聖女と邪龍の娘

りーさん

文字の大きさ
63 / 107
第三章 学園の少女達

第61話 浄化の方法

しおりを挟む
 セレスティーナ様の……お姉さん。セレスティーナ様からは聞いてなかった。

「妹からあなたの事はよく聞いていたので、気になっておりましたわ」

 手で口元を隠しながらにふふっと笑っている。すごい上品な人だ。貴族はみんなこうなのかな。私が正式に精霊術士となったら、こんな貴族といろんなつきあいをする事になると思うと、少し不安になった。

「……光、風、水、全部周りにいますね」

 この人はまだ精霊と契約していなかったと思って、不意にそう言ってしまった。

「あら、そうですの?それは喜ばしい事ですわ」

 名前をどうしようと悩んでいるフィリシア様を見ると、セレスティーナ様に似ているようで違うんだなと感じた。
 姉妹だからといって、全部が同じな訳がないけど、さっきまでセレスティーナ様が重なって見えたから、少し不思議な気分だった。

「カオルさん、わたくしはどうですか?」
「あなたは、光と、水と……」
「俺は?」
「あなたは闇と、火と……」

 まだ契約出来ていない人達に囲まれてしまった。他に加護を持っている人っていないのかな?虹の加護は世界で五人しかいないと言っていたけど、こんな扱いをされると、本当に貴重なんだなと感じてしまう。
 そして、私は授業が終わるまで、しばらく捕まっていた。

ーーーーーーーーーーーーーー

「ただいま帰りました」
「お帰りなさい、カオルさん」
「本当に一日中、教室におりませんでしたね」

 セレスティーナ様のいう通り、私は、今日はずっと先輩達の精霊との契約を手伝っていた。

「そういえば、セレスティーナ様のお姉様にお会いしましたよ」
「フィリシアお姉様ですの?」
「わたくしもお会いした事がございますわ」

 セレスティーナ様のお姉様という事は、フィリシア様も公爵家の方だから、ルーフェミア様も面識があるみたい。

「魔法で助けてくれました」
「お姉様は魔法の微調整が得意ですもの」

 セレスティーナ様は誇らしそうに説明する。優秀なお姉さんを誉められて嬉しいのかもしれない。

「次はどこに行かれますの?」
「えっと……二年と四年に……」

 二年は、ティルがいる所だ。ティルは精霊が見えるから、あまり関係ないかもしれないけど、授業の一環とはいえまた会えるのは嬉しい。

「四年って確か……がおられますよね?」
「ええ……」

 小さな声で二人はそのような事を話し始めた。
 彼って誰なんだろうと思って、「彼って誰ですか?」と聞いてみる。
 二人は私が話しかけてきたのに少し驚きつつも、話してくれた。

「えっと……わたくし達と同じ公爵家なのですが、少し問題がありまして……」
「彼は、魔憑きなのですわ」

 魔憑き……生まれながらにして魔法が使えて、魔力の制御が出来ないで、時々魔力が暴走するって奴だよね。
 意外と身近にそういう存在がいたんだ……私の魔力で、ある程度抑えられないかな。

ーーーーーーーーーーーーーー

『リーズはどう思う?』
『母上が何とか出来たなら、多分お前も出来ると思うぞ』

 リーズとは会話出来るようになったので、部屋の片隅で会話している。本当は人気がない所まで行きたいんだけど、ルーフェミア様が絶対に一人にはしてくれないので、寮の部屋でしか会話出来なくなった。
 そもそもリーズから出来るだけ一人になるなと言われてはいたけど。

『それなら、どうしよう?直接浄化したらダメだよね?』
『クラウドからダメだって言われてるしな。……何か道具を使ったらどうだ?』

 道具……このフードみたいに、魔法を宿らせるって事かな。
 それなら、身につけててもおかしくないようなものが良いよね。

「ルーフェミア様」
「なんでしょう?」
「アクセサリーってどこで売っているんでしょうか?」
「カオルさん、何かほしいものでも?」

 私が欲しい訳ではないんだけど、そういう事にしておいた方が良いかもしれない。

「……はい」
「では、明日の休みに買いに行きましょうか」

 ……えっ?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

1人生活なので自由な生き方を謳歌する

さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。 出来損ないと家族から追い出された。 唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。 これからはひとりで生きていかなくては。 そんな少女も実は、、、 1人の方が気楽に出来るしラッキー これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした~のんびり暮らしたいのに、なぜかそうならない~

ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。 そんな俺を拾ってくれたのは、優しいSランク冒険者のパーティだった。 「荷物持ちでもいい、仲間になれ」 その言葉を信じて、俺は必死についていった。 だけど、自分には何もできないと思っていた。 それでも少しでも役に立ちたくて、夜な夜な一人で力を磨いた。 だけどある日、彼らは言った。 『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』 それは、俺の身を案じた「優しさ」からの判断だった。 俺も分かっていた。 だから、黙ってそれを受け入れ、静かにパーティを離れた。 「もう誰にも必要とされなくてもいい。一人で、穏やかに生きていこう」 そう思っていた。そのはずだった。 ――だけど。 ダンジョンの地下で出会った古代竜の魂と、 “様々な縁”が重なり、騒がしくなった。 「最強を目指すべくして生まれた存在」 「君と一緒に行かせてくれ。」 「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」 穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、 世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい―― ◇小説家になろう・カクヨムでも同時連載中です◇

この子、貴方の子供です。私とは寝てない? いいえ、貴方と妹の子です。

サイコちゃん
恋愛
貧乏暮らしをしていたエルティアナは赤ん坊を連れて、オーガスト伯爵の屋敷を訪ねた。その赤ん坊をオーガストの子供だと言い張るが、彼は身に覚えがない。するとエルティアナはこの赤ん坊は妹メルティアナとオーガストの子供だと告げる。当時、妹は第一王子の婚約者であり、現在はこの国の王妃である。ようやく事態を理解したオーガストは動揺し、彼女を追い返そうとするが――

#密売じゃありません!ミツバイギフトで最高に美味しい果物作ったら、領主令息が夫になった件について

国府知里
ファンタジー
「がんばっても報われなかったあなたに」“スローライフ成り上がりファンタジー”  人生に疲れ果てた北村めぐみは、目覚めると異世界の農村で少女グレイスとして転生していた。この世界では6歳で神から“ギフト”を授かるという。グレイスが得た謎の力「ミツバイ」は、果物を蜜のように甘くするという奇跡の力だった!村を、領地を、やがて王国までも変えていく果樹栽培の物語がいま始まる――。美味しさが未来を育てる、異世界農業×スローライフ・ファンタジー!

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

学生時代、私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私が実は本物の聖女で、いじめていた女は災厄を呼ぶ魔女でした。

さら
恋愛
いじめていた女と一緒に異世界召喚された私。 聖女として選ばれたのは彼女で、私は無能扱いされ追放された。 だが、辺境の村で暮らす中で気づく。 私の力は奇跡を起こすものではなく、 壊れた世界を“元に戻す”本物の聖女の力だった。 一方、聖女として祭り上げられた彼女は、 人々の期待に応え続けるうち、 世界を歪め、災厄を呼ぶ魔女へと変わっていく――。

処理中です...