悪役令嬢?それがどうした!~好き勝手生きて何が悪い~

りーさん

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公爵令嬢?それがどうした!

第4話 食の改革 3

 お姉さんの案内で、お塩が売っているところに向かう。

「ここよ」
「ありがとう」

 案内が終わると、お姉さんは来た道を戻る。また花屋に向かっているのかな。まぁ、まずは自分の事だ!さーてと、胡椒や砂糖はありますかなぁ~。

 塩は売ってるね。日本と比べたら少し高めだけど。まぁ、日本は島国だもんねぇ。塩なんていくらでも取れるでしょうね。この国は、“エリカ”の記憶では、周りは山か他国と接しているらしいし、高くても不思議ではないわね。

 辺りを見ても、胡椒や砂糖らしき物は無いなぁ。やっぱり、出回ってないのかな。それなら、せめて豆だけでも……

「なぁ、見てくれよ」

 へ?何?と思って声のした方を見ると、誰かが話している。

 なんだ、私に言った訳ではないのね。

「これなんだ?」
「他国から仕入れた物なんだが、良く分からないんだ」

 他国からですと?私のセンサーがビンビン反応してる。良し、ちょっと近づいてみよう。

 バレないように、商品を見ているふりをして……っと。

「何か変な見た目だな。黒っぽいのもあれば、白っぽいのもなんて」

 黒と白……それはまさか……

「それにさ、食べてみたら、少し辛いんだよ」

 黒と白……口に入れると辛みがある……それは、もしかしてもしかしなくとも!もう確かめずにはいられない!

「ねぇ、お兄さん達!それ見せて!」
「あぁ、良いぞ」

 「ほら」と言って、その手に持っている籠を私が見えるところにまで降ろしてくれた。

 ある程度確信は持っていたけど、確かめるために口に入れる。

 わぁー!!やっぱり胡椒じゃないか!あった!この国にもあった!ありがとう神様。祈っても足りません!

「ねぇ、これ売って!」
「こんなのが欲しいのか?」

 こんなのだと!?胡椒は料理には塩と同じくらい必要不可欠な存在だぞ!胡椒のあるなしが料理に大きな差を生むと言っても過言ではないと言うのに!!

「こんなのって何よ!胡椒は万能アイテムじゃん!塩と一緒に入れる塩コショウなんて最高だし、料理の味つけの幅が広がるんだよ!いくらでも出すから!私にはこれがいるの!売って!今すぐ売って!!」
「わ、分かった分かった。売るから、その前に頼み事をしても良いか?」
「何?何でもするから教えて!」

 店の手伝いとか?それなら任せなさい!バイトで正社員の人も含まれている売り上げランキングでトップを出す実力者だよ私は!

「これと同じように、店に出さない物があるんだ。それを見てくれないか?」
「別に──」
「お嬢様?」

 良いよと答えようとした瞬間、後ろから声と寒気がする。声はものすごく無機質な声で、雰囲気だけで怒っている事が良く分かる。

 気のせいであってくれと願いながら、後ろを向くと、気のせいではなく仁王立ちしている人物がいた。

「ミレラ……」

 仁王立ちしている人物の名前を呼ぶ。

「お嬢様、一体一人で・・・何をしているのですか?」
「ちょ、ちょっとお出かけを……」
「ですから、なぜ誰も連れずに行ったのですか?」
「一人で自由に歩きたかったんだもん」

 何で一人じゃダメなのさ。いや、7歳の子供一人じゃ危なかったかもしれないけど、貴族ってなると何人も護衛を連れていくんでしょ?そんなの嫌だよ。

「お嬢様はティアンゴルグ公爵家のご令嬢なのですよ。そんな我が儘は許されません」
「良いよ。誰にも許して貰わなくても良いもん。私は勝手にしてるから」

 貴族?それがどうしたって話よ!私は私のやりたいようにやるんだから!

「じゃあ、お兄さん。案内して」
「あ、あぁ……こっちだ」

「お嬢様!」と呼んでいるミレラを無視してお兄さん達の後についていく。

「ここが厨房だ」
「結構広いね!」
「商品を置く倉庫も兼ねているからな」

 さて、ここに砂糖と大豆は無いかなぁ~。

「あんた、貴族のお嬢様だったのか?」

 探している最中に、お兄さんが話しかけてきた。

「一応ね。でも、敬語とかは要らないよ。途中からそんな喋り方されても鬱陶しいから」
「ずいぶんハッキリ言うんだな、お前」
「下手に取り繕われるより、ハッキリ言われた方が良いでしょ?」
「確かにな。気を遣って遠回しに言われるよりはマシだ」

 さてっと、砂糖と大豆は無いかなぁ~。どちらも常温でも大丈夫だから。どこにしまってあってもおかしくないな。

 いろいろ引き出しを開けてみるけど……めぼしい物は無いかなぁ。どれも、食べられるけど彩り要員という感じ。地球に無い物もあるし……

 う~ん、大豆はともかく、砂糖くらいはあるかと思ったのに……って!こんな弱気なのは私らしくない。

 貧乏三原則!負けない!挫けない!諦めない!

 部屋の隅から隅まで探し尽くさないと!半分は探し終わってる。でも、あと半分もあるんだ!砂糖がある可能性はいくらでもある!

「何かさ、あれが貴族の令嬢とは、俺にはとても思えないんだが……」
「あぁ、誰もお嬢様って呼ばれるのを見るまで、あんなのがお嬢様とは思わないだろうよ」

 そりゃそうだよ。貴族として育った“エリカ”なら、貴族として振る舞っただろうけど、中身が“えりか”なんだもん。ゴリッゴリの庶民なんだから、貴族らしくないのは当然でしょ。

「お嬢様!」

 何だ。てっきり怒って帰ったかと思ってた。

「ミレラ。どうしたの?」
「私は出かける事を怒った訳ではありません!あなたが何も言わずに出ていったのを怒ってるんです!」
「だから?」

 そう言うと、ミレラは驚いている。私がありがとうと言った時以上の驚きようだった。

「だから、許せって事?じゃあ仮に、あらかじめ言っていたとして、絶対に・・・外出許可をくれたの?」
「それは……」
「私は、お父さんが反対すると思ったの。そうしたら、あなたも他の使用人も護衛もお父さんの方につくでしょ。それなら、黙って一人で行こうとする方が、出かけられる可能性は高いでしょ?私は、確率が高い方を選んだだけ。それの何が悪いの?」

 ここまで言うと、ミレラは悲しそうな顔をして黙ってしまった。よし。今のうちに探そう。

 砂糖さーん、出ておいで~。今なら美味しいお菓子にしてあげるから~。

「……何をお探しなのですか?」
「砂糖。甘い白い粉を探してるの」
「……私もお手伝いします」
「ほんと?ありがとう」

 ちょうど手伝って欲しいと思っていたところだったし、ちょうど良い。これならもう少し探せば全部探せるかな。探しているうちに、シナモンやカレー粉、白玉粉と思わしき物も見つけた。

 白玉粉なぁ。白玉粉よりも、もち米が欲しい。和菓子が食べたいんだぁ!

「お嬢様、これではありませんか?少し舐めてみましたが、甘かったですよ」

 ミレラが渡してきた物を舐めてみる。この味は砂糖だ!間違いない!

「うん!これだよ。ありがとう、ミレラ」
「いえ……」
「それが何かあるのか?」
「これは砂糖って言ってね。お菓子を作るのに使うの」
「「「オカシ?」」」

 あっ、三人の声が揃った。お兄さん達はともかく、ミレラも知らないって事は、この国どころか、この世界にもお菓子は無さそうだなぁ。

「ねぇ、小麦粉ってある?」
「あることにはあるが……」
「それちょうだい」

 百聞は一見に如かずと言うしね。実際にやって見せようじゃないか。

「ちょっと作ってみるから、見ててよ」
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