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本編
おとぎ話が終わりはじめる。②
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「お、お嬢様っ」
私の背後から抑え気味であれど切羽詰まった声色で一歩進み出たのは、幼い頃からともにそだった護衛兼侍従のエリック。城下で凍えていたのを拾い上げた子が、小刻みに震える手に載せた記録球を差し出した。
魔道具にセットしてあらゆる光景を記録できるそれは、鍛錬をかかさない骨ばった大きな掌に包まれて鈍い光を放っている。
「控えなさい。……不作法をご容赦ください。お前は己の主のもとにお戻り」
前に居並ぶ高貴な方々に詫びをいれ、侍従を公爵閣下のもとへ行くよう促せば、「お、じょうさ、ま?」と涼やかな目を見開き、その琥珀色の瞳を困惑に揺らがせた。
お前の目と同じ色ね、美味しいのよと飴玉を与えれば、照れくさそうに笑って喜ぶ顔が好きだった。
「僕の主は、お嬢様、です」
「いいえ。雇用主は公爵閣下です。それも主にお返しなさい。公爵家の財産なのですから」
王妃殿下が嫁ぐ前になした偉業で潤った、公爵家の財力があるからこそ用意できた魔道具と記録球。記録球は不要となった記録を消し上書きして使いまわせる。王妃様によればエコというらしい。
王太子殿下が言うところの身分を笠にきた所業とやらを否定する記録が詰まっていた。
「まあ、シャルロット。その子はあなたがずっと可愛がってきた忠実な子じゃないの。その記録球には何が?」
王妃殿下の柔らかな声に、青ざめていたエリックが顔のこわばりを少し緩ませた。
お優しい王妃殿下にしては、その声に焦りがにじんでいるように思えるのは気のせいだろうか。そうだったらいいのにと思う。
湧き上がる衝動を鳩尾に押し込めることができたのも、まだそんな衝動が残っていたのかとの戸惑いを視線にのせずにいられるのも、王妃教育の賜物ではある。
嬉しくもなければ、感謝の念もわかないけれど。
「……具体的にはとある女性が自分の学用品を壊したり、わざわざ泉に飛び込んだり、転げ落ちたかのように階段下に座り込んで悲鳴をあげたり、まあ、そんな光景が記録されていましたわ」
「あらあら」
「―――っな」
王妃様は喜色に目元を綻ばせ、王太子殿下もその側近も、公爵閣下もほっと息をつき、ピンクブロンドは詰まった小さな悲鳴をあげた。
「消しましたけど」
「は?」
「消しました。その記録球は空っぽです」
え?え?とエリックが掌中の記録球をくるくる回したり翳してみたりしてる。いやそれじゃ中身があるかどうかわかりませんよ?
「何故……?シャル、その、その記録はアンナのではないのか……?」
「―――アンナ?」
聞き覚えのない名前につい眉を寄せてしまったけれど、ピンクブロンドの「嘘ですっ」と鈴のころがるような可憐な声で、ああ、と気づく。聞き覚えがないというか忘れていた。あなたでしたね。そういえば。
「シャルロットは私をずっといじめていました!影では何度も脅されましたし、い、いたぶるように泉や階段から突き落として―――こ、怖かったんですずっと……信じてっエディっ」
ぷるぷると涙目で訴えるその姿は実に庇護欲をそそるものだけれど、部屋を見渡す限りそそられていそうな者はいなさそうだ。―――すがりつかれている腕を見おろしもしない王太子殿下しかり。あれほど仲睦まじくあられましたのにね。
貴族たるもの演技力は必須ですし、その頂点たる王族となれば髄まで磨き上げられているというもの。……さきほどから随分とぼろやら皮やらが剥がれ落ちているようですけれど。
あれですわね。ある意味この娘も被害者ではあるのでしょう。茶番の台本も知らずに舞台にあげられたのですから。だが同情はしないし、呼び捨てられる筋合いもない。
だって台本を知らされていないのは私も同じですし、そもそもこの娘は自らこの舞台にあがったのですから。雉も鳴かずば撃たれまいっていうそうです。こういうのって。
アンナは思ったような反応を王太子殿下から引き出せないことに戸惑い、その背後にたつ側近たちに縋るような視線をうつしたけれど、そちらもまたそれに応えてはいない。ただ困惑の表情で私と王太子殿下を代わる代わる見つめている。
「あ、ああ、他にあるんだな?シャル、君がそんな意味のないことをするはずが」
「いえ?なにも」
「そ」
「だって不要ですもの―――中身はもうみなさんご覧になってますでしょ?複製もお持ちでしょうし。ねえ公爵閣下。エリックはとても優秀でしたでしょう。これからもしっかり公爵家のお勤めを果たせますわ」
一拍おいて、ふふふっと軽やかな笑い声が転がった。
「シャルロットったら、やっぱりすっかりお見通しだったのね。流石だわ。しかもこんな意趣返しまで。驚いちゃった。ねぇ陛下」
「ああ、王太子妃、ひいては次期王妃としては少し大人しすぎるかと思ってたがな。アレック、お前まで転がされてたではないか」
陛下の愉快気な揶揄いに、アレクシス・マクドゥエル公爵閣下は安堵で肩を落としている。小ホールの緊張がゆるみ、「え?え?」ときょろきょろするアンナの手を鬱陶し気に振り払い、王太子殿下がふにゃりとした笑みで両腕を広げこちらに向かって歩み寄ってくる。やだなにそれまさか抱き寄せる気かしら。
「よかった。シャル―――シャル?」
素早く三歩後ずさる。
一歩また歩み寄る殿下。
また一歩後ずさる。
「シャル?」
そんなこてんとあざとく首を傾げられても。ほら、アンナがきゃんきゃん騒ぎ出した。
「エディ!?どうしちゃったのエディったら!」
縋りつこうとするその手を払いのけた王太子殿下が、小さく舌打ちする。
学園や王宮の中庭の隅で、木陰に隠れるようにしてアンナの頬を撫でていた表情は欠片も見当たらない。冷ややかな一瞥だけをくれて、王妃殿下に伺いをたてた。
「母上、もういいですよね。なんかもうぐだぐだですし」
「そうね。さっきあちらも片付いたと報告があったわ」
ああ、やっと幕引きのようです。
あちらというのは、男爵家のことでしょうね。騎士団が踏み込んで捕縛完了といったところですか。
王太子殿下がきりりと壁際の護衛騎士を見渡し命を告げた。
「アンナ・ルジオ男爵令嬢、王族及び高位貴族令息に対する魅了魔法の行使による不敬罪、ひいては国家内乱罪等により拘束する―――捕えよ」
「なっなんで、きゃあああああやめっ」
なんでなんでと金切り声をあげて暴れるけれど、騎士たちに敵うわけもなく。悪役令嬢だのヒロインだのよくわからない妄言を喚き散らしながら引きずられ退室していった。
私の背後から抑え気味であれど切羽詰まった声色で一歩進み出たのは、幼い頃からともにそだった護衛兼侍従のエリック。城下で凍えていたのを拾い上げた子が、小刻みに震える手に載せた記録球を差し出した。
魔道具にセットしてあらゆる光景を記録できるそれは、鍛錬をかかさない骨ばった大きな掌に包まれて鈍い光を放っている。
「控えなさい。……不作法をご容赦ください。お前は己の主のもとにお戻り」
前に居並ぶ高貴な方々に詫びをいれ、侍従を公爵閣下のもとへ行くよう促せば、「お、じょうさ、ま?」と涼やかな目を見開き、その琥珀色の瞳を困惑に揺らがせた。
お前の目と同じ色ね、美味しいのよと飴玉を与えれば、照れくさそうに笑って喜ぶ顔が好きだった。
「僕の主は、お嬢様、です」
「いいえ。雇用主は公爵閣下です。それも主にお返しなさい。公爵家の財産なのですから」
王妃殿下が嫁ぐ前になした偉業で潤った、公爵家の財力があるからこそ用意できた魔道具と記録球。記録球は不要となった記録を消し上書きして使いまわせる。王妃様によればエコというらしい。
王太子殿下が言うところの身分を笠にきた所業とやらを否定する記録が詰まっていた。
「まあ、シャルロット。その子はあなたがずっと可愛がってきた忠実な子じゃないの。その記録球には何が?」
王妃殿下の柔らかな声に、青ざめていたエリックが顔のこわばりを少し緩ませた。
お優しい王妃殿下にしては、その声に焦りがにじんでいるように思えるのは気のせいだろうか。そうだったらいいのにと思う。
湧き上がる衝動を鳩尾に押し込めることができたのも、まだそんな衝動が残っていたのかとの戸惑いを視線にのせずにいられるのも、王妃教育の賜物ではある。
嬉しくもなければ、感謝の念もわかないけれど。
「……具体的にはとある女性が自分の学用品を壊したり、わざわざ泉に飛び込んだり、転げ落ちたかのように階段下に座り込んで悲鳴をあげたり、まあ、そんな光景が記録されていましたわ」
「あらあら」
「―――っな」
王妃様は喜色に目元を綻ばせ、王太子殿下もその側近も、公爵閣下もほっと息をつき、ピンクブロンドは詰まった小さな悲鳴をあげた。
「消しましたけど」
「は?」
「消しました。その記録球は空っぽです」
え?え?とエリックが掌中の記録球をくるくる回したり翳してみたりしてる。いやそれじゃ中身があるかどうかわかりませんよ?
「何故……?シャル、その、その記録はアンナのではないのか……?」
「―――アンナ?」
聞き覚えのない名前につい眉を寄せてしまったけれど、ピンクブロンドの「嘘ですっ」と鈴のころがるような可憐な声で、ああ、と気づく。聞き覚えがないというか忘れていた。あなたでしたね。そういえば。
「シャルロットは私をずっといじめていました!影では何度も脅されましたし、い、いたぶるように泉や階段から突き落として―――こ、怖かったんですずっと……信じてっエディっ」
ぷるぷると涙目で訴えるその姿は実に庇護欲をそそるものだけれど、部屋を見渡す限りそそられていそうな者はいなさそうだ。―――すがりつかれている腕を見おろしもしない王太子殿下しかり。あれほど仲睦まじくあられましたのにね。
貴族たるもの演技力は必須ですし、その頂点たる王族となれば髄まで磨き上げられているというもの。……さきほどから随分とぼろやら皮やらが剥がれ落ちているようですけれど。
あれですわね。ある意味この娘も被害者ではあるのでしょう。茶番の台本も知らずに舞台にあげられたのですから。だが同情はしないし、呼び捨てられる筋合いもない。
だって台本を知らされていないのは私も同じですし、そもそもこの娘は自らこの舞台にあがったのですから。雉も鳴かずば撃たれまいっていうそうです。こういうのって。
アンナは思ったような反応を王太子殿下から引き出せないことに戸惑い、その背後にたつ側近たちに縋るような視線をうつしたけれど、そちらもまたそれに応えてはいない。ただ困惑の表情で私と王太子殿下を代わる代わる見つめている。
「あ、ああ、他にあるんだな?シャル、君がそんな意味のないことをするはずが」
「いえ?なにも」
「そ」
「だって不要ですもの―――中身はもうみなさんご覧になってますでしょ?複製もお持ちでしょうし。ねえ公爵閣下。エリックはとても優秀でしたでしょう。これからもしっかり公爵家のお勤めを果たせますわ」
一拍おいて、ふふふっと軽やかな笑い声が転がった。
「シャルロットったら、やっぱりすっかりお見通しだったのね。流石だわ。しかもこんな意趣返しまで。驚いちゃった。ねぇ陛下」
「ああ、王太子妃、ひいては次期王妃としては少し大人しすぎるかと思ってたがな。アレック、お前まで転がされてたではないか」
陛下の愉快気な揶揄いに、アレクシス・マクドゥエル公爵閣下は安堵で肩を落としている。小ホールの緊張がゆるみ、「え?え?」ときょろきょろするアンナの手を鬱陶し気に振り払い、王太子殿下がふにゃりとした笑みで両腕を広げこちらに向かって歩み寄ってくる。やだなにそれまさか抱き寄せる気かしら。
「よかった。シャル―――シャル?」
素早く三歩後ずさる。
一歩また歩み寄る殿下。
また一歩後ずさる。
「シャル?」
そんなこてんとあざとく首を傾げられても。ほら、アンナがきゃんきゃん騒ぎ出した。
「エディ!?どうしちゃったのエディったら!」
縋りつこうとするその手を払いのけた王太子殿下が、小さく舌打ちする。
学園や王宮の中庭の隅で、木陰に隠れるようにしてアンナの頬を撫でていた表情は欠片も見当たらない。冷ややかな一瞥だけをくれて、王妃殿下に伺いをたてた。
「母上、もういいですよね。なんかもうぐだぐだですし」
「そうね。さっきあちらも片付いたと報告があったわ」
ああ、やっと幕引きのようです。
あちらというのは、男爵家のことでしょうね。騎士団が踏み込んで捕縛完了といったところですか。
王太子殿下がきりりと壁際の護衛騎士を見渡し命を告げた。
「アンナ・ルジオ男爵令嬢、王族及び高位貴族令息に対する魅了魔法の行使による不敬罪、ひいては国家内乱罪等により拘束する―――捕えよ」
「なっなんで、きゃあああああやめっ」
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