愛されたがりのオオカミは、愛したがりのトラに抱かれる。

野中にんぎょ

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三日月の夜の拾い物

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 神のご加護は温かな霞のようなもので、腹を満たしてはくれない。夕暮れに沈む貧民窟からネオン色の街へ走り、マダラはおまんまにありつく為に“ひと肌”脱ぐ。
「お暇だったらどうですか?ライオンやウサギ、ネコからオオカミまで、どの尻尾でも五十分七千円でお触り放題ですよお。初回一時間はドリンク付きで四千円。お店もすぐ近くにあるんでえ、俺がお送りしますよっ」
 抱えている看板にしなだれながら甘えた声を出せば、ローライズのホットパンツから覗くパンツの紐に雄たちの視線が集中する。……かかった!マダラはくるんと翻ってふさふさの尻尾を淫靡に振ってみせた。
「お兄さん、オオカミ?すんげー尻尾……」
 黒クマの喉仏がこっくんと上下する。マダラは猫目を細めて尻尾を彼の腕に擦り寄せた。
「俺よりすごい子、いっぱいいるよお。ちっちゃい尻尾、ふさふさ尻尾、ながーい尻尾!お好みの尻尾からお相手を選べまーす!」
 実を言えば、触り放題かは客の手腕による。キャストの気が乗ってくれば文字通り“触り放題”だが、獣人同士の相性が悪ければ指一本さえ触れられない。それでもキャストの顔ぶれはこの界隈で随一と言っても過言ではない。マダラは自信たっぷりに微笑み尻尾を高く上げた。
「ねえ、お酒も飲めてゆっくりできるところ、行きましょ?」
 小悪魔を装い誘いをかければ黒クマ白クマの二匹組は鼻の下を伸ばしてマダラの後を着いて来た。マダラは抱えた看板の影でガッツポーズをした。客引きの特別手当は一匹につき二千円となっている。今日はこれで七匹目。一万四千円あれば孤児院に何が贈れるだろう。
 感情の現れる尻尾は獣人にとって性的嗜好の一つだ。ボリュームがあって長い尻尾は雄雌問わずなんだかえっちに感じる。マダラの勤める尻尾パブ『桃源郷』はなかなかの人気店だ。
「ねえ、君、ララちゃんっていうの?」
 店のドアをくぐりボーイに客を預けようとしたところで黒クマがマダラを振り返った。ララことマダラは内心冷汗をかきながら「ララですっ。楽しんで行ってくださいね」と少女のように胸で手を振った。が、黒クマはボーイに向かって「ララちゃん指名できますか?あ、延長一時間つけといて。フロアの一番奥の席使える?」と手慣れた注文を付け始めてしまう。
 まずい。非常に、まずい。
 良客の予感に二つ返事でララを送り出すボーイ。黒クマはにっこりと微笑みマダラの腰に手を添えた。客引きの為にいつもより露出度高めの衣装にしたのが運の尽き。「俺ってお腹フェチなんだよね」と白い腹を熱っぽく見つめる黒クマに、マダラはこっそりと尻尾を膨らませた。
 マダラは尻尾の付け根に触れられるのが苦手だ。そこに触れられただけでおぞけが走り、全身が戦慄く。繰り返し擦られたりトントンと叩くようにされれば今度はフェロモンがダダ漏れになってしまう。あまりに簡単に発情してしまうものだから、マダラはキャストたちから厄介者の烙印を押されている。
「見た?客引きから帰って来た時のあいつの顔」
 真っ白な尻尾をぷりぷりさせてウサギは口端を上げた。「見た、見た。やばい~って顔、してたな」それに応じてネコがけたたましい笑い声を立てる。
「今日は発情しなくてよかったわあ。あそこでフェロモン出されたら大事故だもん」
「なんでそういう体質なのにここで働いてんのかね?……てかさあ、あいつ、本当にオオカミなわけ?」
 背中に視線が集中するのを感じ、マダラはロッカーの鏡を睨んだ。両手を握り合わせ瞼を下ろす。『家族の祈り』を胸の中で紡ぎ、マダラは笑みを浮かべて彼らを振り返った。
「おつかれさまでした!お先に失礼します!」
 ウサギたちは衣装のまま「おつかれ~」と気のない返事をした。
 ……見た目がオオカミなんだ。俺はオオカミ。オオカミに決まってる!
 祈りを捧げたばかりだというのに、マダラの眉間には皺が寄った。拳を握ったまま夜闇を駆ける。脳裏に過るのは孤児院の幼子たち、そしてミラ神父とエバーのこと。春になれば孤児院にやって来る幼獣が増える。寄付金で運営されている今の財政状態ではきっと立ち行かない。幼子たちの腹はもちろん、心も満たしてあげたい。「誰かが君を見ているんだよ」そう、教えてあげたい。
 ――いいかいマダラ。オオカミはね、家族想いの種族なんだよ。
 先代の神父がいつか、膝の上にいるマダラに教えてくれた。一族で群れを成すオオカミは、どの種族よりも家族を大切にする生き物なのだと。
 俺はオオカミだ。ミラ神父やエバーと同じ、オオカミなんだ。
 マダラは今にも雲に溶けそうな月を見上げ、眼差しを凛とした。……その時だった。
 ガシャン!からからから……、ガッシャン!
 路地裏から繰り返し何かをぶつけるような音が聞こえて来る。マダラは鼻先と耳をピンと立て風の匂いと音の方向に感覚を研ぎ澄ませた。
「俺に指図したさっきの威勢はどうした!?あぁ!?」
 肉の焼けた甘辛い匂いの向こうから、生ごみの散乱した匂い。マダラは周囲を見渡し居酒屋と質屋の間の路地を覗き見た。
 一線に落ちた月明かりの下、フードを深く被った一匹がガラの悪そうなヒョウやハイエナに囲まれている。……ドガッ!ゴミ箱に背を預け咳をこぼしていた彼をハイエナが容赦なく蹴り上げる。ヒョウはその場に横たえてしまった彼に唾を吐きかけた。
「おい兄ちゃん、この俺様にケンカ売ったこと、土下座して謝れたら許してやるよ」
 マダラは興味本位で路地を覗いたことを後悔した。彼らはこの界隈の用心棒を語ってみかじめ料を巻き上げている豹竜会の構成員だ。目をつけられたらただじゃすまない。
「いやだ」
 固唾を飲んで見守っていたマダラはもちろん、豹竜会の面々も瞳を丸くした。「僕は悪いことはしていない。絶対に謝らない」その一匹は一度ならず二度までも目の前の強者に向かってそう宣言した。
 ぴきぴきぴきっ……。
 果たしてその音は、ヒョウの青筋が立つ音だったのか、薄氷の上に居るあの一匹の足元が崩れる音だったのか……。その場は一瞬にしてヒョウの殺気に包まれた。
 獣人の世は弱肉強食。純血の種族がカーストの先端に立ち弱者を支配する。ヒョウは牙を剥き息撒いた。肉食獣の殺気は千里を駆ける。マダラは背を震わせて縮み上がった。
 このまま何も知らないふりをして逃げる?でも、そうしたらあの一匹は――。
 マダラの瞼の裏に、胸に、金色のロザリオが光った。社会と時代に取りこぼされた寄る辺なき者たちを守る、十字の砦――。
「けっ……、」
 胸のロザリオを握りしめ、マダラは面を上げて路地に駆け込んだ。ヒョウやネコ、ハイエナ、そしてフードを被った一匹の視線がマダラに集中する。マダラは胸いっぱいに息を吸った。
「警察だ!警察が来る!抜き打ち検問だ!」
 この辺りの治安の悪さは折り紙付きだ。業を煮やしたニンゲンたちが一日に何度か抜き打ち検問にやって来る。「ちっ、ずらかるぞ!」ネコは舌打ちをして近くに停めていた黒塗りのセダンへヒョウを誘導した。マダラはその一瞬の隙を見て、尻もちをついている一匹の手を取った。
「おいコラ!待たんかワレぇっ!」
 しゃがれた怒号が路地に響いたが、時すでに遅し。乳飲み子の頃からこの地区で育っているマダラはジグザグに路地を駆け抜け、孤児院のある小川の方面まで一瞬で辿り着いてしまった。それでもマダラは唇をきつく結んで暗がりの小道を走り続けた。
「あ、あの、君、」
「いいから黙って!黙って俺について来て!」
 貧民窟を抜け、小川を抜け、住み慣れたボロアパートにようやく辿り着く。マダラは彼を突き飛ばすようにして部屋へと押し込んだ。急いで鍵をかけ、玄関の向こうに耳を澄ませる。……どうやら追っ手はいないようだ。マダラはその場にへたり込み、長く重い息を吐いた。
「ねえ、大丈夫?」
 魂が抜けたようになっているマダラの肩に手が触れる。それはこっちの台詞。そう言おうと振り返った瞬間、マダラは瞳を見開いた。
 窓から漏れる月明かりに照らされた黄金色の瞳、濡羽色の長い睫毛。凛々しい眉は睫毛と同じく潤いを纏った漆黒で、石膏から切り出したような鼻梁は頬にまで影を落としていた。フードから覗いた髪も黄金色に輝き、月影の粒子を取り込んで揺れて……。真珠色の肌に上気した頬、その下で厚い唇から白い歯が覗く。世にも美しいその雄は、どうしてか、ひどく心配そうな顔をしてこちらを覗き込んでいるのだった。マダラは思わず笑ってしまった。
「大丈夫?は、こっちの台詞!お前、あんなとこで何してたの?この辺の獣人でさえあんな路地には入ったりしないよ」
 彼が身に纏ったモッズコートには足蹴の跡がスタンプのようについている。彼は黄金色の瞳をおっとりと瞬かせ小首を傾げた。マダラは立ち上がり彼の口端に滲んだ血を指差した。
「怪我してる。お前、こんなに蹴られたのに、顔も殴られたの?」
 向かい合うと、彼がずいぶんと大柄であることに驚いた。がっちりした肩に筋張った手の甲。頭一つ分は身長差があるだろうか。
「うん……。殴られた……」
 幼げにそう答えたきり、彼は瞳をくりくりさせてこちらを見つめて来た。好奇心むき出しの瞳が孤児院の幼子たちに重なり、マダラは箪笥の上の救急箱を手に取った。
「手当してあげる。そこ座って、フード脱いで」
 彼はフードでなくファスナーの取っ手を指先で弄り始めた。「フード、脱ぎたくないの?」尋ねれば視線をふいと逸らされてしまった。むっとしたマダラは彼の頬を力を込めて摘まんでやった。目を白黒させる彼にマダラは軽く噴き出し、幼子たちにするように言い含めた。
「バイ菌入ったらイッタイぞお。痛くないようにしてあげるから、ほら、フード脱いで」
 眉間に皺を寄せた彼はおずおずとフードを下ろしコートを脱いだ。マダラは再び目を見開いた。ころんとした黒い耳の裏に白の斑点模様、背後に伸びる長い尻尾には赤橙に黒の縞模様……。まさか、こいつ、トラ……?
 獣人のヒエラルキー構成には種の希少性が関わってくる。数の少ない種ほど血統を堅く守り抜かねばならず、その事実は翻って純血の証となる。トラなどヒエラルキーの頂点中の頂点だ。そんな彼が、どうしてこんなところに……。
 ぴくぴくと震える丸い耳にハッとして、マダラは救急箱の蓋を開けた。ウエットティッシュで砂汚れをふき取り、消毒液を吹きかけたガーゼを触れさせる。しみたのか彼の口端がきゅっと窪んだが、マダラは構わずに作業を続けた。
「ほら出来た。痛くなかっただろ?ついでだから他にも痛いとこあったら言って」
 トラがコクコクと頷いた次の瞬間、マダラの言葉に応じるように彼の腹がぐう~!っと音を立てた。思わぬタイミングの腹の虫に、深夜であることも豹竜会から逃げていたことも忘れて、マダラは声を上げて笑ってしまった。
「あはは!お腹空いてんの?なんか食べる?って言っても、ホント、なーんもないんだけど……」
 真っ赤な顔を俯かせたトラがいたいけで、マダラは腕まくりをして台所に立った。フライパンでお湯を沸かし、そこに千切ったキャベツと残っていたもやしを放り込む。インスタントの焼きそばの麵を二つ投入し、水分が少なくなったところで粉末ソースと青のりを振りかけて……。
「はい、お待ちどうさま」
 ちゃぶ台に出した平皿とどんぶりに焼きそばを取り分ける。割り箸を渡せば湯気の向こうでトラの瞳がらんと輝いた。「頂きます」両手を合わせた彼は厳かにそう言った。綺麗な箸の持ち方で、ぱくぱくぱくぱく、よく食べる。マダラはその食べっぷりを頬杖を突いて見つめた。
「っけほ、ん、ごほっ、」
「ああ、もう、慌てて食べるから……。なに、お前、そんなに腹減ってたの?」
 掻き込んだせいでむせている彼の背を摩り尋ねれば、トラは麦茶を飲み下しながらコックンと頷いた。仕方がないのでどんぶりの中の焼きそばも半分分けてやり、しどろもどろになっている彼に「いいから食べて」と勧めた。
 結局、トラは二匹分の焼きそばを平らげた。白い三日月が薄闇の空にプカリと浮いた、不思議な夜だった。

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