19 / 33
第一章
第18話 魔族×残穢
しおりを挟む
「魔族……」
突如として現れた三体の魔族。
闘技場が、一瞬にして緊張感に包まれる。
「雑魚共が……ん? どうして、下等種がいる?」
三体の魔族の一体。先頭に立ち、怒気を放っている魔族がこちらに気付いた。
(……あの感じ、俺たちが目的でここに来たわけじゃないのか? 雑魚共って、アイツ等のことだよな……。毛皮の服にあの見た目、アイツ等とは違う……いや、若いのか?)
見た目の特徴は同じだが、枯れ枝のようだった四体の魔族とは違い、筋骨隆々の体をしており、生気が満ち溢れている。
そのあまりの違いに、一瞬別種という考えが過ったが、体の差違は年齢によるものだと推察した。
魔族について思慮を巡らしていると、先頭の魔族が侮辱するように声を上げる。
「ふん。下等種は、言葉も話せな――待て、貴様……?」
侮蔑の眼差しを向けていた魔族が、目を見開く。しかもそれは――、
(俺を見た?)
魔族と顔を見合わせた瞬間だった。
「その力……馬鹿な、ありえん……。いや、ならば、なぜ……?」
魔族は信じられないといった表情を浮かべ、独り言を呟く。
(なんだ?)
状況が理解できず、静観を続けていると、魔族の纏う空気が変った。
「ッ! あの雑魚共ッ!」
魔族が殺気を放つ。すると、砂が舞い上がり、大気は震え、鳥籠がガタガタと音を鳴らす。
鳥籠の音が気になり、魔族に注意しながらエノディアさんの様子を窺うと、彼女は未だに小刻みに震えながら肩を抱いて蹲っていた。
(エノディアさん……)
視線を魔族に向けたまま、エノディアさんが殺気を浴びないように鳥籠の前へ移動する。
(ん? 後ろの二体……)
後方で控えている二体の魔族が、なぜか必死に堪えるような表情を浮かべていることに気が付いた。
「番人代理の立場でありながら、宝具を持ち出す愚行。それだけに飽き足らず、魔王様の宝具を持ち出すという大罪を犯した上、あろうことか下等種に持たすなどッ! 万死に値するッ!」
唾を飛ばしながら、魔族は怒声を上げる。
「――……だが、先ずは貴様だッ、下等種ッ!!!」
血走った目を見開き、烈火の如く激高していた魔族が、こちらに向かって飛び掛かってくる。
「ちッ」
エノディアさんを庇うために取った行動が裏目に出た。
魔族の突撃を避けること自体は容易だが、後ろにはエノディアさんがいる。
ならば、取る行動は一つ。
脚に力を込め、向かってくる魔族を遥かに上回る速度で接敵した。
「何ッ?!」
こちらの行動、その速度に魔族は驚愕し、一瞬体を硬直させた。
その隙を見逃さず、魔族を壁際まで殴り飛ばす。
(このスピードに、反応できるのか)
横腹を殴ろうと繰り出した拳を、魔族は腕を使って防いだ。
(魔物より強いな)
攻撃を防いだ事や殴った際の手ごたえで、魔物より強いことを理解する。
「キルト! こっちは任せろ! そっちは任せた!」
声がした方へ目を向けると、ラルフさんが二体の魔族の前に移動していた。
「お願いします! アルシェさん! エノディアさんを頼みます!」
「お任せください」
大声で、且つ、端的なやり取りを行う。その後、地を蹴り、殴り飛ばした魔族の正面に立つ。
「ギザマッ」
魔族は、地面に膝を着いたまま睨んでくる。
歯を食いしばる魔族は、口から血が流していた。さらに、攻撃を防いだ右腕は折れ曲がり、骨が飛び出ている。それでも、こちらへの敵意は、衰えるどころか先ほどよりも増していた。
「畜生の分際でッ! 赦さんッ!!!」
魔族が吠える。
直後、魔族は跳躍し、もう一度飛び掛かって来た。
風を巻く魔族の突撃を、身を翻して躱す。
しばらくの間、回避に徹する。
ラルフさんと戦っている魔族のどちらかが、エノディアさんを標的、もしくは人質に取る可能性を考慮したためだ。
魔族と距離を置かず、ラルフさんの方の動向も注視する。
そうして数分が過ぎた頃、目の前の魔族が突然動きを止めた。
「なぜだッ?! なぜ、当たらないッ?!」
攻撃が当たらず、苛立ちを募らせていた魔族が、不可解そうな表情を浮かべる。
「ありえん――ゴホッ、ゴホッ」
声を荒らげていた魔族が、激しく咳き込む。
(血?)
咳き込んだ際に、魔族は血を吐いた。
よく見れば、大量に汗をかいており、手で右わき腹を押さえている。さらに、息苦しそうに呼吸をし、その呼吸音は水を含んだような濁音だった。
(ガードし切れてなかったのか。というかコイツ、火を操れないのか?)
魔族の攻撃は苛烈ではあったが、青い火を用いた攻撃は一度もしてこなかった。
(戦い方も武術とか技っていうより、力任せの喧嘩って感じだな。油断を誘そうようなタイプでもなさそうだし、火を使った攻撃は無いって判断していいな)
そう結論付けた後、ラルフさんの方へ目をやる。
ラルフさんは、二体の魔族を倒し終えており、エノディアさんの傍で遠巻きにこちらを観戦していた。
「こっちも終わらせるか……」
魔族は、身動ぎ一つせず、こちらを凝視していた。
ゆっくりと、魔族へ歩み寄る。
手が届く距離まで近づくと、魔族は苦痛に顔を歪ませたまま大口を開ける。
「下等――」
「しつけぇよ」
魔族が叫けぼうとした瞬間、腹部に蹴りを入れた。
蹴られた魔族は、体をくの字に曲げ、闘技場の中央へ吹き飛ぶ。
水切りのように地面の上を数度跳ね、全身が土塗れになるほど転がった後、魔族は止まった。
「あぁ……、う、おぇ――」
地面の上でのたうち回る魔族が、先ほど以上の血を吐く。
「ハァ……ハァ……、お、お前ら……」
呻きを上げる魔族は、それでもよろけながら上半身を起こし、二体に助けを求める。
「なぁ?!」
亡骸となって横たわる二体を目にして、魔族の動きが止まった。
(丈夫だな)
魔族の傍へと移動し、見下ろす。
気配を察知したのか、魔族はゆっくりとこちらに顔を向けてきた。
「な……」
魔族が息を呑んだ。
そして、魔族の黄色く濁った瞳が揺らぐ。
「――……んだ、何なんだ、貴様は一体、何なんだッ?!」
「……」
返答せずに見下ろし続けていると、魔族が緩慢な動作で後ずさり出す。
「ありえない……あってはならない……」
必死に体を引きずりながら、喚き散らす魔族。
「私は上位の……魔王様の側近なのだぞ……。そんな私が……」
魔族は、この状況を打開する術を求めて視線を彷徨わせる。
「ッ!?」
そしてある方向を向いた瞬間、魔族の動きが止め、力の限り叫んだ。
「おい、お前ッ! 何をしてる、私を助けろッ! この下等種を殺せッ!」
「あ? 俺か?」
魔族が声を掛けたのは、ラルフさんだった。
突然声を掛けられたラルフさんは、自らを指差し、首をかしげる。
(ラルフさん……)
必死に助けを求める魔族と、なぜ声を掛けられたのか理解していないラルフさん。あまりに滑稽で、緊張感のないやり取りを目にし、不覚にも気を緩めてしまう。
そのせいで、魔族の動向を見落としてしまった。
「……羽虫」
先ほどまでとは明らかに違う、吃驚の中に、不穏さが孕んでいるような声だった。
(……誰――)
気が緩んでいたこと、そして魔族が口にした呼び名のせいで、誰を指しているのか思考を巡らせてしまった。
その隙に、魔族は言葉を続けた。
「貴様……その胸の魔石……、フ、フハッハッハッハ――、そうか、そういうことか。雑魚共はここで改造を……」
高笑いする魔族は、エノディアさんを見つめていた。
「おい、あの羽虫は貴様の所有物か?」
魔族が、愉快そうに嗤いながら尋ねて来る。
その嗤い方が、記憶の中のアイツ等を呼び起こす。
「んなわけねぇだろ!」
声を荒らげ、魔族の言葉を否定する。
「まぁ当然か。知っていて、あの羽虫を傍に置く物好きはいないだろう」
魔族の下卑た嗤いと物言いに、怒りが込み上がる。しかし、こちらが感情を表に出せば出すほど、魔族はその嗤いを深めていった。
「おい、羽虫ッ! お前は分かってるんだろう? 自分がどういう存在か、教えてやったらどうだッ!」
エノディアさんに目を向けると、あれだけ震えていた彼女が凍り付いていた。
「てめぇ! 止せ!」
嫌な予感がし、咄嗟に凄んで魔族を黙らせようとした。が、魔族は黙らない。
「言わぬのなら、私が言ってやろう。あの羽虫に埋め込まれた魔石は、かつて、愚かにも魔王様に逆らった躯の物だ」
魔族は、声高らかに語る。
「魔王様は躯を葬り去った。当然だ。魔王様に盾突いたのだからな。ところがだ。魔石となって尚、躯は死をまき散らし続けたのだ」
「……」
「羽虫! 今まで何体下等種を殺した? 貴様は死の元凶だ。貴様が傍にいるだけで、不吉に憑かれる。そして貴様のせいで、必ず悲惨な死を迎えるのだッ! フハッハッハッハッ――」
「ハッハッハッハッ――」
「ヒィヒッヒッ――」
「ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ――」
「んぐッ?!」
闘技場が、海に沈んだ。
突如として現れた三体の魔族。
闘技場が、一瞬にして緊張感に包まれる。
「雑魚共が……ん? どうして、下等種がいる?」
三体の魔族の一体。先頭に立ち、怒気を放っている魔族がこちらに気付いた。
(……あの感じ、俺たちが目的でここに来たわけじゃないのか? 雑魚共って、アイツ等のことだよな……。毛皮の服にあの見た目、アイツ等とは違う……いや、若いのか?)
見た目の特徴は同じだが、枯れ枝のようだった四体の魔族とは違い、筋骨隆々の体をしており、生気が満ち溢れている。
そのあまりの違いに、一瞬別種という考えが過ったが、体の差違は年齢によるものだと推察した。
魔族について思慮を巡らしていると、先頭の魔族が侮辱するように声を上げる。
「ふん。下等種は、言葉も話せな――待て、貴様……?」
侮蔑の眼差しを向けていた魔族が、目を見開く。しかもそれは――、
(俺を見た?)
魔族と顔を見合わせた瞬間だった。
「その力……馬鹿な、ありえん……。いや、ならば、なぜ……?」
魔族は信じられないといった表情を浮かべ、独り言を呟く。
(なんだ?)
状況が理解できず、静観を続けていると、魔族の纏う空気が変った。
「ッ! あの雑魚共ッ!」
魔族が殺気を放つ。すると、砂が舞い上がり、大気は震え、鳥籠がガタガタと音を鳴らす。
鳥籠の音が気になり、魔族に注意しながらエノディアさんの様子を窺うと、彼女は未だに小刻みに震えながら肩を抱いて蹲っていた。
(エノディアさん……)
視線を魔族に向けたまま、エノディアさんが殺気を浴びないように鳥籠の前へ移動する。
(ん? 後ろの二体……)
後方で控えている二体の魔族が、なぜか必死に堪えるような表情を浮かべていることに気が付いた。
「番人代理の立場でありながら、宝具を持ち出す愚行。それだけに飽き足らず、魔王様の宝具を持ち出すという大罪を犯した上、あろうことか下等種に持たすなどッ! 万死に値するッ!」
唾を飛ばしながら、魔族は怒声を上げる。
「――……だが、先ずは貴様だッ、下等種ッ!!!」
血走った目を見開き、烈火の如く激高していた魔族が、こちらに向かって飛び掛かってくる。
「ちッ」
エノディアさんを庇うために取った行動が裏目に出た。
魔族の突撃を避けること自体は容易だが、後ろにはエノディアさんがいる。
ならば、取る行動は一つ。
脚に力を込め、向かってくる魔族を遥かに上回る速度で接敵した。
「何ッ?!」
こちらの行動、その速度に魔族は驚愕し、一瞬体を硬直させた。
その隙を見逃さず、魔族を壁際まで殴り飛ばす。
(このスピードに、反応できるのか)
横腹を殴ろうと繰り出した拳を、魔族は腕を使って防いだ。
(魔物より強いな)
攻撃を防いだ事や殴った際の手ごたえで、魔物より強いことを理解する。
「キルト! こっちは任せろ! そっちは任せた!」
声がした方へ目を向けると、ラルフさんが二体の魔族の前に移動していた。
「お願いします! アルシェさん! エノディアさんを頼みます!」
「お任せください」
大声で、且つ、端的なやり取りを行う。その後、地を蹴り、殴り飛ばした魔族の正面に立つ。
「ギザマッ」
魔族は、地面に膝を着いたまま睨んでくる。
歯を食いしばる魔族は、口から血が流していた。さらに、攻撃を防いだ右腕は折れ曲がり、骨が飛び出ている。それでも、こちらへの敵意は、衰えるどころか先ほどよりも増していた。
「畜生の分際でッ! 赦さんッ!!!」
魔族が吠える。
直後、魔族は跳躍し、もう一度飛び掛かって来た。
風を巻く魔族の突撃を、身を翻して躱す。
しばらくの間、回避に徹する。
ラルフさんと戦っている魔族のどちらかが、エノディアさんを標的、もしくは人質に取る可能性を考慮したためだ。
魔族と距離を置かず、ラルフさんの方の動向も注視する。
そうして数分が過ぎた頃、目の前の魔族が突然動きを止めた。
「なぜだッ?! なぜ、当たらないッ?!」
攻撃が当たらず、苛立ちを募らせていた魔族が、不可解そうな表情を浮かべる。
「ありえん――ゴホッ、ゴホッ」
声を荒らげていた魔族が、激しく咳き込む。
(血?)
咳き込んだ際に、魔族は血を吐いた。
よく見れば、大量に汗をかいており、手で右わき腹を押さえている。さらに、息苦しそうに呼吸をし、その呼吸音は水を含んだような濁音だった。
(ガードし切れてなかったのか。というかコイツ、火を操れないのか?)
魔族の攻撃は苛烈ではあったが、青い火を用いた攻撃は一度もしてこなかった。
(戦い方も武術とか技っていうより、力任せの喧嘩って感じだな。油断を誘そうようなタイプでもなさそうだし、火を使った攻撃は無いって判断していいな)
そう結論付けた後、ラルフさんの方へ目をやる。
ラルフさんは、二体の魔族を倒し終えており、エノディアさんの傍で遠巻きにこちらを観戦していた。
「こっちも終わらせるか……」
魔族は、身動ぎ一つせず、こちらを凝視していた。
ゆっくりと、魔族へ歩み寄る。
手が届く距離まで近づくと、魔族は苦痛に顔を歪ませたまま大口を開ける。
「下等――」
「しつけぇよ」
魔族が叫けぼうとした瞬間、腹部に蹴りを入れた。
蹴られた魔族は、体をくの字に曲げ、闘技場の中央へ吹き飛ぶ。
水切りのように地面の上を数度跳ね、全身が土塗れになるほど転がった後、魔族は止まった。
「あぁ……、う、おぇ――」
地面の上でのたうち回る魔族が、先ほど以上の血を吐く。
「ハァ……ハァ……、お、お前ら……」
呻きを上げる魔族は、それでもよろけながら上半身を起こし、二体に助けを求める。
「なぁ?!」
亡骸となって横たわる二体を目にして、魔族の動きが止まった。
(丈夫だな)
魔族の傍へと移動し、見下ろす。
気配を察知したのか、魔族はゆっくりとこちらに顔を向けてきた。
「な……」
魔族が息を呑んだ。
そして、魔族の黄色く濁った瞳が揺らぐ。
「――……んだ、何なんだ、貴様は一体、何なんだッ?!」
「……」
返答せずに見下ろし続けていると、魔族が緩慢な動作で後ずさり出す。
「ありえない……あってはならない……」
必死に体を引きずりながら、喚き散らす魔族。
「私は上位の……魔王様の側近なのだぞ……。そんな私が……」
魔族は、この状況を打開する術を求めて視線を彷徨わせる。
「ッ!?」
そしてある方向を向いた瞬間、魔族の動きが止め、力の限り叫んだ。
「おい、お前ッ! 何をしてる、私を助けろッ! この下等種を殺せッ!」
「あ? 俺か?」
魔族が声を掛けたのは、ラルフさんだった。
突然声を掛けられたラルフさんは、自らを指差し、首をかしげる。
(ラルフさん……)
必死に助けを求める魔族と、なぜ声を掛けられたのか理解していないラルフさん。あまりに滑稽で、緊張感のないやり取りを目にし、不覚にも気を緩めてしまう。
そのせいで、魔族の動向を見落としてしまった。
「……羽虫」
先ほどまでとは明らかに違う、吃驚の中に、不穏さが孕んでいるような声だった。
(……誰――)
気が緩んでいたこと、そして魔族が口にした呼び名のせいで、誰を指しているのか思考を巡らせてしまった。
その隙に、魔族は言葉を続けた。
「貴様……その胸の魔石……、フ、フハッハッハッハ――、そうか、そういうことか。雑魚共はここで改造を……」
高笑いする魔族は、エノディアさんを見つめていた。
「おい、あの羽虫は貴様の所有物か?」
魔族が、愉快そうに嗤いながら尋ねて来る。
その嗤い方が、記憶の中のアイツ等を呼び起こす。
「んなわけねぇだろ!」
声を荒らげ、魔族の言葉を否定する。
「まぁ当然か。知っていて、あの羽虫を傍に置く物好きはいないだろう」
魔族の下卑た嗤いと物言いに、怒りが込み上がる。しかし、こちらが感情を表に出せば出すほど、魔族はその嗤いを深めていった。
「おい、羽虫ッ! お前は分かってるんだろう? 自分がどういう存在か、教えてやったらどうだッ!」
エノディアさんに目を向けると、あれだけ震えていた彼女が凍り付いていた。
「てめぇ! 止せ!」
嫌な予感がし、咄嗟に凄んで魔族を黙らせようとした。が、魔族は黙らない。
「言わぬのなら、私が言ってやろう。あの羽虫に埋め込まれた魔石は、かつて、愚かにも魔王様に逆らった躯の物だ」
魔族は、声高らかに語る。
「魔王様は躯を葬り去った。当然だ。魔王様に盾突いたのだからな。ところがだ。魔石となって尚、躯は死をまき散らし続けたのだ」
「……」
「羽虫! 今まで何体下等種を殺した? 貴様は死の元凶だ。貴様が傍にいるだけで、不吉に憑かれる。そして貴様のせいで、必ず悲惨な死を迎えるのだッ! フハッハッハッハッ――」
「ハッハッハッハッ――」
「ヒィヒッヒッ――」
「ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ――」
「んぐッ?!」
闘技場が、海に沈んだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる