悠と榎本

暁エネル

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突然の話

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季節の移り変わりは進むもので 今年はいつ 寒くなるのだろうと思っていたのだけれど 


やっぱりちゃんと季節は変わり 朝と夜は少し寒さを感じる様になっていた





中間テストは 3教科を1日 次の日に2教科を 3時間目からは通常授業となり 給食もあり部活もあった



テスト1日目が終わり 次の日のテスト勉強は 榎本のお母さんの仕事がお休みだった為


僕は変な衝動に 追い込まれる事はなく


榎本の部屋へ おばさんが何度も来て 榎本とおばさんの会話がおもしろく 僕は何度も笑ってしまっていた





去年は 合唱コンクールがあり


今年は展示会と 毎年交互に行われる行事も 無事に終わった




今年も残すところ あと1ヶ月となり


期末テストも行われ また40位までの成績が張り出された





今日は 僕の三者面談の日


僕の番が2番目だった為 家には帰らず グランドでランニングをする サッカー部の榎本を僕は お母さんが来るまで見ていた


榎本は僕に手を振ってくれていた




「悠」


「あっ お母さん」


榎本を見ていて お母さんが来ている事に 気がつかなかった


「もしかして榎本君 あの中に居るの?」


「うん あの大きいのが榎本だよ」


僕は指をさした


「みんな頑張ってるわね~」


「うん そうだね」



僕とお母さんは教室へと向かった




階段を上ると お母さんは貼り出してある成績表を チラリと見ただけで 僕には何も言ってはこなかった




前の人が終わり


僕とお母さんは教室に入った


面談では 僕の成績と学校での僕の様子を 先生は話ていた


お母さんと榊先生は とても楽しそうに僕の話をしていた


僕はただ うなずいているだけで 面談は終わっていた




「前にも思ったけど榊先生って おもしろい先生ね」


廊下に出たお母さんはそう言った


「うん それにとても尊敬できる先生だよ」


「そうねぇ~ 話やすい先生よね」



階段を下りながら お母さんは成績表を見ていた




「榎本君は 明日なのよね面談」


「うん きっと何を話したか聞かれるよ・・・ 榎本は 運動会で凄く活躍したから 褒められるんじゃないかなぁ~」


「きっとそうね」


お母さんは嬉しそうに笑った




僕はグランドに足を止め目を向けると 榎本が大塚君とボールを蹴っていた


「ゆ~う」


榎本の大きな声が飛んできた


榎本は僕に 大きく手を振っていた


するとみんなも 僕に気づいて手を振ってくれた





(何か凄いんだけど・・・)





僕も小さく手を振った


「悠は お友達がたくさん居るのねぇ~」


僕の隣に来た お母さんはそう言った


「お母さん違うよ 榎本のおかげなんだよ」


僕は グランドをながめながらそう言った




校門を出るとお母さんのスマホが ブーブーと音をたてた


「悠 ちょっと待って」


お母さんはそう言って スマホを取り出した


「もしもし・・・ うん今終わったところ どうしたの・・・ あら それは楽しそうね お邪魔してもいいの うんちょっと待ってて」


お母さんはスマホを離し 僕の方へ顔を向けた


「悠 榎本君のお母さんからなんだけど 25日クリスマス 何か予定ある?」


「えっ何もないけど・・・ どうしたの?」


「クリスマスにね 榎本君の家で一緒にどうですかって・・・」




毎年クリスマスは 小さなケーキを買って お母さんと過ごしていた・・・ 





(今年は榎本と一緒にクリスマス・・・ どうしよう 聞いただけなのにドキドキしてきた)





お母さんはまた スマホを耳にあてた


「もしもし悠は大丈夫だって 何も予定はないみたい うんじゃ~ケーキ用意するわね あと何か煮物作って持って行く うんそれじゃ~またね」


お母さんは電話を切った


「悠 このままケーキ屋さんへ行ってくれる」


「あっうんいいよ・・・ お母さんそのクリスマスって・・・」


「榎本君の家に お邪魔することになったから まだクリスマスケーキ 予約できるかなぁ~」


お母さんは 嬉しそうにそう言った




僕とお母さんはケーキ屋さんへ


「やぁ~ いらっしゃい珍しいねぇ~ 今日は2人で・・・」




ケーキ屋さんのおじさんは 榎本の家の帰り道に いつも僕に手を降ってくれている


僕の小さな頃から ケーキを買うならここのケーキ屋さんと決まっていた




「こんにちは クリスマスケーキってまだ 予約できますか?」


「できますよ どれにしますか」


おじさんは ケーキのカタログを見せてくれた


「悠はケーキ どれがいいと思う?」


僕とお母さんは ケーキの写真を見ていた


「悠君はいつも大きなお兄ちゃんと ここを通るんだよなぁ~ この頃はそのお兄ちゃんも お辞儀をしてくれるんだよ」


「えっ榎本も・・・」


「あの大きなお兄ちゃんは 先輩じゃ~ないのかい」


「はい榎本は 同じクラスの人です」


おじさんは 驚いた様子だった


「え~そうだったの~ てっきり先輩なんだろうなぁ~思っていたよ・・・ それにしても大きいねぇ~」


「はい 学年でも1番大きいかもしれません」




「悠は ケーキどれがいいと思う?」


僕は再びお母さんとカタログを見た


「榎本は多分 いっぱい食べるよ」


「うんそうねぇ~ サイズは1番大きなサイズにするんだけど・・・ 榎本君 好き嫌いあるかしら・・・」


「榎本は好き嫌いないと思うよ」


「こっちのタルトも 美味しそうなんだけど・・・」


お母さんはカタログをめくっていた


「でもお母さん やっぱりショートケーキがいいんじゃない」


「そうねぇ~ 悠が決めてくれるのが1番いいわね」


お母さんは カタログをおじさんに見せて クリスマスケーキを予約した




「25日の夕方3時には出来ていますから・・・ はい こちらが予約の用紙の控え」


お母さんは用紙を受け取った


「何? あの大きなお兄ちゃんと クリスマスパーティーかい?」


「はい」


僕は元気良く返事をした


「それはちょっと オマケしないとなぁ~」


「えっあっ ありがとうございます」


僕はおじさんに頭を下げた


「楽しいクリスマスになる様に おじさんも祈っているよ」


「では よろしくお願いします」


お母さんはそう言って おじさんに頭を下げ


僕も慌てて頭を下げ ケーキ屋さんを出た




「悠 今度の土曜日 何か予定ある?」


「えっ別に何もないけど・・・」


「じゃ~土曜日 お母さんに付き合って」


「えっいいけど・・・ どこ行くの?」


「榎本君にいつもお世話になってるから・・・ お礼にクリスマスプレゼント」


「えっじゃ~僕も」





(榎本に何をプレゼントしよう・・・ あぁ~でもあんまりお金ないしなぁ~ でも何かプレゼントしたいなぁ~)






その日の夜 榎本から電話がかかってきた


「はいもしもし高橋です」


「悠 母ちゃんから聞いたよー クリスマスの事」


「うんもう クリスマスケーキ予約して来たよ」


「ホントマジで スゲーやったー」





(榎本が凄く喜んでいる 僕も嬉しい)






「榎本はケーキ何でも大丈夫だよねぇ~?」


「えっあぁ~大丈夫 スゲー楽しみ・・・ 悠 あのさぁ~」





(本当に悠とクリスマスを 一緒に過ごせるんだよなぁ~ マジで夢みてぇ~だ夢ついでに・・・)






「えっ何?榎本」


「24日クリスマスイブ 学校が終わったら 会えないかなぁ~」


「僕は予定ないよ」





(やったー聞いて良かった・・・)






「じゃ~24日 俺悠を迎えに行く」






(あれ~そのまま榎本の家へ 行くんじゃ~ないんだ)





「うん わかった」


「悠 約束」


「うん 待ってる」


「じゃ~明日 学校で・・・」


「うんおやすみ 榎本」


「おやすみ」


僕は電話を切り 自分の部屋へ行きベッドに座った





(何だか不思議だ・・・ 今日も榎本と学校で会っているのに もう榎本に会いたい・・・)




(つづく)


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