聖女と邪龍の娘

りーさん

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第三章 学園の少女達

第60話 友達の姉

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「それではカオルさん。本日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」

 まずは、最高学年の精霊の契約を手伝う事になった。その担当の教師に挨拶すると、その人はみんなに精霊の事について軽く説明し始める。
 私の授業は、ルーフェミア様が代わりに写してくれる事になり、私は出席扱いにはなるらしい。

「精霊は、自然のエネルギーの集まりです。自分の持っている適性のある属性の精霊と契約すると、魔法の威力をあげる事が可能となります」

 精霊は、自然のエネルギーが集まったもの。それは、精霊達に教えてもらった。
 だから、精霊が多くいるのは自然が多く残ったところだ。

「では、学園内にある森に行きましょうか」
「は、はい!」

 さっきまで生徒達に話しかけていたのが、急に私に話しかけてきたので、慌てて返事をした。

ーーーーーーーーーーーーーー

「学園にこんな所があったんだ……」

 違う場所なのは分かっているけど、あの両親と一緒に過ごしていた森の面影を感じる。まだ二ヶ月も経ってないし、いうなら9歳にもなってないのになぁ……
 そういえば、今月に誕生日だな。確か、ちょうど一週間後だったような……

「カオルさん。行きますよ」
「はーい!」

 私は森の中……といっても、視界に入り口が見えるくらいの位置だし、クラスの半分だけだけど。
 そして、私は契約する方法を説明する事になった。

「せ、精霊と契約するには、自分を気に入っている精霊に、名付けをする事で、契約が成立します。すると、契約した精霊と同じ属性の精霊は見えるようになります」

 そう説明しながら、私は先輩達の周りを見てみる。何人か周りに精霊がいる。よく精霊に好かれる私がいるから不安だったけど、大丈夫みたいだ。

 そして、精霊との契約が始まった。セレスティーナ様と同じように、名前を決めていた人もいたみたいで、私がそれぞれの精霊の属性やどこにいるのかを教えたりして、みんなは契約していった。

「なぁ」

 後ろから声をかけられて振り返ると、そこには大きめな男の人がいた。その人からは、薄く黒いもやが出ている。何かちょっとした悪さでもしたのかな。

「何でしょうか?」
「俺らには何で何も言わねぇんだ?」
「……あなたを好いている精霊がおりませんので……」

 むしろ、嫌そうに睨んでいる。今までもそうだったけど、黒いもやが出ている人には精霊達は寄っていく所か、遠目から睨んでいる。多分、心がきれいな人にしか寄りたがらないからだと思う。

「はぁ?何でだよ」

 そう言いながら、私の方に寄ってきた。

「知りません。精霊には清らかなものを好みますから、寄ってこられないならそうではないのですか?」

 私がそう言ったら、周りが何やらこそこそ話している。耳が良い私にはきちんと聞こえていた。

「あんな横暴じゃ精霊も嫌よね……」
「あの人、この前も暴力沙汰起こしたって聞いたわよ」

 そんな人なんだ。だから、黒いもやが薄くあったのかな。

「お前らうるせぇぞ!俺は最強の魔法使いになるんだ!おい、精霊と契約させろ!」

 私のフードをそう言って掴んできた。脱がされたら周りが危ないので、フードを押さえる。

「お止めなさい」

 私がフードだけは取られないようにしっかりと押さえていたら、別の所から女性の声が聞こえた。

「あなたも貴族なのです。彼女は何も悪くありませんわ。お離しなさい」

 そう言うと、私を掴んでいる手の周りに風が起こる。男の人は、「痛っ!」と言いながら手を離した。

「あなたが精霊と契約したいのなら、彼女のおっしゃる通りに、清らかな存在になれば良いのではないですか?彼女に当たるのは貴族としての品格を貶める事になりますわ」

 そう言われたら、「うるせぇ!」と言いながらどこかに行ってしまった。

「あ、あの、ありがとうございました」
「お気になさらず結構ですわ。妹が世話になった礼でもありますもの」

 妹?そういえばこの人、誰かに似ているような……?ルーフェミア様ではないだろうし、ルーフェミア様以外に貴族の知り合いは───

「わたくしはフィリシア・クルメンディア。セレスティーナはわたくしの妹ですわ」
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