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第三章 学園の少女達
第59話 ティルは後輩に
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「契約の手伝い……ですか?」
「カオルさんはご存じないと思われますが、毎年各学年から、五人ずつ代表を出して、国際で対抗戦を行うのです。そして、あなたを代表として出そうという動きがあります」
あんな精霊術を使ってしまえば、私が強いのは分かるだろう。国際で対抗戦という事は、他国の人も来るって事だよね……?あっ、もしかして───
「お気づきかもしれませんが、ラクエルシェンドからも出場者が出ます。そして、今回の会場はラクエルシェンドですから、そこの国王も見に来ます」
つまり、私が出るような事があれば、国王に私が姪だという事がバレてしまう可能性がある。
でも、私が王女の娘である事は、ここの教師達は知らない。だから、普通に優秀な生徒を出そうとしているんだろう。自分が優秀だとは思わないけど、精霊術が強いのは間違いない。
「カオルさんが参加しないためには、カオルさんよりも優れた人が必要です。ですが、あなた以上に優れている者を探すのは難しい。それに、私もあなたには出てほしいと思っています。ですので、嫌なら今のうちにそう言ってください」
嫌?ううん、そんなに嫌だとは思っていない。嫌なのは、この当たり前の日常が突然なくなるんじゃないかという事。バレたらどうなるかなんて、さすがの私でも分かる。王女の娘であると気づかれたら、多分引き渡すように言われると思う。
そうしたら、この当たり前がなくなってしまう。
「嫌……ですか?」
「……はい。私は、ファルメール公爵家の方達や、セレスティーナ様。ナルミス様やティルといたいんです」
「そう。ならば、出来るだけ出ないようにしましょう。ですが、確約は出来ませんよ?」
「……分かりました。それで、契約の手伝いというのは……」
「ええ。それで、あなたよりも優秀な人材が見つかれば、あなたは出ないですむかもしれませんからね」
どうやら、契約の手伝いをして、契約して、私よりも強い人が生まれたら、私は出なくても良くなるかもしれないらしい。これは、学園長なりの気遣いだろう。
「あなたは、二人の契約者を生み出した実績があります。反対意見は出ないでしょう。むしろ、精霊と契約出来るとなれば、ほとんどの者が喜びますからね」
言われてみれば、ルーフェミア様も嬉しそうだったし、セレスティーナ様はずっと契約したがっていた。
それほどまでに、契約は嬉しい事なんだ。私が、その手伝いが出来るなら……
「分かりました。やります」
「ありがとう。では、明日からお願いいたします」
「はい!」
ーーーーーーーーーーーーーー
「そういう訳で、皆さんの契約のお手伝いをする事になりました」
「そうなのですか」
ルーフェミア様が聞きたがったので、王女の娘だという部分は隠して、ルーフェミア様に学園長との会話を話した。
「カオルさんと学園長は、虹の加護というもので精霊が見えるのですね」
「そうみたいです」
「会話が出来るのはなぜなのでしょう?」
「それは分かりません」
聖女である母様の血筋か、邪龍の父様の血筋かもと思っているけど、分からない。リーズに聞けば教えてくれるかもしれないけど、自分を知っている人以外では、人前で話しかけてくる事も、応える事も滅多にない。
自分の存在がバレないために、私がいる時にしか話しかけてこないみたい。
「ですが、カオルさんが代表となるのなら、わたくしもなれるようにいたしますわ」
ルーフェミア様は普通になれそうな気がするのは、私だけかな。
しばらくルーフェミア様と会話していると、ドアをノックする音が聞こえる。
「誰ですかね?」
「多分、あの子ですわよ。入っても構いませんわ」
ルーフェミア様がそう言うと、ノックした人物が入ってくる。
「お久しぶりです。カオルさん」
「ティル!」
入ってきたのは、ティルだった。ティルは、私と同じ制服を着ている。もしかして──
「私も、カオルさんやルーフェミア様とともに学園に通う事になりました」
しばらく会っていなかったら、どうしているかと思ったけど、クラウド様や学園長とかとお話して、学園に編入する準備をしていたらしい。
「そういえば、ナルミス様は……?」
「兄なら謹慎を終えたら通う事になると思いますよ。情状酌量の余地はあると……」
笑ってはいるけど、少し悲しそうに見える。ティルからしてみれば複雑なんだろう。
ナルミス様は、ティルを人質にとられていたから、司教様の言う事に従っていた。自分から望んでいた事ではないけど、準貴族である私と公爵令嬢であるルーフェミア様を誘拐した事には違いないので、謹慎になったらしい。
私達は当事者なので、ナルミス様と会ってはいけないそうだ。
いつになるか分からないけど……ナルミス様に会いたいな。
「カオルさんはご存じないと思われますが、毎年各学年から、五人ずつ代表を出して、国際で対抗戦を行うのです。そして、あなたを代表として出そうという動きがあります」
あんな精霊術を使ってしまえば、私が強いのは分かるだろう。国際で対抗戦という事は、他国の人も来るって事だよね……?あっ、もしかして───
「お気づきかもしれませんが、ラクエルシェンドからも出場者が出ます。そして、今回の会場はラクエルシェンドですから、そこの国王も見に来ます」
つまり、私が出るような事があれば、国王に私が姪だという事がバレてしまう可能性がある。
でも、私が王女の娘である事は、ここの教師達は知らない。だから、普通に優秀な生徒を出そうとしているんだろう。自分が優秀だとは思わないけど、精霊術が強いのは間違いない。
「カオルさんが参加しないためには、カオルさんよりも優れた人が必要です。ですが、あなた以上に優れている者を探すのは難しい。それに、私もあなたには出てほしいと思っています。ですので、嫌なら今のうちにそう言ってください」
嫌?ううん、そんなに嫌だとは思っていない。嫌なのは、この当たり前の日常が突然なくなるんじゃないかという事。バレたらどうなるかなんて、さすがの私でも分かる。王女の娘であると気づかれたら、多分引き渡すように言われると思う。
そうしたら、この当たり前がなくなってしまう。
「嫌……ですか?」
「……はい。私は、ファルメール公爵家の方達や、セレスティーナ様。ナルミス様やティルといたいんです」
「そう。ならば、出来るだけ出ないようにしましょう。ですが、確約は出来ませんよ?」
「……分かりました。それで、契約の手伝いというのは……」
「ええ。それで、あなたよりも優秀な人材が見つかれば、あなたは出ないですむかもしれませんからね」
どうやら、契約の手伝いをして、契約して、私よりも強い人が生まれたら、私は出なくても良くなるかもしれないらしい。これは、学園長なりの気遣いだろう。
「あなたは、二人の契約者を生み出した実績があります。反対意見は出ないでしょう。むしろ、精霊と契約出来るとなれば、ほとんどの者が喜びますからね」
言われてみれば、ルーフェミア様も嬉しそうだったし、セレスティーナ様はずっと契約したがっていた。
それほどまでに、契約は嬉しい事なんだ。私が、その手伝いが出来るなら……
「分かりました。やります」
「ありがとう。では、明日からお願いいたします」
「はい!」
ーーーーーーーーーーーーーー
「そういう訳で、皆さんの契約のお手伝いをする事になりました」
「そうなのですか」
ルーフェミア様が聞きたがったので、王女の娘だという部分は隠して、ルーフェミア様に学園長との会話を話した。
「カオルさんと学園長は、虹の加護というもので精霊が見えるのですね」
「そうみたいです」
「会話が出来るのはなぜなのでしょう?」
「それは分かりません」
聖女である母様の血筋か、邪龍の父様の血筋かもと思っているけど、分からない。リーズに聞けば教えてくれるかもしれないけど、自分を知っている人以外では、人前で話しかけてくる事も、応える事も滅多にない。
自分の存在がバレないために、私がいる時にしか話しかけてこないみたい。
「ですが、カオルさんが代表となるのなら、わたくしもなれるようにいたしますわ」
ルーフェミア様は普通になれそうな気がするのは、私だけかな。
しばらくルーフェミア様と会話していると、ドアをノックする音が聞こえる。
「誰ですかね?」
「多分、あの子ですわよ。入っても構いませんわ」
ルーフェミア様がそう言うと、ノックした人物が入ってくる。
「お久しぶりです。カオルさん」
「ティル!」
入ってきたのは、ティルだった。ティルは、私と同じ制服を着ている。もしかして──
「私も、カオルさんやルーフェミア様とともに学園に通う事になりました」
しばらく会っていなかったら、どうしているかと思ったけど、クラウド様や学園長とかとお話して、学園に編入する準備をしていたらしい。
「そういえば、ナルミス様は……?」
「兄なら謹慎を終えたら通う事になると思いますよ。情状酌量の余地はあると……」
笑ってはいるけど、少し悲しそうに見える。ティルからしてみれば複雑なんだろう。
ナルミス様は、ティルを人質にとられていたから、司教様の言う事に従っていた。自分から望んでいた事ではないけど、準貴族である私と公爵令嬢であるルーフェミア様を誘拐した事には違いないので、謹慎になったらしい。
私達は当事者なので、ナルミス様と会ってはいけないそうだ。
いつになるか分からないけど……ナルミス様に会いたいな。
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