悠と榎本

暁エネル

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無防備

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アイツらと別れ 俺は悠を背負って 悠の家に向かっていた


プールで体が冷えているセイなのか 悠をおんぶしているのに 汗が出なかった




(今のうちに悠の家の鍵 出しておくかぁ~ 確か・・・ 朝 悠はここに・・・)




俺は 悠のカバンの前にある 小さなファスナーを開けた




(あっあった・・・ 朝 悠の事見てて良かった キーホルダー付いてる)





俺は悠のマンションを見上げていた





(悠の母ちゃん 居ねぇ~といいなぁ~)





俺は そんな事を思いながら エレベーターに乗り込んだ


エレベーターは5階へ


悠の家の前に立った


「ふぅ~ 悠 着いたぞ」


俺は 息を吐いてチャイムを鳴らした




(応答がない・・・ 悠の母ちゃん 居ねぇ~みたいだなぁ~)




俺は鍵をさし ゆっくりと回し 玄関のドアを開けた


すると 温められた空気が 一気に押しおせてきた





(こりゃ~大変だ・・・ 急がねぇ~と)





俺は 悠の部屋へ


ゆっくりと悠をベッドにおろし 悠の頭を支えながら 滑らす様にベットへ悠を寝かせ


急いで部屋の窓を全開にした




悠の部屋を出て 奥へと進みカーテンを開け 窓を開けた





(あとは 玄関だな)





俺は玄関を開け 隅に置かれたつっかえ棒をし 玄関のドアにチェーンをかけた


すると 俺の背中を風が通り抜けた




(これで いいよなぁ~)





俺は 悠の部屋へ


扇風機を 悠に当たる様に回し 悠のサンダルを玄関へ


俺は ベットに腕を乗せ 悠の顔にかかっている 髪の毛をはらい 


悠の顔をスーとなで 悠が目を覚まさない様に 小さな声で話た


「悠・・・ 今日は本当によく頑張ったなぁ~・・・ みんなが悠の事を 応援してくれてたなぁ~」


俺は 悠の真剣な顔を思い出していた





(悠のあんな顔 今まで見た事がなかった・・・ 何か悔しいなぁ~ 俺も悠に見せてえ~なぁ~ そしたら 悠はもっと俺の事 好きになってくれるんじゃ~ なんか 俺ばっか悠の事・・・ 悠も俺の事 こんな風に 思ってくれてたりすんのかなぁ~ 俺 何でこんなに 悠の事が好きなんだろう・・・)






悠のお腹が 小さく上下する





(悠の寝息 ホント静かなんだよなぁ~・・・ 今日は 知らないヤツも居て 緊張もしてたんだろうし・・・ 苦手だったのに スゲーよなぁ~悠は・・・ 俺 悠とつり合う男になれんのかなぁ~? 悠とずっと一緒に居られたら・・・)





俺は 悠の手を重ねた


「悠・・・」



その時チャイムが鳴った


俺はびっくりして 重ねていた悠の手を 素早く離した


「悠 開けて~」





(悠の母ちゃんだ)




俺は慌てて玄関へ


「お帰りなさい 今 開けます」


「榎本君?」


俺は つっかえ棒をはずし 一度 玄関を閉めチェーンをはずし 玄関を開けた


「お帰りなさい お邪魔しています」


悠の母ちゃんは 不思議そうに俺を見た


「ただいま 悠は?」


「おばさん・・・ 悠 プールで疲れて寝てるんだ」


俺がそう言うと


おばさんは 買い物袋を持ったまま 慌てた様子で悠の部屋へ


俺は おばさんの後ろから 今日の出来事を話た


「おばさん・・・ 今日 悠 凄く頑張って・・・ 25メートルプールを泳ぎきって 俺も サッカー部のみんなも スゲー喜んで・・・ ホント 今日悠はスゲー頑張って・・・」


「そう・・・ 悠は頑張ったのねぇ~」


悠の母ちゃんは 悠の足にタオルケットをかけた


「榎本君が悠を 運んでくれたのね・・・ ありがとう 重かったでしょう」


悠の母ちゃんは 俺を見てそう言った


「いいえぜんぜん・・・ あっこれ悠の荷物 俺が入れたから 中ぐちゃぐちゃだけど・・・」


俺は 悠の荷物を渡した


「俺・・・ 帰ります お邪魔しました」


俺は 自分の荷物をつかみ取り 玄関へと急いだ


悠の母ちゃんは 俺を追いかけて玄関へ


「あっ榎本君 ありがとうねぇ~ 気を付けて帰ってねぇ~」


「はい お邪魔しました失礼します」


俺はそう言って 玄関を閉めた





(やっぱ俺・・・ 悠の母ちゃん苦手だ~ 何もかも お見通しだって言われているみたいで 後ろめたい・・・ 優しい人なのはわかる 悠の母ちゃんだからなぁ~ でも 怖い・・・ 俺のこの気持ちを知ったら・・・)







俺は 暑い日差しの中を 走って家まで帰った


俺は鍵を開け奥へ 母ちゃんはもう 仕事から帰って来ていた


「母ちゃんただいま・・・ 今日は早いじゃん」


「あぁ~正臣 お帰り」


母ちゃんは ソファーに座りスマホを見ていた


「悠君 プールに行って疲れちゃったの?」


「あぁ~悠の母ちゃんかぁ~」


母ちゃんは スマホから視線をはずし 俺を見た


「悠君ママ 正臣の事心配してるのよ・・・ 疲れているのに悠君 運んでくれたって・・・」


「いや~ぜんぜん 悠 軽いし 何ならこれから 部活に行ってもいいよ」


「じゃ~悠君ママに そう返事しとく」


母ちゃんは スマホを振った


「それより母ちゃん 今日 悠スゲー頑張ったんだ」


母ちゃんが手を止めた


「もともと悠君は 泳げたんじゃ~ないの?」


「あぁ~ 息継ぎがうまく出来なかっただけなんだ・・・ あんな真剣な悠の顔 初めて見たよ」


「あら~ 惚れ直した?」


「そうだなぁ~ でもちょっと違うんだよなぁ~ 逆に守ってやりてぇ~って・・・ 何言わせるんだよ」


母ちゃんは 笑いながらこう言った


「あらごちそうさま でも正臣が言ったんでしょう 母ちゃんは 何も言ってないけど・・・」





(母ちゃんには かなわねぇ~ ここに居たら ボケツほるなぁ~)





俺は逃げる様に 母ちゃんに背を向けた


「俺 シャワー浴びて来る」


「洗濯物 ちゃんと出しときなさいよ~」


「わかってる」


俺は 自分の部屋へ行き 着替えを持った




(悠 大丈夫かなぁ~ 明日 部活が終わったら 電話してみるかなぁ~ 今日 そんなに話せなかったし・・・)



(つづく)


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