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第四章
遠距離恋愛 5
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愛媛県はみかんが全国でも有名で、この松山空港には都市伝説で噂されている水道の蛇口を捻るとみかんジュースが出てくるというものにあやかり、実際にそれが設置されている。ちょうど到着ロビーの近くにそれがあり、千早さんの視界にその蛇口が映っていることだろう。
「ありがとう。フライトの合間に摘まませてもらうよ」
千早さんの笑顔に、私は泣きそうになるのを誤魔化すために口を開く。
「あの……、あの方、何か千早さんに用事があるんじゃ……?」
そう言って、客室乗務員の女性の存在を告げると、千早さんが背後を振り返る。
「ああ、桜田さん!」
千早さんはそう言うと、彼女を手招きした。
「桜田さんって……、あの時の……?」
「ああ、そうだよ。今日は同じ便に乗務しているから、客室の点検が終わったら下りてくるように伝えていたんだ」
思わぬ再会に、胸がちょっとドキドキする。でも、どうして……?
「この前梢子にもらったお菓子、桜田さんにもお裾分けしたんだ。梢子と出会うきっかけになったからね」
そう言って桜田さんが到着すると、私を桜田さんに紹介する。
「桜田さん、彼女のこと覚えてる? 前に松山便で悪天候の時、機内に落とし物をしていた……」
千早さんがそこまで言うと、桜田さんは、大きく目を見開いて、「キャー!」と歓声を上げた。
「覚えてます! タウン情報誌の方ですよね? あの時はありがとうございました。あの本を見て、後日松山へ食べ歩きに来たんですよ。お店ものぞいてみたんですけど、お休みだったみたいでお会いできなくて残念だなって思ってたんで、嬉しいです! キャプテンとはどのようなお知合いですか?」
桜田さんの問いにどう答えていいかわからなくて千早さんに視線を送ると、千早さんがすかさず「俺の彼女」と言ってくれ、それを聞いた瞬間、再び桜田さんが「キャー!」と絶叫した。
「梢子のことを紹介してるのは桜田さんだけだから、ほかのメンバーには内緒で頼むよ」
「承知いたしました、こう見えても口は堅いので、お任せください。……で、出会ったきっかけって、やっぱりあの日ですか?」
私たちの馴れ初めに興味を示す桜田さんに、千早さんはそうだと答えた。
「あの日、ホテルにチェックインした後道後を散策しに行ったんだ。たまたま立ち寄った小料理屋で再会して、運命を感じた俺が口説き落としたんだ」
「へぇ、ちょっと意外……。女性に対してクールなキャプテンが、自分から口説きにいくなんて。藤川キャプテン、見た目もいいからCAはもちろんのこと、グランドホステスって地上勤務の職員もみんなが狙ってるんですよ。だから、お付き合いしていることがバレないよう、気を付けてくださいね」
桜田さんが声のトーンを落として私にそう告げると、千早さんも表情が引き締まる。どうやら桜田さんの言っていることについて、身に覚えがあるようだ。
「そうだな。俺の職場のやつらには、梢子と付き合っていることがバレないに越したことはない」
「まあ、こうやって空港で逢引する時は私を呼んでください。梢子さん、とお呼びしてもいいですか? 梢子さんと私が友達だって思わせれば問題ないと思うので」
桜田さんはそう言うと、ニッと笑った。
美人がこんな表情を見せるんだ、と感心していると、どこからともなくスマホのアラーム音が聞こえた。
「ありがとう。フライトの合間に摘まませてもらうよ」
千早さんの笑顔に、私は泣きそうになるのを誤魔化すために口を開く。
「あの……、あの方、何か千早さんに用事があるんじゃ……?」
そう言って、客室乗務員の女性の存在を告げると、千早さんが背後を振り返る。
「ああ、桜田さん!」
千早さんはそう言うと、彼女を手招きした。
「桜田さんって……、あの時の……?」
「ああ、そうだよ。今日は同じ便に乗務しているから、客室の点検が終わったら下りてくるように伝えていたんだ」
思わぬ再会に、胸がちょっとドキドキする。でも、どうして……?
「この前梢子にもらったお菓子、桜田さんにもお裾分けしたんだ。梢子と出会うきっかけになったからね」
そう言って桜田さんが到着すると、私を桜田さんに紹介する。
「桜田さん、彼女のこと覚えてる? 前に松山便で悪天候の時、機内に落とし物をしていた……」
千早さんがそこまで言うと、桜田さんは、大きく目を見開いて、「キャー!」と歓声を上げた。
「覚えてます! タウン情報誌の方ですよね? あの時はありがとうございました。あの本を見て、後日松山へ食べ歩きに来たんですよ。お店ものぞいてみたんですけど、お休みだったみたいでお会いできなくて残念だなって思ってたんで、嬉しいです! キャプテンとはどのようなお知合いですか?」
桜田さんの問いにどう答えていいかわからなくて千早さんに視線を送ると、千早さんがすかさず「俺の彼女」と言ってくれ、それを聞いた瞬間、再び桜田さんが「キャー!」と絶叫した。
「梢子のことを紹介してるのは桜田さんだけだから、ほかのメンバーには内緒で頼むよ」
「承知いたしました、こう見えても口は堅いので、お任せください。……で、出会ったきっかけって、やっぱりあの日ですか?」
私たちの馴れ初めに興味を示す桜田さんに、千早さんはそうだと答えた。
「あの日、ホテルにチェックインした後道後を散策しに行ったんだ。たまたま立ち寄った小料理屋で再会して、運命を感じた俺が口説き落としたんだ」
「へぇ、ちょっと意外……。女性に対してクールなキャプテンが、自分から口説きにいくなんて。藤川キャプテン、見た目もいいからCAはもちろんのこと、グランドホステスって地上勤務の職員もみんなが狙ってるんですよ。だから、お付き合いしていることがバレないよう、気を付けてくださいね」
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「まあ、こうやって空港で逢引する時は私を呼んでください。梢子さん、とお呼びしてもいいですか? 梢子さんと私が友達だって思わせれば問題ないと思うので」
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