56 / 78
静嵐
52.力なきもの
しおりを挟む
王都での礼拝に出てみても、礼拝堂に集まっている人の数は以前と変わらないように感じられる。ベール越しだから正確な数はわからないにしても、精霊たちの様子や人の気配を探って、キアラは心の中でだけ首を傾げていた。
キアラに対して、神子の力が弱いせいで生活が苦しいのだと思っている人は、確かにいるはずだ。宮殿の中の廊下でささやき交わす人がいたこともあったし、あまり聞かせたくなさそうだったが、ルガートから王都以外の人の話として、そう聞いたこともある。
しかし、礼拝堂には相変わらず多くの人がいて、毎回熱心に通ってくる人さえいるらしい。
ヨラガンが美しい草原であるように、ヨラガンの人々が健やかであるように祈りながら、礼拝堂の中と外、王都の中と外のことを考える。
「神子様」
総主に声をかけられて、キアラは祈っていた手をそっと下ろした。差し出された手を取って立ち上がり、恐ろしいくらいにじっと見つめられる中を進んで、礼拝堂の大きな部屋を出る。ぽわぽわと、風の精霊が人々の間をすり抜けるように飛んできて、キアラの髪で遊んでいく。
合間に何かの物音が聞こえるような気がするのは、何だろうか。人の声のようにも感じられるが、精霊と話ができたことなどないし、そもそも精霊が人のように話してくれるのか、よくわからない。
ただ、施療院につくと遊んでいた精霊もどこかへ行ってしまったので、ミオとシアに手伝ってもらいながら、キアラは病人やけが人の間を回っていった。けが人はそうそう増えはしないだろうが、確かに病の人の数は増えている気がする。よく気をつけてみれば、並べられたベッドの数は明らかに多くなっていた。
薬を作る量を増やしたとしても、確かにこれでは追いつかないかもしれない。
「……神子様、そろそろ……」
「もう、なくなってしまったのですか」
ミオに止められて、キアラはベッドを覗き込んでいた体をゆっくり起こした。一人ひとりと言葉を交わして、気持ちを通わせながら薬を配っているから、どうしても時間はかかってしまう。それでも大部屋二つくらいは回れていたはずなのに、今は二つ目の部屋の途中だ。
「神子様……助けて、ください……」
「あ……」
隣のベッドから手を伸ばされて、服を掴まれる。その手を振り解くわけにも、かといって手を取ることもできず、キアラはただ立っているしかできなかった。
「おお、神子様、こちらでしたか」
そこにつかつかと総主が入ってきたかと思うと、キアラの手を取った。
「そ、総主様」
「おや、離しなさい」
力なくキアラを掴んでいた手があっさりと総主に振り払われて、だらりとベッドから垂れ下がった。声をかける間もなく総主に引っ張られて、大部屋から連れ出されてしまう。
「総主様、あの、いったい」
「お願いがございましてな、どうぞこちらへ」
柔らかく頼むような言い方だが、総主の手はキアラをしっかり掴んでいるし、有無を言わさず連れていかれている。ベールをつけていることにも、この服装にも慣れたから転びはしないが、少々強引だ。
後ろをついてきてくれているミオとシアのほうを向く余裕もなく、連れてこられた小部屋で座らされた椅子は、少し硬かった。
「申し訳ありません、急いでおりまして」
「お急ぎ、でしたか」
キアラのほうも少し息が上がってしまって、胸に手を当てて息をつく。ミオとシアが傍に来てくれてほっとしたものの、ぞろぞろとまた別の人たちが入ってきて、キアラはきゅっと手を握りしめた。
「難しいお願いではないのですよ。ただ、今からいらっしゃる方々に、神子様手ずからこちらをお渡しいただきたいのです」
総主の後ろに控えていた人が、手に持った籠の中身を見せてくれる。水か何かの入った美しい小瓶がいくつも入っているようだが、何なのだろう。
「総主様、そちらはいったい……」
「薬です。神子様にご協力いただきましたでしょう?」
「え……」
薬は先ほど、使いきってしまったのではなかったのか。
戸惑って顔を向けるキアラをよそに、総主が話を続けていく。
「医者にかかることはできても、どうしても病が治らない、という方々もおりましてな」
キアラの神子としての力を頼った薬は、医者にかかることもできない、貧しい人々のために使うと知らせてはいるのだが、どうしてもと頼み込んでくる人々もいる。ずっと応じずにきたのだが、それでも必死で懇願してくる人を断り続けるのも忍びない。
「そこで、心ばかりのご寄付をいただいて、薬をお分けすることになったのですよ」
売り物というわけではないので、あくまで寄付に対してのお礼、という体裁を取る。それでも高額な寄付をしてくれる人もいるから、感謝の気持ちとして、神子が手ずから薬をお渡しする、という形にしたい。
「ご協力いただけますか」
「そ、れは……」
医者にみてもらうこともできず苦しんでいる人たちに分け与える分は、すでになくなってしまっている。今から薬をもらいに来るという人たちも、病が治らずつらい思いをしているのかもしれないが、それでも、先ほどの大部屋にいた人たちのように、明日をも知れぬという状態ではないだろう。
総主のしようとしていることは、実質的に、キアラの血から作られた薬を高額で売ることでしかないのではなかろうか。貧しい人たちを、見捨てることにはならないのか。
ためらっていたら、総主の後ろにいた人々が突然、ミオとシアを床にねじ伏せた。驚いているうちにキアラも囲まれていて、恐ろしさに身がすくむ。
「なに、を、なさるのですか」
「ご協力いただけないと、私も困ってしまうのですよ」
総主が手を動かすと、動けない状態のミオとシアを囲んで、人々が足蹴にし始めた。
「お、おやめください……!」
止めに入ろうとした体を椅子に押さえつけられて、人が蹴りつけられる生々しい音と、ミオとシアのうめき声が部屋に満ちる。
「おやめくださいっ、おやめ、くださいっ……総主様……!」
「ご協力、いただけますか」
「いたします、お手伝いいたしますからっ……おやめください……!」
また総主が手を振り、周囲にいた人々がさっと身を引いていく。急いでミオとシアの傍に膝をついて、必死で二人に呼びかける。
「ミオ、シア……!」
「……う……」
「神子、様……」
意識がある。
よかった、と息をついて二人を撫でていたら、腕を掴まれて引っ張り上げられてしまった。肩や、掴まれているところが痛い。
「お待ち、ください、ミオとシアのけがを」
「薬をお求めの方も、ずいぶんお待ちいただいているのですよ、神子様」
わらわらと周囲を囲まれて、ミオとシアを残したまま、別の部屋に連れていかれてしまう。誰も部屋に残ってくれないようだが、ミオとシアの手当てを誰に頼めばいいのかわからない。
困惑したまま連れていかれて足を踏み入れた先の部屋は、まぶしいくらいに絢爛だった。扉からまっすぐ重厚な織物が敷かれ、やや奥まったところに煌びやかな椅子が置かれている。椅子の周囲には豪奢な帳のような布が垂れ下がっていて、椅子を覆う天幕のようだ。
「神子様、こちらへ」
導かれた椅子は背もたれも足も複雑な装飾が施されていて、キアラが座ってもいいのかためらわれるほどだった。座るよう促されたのでおそるおそる腰かけると、人が群がってきてベールの位置や服を直される。先ほどの小部屋の椅子より座面が高く、足が床につかない。
「総主様、ミオとシアを」
「よいですか神子様、今から来る方々に、このものがお渡しする瓶をそのまま授けていただければ構いません。お話しなさる必要はございませんゆえ、ご安心ください」
「……はい」
取り合う様子もない総主に気圧されて、キアラはおずおずとうなずいた。
今、総主にミオとシアのことを頼もうとしても、何も聞いてもらえそうにない。総主の言う通りに瓶を手渡す仕事をして、そのあと急いで戻ったほうがよさそうだ。
「始めよ」
「はっ」
キアラを押さえつけた一人が部屋を出ていき、しばらくして人を伴って戻ってきた。目を引くようなつやつやの布でできた服の、体格のいい男性だ。
「おお……こちらが神子様……」
「ようこそお越しくださいました、ツォルシュード殿。さ、お受け取りなされませ」
事前に説明された通り、小瓶を受け取って、キアラの前にひざまずいた男性に向かって差し出す。瓶を受け取りついでに男性が手を撫でさすってきて、キアラはベールの下で顔をしかめた。
「なんと滑らかな……」
「ツォルシュード殿」
「ああ、申し訳ありません。ありがとうございます、神子様」
総主に止められて手を引っ込め、男は小瓶を受け取ってそそくさと出ていった。
そうして性別も年齢も様々な人々がやってきて、キアラからありがたそうに小瓶を受け取って帰っていった。べたべた触ってくる人もいたし、感極まって泣き出してしまう人もいた。
すべてが終わったころには疲れ果ててしまって椅子から立ち上がれず、キアラは総主を取り巻いていた人たちに抱えられて、別の部屋に連れていかれた。移動した先の部屋では手当てを済ませたミオとシアが待ってくれていて、小さな子どもでもないのに、キアラはぽろぽろと泣いてしまった。
キアラに対して、神子の力が弱いせいで生活が苦しいのだと思っている人は、確かにいるはずだ。宮殿の中の廊下でささやき交わす人がいたこともあったし、あまり聞かせたくなさそうだったが、ルガートから王都以外の人の話として、そう聞いたこともある。
しかし、礼拝堂には相変わらず多くの人がいて、毎回熱心に通ってくる人さえいるらしい。
ヨラガンが美しい草原であるように、ヨラガンの人々が健やかであるように祈りながら、礼拝堂の中と外、王都の中と外のことを考える。
「神子様」
総主に声をかけられて、キアラは祈っていた手をそっと下ろした。差し出された手を取って立ち上がり、恐ろしいくらいにじっと見つめられる中を進んで、礼拝堂の大きな部屋を出る。ぽわぽわと、風の精霊が人々の間をすり抜けるように飛んできて、キアラの髪で遊んでいく。
合間に何かの物音が聞こえるような気がするのは、何だろうか。人の声のようにも感じられるが、精霊と話ができたことなどないし、そもそも精霊が人のように話してくれるのか、よくわからない。
ただ、施療院につくと遊んでいた精霊もどこかへ行ってしまったので、ミオとシアに手伝ってもらいながら、キアラは病人やけが人の間を回っていった。けが人はそうそう増えはしないだろうが、確かに病の人の数は増えている気がする。よく気をつけてみれば、並べられたベッドの数は明らかに多くなっていた。
薬を作る量を増やしたとしても、確かにこれでは追いつかないかもしれない。
「……神子様、そろそろ……」
「もう、なくなってしまったのですか」
ミオに止められて、キアラはベッドを覗き込んでいた体をゆっくり起こした。一人ひとりと言葉を交わして、気持ちを通わせながら薬を配っているから、どうしても時間はかかってしまう。それでも大部屋二つくらいは回れていたはずなのに、今は二つ目の部屋の途中だ。
「神子様……助けて、ください……」
「あ……」
隣のベッドから手を伸ばされて、服を掴まれる。その手を振り解くわけにも、かといって手を取ることもできず、キアラはただ立っているしかできなかった。
「おお、神子様、こちらでしたか」
そこにつかつかと総主が入ってきたかと思うと、キアラの手を取った。
「そ、総主様」
「おや、離しなさい」
力なくキアラを掴んでいた手があっさりと総主に振り払われて、だらりとベッドから垂れ下がった。声をかける間もなく総主に引っ張られて、大部屋から連れ出されてしまう。
「総主様、あの、いったい」
「お願いがございましてな、どうぞこちらへ」
柔らかく頼むような言い方だが、総主の手はキアラをしっかり掴んでいるし、有無を言わさず連れていかれている。ベールをつけていることにも、この服装にも慣れたから転びはしないが、少々強引だ。
後ろをついてきてくれているミオとシアのほうを向く余裕もなく、連れてこられた小部屋で座らされた椅子は、少し硬かった。
「申し訳ありません、急いでおりまして」
「お急ぎ、でしたか」
キアラのほうも少し息が上がってしまって、胸に手を当てて息をつく。ミオとシアが傍に来てくれてほっとしたものの、ぞろぞろとまた別の人たちが入ってきて、キアラはきゅっと手を握りしめた。
「難しいお願いではないのですよ。ただ、今からいらっしゃる方々に、神子様手ずからこちらをお渡しいただきたいのです」
総主の後ろに控えていた人が、手に持った籠の中身を見せてくれる。水か何かの入った美しい小瓶がいくつも入っているようだが、何なのだろう。
「総主様、そちらはいったい……」
「薬です。神子様にご協力いただきましたでしょう?」
「え……」
薬は先ほど、使いきってしまったのではなかったのか。
戸惑って顔を向けるキアラをよそに、総主が話を続けていく。
「医者にかかることはできても、どうしても病が治らない、という方々もおりましてな」
キアラの神子としての力を頼った薬は、医者にかかることもできない、貧しい人々のために使うと知らせてはいるのだが、どうしてもと頼み込んでくる人々もいる。ずっと応じずにきたのだが、それでも必死で懇願してくる人を断り続けるのも忍びない。
「そこで、心ばかりのご寄付をいただいて、薬をお分けすることになったのですよ」
売り物というわけではないので、あくまで寄付に対してのお礼、という体裁を取る。それでも高額な寄付をしてくれる人もいるから、感謝の気持ちとして、神子が手ずから薬をお渡しする、という形にしたい。
「ご協力いただけますか」
「そ、れは……」
医者にみてもらうこともできず苦しんでいる人たちに分け与える分は、すでになくなってしまっている。今から薬をもらいに来るという人たちも、病が治らずつらい思いをしているのかもしれないが、それでも、先ほどの大部屋にいた人たちのように、明日をも知れぬという状態ではないだろう。
総主のしようとしていることは、実質的に、キアラの血から作られた薬を高額で売ることでしかないのではなかろうか。貧しい人たちを、見捨てることにはならないのか。
ためらっていたら、総主の後ろにいた人々が突然、ミオとシアを床にねじ伏せた。驚いているうちにキアラも囲まれていて、恐ろしさに身がすくむ。
「なに、を、なさるのですか」
「ご協力いただけないと、私も困ってしまうのですよ」
総主が手を動かすと、動けない状態のミオとシアを囲んで、人々が足蹴にし始めた。
「お、おやめください……!」
止めに入ろうとした体を椅子に押さえつけられて、人が蹴りつけられる生々しい音と、ミオとシアのうめき声が部屋に満ちる。
「おやめくださいっ、おやめ、くださいっ……総主様……!」
「ご協力、いただけますか」
「いたします、お手伝いいたしますからっ……おやめください……!」
また総主が手を振り、周囲にいた人々がさっと身を引いていく。急いでミオとシアの傍に膝をついて、必死で二人に呼びかける。
「ミオ、シア……!」
「……う……」
「神子、様……」
意識がある。
よかった、と息をついて二人を撫でていたら、腕を掴まれて引っ張り上げられてしまった。肩や、掴まれているところが痛い。
「お待ち、ください、ミオとシアのけがを」
「薬をお求めの方も、ずいぶんお待ちいただいているのですよ、神子様」
わらわらと周囲を囲まれて、ミオとシアを残したまま、別の部屋に連れていかれてしまう。誰も部屋に残ってくれないようだが、ミオとシアの手当てを誰に頼めばいいのかわからない。
困惑したまま連れていかれて足を踏み入れた先の部屋は、まぶしいくらいに絢爛だった。扉からまっすぐ重厚な織物が敷かれ、やや奥まったところに煌びやかな椅子が置かれている。椅子の周囲には豪奢な帳のような布が垂れ下がっていて、椅子を覆う天幕のようだ。
「神子様、こちらへ」
導かれた椅子は背もたれも足も複雑な装飾が施されていて、キアラが座ってもいいのかためらわれるほどだった。座るよう促されたのでおそるおそる腰かけると、人が群がってきてベールの位置や服を直される。先ほどの小部屋の椅子より座面が高く、足が床につかない。
「総主様、ミオとシアを」
「よいですか神子様、今から来る方々に、このものがお渡しする瓶をそのまま授けていただければ構いません。お話しなさる必要はございませんゆえ、ご安心ください」
「……はい」
取り合う様子もない総主に気圧されて、キアラはおずおずとうなずいた。
今、総主にミオとシアのことを頼もうとしても、何も聞いてもらえそうにない。総主の言う通りに瓶を手渡す仕事をして、そのあと急いで戻ったほうがよさそうだ。
「始めよ」
「はっ」
キアラを押さえつけた一人が部屋を出ていき、しばらくして人を伴って戻ってきた。目を引くようなつやつやの布でできた服の、体格のいい男性だ。
「おお……こちらが神子様……」
「ようこそお越しくださいました、ツォルシュード殿。さ、お受け取りなされませ」
事前に説明された通り、小瓶を受け取って、キアラの前にひざまずいた男性に向かって差し出す。瓶を受け取りついでに男性が手を撫でさすってきて、キアラはベールの下で顔をしかめた。
「なんと滑らかな……」
「ツォルシュード殿」
「ああ、申し訳ありません。ありがとうございます、神子様」
総主に止められて手を引っ込め、男は小瓶を受け取ってそそくさと出ていった。
そうして性別も年齢も様々な人々がやってきて、キアラからありがたそうに小瓶を受け取って帰っていった。べたべた触ってくる人もいたし、感極まって泣き出してしまう人もいた。
すべてが終わったころには疲れ果ててしまって椅子から立ち上がれず、キアラは総主を取り巻いていた人たちに抱えられて、別の部屋に連れていかれた。移動した先の部屋では手当てを済ませたミオとシアが待ってくれていて、小さな子どもでもないのに、キアラはぽろぽろと泣いてしまった。
50
あなたにおすすめの小説
巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】
晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。
発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。
そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。
第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。
うそつきΩのとりかえ話譚
沖弉 えぬ
BL
療養を終えた王子が都に帰還するのに合わせて開催される「番候補戦」。王子は国の将来を担うのに相応しいアルファであり番といえば当然オメガであるが、貧乏一家の財政難を救うべく、18歳のトキはアルファでありながらオメガのフリをして王子の「番候補戦」に参加する事を決める。一方王子にはとある秘密があって……。雪の積もった日に出会った紅梅色の髪の青年と都で再会を果たしたトキは、彼の助けもあってオメガたちによる候補戦に身を投じる。
舞台は和風×中華風の国セイシンで織りなす、同い年の青年たちによる旅と恋の話です。
回帰したシリルの見る夢は
riiko
BL
公爵令息シリルは幼い頃より王太子の婚約者として、彼と番になる未来を夢見てきた。
しかし王太子は婚約者の自分には冷たい。どうやら彼には恋人がいるのだと知った日、物語は動き出した。
嫉妬に狂い断罪されたシリルは、何故だかきっかけの日に回帰した。そして回帰前には見えなかったことが少しずつ見えてきて、本当に望む夢が何かを徐々に思い出す。
執着をやめた途端、執着される側になったオメガが、次こそ間違えないようにと、可愛くも真面目に奮闘する物語!
執着アルファ×回帰オメガ
本編では明かされなかった、回帰前の出来事は外伝に掲載しております。
性描写が入るシーンは
※マークをタイトルにつけます。
物語お楽しみいただけたら幸いです。
***
2022.12.26「第10回BL小説大賞」で奨励賞をいただきました!
応援してくれた皆様のお陰です。
ご投票いただけた方、お読みくださった方、本当にありがとうございました!!
☆☆☆
2024.3.13 書籍発売&レンタル開始いたしました!!!!
応援してくださった読者さまのお陰でございます。本当にありがとうございます。書籍化にあたり連載時よりも読みやすく書き直しました。お楽しみいただけたら幸いです。
金曜日の少年~「仕方ないよね。僕は、オメガなんだもの」虐げられた駿は、わがまま御曹司アルファの伊織に振り回されるうちに変わってゆく~
大波小波
BL
貧しい家庭に育ち、さらに第二性がオメガである御影 駿(みかげ しゅん)は、スクールカーストの底辺にいた。
そんな駿は、思いきって憧れの生徒会書記・篠崎(しのざき)にラブレターを書く。
だが、ちょっとした行き違いで、その手紙は生徒会長・天宮司 伊織(てんぐうじ いおり)の手に渡ってしまった。
駿に興味を持った伊織は、彼を新しい玩具にしようと、従者『金曜日の少年』に任命するが、そのことによってお互いは少しずつ変わってゆく。
【完結】運命の番に逃げられたアルファと、身代わりベータの結婚
貴宮 あすか
BL
ベータの新は、オメガである兄、律の身代わりとなって結婚した。
相手は優れた経営手腕で新たちの両親に見込まれた、アルファの木南直樹だった。
しかし、直樹は自分の運命の番である律が、他のアルファと駆け落ちするのを手助けした新を、律の身代わりにすると言って組み敷き、何もかも初めての新を律の名前を呼びながら抱いた。それでも新は幸せだった。新にとって木南直樹は少年の頃に初めての恋をした相手だったから。
アルファ×ベータの身代わり結婚ものです。
無能扱いの聖職者は聖女代理に選ばれました
芳一
BL
無能扱いを受けていた聖職者が、聖女代理として瘴気に塗れた地に赴き諦めたものを色々と取り戻していく話。(あらすじ修正あり)***4話に描写のミスがあったので修正させて頂きました(10月11日)
すれ違い夫夫は発情期にしか素直になれない
和泉臨音
BL
とある事件をきっかけに大好きなユーグリッドと結婚したレオンだったが、番になった日以来、発情期ですらベッドを共にすることはなかった。ユーグリッドに避けられるのは寂しいが不満はなく、これ以上重荷にならないよう、レオンは受けた恩を返すべく日々の仕事に邁進する。一方、レオンに軽蔑され嫌われていると思っているユーグリッドはなるべくレオンの視界に、記憶に残らないようにレオンを避け続けているのだった。
お互いに嫌われていると誤解して、すれ違う番の話。
===================
美形侯爵長男α×平凡平民Ω。本編24話完結。それ以降は番外編です。
オメガバース設定ですが独自設定もあるのでこの世界のオメガバースはそうなんだな、と思っていただければ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる