私は絶対認めない

しずな

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第三章 信じてたのに

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そして、私が覚えている、
〝アイツ〟
との最初の記憶。
出会った頃。
「真希那。この人が新しいお父さんだよ。」
「俺は、りゅうじ。よろしくね。真希那ちゃん。」
「はい。よろしくお願いします。」
この頃は意味が分からなかった。
でも、今は分かる。
そして
その人は、
     イケメン
だった!!
私もその人の事は嫌いではなかった。
私がその人をお父さんだと認めたのは付き合って何年かした、卒園式の日。
「行ってきます!パパ!」
「うん!行ってらっしゃい」
初めてパパと呼んだ瞬間。
幸せだった・・・。
とある日。
「ねぇ!!なんで!どこいくのー!!」
「仕事。」
私はりゅうじに説得されて、仕事に行くことを止めはしなくなった。
でも、そのときの私は、心配だったんだ。
今までの人と同じように、りゅうじもどこかへ去ってしまうのではないかと。
でも、りゅうじは笑顔で私にねこのキーホルダーを渡してくれた。
ぬいぐるみの。
とってもかわいい。
私はそれをもらってから、そんな心配はしなくなった。
でも、
習い事の新体操から帰っていたとき。
もうすぐ家に着くな~とおもっていたとき。
車の中で、赤い車が走っていくのを見た。
私たちを見て、逃げていったように見えた。
私は少し気にするも、すぐに気にしなくなった。
「ただいま~!」
家に帰ると、そこは真っ暗だった。
りゅうじもいなかった。
りゅうじの物も1つもない。
「なんで・・・?」
〝ピロリン〟
お母さんのケータイが鳴った。
メールが来たのだろう。
誰からだろう。
「ねぇ~ママ~りゅうじどこ行ったの~?」
「・・・」
お母さんはケータイを見て驚いているようだった。
「別れよう・・・だって・・・」
「えっ?・・・なんで・・・?」
私はショックだった。
とても悲しかった。
なんで・・・?
どうしてそんなこと・・・。
私の瞳からは、ポロポロと大粒の涙が流れた。
悲しかった。
信じてた。
大好きだった。
これからも、
いっしょにいられると・・・
思ってた・・・っ!
次の日も。
また次の日も。
私はその事を考えるたび、ポロポロと涙を流した。
『絶対、帰ってくるから』
あれは、うそだったの・・・?
ねぇ・・・ねぇ・・・りゅうじ・・・。
私はりゅうじからもらった、キーホルダーを抱きしめた。
いつも・・・いつも、みんないなくなる・・・。
私はりゅうじとの思い出をおもいだした。
いっしょに行った海。
いっしょに食べたあの不味いラーメン。
笑い会ったあの日々。
私の中ではまだ、輝いている。
楽しかったあの日々。
幼かった私の、唯一の光。
ありがとう。
りゅうじ。
たくさんの思い出を。

そして、りゅうじ。

 
わたし、信じてたんだよ。
りゅうじのこと。


私はもう、誰も信じられなくなっていた。
私が最後に信じた人。
りゅうじ。 
私は・・・
信じてたのにな・・・
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