悪服す時、義を掲ぐ

 燃えるような紅血、激しい血潮、生血の温かさ、鮮血の匂い、鉄の味――五感のすべてが赤く染まる場所に、少年は立っていた。
 レオガルド。かつて、魔族により絶望で覆い尽くされた異世界。そして、勇者によって金色の夜明けがもたらされた世界。
 土雲切と十九人のクラスメイトは、突如としてレオガルドへ迷い込む。
 日本人はその際、神から「特別な力」を授かる。だが土雲切は、“何も授からなかった”。
 この日を境に、彼は運命の底へと突き落とされ、世界から拒絶されていく。
 贖罪、苦悩、絶望――それでも彼は、歩みを止めなかった。
 これは、レオガルドに語り継がれる“聖戦”の、もうひとつの真実。
 太陽を喰らう時、世界は再び昏い闇に覆われる。
 彼は、世界の敵か、それとも――。
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