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第三章 学園の少女達
第61話 浄化の方法
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セレスティーナ様の……お姉さん。セレスティーナ様からは聞いてなかった。
「妹からあなたの事はよく聞いていたので、気になっておりましたわ」
手で口元を隠しながらにふふっと笑っている。すごい上品な人だ。貴族はみんなこうなのかな。私が正式に精霊術士となったら、こんな貴族といろんなつきあいをする事になると思うと、少し不安になった。
「……光、風、水、全部周りにいますね」
この人はまだ精霊と契約していなかったと思って、不意にそう言ってしまった。
「あら、そうですの?それは喜ばしい事ですわ」
名前をどうしようと悩んでいるフィリシア様を見ると、セレスティーナ様に似ているようで違うんだなと感じた。
姉妹だからといって、全部が同じな訳がないけど、さっきまでセレスティーナ様が重なって見えたから、少し不思議な気分だった。
「カオルさん、わたくしはどうですか?」
「あなたは、光と、水と……」
「俺は?」
「あなたは闇と、火と……」
まだ契約出来ていない人達に囲まれてしまった。他に加護を持っている人っていないのかな?虹の加護は世界で五人しかいないと言っていたけど、こんな扱いをされると、本当に貴重なんだなと感じてしまう。
そして、私は授業が終わるまで、しばらく捕まっていた。
ーーーーーーーーーーーーーー
「ただいま帰りました」
「お帰りなさい、カオルさん」
「本当に一日中、教室におりませんでしたね」
セレスティーナ様のいう通り、私は、今日はずっと先輩達の精霊との契約を手伝っていた。
「そういえば、セレスティーナ様のお姉様にお会いしましたよ」
「フィリシアお姉様ですの?」
「わたくしもお会いした事がございますわ」
セレスティーナ様のお姉様という事は、フィリシア様も公爵家の方だから、ルーフェミア様も面識があるみたい。
「魔法で助けてくれました」
「お姉様は魔法の微調整が得意ですもの」
セレスティーナ様は誇らしそうに説明する。優秀なお姉さんを誉められて嬉しいのかもしれない。
「次はどこに行かれますの?」
「えっと……二年と四年に……」
二年は、ティルがいる所だ。ティルは精霊が見えるから、あまり関係ないかもしれないけど、授業の一環とはいえまた会えるのは嬉しい。
「四年って確か……彼がおられますよね?」
「ええ……」
小さな声で二人はそのような事を話し始めた。
彼って誰なんだろうと思って、「彼って誰ですか?」と聞いてみる。
二人は私が話しかけてきたのに少し驚きつつも、話してくれた。
「えっと……わたくし達と同じ公爵家なのですが、少し問題がありまして……」
「彼は、魔憑きなのですわ」
魔憑き……生まれながらにして魔法が使えて、魔力の制御が出来ないで、時々魔力が暴走するって奴だよね。
意外と身近にそういう存在がいたんだ……私の魔力で、ある程度抑えられないかな。
ーーーーーーーーーーーーーー
『リーズはどう思う?』
『母上が何とか出来たなら、多分お前も出来ると思うぞ』
リーズとは会話出来るようになったので、部屋の片隅で会話している。本当は人気がない所まで行きたいんだけど、ルーフェミア様が絶対に一人にはしてくれないので、寮の部屋でしか会話出来なくなった。
そもそもリーズから出来るだけ一人になるなと言われてはいたけど。
『それなら、どうしよう?直接浄化したらダメだよね?』
『クラウドからダメだって言われてるしな。……何か道具を使ったらどうだ?』
道具……このフードみたいに、魔法を宿らせるって事かな。
それなら、身につけててもおかしくないようなものが良いよね。
「ルーフェミア様」
「なんでしょう?」
「アクセサリーってどこで売っているんでしょうか?」
「カオルさん、何かほしいものでも?」
私が欲しい訳ではないんだけど、そういう事にしておいた方が良いかもしれない。
「……はい」
「では、明日の休みに買いに行きましょうか」
……えっ?
「妹からあなたの事はよく聞いていたので、気になっておりましたわ」
手で口元を隠しながらにふふっと笑っている。すごい上品な人だ。貴族はみんなこうなのかな。私が正式に精霊術士となったら、こんな貴族といろんなつきあいをする事になると思うと、少し不安になった。
「……光、風、水、全部周りにいますね」
この人はまだ精霊と契約していなかったと思って、不意にそう言ってしまった。
「あら、そうですの?それは喜ばしい事ですわ」
名前をどうしようと悩んでいるフィリシア様を見ると、セレスティーナ様に似ているようで違うんだなと感じた。
姉妹だからといって、全部が同じな訳がないけど、さっきまでセレスティーナ様が重なって見えたから、少し不思議な気分だった。
「カオルさん、わたくしはどうですか?」
「あなたは、光と、水と……」
「俺は?」
「あなたは闇と、火と……」
まだ契約出来ていない人達に囲まれてしまった。他に加護を持っている人っていないのかな?虹の加護は世界で五人しかいないと言っていたけど、こんな扱いをされると、本当に貴重なんだなと感じてしまう。
そして、私は授業が終わるまで、しばらく捕まっていた。
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「ただいま帰りました」
「お帰りなさい、カオルさん」
「本当に一日中、教室におりませんでしたね」
セレスティーナ様のいう通り、私は、今日はずっと先輩達の精霊との契約を手伝っていた。
「そういえば、セレスティーナ様のお姉様にお会いしましたよ」
「フィリシアお姉様ですの?」
「わたくしもお会いした事がございますわ」
セレスティーナ様のお姉様という事は、フィリシア様も公爵家の方だから、ルーフェミア様も面識があるみたい。
「魔法で助けてくれました」
「お姉様は魔法の微調整が得意ですもの」
セレスティーナ様は誇らしそうに説明する。優秀なお姉さんを誉められて嬉しいのかもしれない。
「次はどこに行かれますの?」
「えっと……二年と四年に……」
二年は、ティルがいる所だ。ティルは精霊が見えるから、あまり関係ないかもしれないけど、授業の一環とはいえまた会えるのは嬉しい。
「四年って確か……彼がおられますよね?」
「ええ……」
小さな声で二人はそのような事を話し始めた。
彼って誰なんだろうと思って、「彼って誰ですか?」と聞いてみる。
二人は私が話しかけてきたのに少し驚きつつも、話してくれた。
「えっと……わたくし達と同じ公爵家なのですが、少し問題がありまして……」
「彼は、魔憑きなのですわ」
魔憑き……生まれながらにして魔法が使えて、魔力の制御が出来ないで、時々魔力が暴走するって奴だよね。
意外と身近にそういう存在がいたんだ……私の魔力で、ある程度抑えられないかな。
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『リーズはどう思う?』
『母上が何とか出来たなら、多分お前も出来ると思うぞ』
リーズとは会話出来るようになったので、部屋の片隅で会話している。本当は人気がない所まで行きたいんだけど、ルーフェミア様が絶対に一人にはしてくれないので、寮の部屋でしか会話出来なくなった。
そもそもリーズから出来るだけ一人になるなと言われてはいたけど。
『それなら、どうしよう?直接浄化したらダメだよね?』
『クラウドからダメだって言われてるしな。……何か道具を使ったらどうだ?』
道具……このフードみたいに、魔法を宿らせるって事かな。
それなら、身につけててもおかしくないようなものが良いよね。
「ルーフェミア様」
「なんでしょう?」
「アクセサリーってどこで売っているんでしょうか?」
「カオルさん、何かほしいものでも?」
私が欲しい訳ではないんだけど、そういう事にしておいた方が良いかもしれない。
「……はい」
「では、明日の休みに買いに行きましょうか」
……えっ?
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めっちゃ感謝を込めて💕
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