クールなパイロットは初心な新妻を身籠らせたい

小田恒子

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第六章

マリッジブルー 1

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 上京した翌日、私たちは二人で区役所へ行き婚姻届を提出した。

 戸籍が出来上がるのに数日かかるとのことだったけれど、私は退職して時間に余裕があるため、その他諸々の手続きにある程度時間がかかっても問題ない。

 新しい住民票が出来上がってから各種変更手続きを済ませることにして区役所を後にすると、私たちは新居の家電を買うために秋葉原へと向かった。

 家電製品にあまり詳しくないけれど、いろいろなお店に展示されているものを見ているだけでも楽しくて、あっという間に時間が過ぎていく。

 店員さんに相談しながらほしい家電が見つかると、千早さんが購入と配送の手続きをお願いして、私たちは店を出た。

 買い物を済ませた私たちは、結婚式場の予約をするため、ホテルへ向かった。

 そこは千早さんの勤務する航空会社系列のホテルで、結婚式場も事前にホームページを見ていいなと思っていたところだ。
 いくつか候補を挙げてから決めてもいいと千早さんは言ってくれたけど、田舎の両親や親せきたちを招待するなら、系列会社のホテルが安心だと思ったので、ここで決めたいと私がお願いした。

 千早さんが事前に予約の電話を入れてくれたので、約束の時間にホテルを訪問すると、支配人とプランナーに出迎えられて驚いた。

 そうだよな、千早さんは親会社の操縦士なんだから、丁重にもてなされるよな。
 そう思ったら、私はとんでもない人と結婚することを決めたんじゃないかと不安になる。

 その不安を打ち消すかのように、千早さんは私の手を握って離さない。
 それを見た支配人やプランナーは、仲睦まじくて何よりですと言って、私たちを奥の応接へと案内した。

 最短で結婚式を行うなら七月の最終日曜日が一枠空いており、その次に空いているのが八月になるとのことだ。

 新婚旅行も千早さんの会社の旅行会社を利用するつもりだったので、いくつか候補地の予約状況も一緒に見てもらうことにした。

 その期間はあいにく夏休みのため、予約は国内、海外ともに難しいとの回答だった。
 繁忙期を過ぎた九月以降なら、結婚式と新婚旅行はどうにか調整できると提案され、私たちはその案に頷いた。

 九月中旬の土曜日に結婚式を、翌日から一週間、新婚旅行で予約を取ると、ホテルを後にする。

「結婚式の準備は半年前からっていうのは、あながち間違いではないですね……」

 ホテルの近くにあるカフェへ入った私たちは、席に着いてドリンクを注文する。そして注文したコーヒーが運ばれて、それに口をつけるとお互い溜息を吐いた。

「ホントだな、俺も飛行機さえ手配できれば何とかなるって思ってたけど、夏休み期間ってのはタイミングが悪すぎたな」

「でも、予約が取れてよかったです。九月だとまだ暑いですけど、気候がよくなればまた予約が取りづらくなりますよね」

「まあ、あとは台風の心配くらいかな……」

 千早さんはそう言って、スマホを取り出すとメッセージアプリを開いた。挙式披露宴の日程を知らせるためだろう。私もスマホを取り出すと、両親と姉に向けてメッセージを送信した。

 三人からすぐに既読が付き、スタンプが押されたのを確認すると、私は千早さんにそれを報告する。
 千早さんも、ご両親に日取りの報告をしたらスタンプで返信があったとのことなので、あとは細々したことをこちらで決めるのみ。
 ここでやっと、私たちはひとつ肩の荷が下りた気がした。

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