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運動会③
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1500メートル走が終わり 係の生徒の支持で僕達は退場門へと向かった
「以上をもちまして午前の部を終了致します 午後の部は1時15分から始めさせていただきます 係の生徒は1時に本部に集合してください 生徒のみなさんは教室へ移動してください」
榊先生と村上先生も 僕達の後ろから退場門へと向かった
「今年も榎本にやられたよ~ 榊と楽しそうに走ってたのにいきなり アクセル全開とかそれはねぇ~だろう~」
「そもそも村上が 正臣と張り合おうとか無理なんだよ・・・」
僕達は退場門で先生の話を聞いていた
「相変わらず先生達 仲いいっすよね」
「やめてくれよ~正臣 村上とは腐れ縁だ」
「何言ってんだよ榊 それはこっちのセリフだろう・・・」
先生の言い合いに藤原君と吉田さんは楽しそうに笑っていた
「じゃ~な委員長と副ちゃん悠も楽しかったよありがとう 午後の部も参加するんだろう?」
榊先生の言葉に藤原君と吉田さんは揃って笑顔で返事をした
「はい」
「そっか」
榊先生と村上先生はそう言って本部に戻って行った
榎本は藤原君と吉田さんに視線を向けた
「委員長と副ちゃんは 昼どうするの?」
「私達は帰ってお昼ご飯する 食べたらまた来るよねぇ~慎也」
吉田さんは藤原君に視線を向けると藤原君はうなずいた
「高橋君はお昼ご飯どうするの」
「僕おにぎり持って来たよ」
「悠は俺と教室行くんだ」
榎本はそう言いながら腕を回し僕を引き寄せた
「そっか」
「じゃ~また後でね」
藤原君と吉田さんは僕と榎本に手を振って帰って行った
(吉田さん僕が榎本に引き寄せられた時 一瞬だったけど凄い顔してた 僕も榎本に引き寄せられてびっくりしたけど・・・)
「悠どうした?疲れたか?」
榎本は僕の顔を覗き込んだ
僕は榎本に首を振った
(言わなくちゃ)
「榎本ごめんね僕のセイで・・・」
(えっ何で悠が謝るの それに僕のセイって何が?)
「えっ何の話わかんねぇ~んだけど・・・」
僕はちゃんと榎本に謝ろうと思って顔を上げた
「僕が走るの遅かったから・・・」
(何だよ悠はそんな事で・・・ それでさっき変な顔してたのか・・・)
「なんも悠は悪くない それに3位までは得点が付く 誰も悠のセイだとは思ってねぇ~し 俺は一生懸命走ったそれはみんなが見てた 俺は悠と走れてスゲー満足だ」
(榎本の笑顔や言葉に涙が出そうだ)
「それよりも早く行こう 俺腹減った」
生徒が教室へと移動していた
「正臣おせ~ぞ」
僕と榎本が歩いてると 大塚君の大きな声が聞こえた
「ヤベ~忘れてた 悠急げ」
榎本は急に走り出していきなり止まった
「悠ちょっと待った」
僕は榎本に止められた
榎本は振り返り僕の肩に手を乗せ 僕に視線を合わせた
「悠 隆にあまり近づくな うるせぇ~事になるからなるべく膝曲げてろ まぁ~母ちゃん達が居るから大丈夫だとは思うけど一応な」
(あっそうか~ 大塚君と3年生になってからまともに会ってない・・・)
僕は榎本にうなずいた
「やっと来た早く早く」
榎本のお母さんが手招きをしていた
サッカー部の人達が お母さん達の前に集まってスマホを向けていた
そこへ僕と榎本が加わった
「正臣おせ~よ 探しに行くところだっただろう」
「ワリー」
お母さん達に写真を撮られながら 榎本はみんなに謝っていた
大塚君と僕は離れていたし 僕は榎本の前に中腰になっていた
写真を撮り終えるとみんながバラバラになった
「母ちゃん 悠と写真撮って」
榎本は僕の肩に腕を回しておばさんの前へ
そこへお母さんがおばさんの隣へ
「榎本君 私も次お願いしてもいいかしら」
お母さんが榎本と僕にスマホを向けていた
「ありがとう榎本君」
写真を撮り終え僕はお母さんから おにぎりを受け取り榎本と教室へと向かった
「悠の母ちゃん やっぱキレイだよなぁ~」
(悠にスゲー似てる・・・)
「お母さん運動会見るの始めだし サッカー部のお母さん達とどこかへ食べに行くのも 凄く楽しみにしてたよ」
「そっか うちの母ちゃん連中はめっちゃうるせぇ~けどなぁ~」
榎本は嬉しそうに笑った
榎本の教室に着くと 机の上にお弁当を広げたり 教室の後ろで座って食べてる人達も居て みんなの視線が僕に向けられた
(どうしよう みんなが見てる・・・)
「あっ榎本 高橋君」
須藤さんが食べかけのお弁当を持って 僕と榎本の所へと来てくれた
「久しぶりだね高橋君」
「うん久しぶり」
「あれ~なんか高橋君背伸びた?」
「須藤あっちに居なくていいのかよ~」
榎本が須藤さんが来た方へ視線を向けた
「あぁ~いいのいいのところでさぁ~ 私 高橋君が1500メートル走に出るとは思わなかったよ~」
(須藤うるせぇ~よ せっかく悠とゆっくり話せると思ったのに)
「うん 委員長と副ちゃんと一緒だったから」
僕はそう言いながら榎本と座り 須藤さんもお昼ご飯を置いた
「そっか でもみんなびっくりしてたよ特進クラスが走るって・・・ 榎本が榊先生と走ってた時なんてみんな爆笑してたし 私は高橋君が走っててめっちゃ応援したよ」
「ありがとう須藤さん」
(悠が嬉しそうだけど・・・ ぜんぜん悠と話できねぇ~じゃん)
「高橋君は午後も出るのって言うか 高橋君お昼ご飯それだけ?」
「あっうん 午後の競技は綱引きぐらいしか出られないから」
「そっか でもそれにしても少なくない?」
須藤さんが榎本に視線を向けた
「須藤 もう食べ終わってんなら向こう行けよ~」
「え~いいじゃん 高橋君と話するの久しぶりなんだから」
僕は榎本と須藤さんを見ながらおにぎりを口に運んだ
教室に居る生徒はお弁当を食べ終わり みんなはグランドへ
「悠 母ちゃんの唐揚げ」
そう言って榎本は僕に口を開けろと お箸で唐揚げを僕の口元へ
僕は口を開け唐揚げを食べた
(おばさんの唐揚げはやっぱり美味しい)
「榎本ありがとう」
「玉子焼きもいる?」
僕は榎本に首を振った
(須藤さんが居るのに 榎本は自然とこういう事が出来る 僕が逆の立場だったら絶対に出来ない)
「午後の部開始時間5分前です 生徒のみなさんはグランドへ集合して下さい」
放送が流れ 須藤さんが友達と一緒にグランドへ
僕と榎本もお弁当を片付け グランドへと急いだ
(結局俺 須藤に邪魔されて悠とぜんぜん話してねぇ~)
僕はグランドへ下り お母さんを探していた
「悠 母ちゃん達目立つから・・・ この様子だとまだ戻って来てねぇ~なぁ~」
榎本も僕と同じ様に キョロキョロとグランドを見渡してくれていた
「うんそうみたいだね」
そこへ榊先生が通りかかった
「榊先生1人っすか・・・」
「おう悠と正臣・・・」
先生は立ち止まってくれた
「あれ榊先生村上先生は?」
「アイツは仕事あるんだ 正臣 俺そんなにアイツと一緒に居るかぁ~?」
僕と榎本はうなずいた
「参ったなぁ~」
榊先生は頭をかいていた
「村上とは大学からの付き合いだからなぁ~ アイツとは長いんだけど うるせぇ~よなぁ~アイツ昔からそうなんだ まぁ~そのおかげで助けられてる部分もあるんだけどなぁ~」
榊先生は少し照れた様子だった
「悠と正臣もいいコンビだと先生は思う気が合うんだろうなぁ~ そういう友達は大事にしろ宝だからな」
「はい」
僕は榊先生に元気良く返事をした
(先生に言われなくても 俺はいつでも悠を大事に思ってるし宝だ だから誰にも譲る気はねぇ~)
「あっ悠 母ちゃん達来たみたいだぞ」
榎本が言った通り 榎本のお母さんと大塚君のお母さんを先頭に僕達の前へ
「榊先生いつも正臣がお世話になっております」
おばさんは頭を下げた
「あぁ~いいえ・・・」
榊先生はお母さん達に囲まれて気まずそうにしていた
「あっ先生 用事思い出したから行くな」
先生はお母さん達に頭を下げた行ってしまった
僕はお母さんに荷物を渡した
榎本が誰かに手を振っている
(誰だろう?)
「お~い」
藤原君と吉田さんが僕達の所へ
(藤原君と吉田さんだったのかぁ~)
「榎本と高橋君に会えて良かったよ」
「あら~美男美女ねぇ~」
藤原君と吉田さんはお母さん達の言葉にびっくりしていた
「委員長副ちゃん 俺の母ちゃんと悠の母ちゃんとサッカー部の母ちゃん達だ」
藤原君と吉田さんはお母さん達に頭を下げた
「まぁ~ホント美男美女だ」
「さっき悠君と走ってたわよね」
お母さん達に取り囲まれていた
「委員長と副ちゃんも綱引き出るんだろう・・・」
榎本の言葉に副ちゃんが
「私も出てもいいのかなぁ~ 3年生だけど男子じゃ~ないしどうなのかなぁ~」
榎本のお母さんが声をあげた
「こんなかわいいお嬢さんを 男の子と一緒に綱引きしてケガでもしたら大変よ~ 母ちゃん達と一緒に綱引きやりましょう」
吉田さんは榎本のお母さんの言葉に驚いていた
「うんその方がいいね ひとみ そうさせてもらいなよ」
藤原君は吉田さんの顔を見てそう言った
「じゃ~決まりね ひとみちゃんは母ちゃん達に任せて 正臣は悠君とイケメンの彼を ケガさせない様にちゃんと見てなさいよ」
「母ちゃんそれは任せろ」
その時放送が流れた
「午後の部最初の競技は 3年生男子と保護者と先生方による綱引きです 3年生男子は入場門へ保護者と先生方は退場門へお願いします」
「じゃ~ね正臣」
「あぁ~」
お母さん達は吉田さんと一緒に退場門へ
僕は振り返り お母さん達を見た
(僕の見間違いじゃなければ・・・ 僕のお母さんと吉田さんが並んでいた様な・・・)
「悠行こう」
「うん」
僕と藤原君は榎本のクラスへ入れてもらう事になった
「悠緊張してる?」
榎本がそう言って僕の顔を覗き込んだ
僕は榎本に首を振った
(優しいこの榎本の顔をずっと見ていたいなぁ~)
(悠の隣に上手く来れて良かった~)
放送が流れ僕達は入場した
(1500メートル走の時は凄くドキドキしたのに 榎本が隣に居るからなのかなぁ~今は落ち着いている)
「榎本」
「ううん」
「綱引きの練習とかしたの?」
「いいや~ぶっつけ本番だよ だから並ぶ順番とかも適当だし 得点関係ねぇ~からなぁ~」
縄を挟んで榎本と並んだ
(なんだろう急にドキドキしてきた 榎本が隣に居るから?こんなに近くに榎本が・・・)
「悠 俺の間に手を入れて」
(えっどういう事?)
榎本と一緒に縄を持つと 榎本の腕が僕の腕と交差した
音が鳴り綱引きが始まった
僕の肩と榎本の肩がぶつかり 僕と榎本は互いに目を合わせてしまった
(榎本が近すぎる)
(ヤベ~悠がかわいい)
ゆっくりと後ろへと下がりパンパンと音が鳴り 僕と榎本は離れた
「悠 大丈夫?」
僕はうなずいた
(榎本に気を取れてて ぜんぜん綱引きに集中出来なかった まだドキドキしてる)
「今度は悠が俺の前」
「うん」
僕は少し榎本の前に出た
(どうしよう・・・ 榎本と触れたところが熱い)
始まりの音が鳴り僕は縄を持ち パンという音で綱を引っ張った
(何で?なんかさみしい・・・ 僕1人みたいだ 榎本は僕のすぐ後ろに居るのに・・・)
さっきとは違って引っ張っても どんどん引きずられていった
(なんだよこれ 悠が俺のすぐ前に居るのに凄く遠く感じる)
パンパンと音が鳴り
僕は自分の手を見ていた
「悠どうした?」
榎本が僕の顔を覗き込んだ
「あっ榎本」
「向こう多分人増やしたなぁ~」
「うん 凄く引っ張られたよね 僕手が赤くなっちゃった」
僕は榎本に手のひらを見せた
「悠 やっぱ俺悠が隣がいい」
「うん僕も・・・」
音が鳴り3回戦が始まった
僕と榎本はまたさっきの様に 腕を交差させ綱を引き始めた
するとどこからか 大塚君の大きな声が聞こえた
「せ~の」
大塚君の大きな声に合わせて みんなも声を出した
僕と榎本は顔を見合わせ笑った
ゆっくりと縄が後ろへ
パンパンと音が鳴り 綱引きは3年生の勝利で終わった
「凄かったね 大塚君どの辺に居たんだろ?」
「隆の声かなり後ろの方からだろう・・・」
「僕感動しちゃったよ みんなの声も凄かった」
「あぁ~そうだな」
(出来れば俺が悠を感動させたかったけどなぁ~)
保護者と先生方が退場門へ
保護者は記念品を受け取る為並んでいた
僕達3年生はゆっくりと退場門へ
「じゃ~俺一旦席戻るよ 悠は最後まで居るんだろう?」
「うん多分 お母さんに聞いてみるよ」
「じゃ~俺競技が終わったら 悠の所へ行くから待ってて」
「うん わかった」
僕はさっきお母さん達が居た所へと急いでいた
(つづく)
「以上をもちまして午前の部を終了致します 午後の部は1時15分から始めさせていただきます 係の生徒は1時に本部に集合してください 生徒のみなさんは教室へ移動してください」
榊先生と村上先生も 僕達の後ろから退場門へと向かった
「今年も榎本にやられたよ~ 榊と楽しそうに走ってたのにいきなり アクセル全開とかそれはねぇ~だろう~」
「そもそも村上が 正臣と張り合おうとか無理なんだよ・・・」
僕達は退場門で先生の話を聞いていた
「相変わらず先生達 仲いいっすよね」
「やめてくれよ~正臣 村上とは腐れ縁だ」
「何言ってんだよ榊 それはこっちのセリフだろう・・・」
先生の言い合いに藤原君と吉田さんは楽しそうに笑っていた
「じゃ~な委員長と副ちゃん悠も楽しかったよありがとう 午後の部も参加するんだろう?」
榊先生の言葉に藤原君と吉田さんは揃って笑顔で返事をした
「はい」
「そっか」
榊先生と村上先生はそう言って本部に戻って行った
榎本は藤原君と吉田さんに視線を向けた
「委員長と副ちゃんは 昼どうするの?」
「私達は帰ってお昼ご飯する 食べたらまた来るよねぇ~慎也」
吉田さんは藤原君に視線を向けると藤原君はうなずいた
「高橋君はお昼ご飯どうするの」
「僕おにぎり持って来たよ」
「悠は俺と教室行くんだ」
榎本はそう言いながら腕を回し僕を引き寄せた
「そっか」
「じゃ~また後でね」
藤原君と吉田さんは僕と榎本に手を振って帰って行った
(吉田さん僕が榎本に引き寄せられた時 一瞬だったけど凄い顔してた 僕も榎本に引き寄せられてびっくりしたけど・・・)
「悠どうした?疲れたか?」
榎本は僕の顔を覗き込んだ
僕は榎本に首を振った
(言わなくちゃ)
「榎本ごめんね僕のセイで・・・」
(えっ何で悠が謝るの それに僕のセイって何が?)
「えっ何の話わかんねぇ~んだけど・・・」
僕はちゃんと榎本に謝ろうと思って顔を上げた
「僕が走るの遅かったから・・・」
(何だよ悠はそんな事で・・・ それでさっき変な顔してたのか・・・)
「なんも悠は悪くない それに3位までは得点が付く 誰も悠のセイだとは思ってねぇ~し 俺は一生懸命走ったそれはみんなが見てた 俺は悠と走れてスゲー満足だ」
(榎本の笑顔や言葉に涙が出そうだ)
「それよりも早く行こう 俺腹減った」
生徒が教室へと移動していた
「正臣おせ~ぞ」
僕と榎本が歩いてると 大塚君の大きな声が聞こえた
「ヤベ~忘れてた 悠急げ」
榎本は急に走り出していきなり止まった
「悠ちょっと待った」
僕は榎本に止められた
榎本は振り返り僕の肩に手を乗せ 僕に視線を合わせた
「悠 隆にあまり近づくな うるせぇ~事になるからなるべく膝曲げてろ まぁ~母ちゃん達が居るから大丈夫だとは思うけど一応な」
(あっそうか~ 大塚君と3年生になってからまともに会ってない・・・)
僕は榎本にうなずいた
「やっと来た早く早く」
榎本のお母さんが手招きをしていた
サッカー部の人達が お母さん達の前に集まってスマホを向けていた
そこへ僕と榎本が加わった
「正臣おせ~よ 探しに行くところだっただろう」
「ワリー」
お母さん達に写真を撮られながら 榎本はみんなに謝っていた
大塚君と僕は離れていたし 僕は榎本の前に中腰になっていた
写真を撮り終えるとみんながバラバラになった
「母ちゃん 悠と写真撮って」
榎本は僕の肩に腕を回しておばさんの前へ
そこへお母さんがおばさんの隣へ
「榎本君 私も次お願いしてもいいかしら」
お母さんが榎本と僕にスマホを向けていた
「ありがとう榎本君」
写真を撮り終え僕はお母さんから おにぎりを受け取り榎本と教室へと向かった
「悠の母ちゃん やっぱキレイだよなぁ~」
(悠にスゲー似てる・・・)
「お母さん運動会見るの始めだし サッカー部のお母さん達とどこかへ食べに行くのも 凄く楽しみにしてたよ」
「そっか うちの母ちゃん連中はめっちゃうるせぇ~けどなぁ~」
榎本は嬉しそうに笑った
榎本の教室に着くと 机の上にお弁当を広げたり 教室の後ろで座って食べてる人達も居て みんなの視線が僕に向けられた
(どうしよう みんなが見てる・・・)
「あっ榎本 高橋君」
須藤さんが食べかけのお弁当を持って 僕と榎本の所へと来てくれた
「久しぶりだね高橋君」
「うん久しぶり」
「あれ~なんか高橋君背伸びた?」
「須藤あっちに居なくていいのかよ~」
榎本が須藤さんが来た方へ視線を向けた
「あぁ~いいのいいのところでさぁ~ 私 高橋君が1500メートル走に出るとは思わなかったよ~」
(須藤うるせぇ~よ せっかく悠とゆっくり話せると思ったのに)
「うん 委員長と副ちゃんと一緒だったから」
僕はそう言いながら榎本と座り 須藤さんもお昼ご飯を置いた
「そっか でもみんなびっくりしてたよ特進クラスが走るって・・・ 榎本が榊先生と走ってた時なんてみんな爆笑してたし 私は高橋君が走っててめっちゃ応援したよ」
「ありがとう須藤さん」
(悠が嬉しそうだけど・・・ ぜんぜん悠と話できねぇ~じゃん)
「高橋君は午後も出るのって言うか 高橋君お昼ご飯それだけ?」
「あっうん 午後の競技は綱引きぐらいしか出られないから」
「そっか でもそれにしても少なくない?」
須藤さんが榎本に視線を向けた
「須藤 もう食べ終わってんなら向こう行けよ~」
「え~いいじゃん 高橋君と話するの久しぶりなんだから」
僕は榎本と須藤さんを見ながらおにぎりを口に運んだ
教室に居る生徒はお弁当を食べ終わり みんなはグランドへ
「悠 母ちゃんの唐揚げ」
そう言って榎本は僕に口を開けろと お箸で唐揚げを僕の口元へ
僕は口を開け唐揚げを食べた
(おばさんの唐揚げはやっぱり美味しい)
「榎本ありがとう」
「玉子焼きもいる?」
僕は榎本に首を振った
(須藤さんが居るのに 榎本は自然とこういう事が出来る 僕が逆の立場だったら絶対に出来ない)
「午後の部開始時間5分前です 生徒のみなさんはグランドへ集合して下さい」
放送が流れ 須藤さんが友達と一緒にグランドへ
僕と榎本もお弁当を片付け グランドへと急いだ
(結局俺 須藤に邪魔されて悠とぜんぜん話してねぇ~)
僕はグランドへ下り お母さんを探していた
「悠 母ちゃん達目立つから・・・ この様子だとまだ戻って来てねぇ~なぁ~」
榎本も僕と同じ様に キョロキョロとグランドを見渡してくれていた
「うんそうみたいだね」
そこへ榊先生が通りかかった
「榊先生1人っすか・・・」
「おう悠と正臣・・・」
先生は立ち止まってくれた
「あれ榊先生村上先生は?」
「アイツは仕事あるんだ 正臣 俺そんなにアイツと一緒に居るかぁ~?」
僕と榎本はうなずいた
「参ったなぁ~」
榊先生は頭をかいていた
「村上とは大学からの付き合いだからなぁ~ アイツとは長いんだけど うるせぇ~よなぁ~アイツ昔からそうなんだ まぁ~そのおかげで助けられてる部分もあるんだけどなぁ~」
榊先生は少し照れた様子だった
「悠と正臣もいいコンビだと先生は思う気が合うんだろうなぁ~ そういう友達は大事にしろ宝だからな」
「はい」
僕は榊先生に元気良く返事をした
(先生に言われなくても 俺はいつでも悠を大事に思ってるし宝だ だから誰にも譲る気はねぇ~)
「あっ悠 母ちゃん達来たみたいだぞ」
榎本が言った通り 榎本のお母さんと大塚君のお母さんを先頭に僕達の前へ
「榊先生いつも正臣がお世話になっております」
おばさんは頭を下げた
「あぁ~いいえ・・・」
榊先生はお母さん達に囲まれて気まずそうにしていた
「あっ先生 用事思い出したから行くな」
先生はお母さん達に頭を下げた行ってしまった
僕はお母さんに荷物を渡した
榎本が誰かに手を振っている
(誰だろう?)
「お~い」
藤原君と吉田さんが僕達の所へ
(藤原君と吉田さんだったのかぁ~)
「榎本と高橋君に会えて良かったよ」
「あら~美男美女ねぇ~」
藤原君と吉田さんはお母さん達の言葉にびっくりしていた
「委員長副ちゃん 俺の母ちゃんと悠の母ちゃんとサッカー部の母ちゃん達だ」
藤原君と吉田さんはお母さん達に頭を下げた
「まぁ~ホント美男美女だ」
「さっき悠君と走ってたわよね」
お母さん達に取り囲まれていた
「委員長と副ちゃんも綱引き出るんだろう・・・」
榎本の言葉に副ちゃんが
「私も出てもいいのかなぁ~ 3年生だけど男子じゃ~ないしどうなのかなぁ~」
榎本のお母さんが声をあげた
「こんなかわいいお嬢さんを 男の子と一緒に綱引きしてケガでもしたら大変よ~ 母ちゃん達と一緒に綱引きやりましょう」
吉田さんは榎本のお母さんの言葉に驚いていた
「うんその方がいいね ひとみ そうさせてもらいなよ」
藤原君は吉田さんの顔を見てそう言った
「じゃ~決まりね ひとみちゃんは母ちゃん達に任せて 正臣は悠君とイケメンの彼を ケガさせない様にちゃんと見てなさいよ」
「母ちゃんそれは任せろ」
その時放送が流れた
「午後の部最初の競技は 3年生男子と保護者と先生方による綱引きです 3年生男子は入場門へ保護者と先生方は退場門へお願いします」
「じゃ~ね正臣」
「あぁ~」
お母さん達は吉田さんと一緒に退場門へ
僕は振り返り お母さん達を見た
(僕の見間違いじゃなければ・・・ 僕のお母さんと吉田さんが並んでいた様な・・・)
「悠行こう」
「うん」
僕と藤原君は榎本のクラスへ入れてもらう事になった
「悠緊張してる?」
榎本がそう言って僕の顔を覗き込んだ
僕は榎本に首を振った
(優しいこの榎本の顔をずっと見ていたいなぁ~)
(悠の隣に上手く来れて良かった~)
放送が流れ僕達は入場した
(1500メートル走の時は凄くドキドキしたのに 榎本が隣に居るからなのかなぁ~今は落ち着いている)
「榎本」
「ううん」
「綱引きの練習とかしたの?」
「いいや~ぶっつけ本番だよ だから並ぶ順番とかも適当だし 得点関係ねぇ~からなぁ~」
縄を挟んで榎本と並んだ
(なんだろう急にドキドキしてきた 榎本が隣に居るから?こんなに近くに榎本が・・・)
「悠 俺の間に手を入れて」
(えっどういう事?)
榎本と一緒に縄を持つと 榎本の腕が僕の腕と交差した
音が鳴り綱引きが始まった
僕の肩と榎本の肩がぶつかり 僕と榎本は互いに目を合わせてしまった
(榎本が近すぎる)
(ヤベ~悠がかわいい)
ゆっくりと後ろへと下がりパンパンと音が鳴り 僕と榎本は離れた
「悠 大丈夫?」
僕はうなずいた
(榎本に気を取れてて ぜんぜん綱引きに集中出来なかった まだドキドキしてる)
「今度は悠が俺の前」
「うん」
僕は少し榎本の前に出た
(どうしよう・・・ 榎本と触れたところが熱い)
始まりの音が鳴り僕は縄を持ち パンという音で綱を引っ張った
(何で?なんかさみしい・・・ 僕1人みたいだ 榎本は僕のすぐ後ろに居るのに・・・)
さっきとは違って引っ張っても どんどん引きずられていった
(なんだよこれ 悠が俺のすぐ前に居るのに凄く遠く感じる)
パンパンと音が鳴り
僕は自分の手を見ていた
「悠どうした?」
榎本が僕の顔を覗き込んだ
「あっ榎本」
「向こう多分人増やしたなぁ~」
「うん 凄く引っ張られたよね 僕手が赤くなっちゃった」
僕は榎本に手のひらを見せた
「悠 やっぱ俺悠が隣がいい」
「うん僕も・・・」
音が鳴り3回戦が始まった
僕と榎本はまたさっきの様に 腕を交差させ綱を引き始めた
するとどこからか 大塚君の大きな声が聞こえた
「せ~の」
大塚君の大きな声に合わせて みんなも声を出した
僕と榎本は顔を見合わせ笑った
ゆっくりと縄が後ろへ
パンパンと音が鳴り 綱引きは3年生の勝利で終わった
「凄かったね 大塚君どの辺に居たんだろ?」
「隆の声かなり後ろの方からだろう・・・」
「僕感動しちゃったよ みんなの声も凄かった」
「あぁ~そうだな」
(出来れば俺が悠を感動させたかったけどなぁ~)
保護者と先生方が退場門へ
保護者は記念品を受け取る為並んでいた
僕達3年生はゆっくりと退場門へ
「じゃ~俺一旦席戻るよ 悠は最後まで居るんだろう?」
「うん多分 お母さんに聞いてみるよ」
「じゃ~俺競技が終わったら 悠の所へ行くから待ってて」
「うん わかった」
僕はさっきお母さん達が居た所へと急いでいた
(つづく)
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【完結】この契約に愛なんてないはずだった
なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。
そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。
数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。
身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。
生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。
これはただの契約のはずだった。
愛なんて、最初からあるわけがなかった。
けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。
ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。
これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。
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