クールなパイロットは初心な新妻を身籠らせたい

小田恒子

文字の大きさ
43 / 124
第三章

蜜月 7

しおりを挟む
「俺、明後日が仕事だから明日の夕方の便で帰る予定なんだけど、明日、よかったらデートしない?」

 思わぬ提案に、私の胸は高鳴った。

「はい! デート、したいです! 私、大人になってから彼氏ができたのってはじめてだから、嬉しい」

 私の言葉に、藤川さんが揚げ足を取る。

「え、じゃあ学生時代は彼氏がいたの?」

「高校時代は同級生の男の子と付き合ってましたけど、お互い受験生だったので、付き合うって言っても放課後一緒に勉強して一緒に下校するとか、その程度です。それに、高校を卒業したら、自然消滅したので……」

 当時、付き合っていた彼とは、同じクラスで席が隣、共通の話題があったことから何となく付き合っていた。だから休日も一緒に遊びに行くこともなく、校内で一緒に過ごすことが多かった。

「そっか……、じゃあ、俺も明日が楽しみだ」

 藤川さんの声が言葉通りに嬉しそうに聞こえたので、私も嬉しくなった。

「どこ行きたいですか? 私、車出しますよ?」

 私の言葉に、藤川さんが驚いたようだ。

「え、梢子、車持ってるの?」

 藤川さんの問いに、私は力強く頷いた。
 高校を卒業後、教習所に通って車の免許を取得した。

 松山市内、特に繁華街などの移動は市内電車や私鉄も充実しているので問題はないけれど、一歩松山から外へ出ようものなら、車は必需品だ。

 姉の嫁いだ内子へはJRも特急は一時間に一本しか通っておらず、また姉の家は駅から少し離れた場所にあるため、都会の人から車は贅沢品と思われるけれど、田舎では必需品なのだ。

「はい。と言っても軽ですけど。小回り利くし、便利ですよ。東西南北、どこでも走ります」

 私はおどけながらそう言った。
 その言葉に、藤川さんは真剣に明日のデートコースを考えているようだ。

「例えば、東だと、どこへ行く予定?」

 藤川さんの問いに、私は即答する。

「高速を使って、香川方面ですかね? 四国水族館とか、あとはマイントピア別子べっしとか?」

 マイントピア別子は、閉山した別子銅山採鉱本部跡地を利用した鉱山のテーマパークで、ここにも日帰り温泉施設がある。そして鉱山跡地で砂金取りの体験ができたりする。

「じゃあ、西は?」

「そうですね……、佐田岬半島方面になりますね。海岸線を走って、それこそこれもテレビのロケとかでよく撮影が来るJR下灘しもなだ駅近くも通るので、そこも立ち寄りできますよ」

 私の返答に頷きながら、藤川さんは次々と質問を投げかける。

「南は?」

「こっちも高速を使って、宇和島方面ですね。たしか宇和島の先にある愛南町あいなんちょうには、紫電改しでんかいが展示されていて、国立公園もあったはず」

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

危険な残業

詩織
恋愛
いつも残業の多い奈津美。そこにある人が現れいつもの残業でなくなる

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...