悠と榎本

暁エネル

文字の大きさ
59 / 148

クリスマス①

しおりを挟む
昨日は 榎本とクリスマスツリーを見たり 夜空を見上げたり 


榎本と知り合ってからの僕は いろいろな体験をしている





(榎本に早く会いたい・・・ )





こんな想いも 榎本に出会わなければ 僕には芽生えていなかった





学校がお休みの日の僕は 朝8時頃に起きる



僕が起きると お母さんがすでに台所で 榎本の家に持って行く 煮物の皮むきをしていた


「お母さん おはよう」


「悠おはよう すぐ朝ご飯食べる?」


「えっいいよ お母さんが終わってからで・・・」


「そう じゃ~皮むきだけ終わらせちゃうわね」





(お母さん朝から忙しそうだなぁ~ こんな時 僕が何か手伝えたら良かったのになぁ~)





僕は畳の部屋でテレビを付け お母さんが終わるのを待っていた





「悠 お待たせ」


お母さんの声で 僕はテレビを消した



「榎本君 今日は何時頃来るの?」


「お昼1時にって言ってたよ」


「そう~それじゃ~ そのまま榎本君の家に行く感じになるわね」


「うん多分」


「悠 悪いんだけど・・・ 榎本君と一緒にケーキ受け取って来てくれる お母さん煮物持って行くから」


「うんいいよ」


「ありがとう じゃ~あとで 受け取り書渡すわね」




僕は朝ご飯を食べ終え お風呂とトイレ掃除に取り掛かった


僕が掃除を終えると 煮物のいい香りが 僕の所まで届いていた







(昨日あんなに遅くなるとは思わなかった 時間とか見てなかったからなぁ~ もっと悠と一緒に居たかったなぁ~ いい雰囲気だったし やっぱキスしたかったなぁ~ 母ちゃんに怒られるの当然だった・・・ こんなに遅い時間まで連れまわしてって・・・ 悠 おばさんに怒られなかったかなぁ~)





俺は深呼吸をして 悠の家のチャイムを鳴らした


すると ドアがゆっくりと開いた


「榎本君」


「こんにちは」





(スゲーいいニオイ 煮物のニオイか~これ)





「今日はよろしくね榎本君 あとでお邪魔するわね」


「あっはい」




僕が部屋のドアを開けると お母さんは嬉しそうに笑っていた


「榎本 ちょっと待ってて」


僕はコートを着て ショルダーバッグを肩にかけた





(う~何か気まずい・・・ 俺 あやまった方がいいよなぁ~)





「あの~すいませんでした」


俺は悠の母ちゃんに頭を下げた


「どうしたの? 榎本君」


「昨日は遅くなってしまって・・・ すいませんでした」


俺が頭を上げると 悠の母ちゃんは ちょっと吹き出し笑っていた


「ごめんなさいね 笑ったりして・・・」




僕が部屋のドアを開けると お母さんは笑っていて 榎本は困った様な顔をしていた


「あっ悠 ちょっと待って受け取り書」


「あっそうか」





(榎本の様子が変だ・・・ お母さんと何の話をしてたんだろう・・・)





お母さんが戻って来た


「悠これね」


「うん」


お母さんが小さな声で僕に言った


「榎本君のプレゼント持ったの?」


僕はショルダーバッグを軽く叩くと お母さんはうなずいた




「お母さんそれじゃ~あとでね」


「いってらっしゃい」


「お邪魔しました」


榎本はそう言って頭を下げた


僕は玄関のドアを閉めた




「ねぇ~榎本 さっきお母さんと何話ていたの?」


榎本は振り返り僕を見た


「いや~昨日遅くなっちゃったから・・・ 悠が 怒られたんじゃねぇ~かと思って・・・」





(それでお母さん笑ってたのか~)





「榎本 心配してくれたの?」


「だってさぁ~ うちの母ちゃんこんな時間までって・・・ 実際遅くなったし・・・」





(俺が悠を連れ回したのは事実だし・・・)





僕は嬉しくなって ちょっと笑ってしまった


「お母さん 榎本と一緒に出掛けたの知ってるし・・・ お母さんは怒らないよ」


「そうだよなぁ~」


榎本はそう言って笑った




「ところで榎本 今日はどこへ行くの?」


「あぁ~そっか・・・ 悠ちょっと遠いんだけど・・・ 歩いて河川敷まで行ってみないか?」


「えっ 河川敷?」





(ひと駅くらいは軽くある・・・ 何があるんだろう・・・)





「榎本 河川敷に何があるの?」





(あっちの方は あまり行った事ないなぁ~)





榎本は嬉しそうに話てくれた


「サッカークラブ・・・ 俺が行ってた サッカークラブがあるんだ」


「えっ行きたい・・・ 行ってもいいの?」


「あぁ~ 今日はさすがに誰も居ないだろうけどなぁ~」


「榎本や大塚君 中村君に小島君が一緒に練習してた サッカークラブだよねぇ~」


「あぁ~」


榎本が嬉しそうに笑っていた


「実はさぁ~運動会の次の日も俺・・・ まだ運動会の興奮がさめなくて ランニングがてら河川敷まで行ってみたんだ そしたら元気に走り回っているヤツら見てたら 監督が俺に入れって言ってくれて・・・ 俺の事を知っているヤツもまだ居たから スゲー楽しかった・・・ そしたらさぁ~考えている事は一緒でさぁ~ 隆もやって来て 結局 次の日も隆と一緒に サッカークラブに行く事になって・・・ 隆のヤツ小学生が相手でも まったく手加減しねぇ~し 監督もいい刺激になったって言ってて 付き添いで来ていたお母さん達にも拍手されちゃって・・・ 何かスゲー照れくさかったけど こんな俺でも役に立ったのかなぁ~って・・・」


榎本は嬉しそうに そう言って笑っていた




どこをどう歩いたのかは 覚えていないけれど 榎本と話ながら何とか 河川敷まで来る事が出来た





(こんなに遠くまで 榎本はランニングするのか・・・ でも榎本の足だと あっという間なんだろうなぁ~)





「悠疲れた? この階段をのぼれば見えるよ」


榎本にそう言われて 僕は重たくなった足を持ち上げた


「悠 あそこ」


僕が顔を上げると 河川敷に金網のフェンスに囲まれた サッカーのゴールが見えた


「ねぇ~榎本 近くで見てもいい?」


「あぁ~ 行こう」


僕と榎本は金網へと近づいた




「榎本はここで たくさんの友達とたくさんの経験をしたんだね」


「あぁ~そうだなぁ~」




僕は金網に手を触れながら歩いた


「ねぇ~この辺だよねぇ~ 榎本と大塚君が写真を撮ったところ」


「写真?」





(隆と写真なんか撮ったっけ?)





「ほら あのボールを真ん中に 榎本と大塚君のアルバムのかわいい写真」





(あのかわいい榎本と大塚君の写真を 思い出しただけでニヤけてしまう)





(あぁ~あれかぁ~ 悠がアルバム見てスゲー言ってた・・・ それよりも今の悠の顔の方が・・・ 昨日 出来なかった分 今日はゼッテー悠にキスすんぞ・・・ 昨日もそうだけど 悠はどれだけ俺を 我慢させれば気が済むんだよ・・・)





俺は悠の嬉しそうな顔に誓った




「悠 そろそろ行こうか」


「うん そうだね」


僕と榎本は 河川敷にあるサッカークラブを後にした





僕と榎本は ケーキ屋さんでケーキを受け取り 榎本の家へと向かった


「おじさん 居なかったね」


「そうだな・・・ 思ったんだけどケーキデカくねぇ~」


「うんだって・・・ 榎本いっぱい食べるでしょう」


「まぁ~食べるんだけど・・・ 俺 こんな大きなケーキ初めてだよ」


「僕も・・・ 友達の家でクリスマスするのも初めて 凄く楽しみ」





(また悠はそんな顔する・・・ 俺がケーキ持ってなかったら 昨日から悠の笑顔に 何度も俺の手が悠に伸びそうになったか・・・ 悠にはわかんねぇ~だろうなぁ~ 悠に言ったらどんな顔するんだろう)






「榎本?」


「えっ何?」


「もう榎本のマンションだよ」


「あぁ~ワリー すぐ開ける」


榎本が自動ドアを開けてくれた





榎本が玄関を開けると お母さん達の笑い声が聞こえてきた


「ただいま~」


「お邪魔します」


榎本は自分の部屋のドアを開けた


「悠 俺の部屋にコートとカバン」


「あっうん ありがとう」


僕と榎本は 上着とマフラー ショルダーバッグを置いて手を洗った




「悠・・・ 母ちゃん 朝から張り切ってたから 料理期待できるぞ」


「うちのお母さんの煮物も 凄く美味しいよ」


「あぁ~悠の家 いいニオイしてたもんなぁ~」


僕と榎本は奥へと進んだ




「おかえり 手洗って来たの?」


「うわ~うまそう~ はいケーキ」


「凄く大きなケーキねぇ~」


榎本はおばさんにケーキを渡していた


テーブルには 凄いごちそうが並んでいた




「悠君 ママの隣に座って」


「はい」

僕はお母さんの隣へ


「母ちゃん 俺は?」


「正臣は 勉強机から自分の椅子持ってらっしゃいよ」


「あぁ~そっか 持って来る」




榎本の家は3人暮らしで 椅子が1つ足りない




「榎本君 悪いわね」


お母さんが立ち上がり榎本に言った


「いいえ 大丈夫っす」


榎本はそう言って自分の部屋へ ガラガラと椅子を転がして来た


「さぁ~始めましょうか・・・」


そう言っておばさんが コップを持って中央へ


お母さんも僕も榎本も コップを中央へ


「メリークリスマス」


「メリークリスマス」


4つのコップが合わさり みんなの笑顔がそこにあった



(つづく)


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

【完結】抱っこからはじまる恋

  *  ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。 ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【本編完結】才色兼備の幼馴染♂に振り回されるくらいなら、いっそ赤い糸で縛って欲しい。

ホマレ
BL
才色兼備で『氷の王子』と呼ばれる幼なじみ、藍と俺は気づけばいつも一緒にいた。 その関係が当たり前すぎて、壊れるなんて思ってなかった——藍が「彼女作ってもいい?」なんて言い出すまでは。 胸の奥がざわつき、藍が他の誰かに取られる想像だけで苦しくなる。 それでも「友達」のままでいられるならと思っていたのに、藍の言葉に行動に振り回されていく。 運命の赤い糸が見えていれば、この関係を紐解けるのに。

【完結】口遊むのはいつもブルージー 〜双子の兄に惚れている後輩から、弟の俺が迫られています〜

星寝むぎ
BL
お気に入りやハートを押してくださって本当にありがとうございます! 心から嬉しいです( ; ; ) ――ただ幸せを願うことが美しい愛なら、これはみっともない恋だ―― “隠しごとありの年下イケメン攻め×双子の兄に劣等感を持つ年上受け” 音楽が好きで、SNSにひっそりと歌ってみた動画を投稿している桃輔。ある日、新入生から唐突な告白を受ける。学校説明会の時に一目惚れされたらしいが、出席した覚えはない。なるほど双子の兄のことか。人違いだと一蹴したが、その新入生・瀬名はめげずに毎日桃輔の元へやってくる。 イタズラ心で兄のことを隠した桃輔は、次第に瀬名と過ごす時間が楽しくなっていく――

僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ
BL
雪のなか3歳の僕を、ひろってくれたのは、やさしい16歳の男の子でした。 ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります! ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~

めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆ ―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。― モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。 だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。 そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

【完結】この契約に愛なんてないはずだった

なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。 そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。 数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。 身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。 生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。 これはただの契約のはずだった。 愛なんて、最初からあるわけがなかった。 けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。 ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。 これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。

処理中です...