5 / 5
三話 縁談
しおりを挟む
「エーシャ! シュバルツ公爵家のユリウス卿から、縁談のお話が!」
「えっ!? ユリウス卿ってラグナロン学院をこの間首席で卒業されたあのユリウス卿ですか!? なんでそのような殿方がわたくしと......わたくしなんか、ついこの間婚約者を無くして傷心してる、平凡令嬢ですのに......」
思ってもみずに舞い込んだ縁談のお話に、わたくしは少しだけ舞い上がってしまいました。ユリウス様は先日、有名な学院を首席で卒業された秀才で、控えめな茶髪のマッシュヘアが似合う美青年だそうで、お噂によると、他国の王女様なんかからも、縁談のお話を頂いているそうで、まさに成績優秀、容姿端麗、人当たりもよい理想の好青年とのことです。
そんなユリウス様がわたくしと縁談......どうしてでしょうか?
「そう自分を卑下するものではない! エーシャは常に周りのことを良く見ていて、誰に対しても親切だし、可愛らしいからな! まぁ、その優しさが行き過ぎて、前婚約者のエドワード侯爵が調子に乗ったのだろうが......なんにせよ、いきなり孤児院を建ててあげたいからお金を貸してほしいなどという子など、年頃の娘には他におるまい! きっと、その噂がユリウス様のお耳に入ったのだろう! 大丈夫! エーシャなら絶対に上手くいくぞ。それで、どうだ!? この縁談の話、受けてみる気はあるか?」
「褒め過ぎですわ。お父様。でも、まぁ......折角お話を頂いたのですし、ユリウス様にも失礼ですから、そのお話、受けさせていただきます......それに、個人的にもユリウス様に興味がありますので」
考えてみますと、いいえ、考えなくとも、婚約者の居ない所謂、フリーなわたくしが、今回の縁談のお話をお断りする理由は全くありませんもの。例え、ユリウス様がわたくしの想像通りの殿方ではなかったとしても、個人的に抱いてしまった好奇心を埋めることくらいなら出来ますものね。
「おぉ! そうか、そうか! エーシャがそう言ってくれて、私としても嬉しいぞ! 私個人としても、シュバルツ公爵家とパイプを築くことが出来るなら、まさに一石二鳥だと思うしな!」
「ふふっ。相変わらず、抜け目ないですね。お父様。それで、縁談は何時頃になりそうですか?」
「確か、三週間後と仰っていたはずだ」
「わかりました」
そうして、わたくしはお父様のお部屋を出ますと、自室に戻り、枕に顔を埋めて、縁談の日を楽しみにするのでした。
「えっ!? ユリウス卿ってラグナロン学院をこの間首席で卒業されたあのユリウス卿ですか!? なんでそのような殿方がわたくしと......わたくしなんか、ついこの間婚約者を無くして傷心してる、平凡令嬢ですのに......」
思ってもみずに舞い込んだ縁談のお話に、わたくしは少しだけ舞い上がってしまいました。ユリウス様は先日、有名な学院を首席で卒業された秀才で、控えめな茶髪のマッシュヘアが似合う美青年だそうで、お噂によると、他国の王女様なんかからも、縁談のお話を頂いているそうで、まさに成績優秀、容姿端麗、人当たりもよい理想の好青年とのことです。
そんなユリウス様がわたくしと縁談......どうしてでしょうか?
「そう自分を卑下するものではない! エーシャは常に周りのことを良く見ていて、誰に対しても親切だし、可愛らしいからな! まぁ、その優しさが行き過ぎて、前婚約者のエドワード侯爵が調子に乗ったのだろうが......なんにせよ、いきなり孤児院を建ててあげたいからお金を貸してほしいなどという子など、年頃の娘には他におるまい! きっと、その噂がユリウス様のお耳に入ったのだろう! 大丈夫! エーシャなら絶対に上手くいくぞ。それで、どうだ!? この縁談の話、受けてみる気はあるか?」
「褒め過ぎですわ。お父様。でも、まぁ......折角お話を頂いたのですし、ユリウス様にも失礼ですから、そのお話、受けさせていただきます......それに、個人的にもユリウス様に興味がありますので」
考えてみますと、いいえ、考えなくとも、婚約者の居ない所謂、フリーなわたくしが、今回の縁談のお話をお断りする理由は全くありませんもの。例え、ユリウス様がわたくしの想像通りの殿方ではなかったとしても、個人的に抱いてしまった好奇心を埋めることくらいなら出来ますものね。
「おぉ! そうか、そうか! エーシャがそう言ってくれて、私としても嬉しいぞ! 私個人としても、シュバルツ公爵家とパイプを築くことが出来るなら、まさに一石二鳥だと思うしな!」
「ふふっ。相変わらず、抜け目ないですね。お父様。それで、縁談は何時頃になりそうですか?」
「確か、三週間後と仰っていたはずだ」
「わかりました」
そうして、わたくしはお父様のお部屋を出ますと、自室に戻り、枕に顔を埋めて、縁談の日を楽しみにするのでした。
0
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
婚約者は嘘つき!私から捨ててあげますわ
あんり
恋愛
「マーティン様、今、わたくしと婚約破棄をなさりたいと、そうおっしゃいましたの?」
愛されていると信じていた婚約者から、突然の別れを告げられた侯爵令嬢のエリッサ。
理由も分からないまま社交界の噂に晒され、それでも彼女は涙を見せず、誇り高く微笑んでみせる。
―――けれど本当は、あの別れの裏に“何か”がある気がしてならなかった。
そんな中、従兄である第二王子アダムが手を差し伸べる。
新たな婚約、近づく距離、揺れる心。
だがエリッサは知らない。
かつての婚約者が、自ら悪者になってまで隠した「真実」を。
捨てられた令嬢?いいえ違いますわ。
わたくしが、未来を選び直すの。
勘違いとすれ違いから始まる、切なくて優しい恋の物語。
どうぞお好きになさってください
みおな
恋愛
学園に入学して一ヶ月。
婚約者の第一王子殿下は言った。
「学園にいる間くらい自由にさせてくれないか。君が王太子妃になることは決定事項だ。だから、せめて学園に通う二年間は、僕は恋がしたい」
公爵令嬢はその綺麗な顔に冷酷な笑みを浮かべる。
「好きになさればよろしいわ」
元婚約者のあなたへ どうか幸せに
石里 唯
恋愛
公爵令嬢ローラは王太子ケネスの婚約者だったが、家が困窮したことから、婚約破棄をされることになる。破棄だけでなく、相愛と信じていたケネスの冷酷な態度に傷つき、最後の挨拶もできず別れる。失意を抱いたローラは、国を出て隣国の大学の奨学生となることを決意する。
隣国は3年前、疫病が広がり大打撃を受け、国全体が復興への熱意に満ち、ローラもその熱意に染まり勉学に勤しむ日々を送っていたところ、ある日、一人の「学生」がローラに声をかけてきて―――。
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
婚約破棄されたので、もうあなたを想うのはやめます
藤原遊
恋愛
王城の舞踏会で、公爵令息から一方的に婚約破棄を告げられた令嬢。
彼の仕事を支えるため領地運営を担ってきたが、婚約者でなくなった以上、その役目を続ける理由はない。
去った先で彼女の能力を正当に評価したのは、軍事を握る王弟辺境伯だった。
想うことをやめた先で、彼女は“対等に必要とされる場所”を手に入れる。
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
妹に婚約者を奪われた冷たい令嬢は、辺境伯の溺愛で本当の美しさを取り戻す
丸顔ちゃん。
恋愛
幼いころから、腹違いの妹ミレイユに何でも奪われてきたリディア。
「姉だから我慢しなさい」と言われ続け、感情を出すことをやめた彼女は、
いつしか“冷たい令嬢”と呼ばれるようになっていた。
それでも、幼少期から続けてきた皇太妃教育だけは完璧にこなし、
皇子レオンハルトとの婚約こそが唯一の希望だった。
――しかし。
「お姉様の婚約者、わたしにちょうだい?」
甘えた声で妹が言った瞬間、すべてが奪われた。
父も継母も妹を庇い、リディアには“残酷で冷酷”と噂される
アーレンス辺境伯への嫁入りが命じられる。
絶望の中で向かった辺境地で、リディアを待っていたのは――
噂とは真逆の、優しく誠実で、誰よりも彼女を大切に扱う辺境伯だった。
「ここでは我慢しなくていい。君の笑顔が見たい」
その言葉に、凍りついていた心が少しずつ溶けていく。
本来の美しさと気品を取り戻したリディアは、
やがて社交界で誰もが振り返るほどの存在へと変わっていく。
一方、皇太妃教育についていけない妹の化けの皮は剥がれ、
皇子は後悔と嫉妬に苛まれる。
「どうして、あの時リディアを選ばなかったのか……」
だが、もう遅い。
リディアは、真実の愛を知ってしまったのだから。
これは、奪われ続けた令嬢が、
正しい愛に出会い、美しく咲き直す物語。
【完結】花冠をあなたに ―信じ尽くした彼女の、最期の言葉―
桜野なつみ
恋愛
病弱な婚約者を支え続けた令嬢ミリアーナ。
幼いころから彼を想い、薬草を学び、研究し、元気になったら花畑で花冠を編ごう」と約束していた。
けれど、叔母と従妹の影がその誓いをゆがめ、やがて誤解と病に蝕まれていく。
最期に彼女が残したのは――ただ一つの言葉。
全十話 完結予定です。
(最初は全四話と言っていました。どんどん長くなってしまい、申し訳ありません。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる