48 / 53
公爵令嬢?それがどうした!
第48話 カスタードクリーム
しおりを挟む
「どこに行くんですか?」
「厨房。何かレシピでも教えようかなって思ってね」
何が良いかと考える。まだまだレシピはたくさんある。でも、当たり前だけど、材料がないと意味がない。
だから、厨房に材料を確かめに行くだけだ。調理はしない。
部屋で休んでいるはずの私がフワフワと浮いているからか、すれ違う人が目が飛び出そうなくらい驚いている。
うん。驚かなかったレイがおかしいんだよね、やっぱ。
そして、厨房についたので、どこぞの青だぬきのように少しだけ浮くくらいに高度を下げて、厨房に入る。第三者から見れば、普通に歩いているように見えるだろう。
ですが、手足が動かせない私はレイに扉を開けて貰う。
「あれ!?お嬢様!?」
私の存在に真っ先に気づいたのは、犬シェフのエルド。エルドの声に他の人達も反応する。まぁ、これが普通だよね。
「お怪我なさってたのでは……」
「治りが早かったから、ほとんど大丈夫だし。散歩してるの」
嘘だけどな。でも、地球よりも治りが早いのは本当だ。ここには魔法があるからだろう。腕の良い回復術師なら、骨折なんてすぐに治せるそうだ。
私が寝ている間にはある程度の治療は終えていて、もう骨は激しく動かさなければ大丈夫との事だ。ただ、痛みだけは消せないらしく、あの死ぬほどの痛みがとれるまで、一週間くらいかかるそうだ。
つまりは、骨は走ったりとかしなければ大丈夫。でも、まだ完全にくっついてはいないので、痛みは残っていて、動かすと激痛が走るというわけだ。
だから、二ヶ月後の学園入学には間に合うだろう。行きたくねぇけどな!
さて、とりあえず荒らしますか。何があるかなぁ~?
痛いっちゃあ、痛いけど、ギャアってなるほどではないので、かがんでチェックする。
う~ん……惹かれるような物はないなぁ……と思っていたら、豆を見つけた。
生っぽいなぁ……熱処理しないといけないな。……うん?前に生で食べてなかったかって?何の事かなぁ~?
とりあえず、火魔法と水魔法を組み合わせて、熱湯を作り出す。
これも合成魔法なんだけど、【砂嵐】とかに比べれば、結構地味だ。
あまり危険ではないからかもしれないけど、一番最初に習った合成魔法がこれだった。
熱湯で茹でたら、風魔法で風を起こして冷まし、食べてみる。
これ、白いんげんじゃないか!?これがあれば、白あんが作れる!
和三盆があれば最高なんだけど……それには、サトウキビでも竹糖という種類でなければならない。
さすがに品種の区別は食べなければ分からないから、それが栽培されているところに行かないといけないけど。
砂糖があれば、白あんが作れる。あの時、もち米も貰ったので、大福とかも作れるし……あっ、でも臼がないなぁ……さすがにキッチンの調理台でやるわけにはいかないし……
よし、あんぱんを作ろう!ついでに、クリームパンに、ジャムパンに……作れるものは全部作っちゃえ!
まずは、カスタードから!
その前に、パンも作っておかないといけないか。と、思っていると、ちょうど朝ごはんにパンを焼こうとしているみたいで、そこには焼く前の生地が!何というご都合主義!!
「それ、余る奴で良いからちょうだい。二個分で良いから!」
「別に良いですけど……」
そういって、二個は別のプレートに分けてくれた。よっしゃ!後はクリームだけじゃ!
「レイ。カスタードクリーム作るの手伝って!」
実際は、私は指示するだけで何もしないんだけど……でも、今のレイに私が料理し始めたら叱られそうだからね。
私も、ずいぶんレイに甘くなってしまったなぁ……前なら、そんなの関係ねぇ!ってやってただろうに。まぁ、どうしてもやりたかったらそうなるだろうけど。
「何を用意すれば良いんですか?」
下手に拒否しなくなった。料理する事よりも、私に逆らったりする方が面倒くさいと思っているんだろう。まったく持ってその通りだが。
「卵でしょ。ミルク、砂糖、後は、薄力粉なんだけど……」
こいつに薄力粉が何か分かるかな……?薄力粉とかそういうのって、パッと見では分からないから、間違えても怒るつもりはない。でも、違うのを混ぜると、食感に違いが出てしまう。
だからと言って、使わないと、液状のようになってしまうのだ。
「薄力粉ってこれですか?」
袋に入っている白い粉を見せてきたので、痛いのを我慢して、腕を伸ばして、握ってみる。うん、薄力粉だ。しっかりと固形に固まっているから。
「うん。まずは、砂糖と卵を混ぜるの。そして、ミルクを沸騰直前まで温めておいて」
泡立て器があれば良いんだけどなぁ。ないものは仕方ないので、スプーンで混ぜる事に。泡立て器だけじゃなくて、ヘラも欲しいよなぁ。シリコンは無理でも、似たような感じには出来るんじゃないかな?
そして、薄力粉を混ぜて、ミルクを何回かに分けて混ぜて、後は鍋にかけるだけになった。
「意外と簡単でしたね」
「でしょ?それなのに、いろいろなお菓子に使えるんだよね~」
なんとも便利なクリームなんでしょう。生クリームでホイップクリームを作ればもう完璧ですよ!ホイップ&カスタードは神ですから!
「では、これでお菓子でも作るんですか?」
「クリームパンっていう……まぁ、お菓子みたいなものかな。パンの一種なの」
そんな会話をしているうちに、カスタードクリームが完成した。それを、半分にした生地の真ん中に入れて、もう一つを上に重ねて挟む。やっているのはレイだけど。
「後は、普通のパンと同じように焼けば完成だよ!」
そうは言ったものの、レイはオーブンの使い方なんて分からないかと思っていたが、何も迷う事なくダイヤルを回して温め始めた。
マジか……昔、料理でもしていたのかしら?
そして、焼けるまでの空き時間ができた。
暇になったなぁ……他のクリームでも作ろうかな?でも、保存方法を確立してないのに、クリーム類を作るのもなぁ……
どうしようかと考えていたが、次の瞬間、一気に暇ではなくなった。
「義姉上……何をしてるんですか?」
こ、この声は……!
おそるおそる声のする方を見てみると、不適な笑みでこちらを見ているカルディアの姿があった。
やべぇ……どうしよう……!
「厨房。何かレシピでも教えようかなって思ってね」
何が良いかと考える。まだまだレシピはたくさんある。でも、当たり前だけど、材料がないと意味がない。
だから、厨房に材料を確かめに行くだけだ。調理はしない。
部屋で休んでいるはずの私がフワフワと浮いているからか、すれ違う人が目が飛び出そうなくらい驚いている。
うん。驚かなかったレイがおかしいんだよね、やっぱ。
そして、厨房についたので、どこぞの青だぬきのように少しだけ浮くくらいに高度を下げて、厨房に入る。第三者から見れば、普通に歩いているように見えるだろう。
ですが、手足が動かせない私はレイに扉を開けて貰う。
「あれ!?お嬢様!?」
私の存在に真っ先に気づいたのは、犬シェフのエルド。エルドの声に他の人達も反応する。まぁ、これが普通だよね。
「お怪我なさってたのでは……」
「治りが早かったから、ほとんど大丈夫だし。散歩してるの」
嘘だけどな。でも、地球よりも治りが早いのは本当だ。ここには魔法があるからだろう。腕の良い回復術師なら、骨折なんてすぐに治せるそうだ。
私が寝ている間にはある程度の治療は終えていて、もう骨は激しく動かさなければ大丈夫との事だ。ただ、痛みだけは消せないらしく、あの死ぬほどの痛みがとれるまで、一週間くらいかかるそうだ。
つまりは、骨は走ったりとかしなければ大丈夫。でも、まだ完全にくっついてはいないので、痛みは残っていて、動かすと激痛が走るというわけだ。
だから、二ヶ月後の学園入学には間に合うだろう。行きたくねぇけどな!
さて、とりあえず荒らしますか。何があるかなぁ~?
痛いっちゃあ、痛いけど、ギャアってなるほどではないので、かがんでチェックする。
う~ん……惹かれるような物はないなぁ……と思っていたら、豆を見つけた。
生っぽいなぁ……熱処理しないといけないな。……うん?前に生で食べてなかったかって?何の事かなぁ~?
とりあえず、火魔法と水魔法を組み合わせて、熱湯を作り出す。
これも合成魔法なんだけど、【砂嵐】とかに比べれば、結構地味だ。
あまり危険ではないからかもしれないけど、一番最初に習った合成魔法がこれだった。
熱湯で茹でたら、風魔法で風を起こして冷まし、食べてみる。
これ、白いんげんじゃないか!?これがあれば、白あんが作れる!
和三盆があれば最高なんだけど……それには、サトウキビでも竹糖という種類でなければならない。
さすがに品種の区別は食べなければ分からないから、それが栽培されているところに行かないといけないけど。
砂糖があれば、白あんが作れる。あの時、もち米も貰ったので、大福とかも作れるし……あっ、でも臼がないなぁ……さすがにキッチンの調理台でやるわけにはいかないし……
よし、あんぱんを作ろう!ついでに、クリームパンに、ジャムパンに……作れるものは全部作っちゃえ!
まずは、カスタードから!
その前に、パンも作っておかないといけないか。と、思っていると、ちょうど朝ごはんにパンを焼こうとしているみたいで、そこには焼く前の生地が!何というご都合主義!!
「それ、余る奴で良いからちょうだい。二個分で良いから!」
「別に良いですけど……」
そういって、二個は別のプレートに分けてくれた。よっしゃ!後はクリームだけじゃ!
「レイ。カスタードクリーム作るの手伝って!」
実際は、私は指示するだけで何もしないんだけど……でも、今のレイに私が料理し始めたら叱られそうだからね。
私も、ずいぶんレイに甘くなってしまったなぁ……前なら、そんなの関係ねぇ!ってやってただろうに。まぁ、どうしてもやりたかったらそうなるだろうけど。
「何を用意すれば良いんですか?」
下手に拒否しなくなった。料理する事よりも、私に逆らったりする方が面倒くさいと思っているんだろう。まったく持ってその通りだが。
「卵でしょ。ミルク、砂糖、後は、薄力粉なんだけど……」
こいつに薄力粉が何か分かるかな……?薄力粉とかそういうのって、パッと見では分からないから、間違えても怒るつもりはない。でも、違うのを混ぜると、食感に違いが出てしまう。
だからと言って、使わないと、液状のようになってしまうのだ。
「薄力粉ってこれですか?」
袋に入っている白い粉を見せてきたので、痛いのを我慢して、腕を伸ばして、握ってみる。うん、薄力粉だ。しっかりと固形に固まっているから。
「うん。まずは、砂糖と卵を混ぜるの。そして、ミルクを沸騰直前まで温めておいて」
泡立て器があれば良いんだけどなぁ。ないものは仕方ないので、スプーンで混ぜる事に。泡立て器だけじゃなくて、ヘラも欲しいよなぁ。シリコンは無理でも、似たような感じには出来るんじゃないかな?
そして、薄力粉を混ぜて、ミルクを何回かに分けて混ぜて、後は鍋にかけるだけになった。
「意外と簡単でしたね」
「でしょ?それなのに、いろいろなお菓子に使えるんだよね~」
なんとも便利なクリームなんでしょう。生クリームでホイップクリームを作ればもう完璧ですよ!ホイップ&カスタードは神ですから!
「では、これでお菓子でも作るんですか?」
「クリームパンっていう……まぁ、お菓子みたいなものかな。パンの一種なの」
そんな会話をしているうちに、カスタードクリームが完成した。それを、半分にした生地の真ん中に入れて、もう一つを上に重ねて挟む。やっているのはレイだけど。
「後は、普通のパンと同じように焼けば完成だよ!」
そうは言ったものの、レイはオーブンの使い方なんて分からないかと思っていたが、何も迷う事なくダイヤルを回して温め始めた。
マジか……昔、料理でもしていたのかしら?
そして、焼けるまでの空き時間ができた。
暇になったなぁ……他のクリームでも作ろうかな?でも、保存方法を確立してないのに、クリーム類を作るのもなぁ……
どうしようかと考えていたが、次の瞬間、一気に暇ではなくなった。
「義姉上……何をしてるんですか?」
こ、この声は……!
おそるおそる声のする方を見てみると、不適な笑みでこちらを見ているカルディアの姿があった。
やべぇ……どうしよう……!
16
あなたにおすすめの小説
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
所(世界)変われば品(常識)変わる
章槻雅希
恋愛
前世の記憶を持って転生したのは乙女ゲームの悪役令嬢。王太子の婚約者であり、ヒロインが彼のルートでハッピーエンドを迎えれば身の破滅が待っている。修道院送りという名の道中での襲撃暗殺END。
それを避けるために周囲の環境を整え家族と婚約者とその家族という理解者も得ていよいよゲームスタート。
予想通り、ヒロインも転生者だった。しかもお花畑乙女ゲーム脳。でも地頭は悪くなさそう?
ならば、ヒロインに現実を突きつけましょう。思い込みを矯正すれば多分有能な女官になれそうですし。
完結まで予約投稿済み。
全21話。
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍発売中
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
変な転入生が現れましたので色々ご指摘さしあげたら、悪役令嬢呼ばわりされましたわ
奏音 美都
恋愛
上流階級の貴族子息や令嬢が通うロイヤル学院に、庶民階級からの特待生が転入してきましたの。
スチュワートやロナルド、アリアにジョセフィーンといった名前が並ぶ中……ハルコだなんて、おかしな
痩せすぎ貧乳令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
とあるお屋敷へ呼ばれて行くと、そこには細い細い風に飛ばされそうなお嬢様がいた。
お嬢様の悩みは…。。。
さぁ、お嬢様。
私のゴッドハンドで世界を変えますよ?
**********************
転生侍女シリーズ第三弾。
『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』
『醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』
の続編です。
続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。
前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる