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メイを布団に寝かせたあと、私はジルの元に向かった。結構待たせてしまったから、怒ってるかもしれないと思い、駆け足でそこに向かう。
「ジル、お待たせ」
「ねーさま、おそい!」
予想通り、ジルは怒ってて、私に文句を言ってきた。
ごめんね、弟よ。メイが持ってきた本の数が、結構多かったのよ。本人が途中で寝てしまったから、これでも早いほうなのよ。
「ごめんね。行こうか」
「はーい……」
まだ不満ではあるが、私と遊ぶほうを優先したかったのか、それ以上は何も言わなかった。
ジルは、私の手を引きながら、外に出ようとする。
護衛として、騎士でも配備してもらおうかな。メイは部屋の中だから良かったけど、ボール遊びなら、外に出るし、動き回ってしまうし、目を離してしまうかもしれないから、誘拐とかが心配かもな。公爵家に不法侵入してくる人は、男爵家よりは少ないと思うけど、いないとは限らない。
でも、お飾りの私に従ってくれる騎士はいるだろうか。いや、そもそも私たちの結婚がお飾りだと知っているのはどれだけいるのだろう?普通は、話さないよね?
貴族としての常識が私にはないから、はっきりとは言えないけど。
「ジル。ちょっとここで待っててくれる?お話ししてくることがあるから」
「ぼく、おそとでまてるよ?」
「ううん、外に行ったら、ジルがどこにいるかわからないじゃない。ここにいてくてれたら、すぐに一緒に遊べるでしょう?」
「そっか。わかった!」
玄関で待っていればいいでしょとか言われたらどうしようかと思ったけど、やっぱり4歳児だから、そこまで深くは考えずに了承してくれた。
ジルと一旦別れて、私はシアンに会いに行く。とはいっても、どこにいるのかはっきりしているわけではないので、いそうなところを探しているだけだ。
数分くらい歩き回って探していると、目の前にシアンの姿が見えた。
「シアン!」
大きな声で呼ぶと、シアンがこちらに振り返る。
「奥様。以前に走り出したのもそうですが、あまり夫人が大声を出すものではありませんよ」
「す、すみません……」
なるほど。大声はダメなのか。そういえば、社交界でも、大声を出したりしているのは、男性だけだったような気がする。そして、そういう人はご令嬢たちがひそひそしていたような気も……。
女性は、そういうのははしたないと思われるのかもしれない。走り出したのも、私が悪いし、これは素直に謝っておくべきだろう。
「それで、ご用件はなんでしょうか?」
「騎士に護衛をお願いしたくて。ジルとこれから、敷地内とはいえ、外に出ますので」
私と公爵様との契約を知っているかはわからないけど、知っていても知らなくても、護衛をつけることはかまわないと思ってはくれるだろう。
騎士団に直接言えよと思われるかもしれないけど、私は騎士団はどこで活動しているのかとかは知らないのだ。だって、敷地が広すぎるんだもの。多分、人目につかない裏庭なのだろうけど、まだ行ったことがないから、こんなに広い家で誰もつけずに向かったら、迷子になる自信がある。
「そういえば、騎士団にまだ紹介しておりませんでしたね。奥様の紹介のついでに、護衛を命ずることにしましょうか」
至極当然のようにそう言うシアンに、私は呆気にとられる。
「そっちがついでなんですか?私のことは別に後回しでもいいですよ?」
所詮、お飾りですし。別にそこまで知らしめるようなことをしなくてもいいんじゃないの?
でもそんなのは甘い考えだったようで、シアンは「いえ」と否定する。
「奥様がどう思っていようと、あなたはアルスフェイス公爵夫人であり、それは知らしめなければなりません。厄介な者たちも出てくるでしょうし」
そういうものなのかな?お母様が嫁いできたときは、いちいち紹介したりとかはしなかったらしいけど……。使用人が一人しかいないユールフェースとは、やはりいろいろ違うのかもしれない。
そして、厄介な者たちって誰のことですか?
「厄介な者たちとは?」
聞いていいのかわからなかったけど、素直に聞いてみることにした。
「侍女長の派閥……と言っていいかも怪しい者たちです。実質、侍女長一人ですね。侍女長は、伯爵家の縁者でして、旦那様の妻の座を狙っていたようですから」
シアンは、ため息混じりに説明してくれる。それだけで、侍女長という人が厄介な存在だというのがわかった。
嫉妬されるなら、ご令嬢たちかな~と思っていたけど、侍女長にも注意したほうがいいということかな。
でもこれって、お母様がよく言っていた『シュラバ』というやつなのでは!?それはちょっと見てみたい!レーラとミリスにフル装備してもらって、うふふとか優雅に……あぁ、うん。私には無理だ。優雅なお嬢様らしい私なんて、ぜんっぜん想像ができない。
社交界には出ないといけないわけだし、公爵様に頼んで、マナーの教師でもお願いしてみようかな?多分、私には教養の欠片もなさそうだから。
社交に出てもらうという条件はあるからね。やるからには、きちんとこなさなければ!
それはそうとして、なんでそんな人を放置しているのかな?あんなにも使用人がいるなら、クビにしても問題ないんじゃ……?
それとも、広大な公爵家では、あれでもギリギリなのかな?
「解雇したりはしないんですか?」
「仕事に支障をきたしてはいませんし、旦那様はお気になさらなかったので、放置しております。ですが、奥様に何かしないとも限りませんので」
う~む……難しい問題だなぁ。職場の対人関係かぁ……。領民たちも、苦労しているという人がいたなぁ。
公爵様のことが好きなのだとしたら、ぽっと出の私が気に入らないというのはわかる気がする。公爵様に私は恋愛感情なんて持っていないんだから、なおさらだよね。
別に、約束した支援とかをもらえるのであれば、私は側室とかでもかまわないんだけど……。そういうのは難しいというものなのだろうか?
今は側室を持つのは恥という考えが主流のようだし……。う~ん、難しい。
「使用人の管理権は、代々夫人の仕事ですので、奥様がお望みならば、解雇することはできますが……」
「いえいえ!まだ嫌がらせしてくると決まったわけでもありませんし、仕事をきちんとこなしているのなら、しばらくは様子見でいいと思います!」
すでに嫌がらせされました~とかならともかく、まだ何の実害もないし。嫌味を言ってくるかもしれないけど、社交界の練習と考えれば全然いいよね!
「それよりも、料理の数を減らしてほしいです……」
まだ何の被害もない侍女長よりも、あの多すぎる料理のほうが実害がありますって!
貧乏性の私には、お残しなんて選択肢はないから、あんな料理が出てくる度に倒れてしまうのが目に浮かぶ。
「では、料理人にそのように指示をしておきましょう。厨房を通りますから、奥様がご指示されたらいかがですか?」
「えっ!?私がですか!?」
驚きのあまり、大声が出てしまう。
やってきて初日に食事に文句を言う奥様なんて、絶対にいい印象を持たれなさそうだから、できれば拒否したいけど……。でも、シアンに代わりに言ってもらっても同じかもしれないな。
「奥様。大声は厳禁です」
「あっ、すみません……」
注意されたばかりなのに、つい大声を出してしまった。う~ん……貴族の奥様というのは難しいなぁ……。でも、契約なんだから、しっかりとこなさないといけないよね!
「それが奥様の魅力というのは理解しております。ですが、侍女長につけ入る隙を与えてはなりません」
「は、はい……」
そうだよね。こんな貧乏感丸出しの奥様なんて、非難する材料としてはもってこいだ。対人関係が悪化しないためにも、私ががんばって優美な公爵夫人を演じてみせなければ!完璧には無理かもしれないけど、それっぽくすることは、私にだってできるはずだ!
侍女長がそんなことをしてくると決まったわけではないけど、わざわざトラブルを起こしたいとは思わないしね。
「それでは、騎士団の前に、厨房に寄ります」
「わかりました」
「それと、使用人である私に敬語を使う必要はありません。それが素なのかと思って口に出しませんでしたが、ご家族と接している様子を見ると、そうではなさそうですので」
「は……ええ。わかったわ」
これも、隙を与えるということになるのならば、敬語は禁止しよう。でも、さすがに公爵様には敬語でもいいよね?
「……そういえば、侍女長はこの辺りにはいないの?」
「旦那様の部屋を整えているところでしょう。こことは逆方向です。そうでなければ、このような会話はいたしません」
あっ、そうですよね……。こんなの聞かれてたら、意味がないですよね……。お馬鹿ですみません。
「奥様。こちらが厨房になります」
会話をしているうちに、厨房についてしまったみたい。よし!公爵夫人として、食事の減量のお願いをしましょう!
「ジル、お待たせ」
「ねーさま、おそい!」
予想通り、ジルは怒ってて、私に文句を言ってきた。
ごめんね、弟よ。メイが持ってきた本の数が、結構多かったのよ。本人が途中で寝てしまったから、これでも早いほうなのよ。
「ごめんね。行こうか」
「はーい……」
まだ不満ではあるが、私と遊ぶほうを優先したかったのか、それ以上は何も言わなかった。
ジルは、私の手を引きながら、外に出ようとする。
護衛として、騎士でも配備してもらおうかな。メイは部屋の中だから良かったけど、ボール遊びなら、外に出るし、動き回ってしまうし、目を離してしまうかもしれないから、誘拐とかが心配かもな。公爵家に不法侵入してくる人は、男爵家よりは少ないと思うけど、いないとは限らない。
でも、お飾りの私に従ってくれる騎士はいるだろうか。いや、そもそも私たちの結婚がお飾りだと知っているのはどれだけいるのだろう?普通は、話さないよね?
貴族としての常識が私にはないから、はっきりとは言えないけど。
「ジル。ちょっとここで待っててくれる?お話ししてくることがあるから」
「ぼく、おそとでまてるよ?」
「ううん、外に行ったら、ジルがどこにいるかわからないじゃない。ここにいてくてれたら、すぐに一緒に遊べるでしょう?」
「そっか。わかった!」
玄関で待っていればいいでしょとか言われたらどうしようかと思ったけど、やっぱり4歳児だから、そこまで深くは考えずに了承してくれた。
ジルと一旦別れて、私はシアンに会いに行く。とはいっても、どこにいるのかはっきりしているわけではないので、いそうなところを探しているだけだ。
数分くらい歩き回って探していると、目の前にシアンの姿が見えた。
「シアン!」
大きな声で呼ぶと、シアンがこちらに振り返る。
「奥様。以前に走り出したのもそうですが、あまり夫人が大声を出すものではありませんよ」
「す、すみません……」
なるほど。大声はダメなのか。そういえば、社交界でも、大声を出したりしているのは、男性だけだったような気がする。そして、そういう人はご令嬢たちがひそひそしていたような気も……。
女性は、そういうのははしたないと思われるのかもしれない。走り出したのも、私が悪いし、これは素直に謝っておくべきだろう。
「それで、ご用件はなんでしょうか?」
「騎士に護衛をお願いしたくて。ジルとこれから、敷地内とはいえ、外に出ますので」
私と公爵様との契約を知っているかはわからないけど、知っていても知らなくても、護衛をつけることはかまわないと思ってはくれるだろう。
騎士団に直接言えよと思われるかもしれないけど、私は騎士団はどこで活動しているのかとかは知らないのだ。だって、敷地が広すぎるんだもの。多分、人目につかない裏庭なのだろうけど、まだ行ったことがないから、こんなに広い家で誰もつけずに向かったら、迷子になる自信がある。
「そういえば、騎士団にまだ紹介しておりませんでしたね。奥様の紹介のついでに、護衛を命ずることにしましょうか」
至極当然のようにそう言うシアンに、私は呆気にとられる。
「そっちがついでなんですか?私のことは別に後回しでもいいですよ?」
所詮、お飾りですし。別にそこまで知らしめるようなことをしなくてもいいんじゃないの?
でもそんなのは甘い考えだったようで、シアンは「いえ」と否定する。
「奥様がどう思っていようと、あなたはアルスフェイス公爵夫人であり、それは知らしめなければなりません。厄介な者たちも出てくるでしょうし」
そういうものなのかな?お母様が嫁いできたときは、いちいち紹介したりとかはしなかったらしいけど……。使用人が一人しかいないユールフェースとは、やはりいろいろ違うのかもしれない。
そして、厄介な者たちって誰のことですか?
「厄介な者たちとは?」
聞いていいのかわからなかったけど、素直に聞いてみることにした。
「侍女長の派閥……と言っていいかも怪しい者たちです。実質、侍女長一人ですね。侍女長は、伯爵家の縁者でして、旦那様の妻の座を狙っていたようですから」
シアンは、ため息混じりに説明してくれる。それだけで、侍女長という人が厄介な存在だというのがわかった。
嫉妬されるなら、ご令嬢たちかな~と思っていたけど、侍女長にも注意したほうがいいということかな。
でもこれって、お母様がよく言っていた『シュラバ』というやつなのでは!?それはちょっと見てみたい!レーラとミリスにフル装備してもらって、うふふとか優雅に……あぁ、うん。私には無理だ。優雅なお嬢様らしい私なんて、ぜんっぜん想像ができない。
社交界には出ないといけないわけだし、公爵様に頼んで、マナーの教師でもお願いしてみようかな?多分、私には教養の欠片もなさそうだから。
社交に出てもらうという条件はあるからね。やるからには、きちんとこなさなければ!
それはそうとして、なんでそんな人を放置しているのかな?あんなにも使用人がいるなら、クビにしても問題ないんじゃ……?
それとも、広大な公爵家では、あれでもギリギリなのかな?
「解雇したりはしないんですか?」
「仕事に支障をきたしてはいませんし、旦那様はお気になさらなかったので、放置しております。ですが、奥様に何かしないとも限りませんので」
う~む……難しい問題だなぁ。職場の対人関係かぁ……。領民たちも、苦労しているという人がいたなぁ。
公爵様のことが好きなのだとしたら、ぽっと出の私が気に入らないというのはわかる気がする。公爵様に私は恋愛感情なんて持っていないんだから、なおさらだよね。
別に、約束した支援とかをもらえるのであれば、私は側室とかでもかまわないんだけど……。そういうのは難しいというものなのだろうか?
今は側室を持つのは恥という考えが主流のようだし……。う~ん、難しい。
「使用人の管理権は、代々夫人の仕事ですので、奥様がお望みならば、解雇することはできますが……」
「いえいえ!まだ嫌がらせしてくると決まったわけでもありませんし、仕事をきちんとこなしているのなら、しばらくは様子見でいいと思います!」
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「それよりも、料理の数を減らしてほしいです……」
まだ何の被害もない侍女長よりも、あの多すぎる料理のほうが実害がありますって!
貧乏性の私には、お残しなんて選択肢はないから、あんな料理が出てくる度に倒れてしまうのが目に浮かぶ。
「では、料理人にそのように指示をしておきましょう。厨房を通りますから、奥様がご指示されたらいかがですか?」
「えっ!?私がですか!?」
驚きのあまり、大声が出てしまう。
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「奥様。大声は厳禁です」
「あっ、すみません……」
注意されたばかりなのに、つい大声を出してしまった。う~ん……貴族の奥様というのは難しいなぁ……。でも、契約なんだから、しっかりとこなさないといけないよね!
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「は、はい……」
そうだよね。こんな貧乏感丸出しの奥様なんて、非難する材料としてはもってこいだ。対人関係が悪化しないためにも、私ががんばって優美な公爵夫人を演じてみせなければ!完璧には無理かもしれないけど、それっぽくすることは、私にだってできるはずだ!
侍女長がそんなことをしてくると決まったわけではないけど、わざわざトラブルを起こしたいとは思わないしね。
「それでは、騎士団の前に、厨房に寄ります」
「わかりました」
「それと、使用人である私に敬語を使う必要はありません。それが素なのかと思って口に出しませんでしたが、ご家族と接している様子を見ると、そうではなさそうですので」
「は……ええ。わかったわ」
これも、隙を与えるということになるのならば、敬語は禁止しよう。でも、さすがに公爵様には敬語でもいいよね?
「……そういえば、侍女長はこの辺りにはいないの?」
「旦那様の部屋を整えているところでしょう。こことは逆方向です。そうでなければ、このような会話はいたしません」
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