改:どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

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39 おいおい・・大丈夫か、優

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「優、来たぞ」
「うん、わかってる。 レベル10だね」
優は落ち着いて答える。
……
ふむ、職を選択して盗賊になると相手のレベルもわかるようになるのかな?
それとも戦闘をいくらか重ねたら、わかるようになるものなのかな?
わからないな……わからないことだらけだ。
でも、生き延びなければいけない。
死にたくはない。

「町田さん、どうしたんですか?」
田原さんが不思議そうに俺たちを見る。
そうか!
田原さんはスキルをそれほど持っていないのだろう。
敵が来るのがわかるはずもない。
おそらく家から目視確認し、ゴブリンを倒そうと出てきているのだろう。
「ああ、すみません。 田原さん、レベルの高い魔物が迫ってきてます」
俺がそう言うと、田原さんは驚いた顔でこちらを見る。
「こっちにですか?」
「はい」

俺はマップで位置を把握しながら答える。
400メートルくらい先だろう。
「田原さん、こちらの方向にいます・・ちょっと建物が邪魔で見えてないですが、いると思います」
俺は指をさしながら、田原さんに教える。
「この方向にいるんですか、そのレベルの高いやつが・・でも、よくわかりますね」
そうなんだ。
普通、わかるはずはないんだ。

俺はすぐに説明を始めた。
「田原さん、スキルなんです。 レベルが上がるというか、職に影響されるのかわかりませんが、そういった能力があります」
説明はそこまでだった。
ワーウルフが急接近。
「優!!」
俺はつい声に出していた。
優はすでに戦闘態勢に入っていた。
田原さんはとりあえず放置。

ワーウルフが現れた。
ある程度の距離のところで立ち止まり、身を低くする。
!!!
「田原さん、両手で耳を塞いで!!」
俺がそう叫ぶと田原さんは耳を塞ごうとしていた。
優は既に塞いでいた。

「わぁおおおぉおおおおおん!!」

ワーウルフの咆哮だ。
やはり身体にビリビリとくるが、それほどでもない。
田原さんは……間に合わなかったようだ。
その場で硬直している。
ま、そのまま放置しておこう。
優はどうだ?
・・・
耳を塞いでいた手を下ろしていた。
動けるようだ。
ワーウルフは少し驚いているようだった。
俺と優が動ける状態でいた。

まずは俺がスッと前に出てワーウルフの右横に移動。
ワーウルフが反応できていない。
頭をめがけて軽く殴ってみた。

ギャウン!

軽く殴っただけなのに、殴った方向へ転がった。
つい先ほどまではこの鳴き声にムカついたが、今は少しかわいそうに思えた。
優は迷わず動いてワーウルフに刀を突き立てていた。
・・・・
優、容赦ないな!
突き立てたと思ったら、即座に薙ぐ。
そしてまた突く。
・・・
おいおい・・大丈夫か?
一撃で・・とはいかなかったが、ワーウルフは動かなくなった。
しばらくして蒸発。
青い石を優が拾って、ステータス画面に取り込ませていた。
なんか手慣れている感じがする。
俺より適応してんじゃない?
ちょっと引くぞ。

おっと、忘れてた。
俺は田原さんのところへ近寄って行く。
田原さんはまだ動けない。
軽く背中をポンポンと叩いてやると、やっと動けたようだ。
スタンした時に、誰かが違う刺激を入れたら動けるようになるのかな?
その効果を与えた対象を倒しても解除はされてないし・・。
まぁ、今のところ問題なくできてるし大丈夫だろう。

「ぷはぁ、はぁ・・何だったんですか、今のは?」
田原さんは驚いていた。
「今のはワーウルフといって、ゴブリンやロンリーウルフを束ねてるボスみたいなものです・・・それに、吠えるとスタン効果を与えるみたいですね」
俺は簡単に説明。
「スタン効果・・それで動けなかったわけですか。 でも、町田さんたちは動けてましたよね?」
田原さんは聞く。 
もっともな質問だ。
「えぇ、たぶんある程度レベルがあるのと、耳を塞ぐと何とかなっているみたいですが、よくわからんのです」

本当のことだ。 
よくわかっていない。
ただ、そうやっていると何とかなっているのは間違いない。
「そうなんですか・・私も早くレベルを上げたいものですね」
田原さんはポジティブシンキングのようだ。
微笑んでいた。
それよりも田原さんはあまりいろいろと聞いてこないな。
レベルのことだって聞きたいだろうに。
いい人だな。

しかし、少し余裕ができてくると、ゲームの感覚になってくる。
油断大敵とはわかっているのだが。
「田原さん、これでとりあえず1時間くらいは魔物は現れないと思います。 どこから来てるのかわかりませんが、ここら辺で出現してるのは間違いないですね」
俺は周りを確認しながら言ってみた。
「1時間ですか・・またその時に魔物を倒せばレベルが上がりそうですね」
「ええ、そう思います」
俺も軽く返事をしながらも、それくらいしか言えなかった。
「町田さん、またいろいろと教えてくださいね」
「いやいや、こちらこそ・・でも、本当にわからないことだらけですから。 ただ、お互いに生き延びたいですね」
「本当に・・・では、また」
田原さんはそういうと、深々とお辞儀をして自分の家へ帰って行った。
俺もお辞儀をして見送る。

さて、優はどうなったかな?
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