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第一部 身の程知らずなご令嬢 ~第一章 毒花は開花する~
32. ジェーン
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リネアと対峙したあと、マリエンヌは教室で授業が始まるのを待ちつつ、今後の計画を練っていた。
ジルヴェヌスとライオネルはシーラからの情報待ち。リネアは先日接したばかり。そうなると、次に手を打つ相手は必然に決まる。
(リネアさまの友人と会うべきね)
シーラからの情報では、マリエンヌがリネアと初めて顔を合わせたあと、友人たちに自分のことを面白いように吹聴していたという。
リネアの周りからは、ほとんどの人間がいなくなり、残っているのはリネアに盲目的に惚れ込んでいる者たちか、友人と思われる数人の令嬢くらいだ。
ライオネルは、ミルレーヌの相手に精一杯で、しばらくリネアと交流を深める余裕はないだろう。
ジルヴェヌスも、マリエンヌに警告されたから、表だった行動は今まで以上に控えるはずだ。
他にも何人か手玉に取られている男はいるが、あの二人に比べれば大した力も持たないから問題はない。
そうなると、次は友人の令嬢たちだ。
貴族社会は、令嬢のほうが厄介なことが多い。彼女たちの噂話が広まる速度は早く、その日の出来事が翌日には全員が知っているということも少なくない。
学園ではリネアの行いに眉をひそめるものも多かったから、彼女を称賛するような言葉が広まることはなかったが、リネアが反省しているという噂は、広まるのに三日もかからなかったのではないだろうか。マリエンヌの耳にもすぐに入ってきたほどだ。
そして、リネアの噂を率先して流しているのは、間違いなく友人たちだ。ここまで長い時間をかけて舞台を作り上げてきたのに、最後の最後で台無しにされてはたまらない。
ならば、こちら側に引き入れればいい。逆にマリエンヌにとって有利な話を広めてもらえば、リネアは完全に孤立する。
問題は、どうやってその友人たちと接触するか。顔の確認は、アリスティアを呼びに行くついでにできたが、さすがに呼び出すとなると、相応の理由が必要だ。
アリスティアに頼んでもいいが、アリスティアはまだリュークの毒花に気づいてはいないだろうから、こちらの意図を汲み取れない可能性もある。
自分から難しいなら……向こうから、接触してもらうしかない。
そうと決まればと、マリエンヌはベッドから立ち上がる。
まずは、レオナルドと会うことにする。訪ねるなら、居場所を知っている放課後がいいだろう。授業以外は、生徒会室で業務を行っているから、ほぼ確実に生徒会室にいるはずだ。
(早く授業が終わらないかしらね~)
勉強が嫌いではないマリエンヌは、普段はそんなことを思ったりはしないが、今日は放課後が待ち遠しく感じた。
◇◇◇
放課後、マリエンヌは真っ先に生徒会室に向かった。
ドアをノックしようと構えたところで、足音が聞こえてきた。
「マリエンヌ?こんなところまでどうしたんだ」
「レオナルドさま」
こちらに向かってきていたのはレオナルドだった。ちょうど、生徒会室に来たところだったらしい。
レオナルドの教室のほうが生徒会室に近いはずなので、レオナルドのほうの授業が長引いてしまったのかもしれない。
「レオナルドさまに話があったので、こちらに来たのですが……」
「君の話、となると……」
言い淀むレオナルドに、マリエンヌはにこりと微笑む。それですべて理解したレオナルドは、こめかみを抑えた。
「すまないが、今日は生徒会で打ち合わせがあるから、一時間後にもう一度来てくれるか。その後は人払いできる」
「かしこまりました」
少し残念に思うものの、事前に知らせもせずに訪ねた自分が悪いのはマリエンヌもわかっているので、素直に了承する。
一度自室に戻ろうとしたところで、マリエンヌの脳裏にある考えがよぎる。
(打ち合わせって一時間で終わるのかしら?)
大したことないのならともかく、時間の都合がつけられないほど重要なものであるのなら、そんなわずかな時間で終わるとは思えなかった。
どういう意味か尋ねようとマリエンヌがレオナルドのいた場所に目を向けると、そこに彼はいない。
(……何かあるわね)
そうは思ったものの、不都合になりそうではなかったので、マリエンヌはその場を立ち去った。
◇◇◇
学園の寮は、敷地内にあるものの、当然ながら教室のある校舎とは別の棟にある。そのため、寮に向かうには、一度校舎を出てから戻らなければならないのだが、マリエンヌが校舎を出ようとすると、その入口付近で数人の令嬢が目に入る。
(あれは、確か……)
マリエンヌは、記憶を探り、令嬢たちのうちの一人が、リネアの友人であったことを思い出した。
シーラに調べさせた情報によると、彼女はジェーン・リーフレットという男爵家の令嬢だという。
位は男爵家ではあるものの、元は平民の商家であり、爵位を金で買ったため、領地を持っていない貴族である。
他には三人いたが、誰一人としてクラスですら見かけた覚えがないので、別のクラスの者かもしれない。
当然、名前も知らない。言われたらどこの家のものかはわかるが、顔までは覚えていない。
(今はいいわね)
声をかけるなら、ある程度準備が整ってからのほうがいい。マリエンヌは、勝てない戦いはしない主義だ。
目が合わなかったら気づかなかったことにしようかと思ったが、さすがにすれ違うくらいに近づくと気づかれてしまい、目があった。
「「「ごきげんよう、マリエンヌさま」」」
「ごきげんよう」
ある程度予想していたことだが、見事にジェーン以外が挨拶をしてきた。
たとえマリエンヌのことが気に入らなかったのだとしても、自分よりも身分の高い者がいれば、真っ先に挨拶するのがマナーだ。男爵令嬢である彼女は、公爵令嬢であるマリエンヌよりは身分が低い。
マリエンヌがじっと彼女のほうを見ると、周りの友人たちのほうがまずいと感じているのか、彼女に挨拶や謝罪を促している。
「……ごきげんよう」
まるで吐き捨てたかのようなごきげんようを、マリエンヌは初めて聞いた。
さすがはリネアの友人というべきなのだろうか。無礼な態度を隠そうともしていない。心のなかで何を考えているのかは知らないが、取り繕うということは覚えたほうがいいだろうに。
「ごきげんよう。ご歓談中のところ、邪魔をしてしまいましたね」
淑女の皮を被りつつ、マリエンヌはそそくさとその場を去ろうとしたが、「待ってください!」と呼び止められる。
呼び止めたのは、マリエンヌが避けようとしていたリネアの友人だ。
「……わたくしに何か?」
「……マリエンヌさまに、お聞きしたいことがあります」
先ほどとはうってかわって、絞り出すように言葉を発する。それは、怒りというよりかは、勇気を振り絞っているように見える。
リネアはかなりの敵対心を向けてきたが、友人たちはそうでもないのだろうか?それとも、このジェーンだけなのか。
それを知るだけでも益があると思ったマリエンヌは、寮へ向かおうとした足を止めて、引き返した。
「わたくしに答えられることでしたら、なんでもお答えいたしますわ」
「……リネアと、何があったのか知りたいんです」
「……リネアさまと、ですか?」
何があったと聞かれても、心当たりがありすぎてどれのことかわからない。
先ほど言い負かした件か、ジルヴェヌスの件か、ライオネルの件か、アレクシスの件。
一瞬で、これだけ浮かんでくるほどだ。
「リネアとは、お会いしたことはありますよね?」
「ええ。リネアさまとは、何度かお話ししたことがございます」
リネアが直接関わることであるなら、それなりに絞られる。一番可能性があるなら、リネアと初めて対峙したアレクシスとの件だろう。
だが、まだ確信が持てない。
「……リネアは、最近は落ち込んでばかりなんです。話を聞いたら、マリエンヌさまの名前を出しました。もちろん、リネアに非がないと言いませんが、あまりにも責めるようなことをしているのなら、と……」
「……わたくし、リネアさまを責めたことは一度もございませんわよ?以前に、今の言動を慎むようにと注意したことはございますが、それ以上のことは何も」
マリエンヌがリネアを咎めたのは、アレクシスと一緒にいた時だけで、それ以外はほとんど会っていないし、先ほどもリネアの話に耳を傾けていただけで、自分から何か言ったりはしていない。
どちらも証人がおり、事実なので、調べられても問題ない。
「……そうですか。わかりました。お時間を取らせてすみません」
「いえ。それでは」
マリエンヌは、優しく微笑みながらその場を後にする。
(あの友人は、思ったよりもまともそうですわね)
ジェーンに、わずかな期待を乗せながら。
ジルヴェヌスとライオネルはシーラからの情報待ち。リネアは先日接したばかり。そうなると、次に手を打つ相手は必然に決まる。
(リネアさまの友人と会うべきね)
シーラからの情報では、マリエンヌがリネアと初めて顔を合わせたあと、友人たちに自分のことを面白いように吹聴していたという。
リネアの周りからは、ほとんどの人間がいなくなり、残っているのはリネアに盲目的に惚れ込んでいる者たちか、友人と思われる数人の令嬢くらいだ。
ライオネルは、ミルレーヌの相手に精一杯で、しばらくリネアと交流を深める余裕はないだろう。
ジルヴェヌスも、マリエンヌに警告されたから、表だった行動は今まで以上に控えるはずだ。
他にも何人か手玉に取られている男はいるが、あの二人に比べれば大した力も持たないから問題はない。
そうなると、次は友人の令嬢たちだ。
貴族社会は、令嬢のほうが厄介なことが多い。彼女たちの噂話が広まる速度は早く、その日の出来事が翌日には全員が知っているということも少なくない。
学園ではリネアの行いに眉をひそめるものも多かったから、彼女を称賛するような言葉が広まることはなかったが、リネアが反省しているという噂は、広まるのに三日もかからなかったのではないだろうか。マリエンヌの耳にもすぐに入ってきたほどだ。
そして、リネアの噂を率先して流しているのは、間違いなく友人たちだ。ここまで長い時間をかけて舞台を作り上げてきたのに、最後の最後で台無しにされてはたまらない。
ならば、こちら側に引き入れればいい。逆にマリエンヌにとって有利な話を広めてもらえば、リネアは完全に孤立する。
問題は、どうやってその友人たちと接触するか。顔の確認は、アリスティアを呼びに行くついでにできたが、さすがに呼び出すとなると、相応の理由が必要だ。
アリスティアに頼んでもいいが、アリスティアはまだリュークの毒花に気づいてはいないだろうから、こちらの意図を汲み取れない可能性もある。
自分から難しいなら……向こうから、接触してもらうしかない。
そうと決まればと、マリエンヌはベッドから立ち上がる。
まずは、レオナルドと会うことにする。訪ねるなら、居場所を知っている放課後がいいだろう。授業以外は、生徒会室で業務を行っているから、ほぼ確実に生徒会室にいるはずだ。
(早く授業が終わらないかしらね~)
勉強が嫌いではないマリエンヌは、普段はそんなことを思ったりはしないが、今日は放課後が待ち遠しく感じた。
◇◇◇
放課後、マリエンヌは真っ先に生徒会室に向かった。
ドアをノックしようと構えたところで、足音が聞こえてきた。
「マリエンヌ?こんなところまでどうしたんだ」
「レオナルドさま」
こちらに向かってきていたのはレオナルドだった。ちょうど、生徒会室に来たところだったらしい。
レオナルドの教室のほうが生徒会室に近いはずなので、レオナルドのほうの授業が長引いてしまったのかもしれない。
「レオナルドさまに話があったので、こちらに来たのですが……」
「君の話、となると……」
言い淀むレオナルドに、マリエンヌはにこりと微笑む。それですべて理解したレオナルドは、こめかみを抑えた。
「すまないが、今日は生徒会で打ち合わせがあるから、一時間後にもう一度来てくれるか。その後は人払いできる」
「かしこまりました」
少し残念に思うものの、事前に知らせもせずに訪ねた自分が悪いのはマリエンヌもわかっているので、素直に了承する。
一度自室に戻ろうとしたところで、マリエンヌの脳裏にある考えがよぎる。
(打ち合わせって一時間で終わるのかしら?)
大したことないのならともかく、時間の都合がつけられないほど重要なものであるのなら、そんなわずかな時間で終わるとは思えなかった。
どういう意味か尋ねようとマリエンヌがレオナルドのいた場所に目を向けると、そこに彼はいない。
(……何かあるわね)
そうは思ったものの、不都合になりそうではなかったので、マリエンヌはその場を立ち去った。
◇◇◇
学園の寮は、敷地内にあるものの、当然ながら教室のある校舎とは別の棟にある。そのため、寮に向かうには、一度校舎を出てから戻らなければならないのだが、マリエンヌが校舎を出ようとすると、その入口付近で数人の令嬢が目に入る。
(あれは、確か……)
マリエンヌは、記憶を探り、令嬢たちのうちの一人が、リネアの友人であったことを思い出した。
シーラに調べさせた情報によると、彼女はジェーン・リーフレットという男爵家の令嬢だという。
位は男爵家ではあるものの、元は平民の商家であり、爵位を金で買ったため、領地を持っていない貴族である。
他には三人いたが、誰一人としてクラスですら見かけた覚えがないので、別のクラスの者かもしれない。
当然、名前も知らない。言われたらどこの家のものかはわかるが、顔までは覚えていない。
(今はいいわね)
声をかけるなら、ある程度準備が整ってからのほうがいい。マリエンヌは、勝てない戦いはしない主義だ。
目が合わなかったら気づかなかったことにしようかと思ったが、さすがにすれ違うくらいに近づくと気づかれてしまい、目があった。
「「「ごきげんよう、マリエンヌさま」」」
「ごきげんよう」
ある程度予想していたことだが、見事にジェーン以外が挨拶をしてきた。
たとえマリエンヌのことが気に入らなかったのだとしても、自分よりも身分の高い者がいれば、真っ先に挨拶するのがマナーだ。男爵令嬢である彼女は、公爵令嬢であるマリエンヌよりは身分が低い。
マリエンヌがじっと彼女のほうを見ると、周りの友人たちのほうがまずいと感じているのか、彼女に挨拶や謝罪を促している。
「……ごきげんよう」
まるで吐き捨てたかのようなごきげんようを、マリエンヌは初めて聞いた。
さすがはリネアの友人というべきなのだろうか。無礼な態度を隠そうともしていない。心のなかで何を考えているのかは知らないが、取り繕うということは覚えたほうがいいだろうに。
「ごきげんよう。ご歓談中のところ、邪魔をしてしまいましたね」
淑女の皮を被りつつ、マリエンヌはそそくさとその場を去ろうとしたが、「待ってください!」と呼び止められる。
呼び止めたのは、マリエンヌが避けようとしていたリネアの友人だ。
「……わたくしに何か?」
「……マリエンヌさまに、お聞きしたいことがあります」
先ほどとはうってかわって、絞り出すように言葉を発する。それは、怒りというよりかは、勇気を振り絞っているように見える。
リネアはかなりの敵対心を向けてきたが、友人たちはそうでもないのだろうか?それとも、このジェーンだけなのか。
それを知るだけでも益があると思ったマリエンヌは、寮へ向かおうとした足を止めて、引き返した。
「わたくしに答えられることでしたら、なんでもお答えいたしますわ」
「……リネアと、何があったのか知りたいんです」
「……リネアさまと、ですか?」
何があったと聞かれても、心当たりがありすぎてどれのことかわからない。
先ほど言い負かした件か、ジルヴェヌスの件か、ライオネルの件か、アレクシスの件。
一瞬で、これだけ浮かんでくるほどだ。
「リネアとは、お会いしたことはありますよね?」
「ええ。リネアさまとは、何度かお話ししたことがございます」
リネアが直接関わることであるなら、それなりに絞られる。一番可能性があるなら、リネアと初めて対峙したアレクシスとの件だろう。
だが、まだ確信が持てない。
「……リネアは、最近は落ち込んでばかりなんです。話を聞いたら、マリエンヌさまの名前を出しました。もちろん、リネアに非がないと言いませんが、あまりにも責めるようなことをしているのなら、と……」
「……わたくし、リネアさまを責めたことは一度もございませんわよ?以前に、今の言動を慎むようにと注意したことはございますが、それ以上のことは何も」
マリエンヌがリネアを咎めたのは、アレクシスと一緒にいた時だけで、それ以外はほとんど会っていないし、先ほどもリネアの話に耳を傾けていただけで、自分から何か言ったりはしていない。
どちらも証人がおり、事実なので、調べられても問題ない。
「……そうですか。わかりました。お時間を取らせてすみません」
「いえ。それでは」
マリエンヌは、優しく微笑みながらその場を後にする。
(あの友人は、思ったよりもまともそうですわね)
ジェーンに、わずかな期待を乗せながら。
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