悪役令嬢?それがどうした!~好き勝手生きて何が悪い~

りーさん

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公爵令嬢?それがどうした!

第13話 誘導

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 さて、どうやって出させるか。私が囮になるしかない。ゲームの時は私の10歳の誕生日だったけど、早まる可能性が無いとは言えない。少しほのめかしておけば、計画を早めてくれるかもしれない。

 ……うん?9歳の私が囮で大丈夫かって?大丈夫大丈夫。実は私、8歳の頃から魔法の勉強をしてるんですよ。普通は、10歳になってからだそうですが、おねだりしまくって、8歳から学ぶ事になりました。でもエリカって、魔法の才能があるみたいで、基礎はマスターしてしまいました。

 後は、私の想像力次第で、どんな魔法も使えます。なので、私が囮になるのは全く問題はありません!

 さてさて、刺客さんと接触してみるとしますか!

「ねぇ」
「あら、お嬢様。いかがされましたか?」

 この人が刺客である使用人、名前はラミア。

「ラミア。良くお外にお出かけしてるけど、どこに行ってるの?」

 他の人から見たら、子供にある好奇心から来る質問にしか見えないだろう。でも、彼女にとっては違う。

 ゲームでも現実でも、ラミアは屋敷から出る時は、バレないように出ようとしているのだ。それを、私に見られていた。『よく』と言っているから、一回ではなく、何度も見られていたと取られるだろう。

 その証拠に、少しだけ青ざめている。

「街にお出かけしてるんですよ」
「どこのお店?お花屋さん?魔道具屋さん?それとも、エリーが知らないところかなぁ?」

 そんな言葉だけで逃がす訳がないだろう。

「そ、そうですね。その二つではありません」
「じゃあ、お酒があるところ?それとも食べ物があるところ?ねえねえ、エリーに教えて?」

 どんどん追い詰めていく。口を滑らせてくれれば楽だけど、仮にも刺客。思わず口を滑らすというような真似はしないだろう。

「友人のところへ行ってるんです」

 まぁ、間違ってはいないか。

「えぇ~、良いなぁ。エリー友達いないから」

 自分で言っててちょっと悲しくなってきた。

「どんな人なの?男の人?女の人?優しいの?カッコイイの?」
「男性ですよ。ハンサムなお方です」

 なぬ!?刺客の癖にハンサムだというのか!……寝返らせてみるか?イケメンな従者は前世からの夢だったからなぁ。

「良いなぁ!エリーも会いたい!連れてってくれない?」

 YESとは言わないだろう。これで少しは危険視してくれれば良いけど。

「それは、少し難しいです。本人にも聞いてみないといけませんから……」
「じゃあ、聞いてきてよ!パパにはエリーが言うから!」
「は、はい」

 これで、ラミアは堂々と街に出る理由が出来た。後は、パパさんに言うだけです。言いつける訳ではありませんよ?ラミアが少し休暇を取る事を伝えるだけです。

 これで動いてくれると良いけど……今日はママさんのところで頑張って起きないとね。

 夜になって、ママさんのところに向かいます。今日はお昼にたっぷり寝ているので、問題はないでしょう。

「お母さん、一緒に寝ても良い?」
「あら、別に構わないけど……」

 ネグリジェのママさんも最高です……!け、決して変態ではありませんよ!?

 ママさんのベッドに入ります。私が部屋にいなかったら、おそらくは家捜しするでしょう。だって、騎士様はグッスリですからね。私は飲み物や食べ物は警戒していたので、体調不良で飲食していません。貧乏だったので、一食二食抜いても、全く辛くはないですからね。

 寝たふりをして、刺客さんが来るのを待ちます。

 そろそろ来てもおかしくないんですが……おっ、誰か来ましたね。刺客さんでしょうか。まぁ、いざとなったら、魔法で逃げましょう。

 どんどん足音と気配が近づいてくる。寝ている主人達に向かって、ここまで近づいてくるのは無礼な行為だ。刺客で間違いない。

 よし!今だ!

 私は刺客の脇腹の方をくぐって逃げ出す。よしよし、脳内で10回くらいシュミレーションしたかいがあった。

 さて、パパさんのところにうまいこと誘導しましょう。ですが、パパさんは寝てしまっています。そんな状態では、無駄に死体を増やすだけでしょう。遠回りしますか!

 魔力を体全体に纏って、身体能力を上げる。【身体強化】という魔法です。これで、大人の男性くらいには速く走れます。

 ちょっと荒らします。風を身に纏って、あえて制御をしません・・・・・・・。すると、どうなるかと言うと、風が周りを巻き込んでいくんです。そしたら当然、花瓶や絵画は落ちたり壊れてしまいます。でも、そんなのは関係ありません!ママさんの命と比べたら安いものです!

 もう気づいていると思いますが、私が狙っているのは音です。わざと鳴らしていると思われると、逃げられるかもしれませんからね。無我夢中で逃げ回ってるふりをします。その時にたまたま・・・・近くにあった花瓶や絵画が犠牲になっただけです。

 さてさて、そろそろ刺客さんもイライラしている事でしょう。9歳のお子ちゃまを暗殺するという簡単な仕事だったはずなのに、その子供は壁を伝って走ったりもしているのですから。

 もう向かっても良いかもしれません。それには、道を引き返す必要があります。つまり、もう一回、刺客さんの横をすり抜けなければいけません。

 成功するかは賭けです。でも、何もしないよりはマシでしょう。あえて、【身体強化】の魔法を解いて、スピードを落とします。向こうは、私の体力切れか魔力切れとでも思っているでしょう。

 ですが、ちゃんと魔力の量は調整していました。すり抜けた後に、【身体強化】を使えば逃げきれます。

 失敗すれば死にます。次は生まれ変わるという保証はありません。でも、たとえ死んだとしても、ママさんが生きているなら構いません。

 刺客さんは、一言も喋ってはいません。刺客らしいと言えばらしいですね。

 刺客さんも、一度すり抜けられたので警戒はしていると思います。

 あえて、一撃を喰らうのも良いかもしれません。貧乏だといじめの対象になりやすいので、その結果、暴力を振るわれた事もあります。痛いのは我慢すれば怖くありません。やってみますか。

 刺客さんは、私から目を離しません。だけど、近づいてこようともしません。私が再びすり抜けるのを恐れているんでしょう。

 こうなれば心理戦。焦った方が負ける。

 どうしようか。あえてこちらから近づいてみよう。

 私は刺客の方に歩いていく。焦ったら捕まる。先ほど以上にタイミングを計らないといけない。

 一歩、また一歩と前進していく。何もないかのように。ただ廊下を歩くように進んでいく。

 距離が数メートルまで近づいたとき、刺客が暗器を取り出す。ただ服から名刺でも取り出すかのように自然と。

 刺客の人が暗器をこちらに向けてきた。胸に当たったら即死。体を屈めて、顔に当たるように調整して避ける。

 ちょっと痛いけど、怖くはない。当たったとほぼ同時に、横をすり抜ける。人と言うのは、勝利を確信する時に一番油断する。

 【身体強化】で一気に走り抜ける。もう体力を温存する必要はない。

 道は覚えている。念のために、他の物も壊してしまうか。ついでに私の部屋もボロボロに  ……いや、やめておこう。そんな事をしたらミレラが泣いてしまう。

 もうパパさんの部屋についた。ドアにある小窓からは光が漏れている。起きましたね。

 刺客さん、ゲームオーバーですよ。
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