびっくりしました。侍女さんのお化粧テクニック凄いですね! 」

「いや、元がいいからだよ。」

即座にクラウス様にツッコミを入れられてしまった。
お化粧すごいと思うけど・・・

「これなら僕だって誰も気が付きませんよね。」

正直不安だったんだけど、この変わりようは僕もびっくりした。

「クリスの事はなんと呼ぼうか・・・レティシアはまずいし・・・」

「じゃあ、シアって呼んでください。クリスがたまに呼んでくれてた愛称です。」

僕の提案に、クラウス様も、納得する。

「シアか、可愛いね、愛称はレティかと思ったけど、いいね。」

「うん、クリスだけがシアの方が可愛いって言ってたまに呼んでくれてたんです。」

懐かしさに、自然と笑みがこぼれる。

「クラウス様もとても素敵ですね、今日はご一緒出来て光栄です。」

僕がそう言うと、クラウス様がクスクスと笑う。

「それは私のセリフだよ、シアはすっかり男が板についてるね、」

そう言うと、改まって僕を見る。

「シア嬢、今日はエスコートさせて頂ける事をこんなに光栄に思うことはありません。私とご一緒して頂けますか?」

「もちろんです。」 

僕は初めての事にちょっと照れながら差し出されたクラウス様の手を取った。


僕はクラウス様にエスコートされながら会場へ向かった。

クラウス様には稽古を何度もつけてもらってるし、僕が弱ってる時は抱きしめてくれたりもして、身体が触れることも何度もあるけど、こんな風に腕に手を絡めて歩くのは初めてなので緊張する。

クラウス様と一緒に会場に入ると、クラウス様の到着を敏感に気付いた女性達が一斉にクラウス様を見る。

そして、隣に立つ僕の存在に気付いてざわめきが起きる。

ゔ・・・なんか視線が痛い。
クラウス様、カッコイイから絶対モテるんだよね、でも、今まで特定の人と付き合ったことはないって言っていた。
そんなクラウス様が女性と現れたんだから、みんな驚くよね。

ひそひそと僕を見ながら話す女性達に、僕はどう映っているんだろう?
変な女だと思われてるんじゃないだろうか?
思わず恥ずかしくなって俯いてしまう。

「シア、どうした? 」

そんな僕の様子に気が付いて優しく話しかけてくれるクラウス様。

「なんかみんなに見られてて恥ずかしくて・・・ぼ、私変じゃない? 」

「シアが美しいからみんな羨ましいんだよ。」

そう言ってにっこり笑ってから僕の耳元で囁く。

「シア、兄上が私の登場に気が付いてこっちに向かって来てる。後ろに隠れてる? 」

「カルロス様が?? 僕、無理です! 」

あれ以来カルロス様とは会っていないけど、カルロス様を見たら絶対あの時の事を思い出してしまう。
と言うか、今カルロス様と聞いて、カルロス様の口が触れた感触が甦って来て、カッと顔に熱が上がるのを感じた。
こんな顔見せられない。



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