悠と榎本

暁エネル

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初詣で

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冬休みに入ってから 榎本から何度か電話をもらい


離れている時間も 前よりかは楽しく過ごす事が出来た




大みそかは 毎年恒例の買い物 


お母さんは受験生だからと 僕と一緒に買い物へ行く事にはためらっていたけれど


僕は無理やりお母さんについて行き 好きな物を買い物カゴへと入れていた


そんな様子の僕を お母さんは嬉しそうに見ていた




年越しそばを食べ 除夜の鐘を聞きながら 僕は明日の事を考えていた





(なんだか眠れない 榎本と会えると思うと・・・)





僕はドキドキして なかなか眠りにつく事が出来なかった






(勉強は大丈夫・・・ 悠に教えてもらった所は全部やった 西高校の過去問題も大丈夫だ・・・ あとは明日悠に会うだけなんだけど何でだ・・・眠れねぇ~)





俺は除夜の鐘を聞きながら これから走りに行って来ようかと考えていた





僕が起きるとお母さんはもう台所へ立ち おせち料理を作っていた


「お母さん おはよう」


「あっ悠おはよう すぐに出来るから座って待ってて」


「うん」


テーブルには重箱が置かれていた





(この中に僕の好きな物が詰まってる 重箱を見てるだけで嬉しくなる)





僕は楽しみに待っていた


「悠 お待たせ」


お母さんがお雑煮を僕の前に置いて席へと座った


「悠 お待たせ」


「あけましておめでとうございます 今年もよろしくお願いします」


僕とお母さんは声を揃えて お互いに頭を下げた


「さぁ~食べましょう」


「お母さん 開けていい」


「どうぞ~」


僕は重箱をずらし 1段ずつテーブルの中央に並べた





(どうしよう どれから食べよう)





僕の好きな物で重箱が埋まっていた


「あっそうだ 忘れないうちに」


お母さんが席を立った


「はい悠これ お年玉」


お母さんはお年玉をテーブルに置いてくれた


「ありがとうお母さん」


「榎本君 何時頃来るのかしら」


「そう言えば僕 何も聞いてないや・・・」





(榎本に会えるという事だけで いっぱいになってて 肝心な事を聞くの忘れてた・・・)





「そう 榎本君と楽しんで来てね」


お母さんの言葉に僕は少しドキドキしてしまった




好きな物がこんなに並んでいると なかなか箸が止められない


僕はおせち料理を休む事なく つまみ続けていた


「悠 もうその辺にしといたら・・・ 本当に悠はおせち料理が好きねぇ~」


「うんだって僕の好きな物ばっかりだし・・・」


お母さんは僕にお茶を入れてくれた


「悠 もう片付けちゃうね」


「うん」


僕は箸を置きお茶を飲んだ





(お母さんが止めてくれて良かった このままだったら多分無くなるまで 食べていたかもしれない)






(あぁ~何かこの感じ久しぶりだ・・・ 緊張って言うかドキドキしてるって言うか・・・ 何とも言えねぇ~感じ 悠が出て来てくれるといいんだけどなぁ~)





俺はそう思いながらエレベーターに乗り 悠の家のチャイムを鳴らした



僕の家のチャイムが鳴った





(榎本だ)





僕は部屋を出て急いでドアを開けた


すると榎本の優しい顔がそこにはあった


「悠」


「榎本 寒いから入って」


「あぁ~」






(悠が出て来てくれて良かった・・・)






(榎本の照れた様なこの顔 久しぶりに見た・・・)






「お母さん 榎本来たよ」


僕はお母さんを呼び 支度をしに部屋へと入った




悠の母ちゃんが奥のドアを開けて出て来た


「榎本君 あけましておめでとうございます」





(ヤベ~悠の母ちゃんの方から 先に頭を下げられた)





俺は慌てて頭を下げた


「あけまして おめでとうございます」


「榎本君 はいお年玉」


「あっすいません・・・」





(また母ちゃんに言われんなぁ~これ・・・)





俺は悠の母ちゃんからお年玉を受け取った


「悠も大きくなったと思っていたけど 榎本君はさらにまた背が伸びたわねぇ~」


「そっすか あざっす」





(俺笑うしか出来ねぇ~ 悠早く部屋から出て来て・・・)





僕が部屋のドアを開けると 榎本が苦笑いをしていた


「それじゃ~お母さん いってきます」


「気を付けて いってらっしゃい」


「お邪魔しました」


榎本はお母さんに頭を下げていた


「いってらっしゃい 楽しんで来てね」






(あぁ~やっとこれで悠と2人になれる・・・ 長かったなぁ~ホント でも2人きりになれるのはエレベーターしかねぇ~)





俺は廊下に出ると 悠のマンションからの景色を見ながらそう思った




僕が玄関のドアを閉めると 冷たい風が吹き抜けた


榎本は僕の手を握りしめエレベーターに乗り込んだ





(えっ 榎本が僕の手を何で・・・)





榎本が1階のボタンを押すと 僕は榎本に引き寄せられ


榎本のくちびるが僕のくちびると重なり 榎本の舌がスルスルと僕の舌を絡ませていた




(榎本何で・・・)





(あぁ~やっとだ~ でもスゲー一瞬)






エレベーターの音が鳴り 榎本のくちびるがゆっくりと僕から離れた





(榎本・・・)




榎本はまた僕の手を繋ぎエレベーターを出た





(あぁ~一瞬だったけど 悠を抱きしめてキスが出来たやっと・・・)





(榎本は何でいきなり・・・)





僕は榎本の行動が理解出来ず ただ榎本に引っ張られ歩いていた



僕のマンションの下で榎本は僕の手を離し いきなり大きな声を出した


「ヨッシャー」





(あぁ~ 今までのモヤモヤが少しは少しは吹き飛んだ・・・ 悠を抱きしめられた少しだけど キスも出来た短かったけど あれじゃ~あれだけじゃ~たんねぇ~けど あとは高校合格してからだ・・・)






榎本はゆっくりと振り返った


「悠 俺ずっと我慢してたんだ」


榎本は笑ってそう言った


「榎本・・・」





(僕もって言ったら 榎本はどんな顔をするんだろう・・・)





榎本の優しい笑顔に 僕は吸い込まれてしまいそうで 必死にそれを抑えていた


「悠 行こう」


「うん」


僕と榎本は神社へと歩き始めた


さっきの出来事で冷たい風も 心地よく感じられた





(悠と一緒に歩いているだけなのに スゲー嬉しい・・・ こんな気持ち忘れてたなぁ~)





神社の階段が見えてきた


「榎本 みんなまだ来てないみたいだね」


「えっアイツら来ねぇ~よ」


「えっ何で サッカー部のみんな来ないの?」


「あぁ~ 今年は悠と2人」


榎本が嬉しそうにそう言った





(みんな来ないんだ・・・ 何でだろう?今年は榎本と2人・・・)





僕の顔が熱くなるのがわかった


神社の階段を上って 僕達は順番を待った


「今年は並んで居る人少ないね」


「あぁ~そうだなぁ~ こんな天気だしなぁ~」





(確かに 去年は凄くいい天気だった 今日は今にも雪が降りそうなそんな天気)





僕達の順番になり 僕はおさい銭を入れる前に 榎本の顔を見た


榎本と目を合わせ 一緒におさい銭を投げ入れた


カランカランと榎本と鈴を鳴らし手を叩いた





(まずは高校合格 そんで悠と離れてもこれからもずっと一緒に居る 自信はある 神様見ててくれ・・・)






(僕が西高校を受験する事を 僕が榎本に言うまでバレません様に・・・)






僕達はお参りを終えて屋台へとやって来た


「悠 何か食おう」


「うん」


僕達は屋台をひと回りした


「悠 何にする?」





(どうしよう・・・ こういう時なかなか決められない)





榎本は屋台を見渡していた


「榎本 僕タコ焼きにするよ あぁ~でも全部はムリだから榎本半分食べて・・・」


「あぁ~いいよ 俺焼きとうもろこし買って来るから悠も食べて あの焼きとうもろこしのニオイたまんねぇ~よなぁ~ あとなんにするかなぁ~」


榎本は嬉しそうにそう言った


あれもこれもと榎本は屋台を回り 両手がふさがるほどになっていた


「榎本 僕が持つよ」


「サンキュー悠」


僕と榎本は去年みんなで食べた所へ





(今年は邪魔者が居ねぇ~から 悠とゆっくりできるなぁ~)





「悠 タコ焼きまだ熱いから とうもろこし先に食べて・・・」


「うんじゃ~いただきます」


僕は榎本が食べた所から口を付けた


「悠どう~? 甘いだろう・・・」


「うん おいしいね」





(マジ悠を独り占め出来るって こんなに楽しくて嬉しい事だったけ 俺顔ヤバいかも・・・)





榎本は嬉しそうに笑っていた


僕はそんな榎本の顔をずっと見ていたいと思っていた



(つづく)


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