この胸の高鳴りは・・・

暁エネル

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忍さんの話①

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僕は拓巳君からのラインの数字が増えていない事にホッとしていた




(良かったいくら何でももう諦めるよね それにしても凄い罪悪感だ・・・)




僕は駅のホームでスマホをポケットに入れ 仕事を終えホームに入って来た電車に乗っていた




(忍さんは何時頃帰って来るだろう?)




俺は忍さんに会って話を聞く為 忍さんには連絡を取らずに


夕方から忍さんのマンションのエントランスに来ていた




(ここで待っていれば忍さんと行き違う事は絶対にない 今日は忍さんを捕まえて絶対に話をするんだ)




俺はそう決意をし忍さんを待っていた




僕はいつも通りスーパーで買い物をしてマンションへ


人影が見えて挨拶をしようと その人を見てびっくりした


「拓巳君」


僕は少し大きな声を出してしまった




(あぁ~良かった忍さんが帰って来た スーパーへ行ってたんだなぁ~ いっぱい買って来てる そんなに遅い時間じゃなくてホント良かった)




俺は忍さんを見てそう思った




(何で拓巳君がここに居るの?)




「忍さんお帰りなさい」


「ただいま」


僕はオートロックを解除する事も忘れ この状況が理解出来ていなかった


「忍さん」


「はい」


「お邪魔してもいいですか?」


「あっそうだよね」


僕はオートロックを操作して自動ドアが開いた


エレベーターに乗り部屋の前へ




(待って・・・ 何で拓巳君はここに居るの? 今日は平日だよ拓巳君バイトは?)




僕はそう思いながら玄関を開けた


「拓巳君どうぞ・・・」


「お邪魔します」




(良かった・・・ 忍さんが俺を部屋に入れてくれた 断られるかとちょっと思ってた)




リビングの電気がついて 俺は荷物をいつも座っている所へ置いた


「忍さん これからご飯を作るんですよね」


忍さんはキッチンへ


「うんそうだけど」


「俺作りますよ」


「えっいいよ すぐ出来るし拓巳君も一緒に食べよう」


「俺が食べるならなおさら俺が作ります」


俺はそう言いながらキッチンへ


「えっいいの?」


「はいやらせて下さい あっちなみに俺が作れる物だとありがたいんですけど・・・」


「大丈夫 野菜たっぷりの焼きそばだから・・・ こま切れ豚を使ってね」


忍さんがそう言いながらこま切れ肉を袋から出した


「わかりました任せて下さい 俺が美味しい焼きそば作ります 忍さんはお仕事で疲れいるんですから ゆっくりしてて下さい」


「ありがとう拓巳君それじゃ~お願いします」


僕はそう言ってキッチンを出た





(さぁ~めちゃくちゃ美味しい焼きそばを作るぞ 忍さんの胃袋をつかむこれはチャンスだ 野菜たっぷりって言ってたなぁ~ 買って来た物と冷蔵庫の中見てもいいよね)




俺は勝手に冷蔵庫を開けて 使えそうな野菜と調味料を出した




(まず豚こまを炒めて下味付けてからの野菜だなぁ~ 麺はちょっとかた焼きそばみたく香ばしさを出すか それじゃ~まずはこの焼きそばの麺から初めますか)





僕はキッチンから離れクローゼットの前へ 僕はスーツを脱いでいた




(駅まで拓巳君を送りに行くから・・・)




僕は部屋着ではなくちゃんと洋服に着替えた




(でも何で拓巳君が来たんだろう 僕が拓巳君のラインを見ずに無視し過ぎたから怒って・・・ でも怒ってる様子はなかったよね じゃ~どうして・・・ 今日は平日明日だって大学があるよね 僕の事を心配して顔を見に来たとか・・・ 嫌だ僕どんだけうぬぼれてるの? でももしそうだったら嬉しいなぁ~ 僕は拓巳君を遠ざけようとしたのになぁ~)



そんな事を思っていたら 僕の方までいい香りがしてきていた




「忍さん出来ました」


俺はそう言って盛り付けを終えていた


「ありがとう拓巳君」


拓巳君は両手に焼きそばを持っていた


「凄くいい香りだね」


「ありがとうございます 調味料と冷蔵庫開けてお皿適当に出しちゃいました」


「そんなのいいよ気にしないで・・・」




(ヤッター忍さんの笑顔が見れた)




(凄くいい香り 見た目も想像してたのと違う)




僕はそう思いながらお箸と麦茶を用意した


「あっ忍さんありがとうございます」


俺は箸と麦茶を忍さんから受け取った


「いただきます」


「いただきます あっ忍さん良く混ぜて食べてみて下さい」


僕は下からお箸ですくってみた


「あっ」


「とろみがない五目焼きそば風です」


「えっ凄いね」


「ちょっとアレンジしました」




(えっちょっとなの? 拓巳君って本当に料理上手だ)




「忍さんどうですか?」


「凄く美味しい 僕は普通にしか作れないよ 野菜もシャキシャキで安い豚こまじゃ~ないみたい・・・」




(良し・・・ スゲー嬉しい 俺忍さんの胃袋つかめたのかなぁ~ だとしたらいやまだだ まだ足りない忍さんは甘い物が好きなんだ デザート的な何か忍さんが驚く様なスイーツが作れれば・・・)





俺は忍さんを見ながら食べ進め 麦茶を飲んでいた




(何度見ても忍さんの口って小さい・・・ 口だけじゃなく身体全体 初めて会った時本当に女の人だと思ったぐらいだからなぁ~)




「拓巳君美味しかったよ ありがとう・・・」


そう言って忍さんは麦茶を飲んだ


「忍さんお仕事忙しかったですか?」


俺がそう言うと忍さんの顔がくもった


「ごめんね拓巳君」


忍さんは俺に苦笑いを見せていた




(待って今の忍さんの顔は何? 俺は聞いちゃいけなかった事聞いたのか?)




「忍さんお仕事の事はわかりませんが 俺聞く事ぐらいは出来ますよ 話をすれば楽になる事もありますし・・・」


「ありがとう拓巳君」




(どうしよう拓巳君は僕の仕事が忙しくて 大変な状況になってると思ってる 確かに僕が言った事なんだけど それにしても僕の事を少しも疑わないの? だって何日もラインを無視してたのに 拓巳君はこうして僕に会いに来てくれた もうダメだこんなにいい子は僕の傍に居るべきじゃ~ない)




僕は座ったまま大きく息を吸い込み それを静かに吐き出した




(良し)




「拓巳君」


「はい」


「仕事が忙しいのは本当だけど 仕事が忙しくても拓巳君のラインを見る事は出来るんだよ」


俺は忍さんが何を言ってるのかわからなかった


「拓巳君僕はもう拓巳君とは会わない様にと だから拓巳君からのラインも開かなかったんだよ」


「何でですか? 俺忍さんに嫌われる様な事しましたか? だとしたらこれから直しますしあやまります」


「違うよ拓巳君 拓巳君は何も悪くない 今日だってこうして会いに来てくれた 僕がもう拓巳君と会ってはダメだと思ったんだ だって拓巳君は若くてこれからの人なんだよ 僕と一緒に居たら拓巳君の世界が狭くなる 僕がうっとうしくて邪魔になる日がきっとこれから来る それなら今・・・ 今ならまだお互いに忘れられると思うから・・・」


「何で忍さんが全部決めちゃうんですか? 俺の気持ちは無視ですか?」


「だって拓巳君これからたくさんの人達に出会うんだよ 僕が拓巳君の傍に居たら・・・」


「俺はこれからも忍さんの傍に居たいです」


「拓巳君は何もわかってない 一緒に居るって事が・・・」


「俺忍さんが好きです何度でも言えますよ 忍さんの笑った顔が好き ほっぺたをふくらませた顔が好き 忍さんの立ち姿が好き 忍さんのスーツ姿が好き 他にももっと・・・」


僕は拓巳君の言葉に涙があふれ下を向いた





(もうダメだ いたたまれない)




僕はスマホを握りしめ玄関へと走って家を飛び出した




(えっ)




俺は何が起こったのか 忍さんが立ち上がったと思ったら


もう忍さんが玄関へと走り 俺の前から居なくなっていた




(えっ何でどうして忍さんが・・・ どうしよう忍さんが出て行ってしまった でも俺が忍さんを追いかけてこの家を出たら 自動ロックされて俺はこの家に帰って来られなくなってしまう 忍さんが見つかればいいけど この辺の土地勘が俺にはまるでない・・・)




俺は冷静に考え壁掛け時計を見た




(どうしよう とりあえず翔に連絡を取ろう それからでも遅くない 俺がここに居れば絶対に忍さんが帰って来る)




俺は翔に電話をかけた


「翔 今大丈夫?」


「拓巳大丈夫だ 常連客だし離れているから構わない どうした?忍と話せたのか?」


「うん それが今忍さんの家に居るんだけど 忍さんが急に出て行ってしまって・・・ 翔俺どうしよう・・・」


「拓巳は今忍の家に居るんだな」


「うん」


「なら拓巳はそこに居ろ 忍が帰って来るかもしれないからなぁ~」


「うんわかった」


俺はひとまず翔の言葉に安心していた




(良かった・・・ すぐに忍さんを追いかけなくて 忍さんが心配だけどそうだよね 忍さんがすぐにでもここへ帰って来るかもしれない)




俺はそう思いながら翔との電話を続けていた



(つづく)

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