※過去作を読んでいなくても楽しめる内容になっています。
「ご主人様。私はクレオメと申します。どうか、私にさん付けはなさらず、呼び捨てにしてくださいませ」
これが、僕とクレオメの最初の会話だった。
のちに第二次魔導災害と呼ばれる事件。
それは、シルバー王国全土を巻き込む大事件となった。
そして、その中心にいたのは、アカデミー高等部で「特政枠」と呼ばれていた僕だった。
もちろん、そのときの僕は、そんなことになるなんて思ってもいなかった。
ただ、新しい学校で友達ができればいいな、くらいに考えていたのだ。
――このとき出会ったクレオメが、のちに思いがけない秘密を明かすことになるとも知らずに。
あることがきっかけで“記憶を呼び覚ます魔法”にかかってしまった僕。
夢の中で見たのは、はるか昔に存在した魔導王国パールの記憶。
魔力を持たない落ちこぼれとして冷遇されながらも、魔道具の研究に人生を捧げた魔族、ワインレッド。
彼の記憶を追ううちに、僕は魔導王国パールの滅亡のきっかけと魔導災害、その後の歴史に隠された真実を知っていく。
文字数 156,049
最終更新日 2026.09.10
登録日 2026.07.15
初夜に「君を愛することはない」と言い放ち、妻を傷つけた坊ちゃま。
その結果、婚姻は解消され、爵位継承も白紙となり、家から追い出されてしまう。
だが、長年仕えてきたメイドのエナメルだけは、そんな坊ちゃまを見捨てなかった。
魔道具工房、商隊、そして商会。
失敗して、学んで、また失敗して。
これは、何もかも失った一人の男が、少しずつ人の気持ちを知り、自分の人生をやり直していくお話。
文字数 6,864
最終更新日 2026.09.10
登録日 2026.09.10
中級聖女となり、幼なじみの神官騎士ケイザーとともにブルー王国へ派遣されたメリン。
しかし王子とのウワサをきっかけに、ケイザーは王子の婚約者である公爵令嬢と急速に近づいていく。
「お前なら分かってくれると思ってた」
聖女だから。優しいから。でも、メリンだって傷つく。
そんな彼女を、専属メイドのエナメルは静かに支えていく。
これは、一人の少女が自分の人生を選ぶまでのお話。
文字数 9,321
最終更新日 2026.09.08
登録日 2026.09.08
「私、あなたの子供ができたの。責任を取ってくださらない?」
辺境の方面司令官ネールの前に現れた、インディゴ伯爵令嬢。
だが、その子の父親はネールではなく、問題ばかり起こす弟だった。
伯爵家から責任を迫られたネールは、ついに方面司令官を辞任する。
ところが彼が去った途端、辺境の領主たちは最低限しか動かなくなり――。
その裏で、長年ネールを支えてきたメイドのエナメルは、今日も静かに主人のために動いていた。
文字数 11,966
最終更新日 2026.09.06
登録日 2026.09.06
二十五歳になっても初級聖女のままだった私は、ついに聖女を辞め、町の治癒士として生きることにした。
結婚し、子供にも恵まれ、ようやく手に入れた幸せな暮らし。
だが大量の魔物が町を襲い、夫と子供が瀕死の重傷を負ってしまう。
「私なんてどうなってもいい。どうか、この二人だけは助けて」
その願いが、二十年以上越えられなかった“聖女の試練”を動かした。
そして目の前に現れたのは、昔とまったく姿の変わらない大聖女で――。
文字数 7,411
最終更新日 2026.08.21
登録日 2026.08.21
「騎士としての実力を認められた!」
ブラックベアー十匹を倒した英雄として持ち上げられ、領主令嬢との婚約を選んだ騎士ケイン。
ですが、その魔物を倒したのは、婚約者サリアラに仕える地味なメイド・エナメルでした。
功績を訂正しなかったケインはどんどん調子に乗っていき――。
「あらあ。まさか、領主様のご令嬢に婚約破棄されたから、やっぱりお嬢様とだなんて、まさかねえ」
普段は穏やかなベテランメイドも、大切なお嬢様を泣かせた相手には少しだけ容赦しません。
文字数 7,263
最終更新日 2026.08.20
登録日 2026.08.20
「第二王子殿下は、婚約者を嫌っているらしい」
王城でそんなウワサを耳にした、地味なメイドのエナメル。
ところが第二王子殿下も、公爵令嬢様も、相手を意識するたびに魔力の流れが乱れている。
しかも二人の部屋には、相手の好きなものや会話の内容を必死に考えたメモまであって――。
「お互いのことばかり考えていらっしゃるのに、なぜお話しにならないのでしょう」
恋愛に疎いベテランメイドが、すれ違う二人を静かに見守ります。
文字数 7,497
最終更新日 2026.08.19
登録日 2026.08.19
「命の恩人を見つけた。だから、お前との婚約を破棄する!」
領主から突然婚約破棄を告げられた令嬢。
彼が新たな婚約者に選んだのは、10年前に魔物の群れから自分を救ったという“ミストロンの奇跡”の女性だった。
だが、その女性は本当に奇跡の英雄なのか。
そして、婚約破棄された令嬢を幼いころから育ててきた地味なメイド・エナメルには、誰も知らない過去があった。
やがて大量の魔物が都市へ襲来したとき、偽物の奇跡と、本当の奇跡の正体が明らかになる。
※本作は『メイドのエナメルは今日も静かにお仕えします』シリーズの一作です。本作単体でもお楽しみいただけます。
文字数 6,600
最終更新日 2026.08.18
登録日 2026.08.18
「エナメル。今日限りで君を解雇する」
20年仕えた屋敷をクビになった、地味なエルフのメイド・エナメル。
だが、晩餐会の料理も、侯爵への手紙も、調度品の手配も、屋敷を狙う暗殺者の処理も――すべて彼女が陰で支えていたものだった。
エナメルが去ったあと、屋敷は少しずつ綻び始める。
一方の本人は、そんなことも知らず。
「さて。次はどこで雇っていただきましょう」
地味で目立たないベテランメイド・エナメルの、新しい奉公先探しが始まる。
※本作は『メイドのエナメルは今日も静かにお仕えします』シリーズの第1作です。本作単体でもお楽しみいただけます。
文字数 7,100
最終更新日 2026.08.18
登録日 2026.08.18
「お前はもういらない!」
10歳の頃からマゼンタ王国に派遣され、10年間国を支えてきた聖女。
しかし婚約者の王子から、役立たず扱いされたうえ国外追放を言い渡されてしまう。
「この国には、お前以外にも聖女がたくさんいる!」
傷を癒す聖女。騎士を強くする聖女。水を浄化する聖女。
そう言われ、聖女は静かに教会へ帰ることにした。
だが二か月後。
マゼンタ王国では、騎士も魔導士も治癒士も、なぜか一斉に力を失い始める。
実は王子が「聖女」だと思っていた者たちは、本当の聖女ではなかった。
彼らの力を10年間ずっと底上げしていたのは――追放したはずの彼女だったのである。
文字数 9,397
最終更新日 2026.08.18
登録日 2026.08.18
「俺はハズレを引いた!」
王命により、地味な伯爵令嬢リレイアは第三王子と婚約することになった。
だが、美貌だけは素晴らしい第三王子は、彼女を見下し、他の令嬢との仲まで見せつけてくる。
「俺のような王族と婚約できるだけありがたいと思え!」
しかし、リレイアも伯爵家も、この婚約をまったくありがたいと思っていなかった。
やがて次期当主として修行へ出たリレイアに、第三王子は半年間の交流不足を理由に婚約破棄を宣言する。
「承知いたしました」
王族である自分こそが褒美だと思っている第三王子。
けれど、本当にこの婚約を必要としていたのは――王家の方だった。
文字数 6,005
最終更新日 2026.08.17
登録日 2026.08.17
「その髪、ほんとうにかわいそうね」
笑いながらそう言われて、私は何も言い返せなかった。
自分の容姿に強いコンプレックスを抱く伯爵令嬢ミア。
波打つ髪も、平凡な瞳も好きになれず、くりくりした瞳とさらさらの髪を持つ令嬢セリーナに憧れながら、彼女から容姿を笑われる日々を送っていた。
そんなある日、幼なじみで憧れの相手であるレオルがセリーナと並んで歩く姿を見て、ミアは思わず逃げ出してしまう。
泣きながら王都の商業区を歩いていたミアは、商業ギルドで働く少年グリーンと出会う。
グリーンが差し出したのは、理想の姿になれるという不思議な魔法薬。
綺麗になれば、レオルに愛されるかもしれない。
そう思って薬を飲んだミアは、理想の容姿を手に入れるのだが――。
彼が本当に探していたのは、美しく変わった私ではなく、変わる前の私でした。
文字数 7,505
最終更新日 2026.08.17
登録日 2026.08.17
「王女殿下。あなた様を妻に迎えましたが、初夜はいたしません」
救国の姫将軍と呼ばれる王女は、元部下の軍人レイリオンと結婚した。
ところが結婚初夜、突然の白い結婚宣言。
しかも夫は翌日から姿を消し、調べてみれば娼館で二十人もの女性を抱いていたという。
「ふざけんなああああ!!」
怒り狂う王女だったが、夫を問い詰めてみると、返ってきたのは予想もしなかった答えだった。
「姫様への劣情を消すためです」
妻を嫌っているどころか、尊敬し、好きすぎるあまり盛大に間違った方向へ突っ走っていた夫。
「私は崇拝されるために嫁いだのではない。お前の妻になるために嫁いだ!」
救国の姫将軍と、彼女を敬愛しすぎる元部下。
ちょっとおかしな夫婦の、白い結婚から始まるラブコメディ。
文字数 3,419
最終更新日 2026.08.15
登録日 2026.08.15
「私に選ばれたのだから、幸せに決まっている」
貴族令息アルベルトに見初められた平民の娘ミリアは、彼にふさわしい女性になろうと必死に努力する。
だが、待っていたのは貴族社会の厳しさと、使用人たちからの嫌がらせだった。
助けを求めても、アルベルトは言う。
「私の妻になるなら、それくらい乗り越えてくれ」
ついに心が折れ、屋敷を逃げ出したミリア。
そんな姉を見た妹セラは、なぜかこう言い出した。
「でしたら、私が参りましょうか?」
同じ平民の娘のはずなのに、姉が耐えられなかった世界へ堂々と乗り込んでいく妹。
やがて二人は、それぞれにとっての「幸せ」がまったく違うものだったと知ることになる。
※本作は『僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です』と同じ世界観でのお話ですが、単体でもお楽しみいただけます。
文字数 6,795
最終更新日 2026.08.15
登録日 2026.08.15
「父上、僕には将来を誓い合った女性がいます」
ダリア王国の王太子がそう告げた相手は、Sランク冒険者にして黒髪の聖女。
ところが――。
「その方と話したことは?」
「ありません」
「会ったことは?」
「遠くから何度か」
当然、黒髪の聖女本人にはまったく心当たりがない。
「正直、迷惑です。あと、気持ち悪いです」
それでも王太子は止まらない。
やがて騒動は王国中を巻き込み、最後には前世から続くまさかの因縁まで明らかになって――。
勘違い王太子と黒髪の聖女が繰り広げる、ちょっと気持ち悪いコメディ。
※本作は「僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です」と同じ世界観でのお話ですが、単体でもお楽しみいただけます。
文字数 6,130
最終更新日 2026.08.12
登録日 2026.08.12
「あなたは所詮、偽者の聖女なのよ」
髪がふぁさっとする侯爵令嬢セイラインに偽者扱いされ、王宮を追い出されてしまったリン。
けれど、彼女は気にしない。
リンは、聖処女神エリューシオンに認められた本物の聖女。魔物被害に悩むコバルト王国へ派遣されてきたのだが――。
王宮を追い出されたリンは、幼なじみが働く治療院で、治癒士として楽しく働き始める。
一方、本物の聖女を追い出した王宮では、重傷者を治せず大混乱。
なぜかリンは何度も呼び戻され、焼き菓子や豆の煮込みを食べながら患者を治すことに――。
天然な本物聖女と、勘違いだらけの王宮が繰り広げる、ちょっと変わった聖女コメディ。
文字数 12,512
最終更新日 2026.08.10
登録日 2026.08.10
「ミント。お前を愛することはない。俺に愛されると思うな!」
結婚初夜の寝室で、夫になったばかりの男はそう言った。
蠟燭の火が静かに揺れる部屋に、その声だけが妙にはっきり響く。
私は一度だけ瞬きをして、それから素直に思ったことを口にした。
「はあ。なら結婚、やめましょうよ」
伯爵令嬢ミント・バーントシェンナは、恋愛よりも美術品が好き。プラチナ帝国内務省美術品管理課で鑑定官として働く彼女は、ある日、アプリコット公爵家に伝わる“呪われた絵”の調査を依頼される。
手がかりは、額縁に付いていた小ぶりの宝石ひとつ。謎を追ううちに、贋作、横流し、隠された相続、そして100年前の皇太子争いへとたどり着いて――。
美術品は嘘をつかない。持ち主の隠した真実を暴いていく伯爵令嬢ミントの、美術品×ざまぁ×謎解きファンタジー。
※この作品は、「僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です」と同じ世界観です。この作品に登場する人物も登場します。
※この作品は、「なろう」、「カクヨム」にも投稿しています。
文字数 45,761
最終更新日 2026.07.14
登録日 2026.07.08
主を失ってなお、彼女たちは止まらなかった。
「勇者の聖戦」から500年。
五人のメイドたちは、それぞれの場所で国を支え、人を導き、戦乱を退け、時には歴史そのものを作り変えていく。
常勝無敗の大将軍シェーラ。
帝国を育てる大魔導士イオニーア。
人々を救い続ける黒髪の聖女ラベンダー。
赤髪の騎士クラレット。
そして、すべてを見守る創造神エクレアーナ。
だが、どれほど時が流れても、彼女たちの願いは一つ。
いつか生まれ変わる“ご主人様”のもとへ駆けつけること。
これは、シリーズ本編では語られなかった英雄たちの五百年を描く物語。
歴史の裏側で積み重ねられた想いが、やがて『僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です』第1作の幕開けへとつながっていく。
※本作は前々作「僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です2」の流れをくむ物語です。そのため、シリーズ主人公のグリーンは登場せず、5人のメイドたちを中心に物語が進みます。
文字数 198,682
最終更新日 2026.07.07
登録日 2026.04.17
アプリコット公爵家で侍女として働く私は、三年付き合った彼とのデートを楽しみにしていた。けれど現れた彼の隣には、彼の幼なじみの女がいた。彼女は私から彼氏を奪っただけでなく、公爵令嬢キャロット様から借りた魔道具の髪飾りまで奪い取り、酒場で得意げに自慢する。だが、それは魔法国家プラチナ帝国の五大公爵家の所有物。彼女は自分が何を敵に回したのか、まだ知らなかった――。
文字数 6,125
最終更新日 2026.06.28
登録日 2026.06.28
プラチナ帝国の公爵、パンジー・マリーゴールドは、面白いものしか眼中にない。魔力の才能、地味な研究、戦場を支える計算、そして人の心の歪みまで――彼女は今日も“見落とされた本質”を見抜いて、人の人生を大きく変えていく。
だが、そんな彼女がふと触れた不思議な夢と懐かしい名は、今いる世界の奥に、まだ語られていない過去と英雄たちの物語があることを感じさせる。
これは、天才にして変人の公爵パンジーが活躍する連作短編集。そして同時に、この世界のもっと大きな物語へ続く入口でもある。
文字数 26,155
最終更新日 2026.04.27
登録日 2026.04.12