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14話
しおりを挟む体を手にいれさえすれば後は早く畳み掛けられる。これは賭けのようなものにはなるが私が賭けに負けるはずがない。そのくらい私は自分に自信があった。本当を見せていない私はとてもいい人物像を作っているから、必ず私の思い通りになる。
「はぁ……ナギ……ちゃん。んっ……どうしたの?」
甘い吐息を漏らしながら私の部屋に招き入れた綾乃を部屋に入って早々に扉に押し付けてキスをした。最近は体育祭の練習で嫉妬しすぎておかしくなりそうだった。私の暴れだした独占欲を綾乃に感じられないように笑顔を見せる。
「恋人っぽくしてみようかなって思って」
「……ちょっと、びっくりした……」
「ふふふ。ごめん。綾乃こっちにきて?」
「うん」
私は若干拗ねてしまった綾乃の腰を引いてベッドに隣同士に座る。それから綾乃に顔を向けて朝から気になっていた事を指摘した。
「今日のポニーテールはこないだ私がやってたやつの真似?」
両サイド若干違う編み込みをしてどちら側から見ても可愛らしいそれは私が以前やっていたやつに似ている。今日は朝から気づいていたけれど私が今初めて言ったら綾乃は途端に膝に乗せていた自分の手を握り締めて顔を逸らした。
「え、……ナギちゃん気づいてたの?……ナギちゃんに比べたら下手だよね……」
「そんな事ないよ。綺麗にできてる。これ結構難しかったでしょ?」
「……うん。ちょっとだけ……」
きっと綾乃は動画を見て何回も練習したんだろう。じゃないとこんなに綺麗にはできないはずだ。丁寧に髪を整えてあるし見た感じ私でも難しいと思う。
「可愛いよ綾乃。よく似合ってる」
「……うん。ありがとうナギちゃん……」
不安そうな顔はすぐに明るくなって私は綾乃に横からキスをした。
「ねぇ、綾乃、また綾乃からキスして?」
だが私は唇を離すともうすでに求めていた。今日はそのつもりの日だけれど最近は嫉妬し過ぎてしまったので綾乃からのご褒美が欲しい。私の隠した欲に綾乃は素直にうん、と頷くと私に控え目にキスをした。
「もっとして綾乃。深いのもしてみて?」
「え、深いのも?………うん、分かった…」
「ふふ」
キスをねだってもできるようになった綾乃はする前に少し不安そうな顔をする。自信の無さが伺えるそれに私は綾乃の柔らかい手を握った。
「平気だよ綾乃」
そして暗示を掛けた。不安は私が煽っているのだが私が無くしてやるふりをする。綾乃は私の手を握り返すとうんと小さく頷いてキスをしてきた。最初は本当に控え目に、次第に舌を絡めて濃厚にお互いを求める。舌を絡めても控え目な綾乃は私を合わせるようにするが、これだけでは満たされない。私は綾乃の可愛らしい声が漏れてきた所で優しくベッドに押し倒した。
「もうキスは大丈夫そうだね綾乃。慣れた?」
横たわる綾乃と握っていた手はそのままに優しく見つめた。綾乃は少し色づく頬を隠そうともせずに私を見る。
「……分かんない。いつも、ドキドキするから……慣れないかもしれない……」
「でも、慣れてきてる感じするよ?前より自然になった」
「そうかな……?」
「そうだよ」
まだ拙くて初々しい感じはするけれど体は慣れているはずだ。綾乃のいつも通りな反応を見て笑うと私はゆっくりと綾乃にキスをして握っていた手を離す。そして綾乃の頬に優しく触れた。
「ねぇ、こないだの続きしよっか?」
「……うん」
「じゃあ、今日は直前までできたらしてみよ?啓太にいつまた言われるか分からないから」
「……うん」
小さく頷いた綾乃を確認すると私は笑って起き上がって部屋のカーテンを閉めた。それだけで薄暗くなる部屋に雰囲気が出る。そして上半身を起こして私を見つめる綾乃に笑った。
「脱いで綾乃」
「え、……脱ぐの?」
直前まですると言ったくせにそんな事で動揺する綾乃に私はゆっくりと近づいて首をいやらしく一舐めすると綾乃を至近距離で見つめた。私の中の独占欲と興奮が私を取り巻いてくる。
「こういう事するんだから脱がないでどうするの?」
「でも、……」
「じゃあこのままする?」
私は動揺している綾乃のワイシャツのボタンを上からゆっくり外した。下に着ていたキャミソールから白い肌が目に見えて私は思わず笑っていた。
「ちょっと邪魔だけどこうやって見えるようにして全部は脱がないで……」
綾乃のワイシャツのボタンを全て外すと私は綾乃に視線を戻す。綾乃は本当に恥ずかしそうに私の視線から逃げてしまった。
「……どっちも恥ずかしいよ……。あんまり見ないでナギちゃん……」
「そんな事言ってたら何もできないよ綾乃」
「でも、恥ずかしくて……ナギちゃんの事見れない……」
「ふふふ。綾乃は可愛いから平気だよ」
たったこれだけの事なのに私は綾乃の反応に体が疼いてしょうがなかった。可愛い可愛い綾乃に触れてこれから私が一番になる。私の綾乃を呑み込めるのだ。汚れも男の欲も知らない綾乃に触れるのは感嘆の声が出そうだ。でも、出すはずもない。私は優しく笑って綾乃を見つめた。
「綾乃好きだよ。……大好き……」
「……ん、ナギちゃん……」
綾乃の唇に優しく口付けながらゆっくりと優しく丁寧に押し倒した。緊張した面持ちをする綾乃が緊張しないように私は優しく見つめる。
「嫌だったりしたら言ってね?すぐやめるから」
「……うん」
綾乃の了解を得た私はいつもの顔を崩さずに綾乃のキャミソールの隙間から手を入れて綾乃の体を触った。さらさらの暖かい肌は柔らかくて癖になる。男では感じられなかった女ならではの体は堪らなくて、私は綾乃の首筋にキスをして舐めていた。
「んっ、……はぁ、ナギちゃん……」
甘く私を呼ぶ綾乃は体を少し強ばらせながら私の肩を力無く掴む。ねっとりと舐める私の刺激に綾乃はまたしても私を呼んだ。
「あっ……はぁ、……ナギちゃん」
「ん?なぁに?」
「…なんか、……んっ、……ぞくぞくして…」
「ふふふ。気持ちいい?気持ちよかったら気持ちいいって言ってね綾乃。嫌な事とか痛い事したくないから」
私は舐めるだけで反応する綾乃に舐めるのをやめて顔を寄せると綾乃はもう緊張よりも快楽に蝕まれてきているようだった。はだけたワイシャツが妙にいやらしくて、快楽を感じつつあるその目が実に淫靡に見える。
「……うん……。ナギちゃんも…私がなんか変だったら言ってね?」
「もー、綾乃は変じゃないよ」
私は綾乃にキスをしてからまた体に手を這わす。背中やお腹、そして太ももを触りながら胸元を舐めてキスをする。綾乃はそのどれもに体を捩らせるように反応していて可愛らしかった。こんな事できないと言っていたのに何とも淫らになったものだ。私は笑いながら綾乃の反応を楽しみつつ綾乃のブラのホックを外した。こないだは動揺していたが今はきっともう問題ない。快楽の混じる声を漏らす綾乃の体に手を這わせていた私はそのまま胸に手を伸ばした。
「な、ナギちゃん……、む、胸……」
「直前までするんだから触るに決まってるでしょ?いや?」
私は綾乃の胸を優しく触りながら囁いてキスをする。綾乃は恥ずかしそうに小さく首を横に振った。もう覚悟はできているようだし、この空気に流されはじめている。
「ううん……」
「ふふ。そんなに恥ずかしがらなくて平気だよ。綾乃は可愛いから」
「……か、可愛くない……よ……」
恥ずかしそうな否定は優しくしている私に毒だ。無意識に煽るような事を言われると仮面が崩れてしまいそうになる。私は興奮を抑えながら鎖骨を噛みながら舐めた。
「可愛いよ綾乃は。昔からずっと綾乃は可愛いよ…」
「あっ!……ナギちゃん……んっはぁ…!」
「ふふふ」
私は鼻で笑いながら柔らかい控え目な胸を揉みながら太ももに這わせていた手で軽くショーツの上から股の部分に触れる。そこは随分湿っていて粘着性のあるそれが私の指にこべりつく。あぁ、何でこんなにもうまくいってるんだろう。綾乃は不安に負けてもう私を本当に受け入れて快楽に染まったようだ。私は喜びに口角を僅かばかり上げて微笑むと優しい声で訊いた。
「ねぇ、下も触っていい?」
「はぁっ……んっ、はぁ、……いい……よ……」
私を恥ずかしそうに見つめながら気持ち良さそうな顔をする。性欲に呑まれた綾乃のいやらしい顔は私を喜ばせると共に貪欲に綾乃を求めさせようとしてきた。私はこの顔が見たかったんだよ。誰にも見せなかった綾乃の本能のままの淫らなそれが。さぁ、早く可愛い綾乃が変わってしまうのをもっと私に見せてくれ。
「綾乃腰浮かして?」
もう意味を成していないショーツに手をかけて私は急かした。興奮して、綾乃が欲しくて欲しくてたまらないが優しくするし、幻滅も何もさせない。男の勝手な妄想をぶつけて自分の性欲のみで終わるような醒めてしまう事はしない。綾乃を私のものにするのはここからなんだ。自分の性欲だけをぶつけるのは綾乃を本当に私のものにしてからだ。
綾乃は小さく頷くと腰を浮かしてくれたのですぐにショーツを脱がせた。興奮したような息遣いをする綾乃はもう私を求めるように見つめている。私は濡れたそこに膝を押し当てながら綾乃を見つめた。
「綾乃気持ちよかった?」
「……うん」
「もっとして平気なの?」
「うん。……もっと、してほしい……」
私はその言葉を聞けていつもよりも笑ってしまった。膝を少し動かすと切なそうな顔をするし、いつも恥ずかしがっているのに今はいつもより素直に答えた。
そんな綾乃が愛しくて愛しくて堪らなかった。いつも私に頼りきりで恥ずかしがって言葉すら躊躇っているのにこの変わりように胸が弾む。私は綾乃の手を握って綾乃を真正面から見つめた。綾乃には優しくするから私のお願いのような強要を押し付けさせてほしい。
「じゃあ、ちゃんと恋人っぽくして?私が好きって言ったら好きって言って、綾乃からも私が言わなくても言わないとダメ」
「……うん」
「じゃあ、言ってみて?」
私も自分を抑えたいのに抑えきれない。でも、言うなら今だと思った。今言えば綾乃は素直に言うはずだ。私は綾乃の愛の言葉を聞きたいのだ。
「好き。……ナギちゃんが……好きだよ」
綾乃は目を逸らさずに淫らな顔をして私に囁いた。私はそれだけで信じられない高揚に襲われた。こんなの、堪らなかった。気持ちが良くて、気持ちが良すぎて私は求めていた。
「私もだよ綾乃。綾乃が大好きだよ」
「うん。私もナギちゃんが好き……。大好き……」
あぁ、興奮ってこんなになっちゃうんだ。私は綾乃を見つめながらそう思っていた。男ってすぐ興奮できて羨ましいなって思った時が昔あったけれど、体が疼いて制御すら危ういこの感覚は悪くない。
「愛してるよ綾乃……」
私は綾乃に優しくキスをすると熱を帯びた綾乃の体に触れた。
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