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41 じいちゃん、もう天才でいいだろ!
しおりを挟む時間は12時20分。
家に帰ってみると日常が戻りつつあった。
家だけかもしれないが、それでも普通の雰囲気というのはいいものだ。
じいちゃんは相変わらず、仰向けに倒れてる姿しか目にしないな。
そして、常にヘロヘロだぞ。
一体何をしてるんだ?
ばあちゃんに、ただいまを言って、颯を見た。
颯はスライムとずっと一緒だったそうだ。
とても可愛がっているという。
凛がうらやましそうに颯の近くで座っている。
スライムに触らせてくれないようで、ただ見てるだけみたいだが。
ばあちゃんが俺にお茶を淹れてくれる。
家に帰ったらきちんと手洗いとうがいはしたぞ。
お茶を飲みながら、こんな雰囲気が、当たり前がどれだけありがたいか、
それを感じずにはいられなかった。
ばあちゃんに外の状況を伝えたが、俺達が無事ならそれで結構ということだった。
まぁ、そんなものか。
だが、外の状況……あまりにも静かだ。
人を見かけないのも不安だが。
みんなやられたような気配はないし、もともと閑静な住宅街だしな。
建物も壊れているのはなかったよなぁ。
そんなことを考えてたら、じいちゃんがムクッと起き上がってきた。
「テツ! 前に言ってた指輪な、できたぞ」
!!
マジですか?
経験値を増加させる、いわゆるマジックアイテムみたいなのを制作できたんですか?
じいちゃんから俺は指輪を受け取る。
手に取って眺めてみた。
確かに指輪だ。
聞くと、金槌を振り下ろす度に、レベルアップするイメージを込めながら打ったらしい。
で、指輪ができたそうだが、1個作ったら休憩が必要なほど疲れたそうだ。
他は弓も作ったらしい。
嫁用だな・・あんな奴にでも関係なく作業するんだな、じいちゃん、お疲れ様!
そういえば、ばあちゃんも好き嫌いで不公平な扱いはしない人だ。
嫁とは真逆な人間だな。
さて、指輪を見ていてもわからないし指にはめてみた。
ピッタリだ。
ステータス画面を見てみる。
何か効果が表示されてないかな。
そう思って見てみるが、特にない。
!!
あ、忘れてた。
鑑定スキルがあったじゃないか。
もっと集中して注意してみたらわかるんじゃないか?
そう思って指輪を外して、集中してみてみた。
周りの音も聞こえにくくなるほど集中。
・・・
グゥーッと深く沈んでいくようだ。
指輪のところに表示が現れた。
☆マークとともに、経験値微増と表示されている。
あった!
「じいちゃん! あったよ・・っていうか、指輪! 成功してるよ。 本当に、本当にありがとう!!」
俺はじいちゃんの背中をパンパンと軽く叩いていた。
嬉しすぎる。
まさか、本当にできるとは思っていなかった。
ダメ元で言っただけなのに・・やっぱり、じいちゃん、天才か?
経験値微増だが、これだけでもどれだけ助かるか。
全員が持てればいいが、1個打つだけでヘロヘロ仰向けになるしな。
それに、ここまでずっとじいちゃん仕事しっぱなしだったろうに。
休んでもらわないとほんとに倒れてしまうんじゃないか?
「じいちゃん、本当にありがとう。 あと、少しは休憩した方がいいんじゃないか」
そう言ってみた。
「・・・」
じいちゃんは笑ってうなずくだけだ。
ばあちゃんに目線を移動させてみると、ばあちゃんもうなずいていた。
・・・
いいのか?
これで・・大丈夫か?
心配だなぁ。
俺は、ばあちゃんの席のところに戻って話してみる。
「ばあちゃん・・じいちゃん、無理しすぎなんじゃないのか?」
「うれしいんだよ、あの人は・・少々疲れたって、それ以上にやりがいを感じてるんだろうね」
そういうものかな。
素直にばあちゃんの言葉に従っておこう。
じいちゃん、ありがとう。
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